本当の試練は、何気ない日々の中に
何かに挑戦したり、トラブルを回避したり、試練と呼ばれるような出来事は、人生の中にたくさんあります。大きな試練を乗り越えたときは、達成感や感動も大きいですよね。でも、毎日の生活は、大きな試練だけでできているわけではありません。日々の生活に隠れた試練映画やドラマ、小説などはエンターテイメントですので、非日常や特別なことを扱うことが多いです。大きなプロジェクトを成功させた!大恋愛を実らせた!地球を救った! など。それ以外のささやかな日常は、描かれることが少ないですよね。人の興味を引かないからです。大きなイベントごとに隠れた、その地味で目立たない部分は、スポットライトこそ当たりませんが、それ自体が試練でもあります。時間通りに起きる、家事や雑事を片付ける、継続的に仕事をこなす、子どもやペット、植物の世話をする、などなど。大きな試練に比べたら、とても軽いことのように感じますが、捉え方は人それぞれ。積み重なるとかなりの労力がいりますし、当人が義務感に縛られて、「しなければならない」と思っていると、これが意外と負担が大きいんですよね。繰り返すこと、維持することの大変さ。短距離走の方が好きな人にとっては、マラソンのペース配分や、モチベーションの維持が難しいのです。ただ一瞬だけ全力を出せばいいというものではなく、長い期間の中で、A地点でもB地点でも折り返し地点でも、平均して一定のパフォーマンスを保つ技術。見えにくいですが、これはすごい力です。継続力が試される「日常」という試練継続する日常という試練を考えるときにわかりやすいのが、習慣や行動を変えようとするときです。セミナーに参加したり、自己啓発やノウハウ本を読んだりすることで、これいいな~と思う考え方や習慣が見つかるとします。それを取り入れた自分や先の生活を想像するとわくわくして、もう大丈夫だ、未来は希望に輝いていると感じます。ところが、三日後にはそのときに感じたわくわくや希望などは露と消え、漠然とした気だるさの中で、いつものようになんとなく毎日をダラダラ過ごす。文字に起こしてみるととても切なくなりますが(笑)、これは鉄板のあるあるです。「本当の試練とは、何気ない毎日の中にある」ということが、よくわかる例です。自分の望むような生活スタイルや習慣をつくり上げ、それを維持すること。目に見える大きな試練とともに、捨て置けない大切なことです。むしろわかりやすい試練よりも、強い精神力と持久力を要求されるかもしれません。見過ごしがちですが、「隠れた大きな試練」という心構えをちゃんと持ち、日常という魔物に絡め取られないようにしましょう。Fortune Therapy 湊 夕季