保険屋FPひろのお金の教室 -291ページ目

リスクマネジメント―その4

前回 は遺族保障に対してどのような保険が適しているかをご紹介しました。


今回は少し話が逸れてしまうかもしれませんが、しばしお付き合い頂ければありがたいです。



少し前に『FPが選ぶ 自分が入りたい保険ランキング』という記事を見つけ、興味本位で読んでみました本


大体書いてある事は想像できたのですが・・・



『保険のプロ』『保険に強いFP』と呼ばれる方々が選んだものは


なんと


通販の定期保険、しかも10年更新型・・・


しかも選んだ理由は『シンプルでわかりやすいし、しかも安いからガーン


今やちょっと保険を勉強している方なら、遺族保障に10年更新の定期保険が適さないことは常識をなりつつありますし、その様な情報を提供しているメディアやサイトなどはかなり増えてきています。


遺族保障の考え方は前回前々回 に書きましたが、選ばれた商品はその目的に対して見事にミスマッチ。

例えて言うなら10万円のダイバーウォッチを探しているお客様に対して1万円のデジタル時計を差し出して『こちらの方がお買い得です』というくらいにナンセンスです。

目的に適わないものを並べて『高い安い』と言われても判断のしようはありません。

更に言えば高いか安いかを判断するのはお客様であって、提案する側ではありません。


ちなみに通販の定期保険が決して安くない事は私の先輩が見事に証明 しています。

カテゴリー別のアーカイブで生命保険の項目に記事がありますので、良かったら参考にしてみてくださいニコニコ

保険に限った話ではありませんが、雑誌などのメディアに書かれているからといっても必ずしも正しいとは限りませんので、いろんな情報を見比べてみる事をおススメします。


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リスクマネジメント―その3

今日の暑さはすごかったですね。

今日は地元のお祭りだったのですが、地元団体で毎年出しているビール売りのブースが過去最高の売上になったそうです。


気温の差が激しいので体を壊さないように注意しなければなりませんね。



さて、前回のお話 で遺族保障の考え方と言うのは大体ご理解いただけましたでしょうか?

必要な保障を必要な年数分だけ準備する。

そうする事で保険の無駄は省く事が出来ます。


ちなみにこのような考え方に合う商品が、巷で言われる所得保障保険とか家族収入保障保険と呼ばれるもので、ご主人が稼いでくるお給料の変わりに保険金をお届けするという定期保険の一種です。


一家の稼ぎ手であるご主人はもちろんですが、私は奥様にも必要な保障だと思っています。

もっともご主人がかなりの高額所得者であれば不要だったりするケースもありますが・・・

何故主婦にも保障が必要なのかはこちら をご参照ください。

一般的なサラリーマン世帯であれば、専業主婦はもちろん、家系的に奥様の収入が必要なご家庭ではこのような保障があった方が良いと思います。

保険料も普通の定期保険に比べると結構割安だったりしますし、保険金額、保険期間もある程度必要に合わせて設計する事が可能なので、遺族保障という目的に対して最も理に適っていると言えます。


このテーマも長くなりそうなので、続きはまた次回に。


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リスクマネジメント―その2

連日タイミングが悪い雨にいじめられ、ちょっと風邪気味な ひろ です。


ライフプランからの流れなので、今回は遺族保障についてお話しますね。


前回 《『一般的』などと最大公約数的に測る事は出来ませんから。


と申し上げましたが、例としてわかりやすくするためにキリの良い数字を使ってご説明します。


30歳男性 既婚 子供一人 子供の年齢0歳 必要保障期間=定年(60歳)までと設定しましょう。


1年当たりの生活費=300万円だとすると、300万円×60歳までの30年で9,000万円が必要な金額です。


万が一の時、その全てを保険で賄わなければならないの?と言えば、全くそんな必要は無くて、


サラリーマンで厚生年金に加入しているとすれば、遺族年金・遺族厚生年金の金額を算出し、9,000万円から差し引きます。


また、奥様に収入があるのであれば、その年収分も引いてしまいます。ちなみに何歳まで働く意思があるのかも聴かなくてはならないですね。

更に貯蓄があればその分も考慮します。


遺族年金は子の年齢が18歳になると支給停止となり寡婦年金となりますが、その分も合わせて計算します。


ホントにざっくりとした計算ですが、遺族年金がおよそ132万円、18年後からの寡婦年金を90万円、奥様の年収を72万円とすると、30年分の累計でおおよそ5600万円となります。

9,000万円から5,600万円を引いた不足額3400万円が必要額となりますね(かなり乱暴な計算なのですが、ここでは考え方のお話なのでそこはご了承ください。実際は細かくヒアリングした上で必要生活費・必要保障額とも詳細に求めていくのですが、スペースの関係で割愛してますあせる)


では3400万円を30年間保障する保険に入れば良いのか?ということになりますが、実はそうではありません。


必要保障額は経過年度ごとに減少していきます。今年は300万円×30年分ですが、来年は300万円×29年分、10年後なら300万円×20年分となります。

つまり毎年300万円ずつ必要な額は減るという事ですね。

であるなら10年後、20年後には3400万円も必要無くなるので、もし30年間3400万円の保険に入っていたなら保障過剰となります。


と言う事であれば3400万円÷30年で、およそ134万円が毎年必要な額となり、それを30年間もしくは60歳まで保障する保険に入る方が理に適ってると言えます。


ちなみに遺族年金などの社会保障は会社勤めか自営かでも大きく異なります。

ご自身がどのような環境を持っているかも必要保障額を求める上で重要な要素となるのです。


ライフプランと合わせて、『何事も無く無事に人生全うする為にどのような経済的な準備を進めていくのか?』

ということと、

『万が一、一家の大黒柱がいなくなってしまった場合、必要とされる経済的な準備をどのように補完するのか?』

ということは同時に考える必要があるという事ですね。


以上のことから、ご家庭ごとに必要なモノは全く違うので、一般論で考えるべきではないとお伝えしているのです。


生命保険は家族への最後のラブレターと言われています。


自分に何かあっても家族の生活を守るという思いを保険に託すと言う事ですね。

ですから本当に必要なモノは何かということを真剣に考えなければならないのです。