クリンチャーモデルのアジリストFASTは、”転がり感が軽快でいいんだけどトレッドゴムの飛び散り具合が気になる”という私見で店頭常時在庫にはしませんでした。同様の感想を持った人も一定数いるだろうし、気にならないという人もいらっしゃいました。そもそもが超レーシングタイヤなので、寿命というファクターに重きを置きすぎるものでも無いと思っていますが。
で。TLRモデルのアジリストFAST ですが、コンパウンドがクリンチャーと比べて変わったこともあり、転がりの軽さとゴムの感触がすこぶる良くなったように感じました。
他社TTタイヤとかスピードタイヤほどのシャー!!!っていう直線的なシャープさには、ほんちょい及ばないと感じましたが、その代わりに反応が良くしっとりした食いつき感があります。とても良いTLRタイヤだと思いました。
タイヤの芯の強さのあるほうが好きな人にはしなやかすぎると感じる人もいるかもしれません。自分はそのタイプではないので好感触でした。トレッド直下にエア保持層を置かないという構造は転がり抵抗を下げる方向にポジティブに働くとも言えるし、その部分のダメージがケーシングとトレッドのぷっくり剥離を呼んじゃう怖さもあります。いまのところではそういうケースは当店では出ていません。
商品説明としてはこちらが読みやすいと思いました
一点、注意すべき点は、パナのタイヤはほぼどれもそうですが、保護ワックスの量がめちゃ多いので、装着前に薄い中性洗剤で洗ってからでも、圧力かかると結構な量のワックスが出てきます。
おれの手垢じゃないよ!? グローブしてるょ(汗)
前に他のホイールで試乗したときには一皮むけたタイヤだったので気にしなかったのですが、新品タイヤを準備しているときに(たまたまその個体がそうだったのかもしれませんが)ワックスどっちゃり出てきたので。普通のアジリストよりワックス厚いんかもしれません。
やわらかい布で少し強めにゴシゴシするか、ぬるま湯みたいなので洗ってから走り出してもらうほうが良いです。
これからヒルクライムなどで軽量なタイヤや転がりの軽いタイヤをシェイクダウンする人も増えると思いますが、 ワックスと山にある尖った小石 の組み合わせは効果音的には ”トスッ!” ってくらい簡単にトレッドに刺さります。なんならワックスでそれ助けてるくらいなんですよ。
タイヤの均しとコンディショニングというのは非常に大事です。走り終わって乾拭きするだけでもタイヤのコンディションは良い方向に変わります。
パーツクリーナーなどはゴム質を悪くしてしまうので使わないほうがいいです。使わないほうがいいですが、、、濡れた路面でワックスベタベタの状態で走り出すくらいならゴム質痛めたほうがマシってこともあるかもしれません。そんなことにならないように装着したところから、ひと手間をかけましょう。
写真の新品タイヤも二度ほど水拭きしてからは、ワックスがぽろぽろ出てくることはなくなりました。とはいえ、実走行の均しはオーナーさんにお願いしてお渡しします。
あとは、ふかふかの高級絨毯の上でワックスてんこもりのタイヤ交換をしても誰かに怒られたりしないとか、誰かが掃除してくれるって人以外は、掃除しやすいところでタイヤ交換しましょう。 ミシュランとパナレーサーは経験上、ワックス厚めな気がします。