各社から新商品タイヤが出まくりです。
まぁ、これにはいろいろ事情 (新 ISO5775 ガバガバやった基準揃えてちゃんとしようぜ的なやつ) もあるのですが、これからの自転車業界における変化や規格基準の変更の大前提には、”今の自転車は昔の自転車より早い乗り物になったといえる” という前提条件があると思います。
そんな乗り物でパンク時に脱タイヤとか恐怖でしょ。でもどうしようもないリムって世の中にはあるんで、怖いんです。ちゃんとしたメーカーにはそこまでのものは無いけど、今まで以上にちゃんとしようって業界が決めた(決めるように怒られた?)わけですね。で、タイヤもそれにきちんと合わせて商品を出し直しているわけです。今までのが悪かったではなくて、さらに精度を揃えたものと考えてください。
なんにしても、最後はヒューマンパワー。といえども、機材が時間を使いながら、着実に進歩したことは間違いないのでそこは脚力のみってのももったいないです。タイヤに求められる要求条件や環境条件も大きく変化してきています。
今回は、ビットリアCORSA(G2.0) RUBINO PRO コントロール(G2.0) マキシスハイロード マキシスレリックス パナレーサーRACE A EVO4 コンチネンタルGP5000 を試してきました。全部クリンチャー。チューブレスのテストはまた後日。
ヘタレ足でどこまでわかるんだって自問はもう何万回もしてきましたが、自分で試せば何かは出る!試さない豪脚より試す貧脚(俺やんw)、喋らないバイリンガルよりしゃべくり英検4級(俺やんw)というわけで、レッツテスト!
各モデル タイヤ幅はすべて 700x25c です。
①装着ホイールはシマノ・アルテグラホイールWH-6800です。このホイールを使用するのは僕がタイヤ試すときの固定されたシチュエーションのひとつ。フライホイール効果が少なく、剛性もそれほど高いわけじゃなく、タイヤだけの感触を知りやすいと思っています。ホイールの勢いに引きずられたくないので。実際、ホイールヒャッハーの誤差はあるんですよ。自分には。
②装着チューブはTIOGAウルトラライトチューブ。薄く精度が高く、タイヤ下で無駄な反発をしないし、当店で一番売れているチューブでもあるので。また、耐パンク性は穴開けて試したくないので構造的な情報からの判断と乗車時の変形感触から評する。
③テストライダー側の条件は錦織の体重は60キロ 空気圧はまずは全商品7気圧で揃えて走り、その感触に合わせて変更しました。乗ったバイクは去年の夏からツーリングロードとなっているコルナゴのCX-ZERO。手持ちの中ではカーボンフレームよりも振動がわかりやすいかな~と。コースは彩湖運動公園(駐車場が無料でコースに近いから、変えて、また走ってがしやすい)なので長い上りやテクニカルな下りコーナーはありませんので、そこに深くは言及できません。そこに深掘りできるほどの技も脚力もないので。
④テスト距離は設定せず。感触が言葉にならなければ、さらに走るし、感触がなんとなく言葉になりそうなら切り上げてまとめる。ただし、各空気圧で5キロ以上走る。評点は0.5点刻みの5段階にフィーリングでさらにプラスマイナスを加えるというわがまま雰囲気評価。オール5連発を回避したいからだと思ってください。
⑤そして、タイヤテスト前の自分の儀式。シマノRS-500クラスのホイールにビットリアザフィーロ装着のホイールセットでちょっと走る。このときのザフィーロ25Cを評価点の”2”として自分内に設け直す。ザフィーロをディスっているわけではないです。完成車から初めてタイヤ変えるお客さんの「うわぁ!タイヤ変えるとすご~い!面白い!」のためにインプレしていると思いながら走ると自分の中でインプレコメントが出てくることが多いから。
そういうわけで、、、無駄に長い文章は基本スペックだから。最初に許して下さい。
①ビットリア CORSA (グラフェン2.0)
もういい加減、コルサ・ウルトラマグナムとかコルサ・アンヌンツィアータとかなんか世代をぶった切るネーミングにしてほしいのがコルサ。CXとかいろいろ追加コードもあったけどね。自転車マニア同士でも あれ?いつのコルサの話をこいつはしているんだ? みたいになりやすいw 今の最新モデルはグラフェンが第2世代になったので便宜上 G2.0 と追記しますね。
チューブラータイヤのプロ使用率も非常に高く、薄くしなやかなケーシングの上に真円度を意識しながら乗せられたトレッド。全体を硫黄処理しないことでオープンチューブラーとメーカーが言うわけで、他のクリンチャータイヤとは構造がちょっと異なるです。
詳細は、ウェブだとシクロワイヤード https://www.cyclowired.jp/news/node/292819
が情報量多いと思います。
ハイパー変形しやすい箱 誰だ!六角形でデザインしたやつは!輸送コスト考えろ!
