とても後悔したことがあります。
そして最後までやり遂げると言う意味を知った出来事がありました。
今でもこの話を思い出すと情けなくて涙が出そうになります。
私は24歳から27歳まで3年間、国際教育里親グループという団体に参加しました。
会社の上司と世界のために何か出来ることはないかと話をしたら、教えていただいたことがきっかけでした。
入会して最初の1ヶ月の里親会費6千円を振り込んだら手紙が1通きました。
消印はエチオピアからでした。
空けてみるとフランス語の手紙と日本語に訳された手紙、そして1枚の写真とプロフィールでした。
以下手紙の内容です。
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こんにちは。
リカ・バッデンハッツといいます。
私のためにありがとう。
得意なことは早く走ることです。
日本は暑いですか?
またお手紙書きます。
さようなら。
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プロフィールを見ると6歳の女の子でエチオピアに住んでいる子供でした。
兄弟が6人兄弟で上から3番目との事でした。
下にはまだ小さな子供が3人いるため、家の手伝いをしていて、お金もないので学校に行けていないとも書いてありました。
写真を見ると、手足の長い、黒いショートカットの女の子がはにかんだ笑顔で写っていました。
赤いワンピースを着ていましたが、足元は裸足でした。
自分の妹が出来たような感じがして、とても照れくさかったのを覚えています。
会社に行ったときも、リカの写真を見せて「俺の娘」なんて言っていました。
2年が経過して、リカからの手紙は2通増え、3通になりました。
以下2通目の手紙の内容です。
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よしと、こんにちは。
靴を履くと走りづらくなりましたが、怪我しなくなりました。
ありがとう。
日本はとても遠いのですね。
地球儀で見ました。
本を読んで聞かせたりできるようになったよ。
弟と妹にも教えています。
またお手紙書きます。
さようなら。
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この手紙は2年生になっていたのだと思います。
写真が入っていました。
少し大きくなって髪が肩くらいまで伸びていました。
膝丈の黒いスカートに、赤のTシャツを着ていました。
アディダスのランニングシューズを履いていました。
その時初めて靴を買えなかったから裸足だったことを知りました。
1通目の写真とは違い、満面の笑顔でした。
とうもろこし畑での写真でした。
以下3通目の手紙の内容です。
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よしと、こんにちは。
フランス語を話したり読んだり書いたり出来るようになってきました。
3年生になる前に、夢を先生から聞かれました。
リカは日本語の通訳になりたいです。
そしてよしとと会いたいです。
そう先生に言いました。
がんばれって言われました。
いつか会えるように日本語の勉強をします。
よしとは体に気をつけて待っててください。
またお手紙書きます。
次は日本語で書きます。
さようなら。
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写真が入っていました。
日本の地図を持ったリカが、とっても嬉しそうに写っていました。
涙がこぼれました。
何度も手紙を読み直しました。
やっぱり涙が流れました。
写真は少しお姉さんになった感じがしました。
髪も伸びていて、UPにしていて可愛かったです。
そして、別れがきました。
私が、その後仕事が忙しくなりバタバタしていて2ヶ月ほど振り込まなかったことがあって、団体の理事の方から連絡があったんです。
長野から神奈川にわざざわ来られて面会してお話しました。
その方がおっしゃったのは以下の話でした。
「リカはあなたの振込みがなければ、学校にも行けず、家のお手伝いをしています。
でも、家計も助けていたので家族の目は冷たくなってしまいます。
弟と妹の食事もままならない状態です。
キチンとしてあげてください。
これからも里親を続けるならば絶対に振り込んであげてください。
絶対が出来ないのであれば、考えてください。」
私は涙が止まりませんでした。
いろんな話を聞きました。
そして知りました。
リカが私の事を日本にいるお兄ちゃんと言っていること。
みんなに自慢をしていること。
私の手紙を学校で読んでいること。
何も知らず、ただ、6千円だったらという気持ちで始めてしまったこと。
そして、何よりリカの気持ちを考えていなかったことを情けなくなりました。
理事の人に言いました。
「必ず振り込める自信がありませんので、里親の権利を放棄します。」
そして手紙を書きました。
以下が手紙の内容です。
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リカ、がんばって通訳になってね。
そしていつか会いましょう。
そのときは頭を下げて謝るからね。
体に気をつけてお元気で。
よしと。
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未だに後悔しています。
最後までリカを里親としてやり遂げなかったことを後悔しています。
仕事や家族に対しても知人友人に対しても同じだと最近思います。
最後までやり遂げるということは、その人と何があってもどんなことがあっても生きているうちはやり続けることだと思います。
なぜなら終わることはないからです。
仕事でも、友達付き合いでも、家族でも、上司と部下でも、何かを一緒にしていれば終わりはありません。
今も涙が止まらなくて仕方がありません。
絶対にこのような後悔をしないためにも、自分の責任だけは果たせるよう、リカとの出来事を忘れずに生きて行こうと思います。
いつかリカに頭を下げにエチオピアに行こうと思います。
最後までやり遂げられなかった事に対してケジメを付けに行こうと思います。
皆さんに対しても、言ったことは最後まで責任を持って最後までやり遂げれるよう、リカを忘れず精進しようと思います。