用語解説
前回の変額個人年金で『特別勘定』という言葉が出てきましたので、ここで補足というか、少し用語の解説をしておきます。
保険会社はお客様からお預かりしている保険料を、将来の保険金支払いのために責任準備金として積み立ていますが、この責任準備金は『債権』や『株式』、『貸付』など様々な形で運用されています。
この運用は特に商品ごとに区別があるわけでは無く、保険料として会社が預かったお金をまとめて行い『一般勘定』といい、予定利率を含め保険会社が責任を負っています。
『特別勘定』とは、変額保険や変額年金などの特定保険商品と呼ばれる投資性のある保険契約のために、一般勘定とは別に区別して、その商品ごとにお客様が指定するファンドなどで運用し、運用成果やリスクをお客様自身が負う仕組みとなっているものです。
変額保険は運用を見込んで予定利率が高く設定されていたりするので、同じ保障であれば保険料も少なくなると言うメリットもありますし、運用成果次第では解約返戻金や満期保険金にも期待が出来ます。
変額年金保険
最近、また銀行窓販を中心に変額個人年金の販売が増えてきてますね。
2~3年前には生保各社ともに結構力を入れていて、様々な商品が出ていましたが、リーマンショック以降特別勘定の運用成績が悪化し、この春にはかなりの数の商品が販売停止になっていました。
銀行窓販中心という事は、銀行側からのリクエストが多いということなのでしょう。
変額年金保険は、投資信託と保険がセットになった商品で、運用益が狙えるうえ、運用が不調でも払い込んだ元金が保証される「受取年金総額保証型」が主流となっています。
もともとはリスクを嫌う顧客と一気に数十万円の手数料を稼げる銀行の利害が一致して爆発的に売れた商品で、それがさらなる開発競争を呼び込み、付加価値の高い商品が相次いで投入されてきました。
しかし、『契約者にとってのメリットは保険会社のデメリットになる』典型の商品で、損失を補填してくれる再保険を使ってリスクヘッジしている保険会社では、運用環境の急激な悪化により、今年に入って再保険料が3~5倍に跳ね上がったため、銀行の意に反し販売停止せざるをえない状況になったという経緯があります。
ここで注意して頂きたいのは、この手の商品は「元本保証」では無く、「受取総額保証」とか「年金原資保証」となっている点です。「元本保証」とは似ていますが微妙に違います。
「元本保証」とは、いつでも元本が保証されている状態を指します。ですから中途解約しようと元本が保証されていなければなりません。
「受取年金総額保障」とか「年金原資保証」とは年金として受け取れば元本分は支払われるというもので、もし運用が不調でも払い込んだ金額は確保できますからリスクが低いというわけです。
しかし、見方によっては長期間預けていても元本と同等ではあまりメリットは無いかもしれませんね。
販売する側もキチンと理解していないケースがあり、中途解約時にトラブルとなっているケースもあるようです。
また最近発売された商品を見ていると、特別勘定(用語の解説は別の機会に行いますね)は債権中心の低リスクのものにシフトしており、運用目的としての魅力はあまりなくなってしまったようです。
実はそれも使い方次第だったりするのですけど。
上手にお金を貯めるには
最近の若い方は・・・なんて言うと年寄りじみていてイヤなんですが、世の中、先が見えない分自分を守りたいと言う心理が働くのか、それとも社会保障に対する信頼が無いからなのか・・・
おそらくどちらもなのでしょうが、個人年金やお金が貯まるような保険に入りたいと言う相談が増えてます。
以前も個人年金に関しては言及しましたが、私は若い方が月払で個人年金に加入するのはあまりおススメしません。
なぜならば
○何十年もの間、特定の商品で積み立てるのは、資金の流動性の観点から非常に不自由である事。
○途中で解約した場合、支払った金額に対して返戻金が下回る可能性が高い事。
○現在の低金利で積み立てた場合、将来金利が上昇した場合は不利になる事。
他にもいろいろ考えればキリがありませんが、メリットよりもデメリットの方が大きいと思います。
これが50代位の年配の方が、短期間で安全性が高い方法として選択肢に入れるのであれば分かりますが・・・
一生懸命に個人年金でお金を貯めても、そのお金が使える状態になるまではかなりの時間を要します。
『自分の未来に対する仕送り』という方もいらっしゃいますが、若い方は老後を心配する前にいろいろと飛び越えなければならない『ライフイベント』と言うハードルがあります。
ゴール間際のハードルを気にしすぎるあまり、手前のハードルで転んでしまっては無事にゴールする事は叶わなくなります。
もちろん、いろんな事を考えて、今から少しずつでも準備しようという考え方は素晴らしいと思います。
いろんな可能性を考えて、その時々で有効な選択をして欲しいですね。
将来の見通しが不安定なので『貯蓄から投資へ』と言われても、現在は『投資より貯蓄』となっていると思います。
しかし『お金に働いてもらう』というのは何も投資だけしか無いわけではありません。
もちろんアイデア次第ではありますが、一つで二役にも三役にも使える金融商品はあるんですよ。
つづく