(僕が言ったんじゃありません)
薄ペタ~な構造。初めてだと装着した時に「おいおいこんなにぺったんこで大丈夫か」と不安になるでしょうw
ぺたいw 空気入れる前に不安で電話してきた人がいますが、わかるよ~♪
これ、タイヤとして大丈夫なのん?みたいな不安を最初だけ感じさせてくれる。
タイヤサイドに向かって縦溝が密に入るトレッドパターン。路面へのパターン干渉を狙っているのではなく、変形量を溝とコンパウンド両面でコントロールしている感じ。実際すごく良い。地味に効果あるのはトラック競技用タイヤなどでの評価の高さでも証明済み。(トラックタイヤは片側のみライン彫り)
ビットリア CORSA (G2.0) -錦織私見-
転がり感 ★★★★★ 5+ 最高に良い
グリップ感 ★★★★★ 5+ 最高に良い
左右に振ったときの変形感の気持ちよさ ★★★★★ 5+ 最高に良い
急に加速したときの進行方向への向けての引っ掛かりのなさ ★★★★★ 5
トレッド耐久性 ★★☆ 2.5 厳しく評点
耐パンク貫通性(サイド部まで含む) ★★ 2 かなり厳しく評点
コストパフォーマンス ★★☆ 2.5 厳しく評点
「グラフェンCORSAが登場したとき、おぉ!これぞコルサ!レーシング!と感じつつも異常なまでの価格にドン引きしたのですが、その後価格も落ち着いて、ついに出たのがグラフェン第二世代。当店的にはコレを待ってた!って感じ。
乗った感触は、”これぞまさに純血のレーシングタイヤ” と呼べるもの。7気圧でもスルスルと加速するし、6.4気圧まで下げても腰砕け感が無く、8気圧まで上げてもタイヤ側で振動を始末している感触は超ヤヴァイ。自分が一番好きな感触は6.7~7気圧かなぁ。新品だったのでもっと馴染みが出たら、さらに微振動の始末は向上するだろうなぁ。いいなぁ。
バイクを左右に振っても、急にガンと踏んでも、何ら引っかかりも無く、バイクを倒せば過剰でも不足でもなくスムーズにグリップ感が立ち上がる。不安感無し。異常な高圧でもかけない限り、ズルっと逝かなそうなこの感触、素晴らしい。
この構造で勝負しようとすると他社は絶対勝てない。コンパウンドの転がり抵抗値とか、そういう個々のファクターでの積み重ねとはまた違って、もう歴史とかそういうのとグラフェンで結びついちゃっている感じ。王道。
王道って言葉も軽くなっちゃったけど、まさに王の道なんですよ。(同じやんけ!いやでもわかって!キングのロードやねん!) とにかくタイヤが全部の感触にリンクしてる感じ。こういうのを エモい っていうんでしょ? 店長、知ってる!
トレッドの耐久性は初代グラフェンの”性能いいんだけど、どんどんゴムなくなる”感から大幅にアップデートされたとのことですが、それでも純粋なレーシングタイヤであるがゆえに高い評価は出来ないかなぁ。でもホビーライダーであれば十分な期間持たせられるし、評点下げたくないけど、、、、値段の高いタイヤだし、重箱の隅をつつく減点!オール5を連発するためにインプレしに来たんじゃぁない!だから初っ端から最強レースタイヤCORSAをテストしとるし!サイド部は間違いなくデリケートだし。
サイドに関しては、言い方はすごく悪いけど、サイド切ろうと思ったらわざとゴリゴリにやれば、切れるレベルでデリケート。もちろん25cでサイドカット狙うって、高めの縁石にガリガリやるレベルで犯罪行為?なので、過剰な心配は余計ですが、ガッといって、サイドがバカっと切れて、チューブプク~ってなってバスん!ってなるのはコルサ乗りの通過儀礼。
集団から千切れて、リタイヤするための言い訳がほしい時にわざとやれば、、、いやいやそんな気持ちに絶対ならないくらい、このタイヤはライダーを走らせてくれる。
CORSA 好きな人はタイヤも含めて、自転車全体に一本筋の通ったフィーリングを求めたい人が多いように思います。僕はわりと、部位部位に、特殊能力があって、3段変形でetcみたいな部位ごとの感触を味わうのが好きな方だけど、CORSAはバイクの尖った部分をまとめちゃうんじゃないかってくらいタイヤ側の懐が深い。神。 (タイヤに神ってwww)
ただ、これは本当に勝手なことを書くようですが、10年後にこのタイヤ構造、トップモデルとして君臨し続けられるのかなって感触もある。自転車側のフレーム剛性が上がって、ホイール剛性が上がって、ブレーキ性能が上がって、もしもグラフェンや4コンパウンドの投入がなかったら、ビットリアの今のポジショニングって絶対にないと思うのです。コルサもそう。ロードタイヤ全体がMTBに寄っているって書くと乱暴だけど、構造的なもの、パターン的なものが変化しているのは間違いなくて、コルサだけが最後の血統な感じ、、、誰かわかってもらえんやろか。。。
だから、もしかしたら、いずれケーシング構造を大きく改変した、それはもう全く別なレーシングタイヤが コルサ を名乗る時代も来るのかもしれない。そして、今のコルサを年金もらう年齢になった我々が、縁側で語りながら懐かしむのか、、、わかんないけどw そんときはコルサの名前から、コルサ・ホニャララ・マキシマムみたいな感じに名前だけは変えてほしい。
最後の純血のレーシングタイヤ。かもしれない。コルサG2.0は全く新しいっていうよりも、ロードバイクタイヤの今までの純度の高い何か全部。(もっともらしいけど身のない文章だなw)
僕は タイヤにはお金を掛けたい! って思ってほしいし、このタイヤを試せば、お金をタイヤに掛ける意味は 良くも (コスト高の点で)悪くも 深く理解してもらえるはず。
ホイールスポーツ、タイヤスポーツである自転車を愛するためにもコストで割り切らない最上級=コルサG2.0 を知ってもらいたいな~と思いました。良きタイヤ!以上!」