◆今日の一言
No.413(07/3/25)

『できない営業マンは、契約を取るのが仕事だと考えています』





最近は執筆の締め切りが迫る中、就職相談や卒業挨拶が相次ぎ、慌しくも充実した日々を過ごしています。

さすがに、昨日のFUNゼミは自分でも「なんだ、この疲れた表情は…」と思いました。


今日はお昼から、西南大・国際文化3年のNさんに、外資系の保険会社で働く友人を紹介し、色々と考えさせられる有意義な時間を過ごしました。

その後は福岡女子大2年のNさんと会って韓国語塾のテキストをチェックし、その後は西南を卒業して明日、東京に行くM地君と語り合いました。


さて、今日の本題。

説明会では、優秀な学生をつなぎとめようと、ついつい「きれいごと」ばかりを話し、具体的、現実的な業務については何の説明も行わないのに、「君の志望動機は浅い」と文句を言う会社もありますが、そういうのは会社の説明力不足でもあります。

会社が売る何よりの商品は「仕事そのもの」なわけですから、「せずにはいられない!」と若者を動機付ける業務説明ができない人事担当者は、社内に愚痴と非能率を蔓延させた責任を取り、解任すべきでしょう。

そもそも、そういう人を人事担当者にした経営者も見識が疑われます。ぜひ、『貞観政要』でも読んでほしいところです。


若者をストレス解消の道具にする前に、言いたいことがあったら、やることをやってから言えと言いたいところです。


若者は言葉も経験も未熟ですが、だからこそ、よく上司や年長者の「行動」を見ているもので、若いからと侮ってはいけません。若者は意見を言葉にできなくても、大切なことは注意深く感じ取っているものです。

人の評価はいつも、「何を言っているか」ではなく、「何をやれているか」で見極めるのが適切です。言葉は、信用の担保材料にはなりません。上に立つ者ほど、体で語らないといけません。

メルマガ第412号には、三名の方から共感のメールを頂きました。あれと同じで、採用には企業側の責任も多いのです。もちろん、だからといって学生が手を抜いていいという理由にはなりませんが。

Nさんも、様々な業界の魅力に触れるうち、金融業界にも可能性を感じ始め、「具体的な仕事の話が聞きたい」と聞いたので、今日は珍しく、友人を紹介しました。

今日の一言、「できない営業マンは、契約を取るのが仕事だと考えています」は、その友人が後半でサラッと話した言葉です。


今日の話のポイントをまとめてみると…



①保険、とりわけ金融業界の仕事は、「偏見との戦い」である。

②その偏見を打ち破り、期待と信頼に変えるには、当たり前の継続以外に方法はない。

③契約した後に高まるお客さんの気持ちを汲み取り、どこまで迅速なサービスが行えるかがやりがいや楽しさを決める。

④義理、人情、プレゼントの「GNP」も確かに必要なのだろうが、お客様は何より「金融商品」を買われたのだから、責任を持って契約後のフォローを行うべきだ。

⑤本当の仕事は契約後からやっと始まるのに、ダメな営業マンは「契約を取ること」を仕事だと勘違いしている。


というものでしたね、Nさん。


こうしてメルマガで並べてみると、「そんなことは分かっている」と言う人もいますが、「頭では分かっている」なんてのは、1%の理解にもなりません。

実際にその業務、しかも「完全成果主義」という勤務形態で結果を出している人から仕事の話を聞くと、「普通の言葉」がいかに重く、カッコよく響くことか…。

「できる人ほど、フツーのことしか言わない」という事実を、今日はNさんと一緒に、改めて再確認できました。


こういう社会人同志で毎週集まり、実務能力向上と人脈・情報網拡充を目指すミニ勉強会を明日から定例開催するので、新社会人として良い習慣を身に付けたい方は、ぜひご参加下さいね。


『トップセールス研究会』
(毎週月曜19:30~21:00)

■第1回テーマ…『飛耳長目』(担当:小島尚貴)
(20代を通じて行ってきた人脈構築・拡大の考え方についてのミニプレゼン)
■場所…赤坂ベローチェ
■参加費…\200
■申込
chance-maker.nao@ezweb.ne.jp
(小島)まで、人数を添えてお願いします。

週によっては不参加の時もあるでしょうが、「情報だけでも欲しい」という方は、そのように知らせて下さいね(携帯から)。


皆さんにとっての「仕事」とは、どのようなものでしょうか。

「会社に行くこと」

「言われたことを嫌でも続けること」

「いずれはやめるもの」

「やりたくないが、生活のためには仕方ない反復強制作業」

「できるだけ責任を引き受けず、できるだけ多くの報酬を得たい作業」

「何をしたいかは選べず、何をやるかは運任せ」

と言う人も、社会人の中にはいます。



要するに、「仕事と呼べることは、何一つしていない」ということです。

これらの定義の中には「相手」の姿はこれっぽっちも存在しておらず、相手がいない作業はみな、やりがいがないものです。


人は誰でも「自分が仕事だと思うこと」をやるので、その人が仕事そのものにどのような定義を持っているかは重要です。

きつい、嫌だ、やめたい、逃げたい、したくない…

そんな感想を持つ人は、自分の間違った定義によって苦しんでいるだけで、会社のせいでも、上司のせいでも、仕事のせいでもありません。ただ、自分の頭で自分を虐待・搾取しているだけなのです。


採用の問題は企業側に起因するものも多くありますが、社員の方でも、多くの選択肢の中から「ここだ」と決めたからには、仕事に関して「人のせい」にできることは、何一つ存在しないと覚悟せねばなりません。

「人の価値はお金では計れない」などと言おうが、給料は「その人の値段」です。

そもそも、お金というものは、物事の価値を測ることをもってその究極の存在意義としているので、「お金で価値は計れない」などという言葉は、よっぽど芸術的なものや精神的な要素を説明する時以外は、全く現実性を欠いた発想だと言えるでしょう。


「営業はきつい」と言う人もいます。

しかし、それをもって「営業とはきつい仕事」だと考えるのは間違っています。

その人はおそらく、「きつい仕事」を恐れる余り、きつさを避けようとして知覚過敏になり、自分が逃げようとしたトラップに自らはまりこんで、しなくてよかった余計な「きつい仕事」にはまり込み、「営業=きつい」という目標を達成しただけです。

「ほーら、やっぱりきつかった」とか言うのは、何の自慢にもなりません。


「きつい仕事だから、きつい」というのは、このように、思考の前提から考えて明らかに間違った発想です。

「きついと思ったことが、きつい」というのが正しい認識です。

大事なことは、その人が何をきつい、楽しいと思っているかです。

営業における本当の達成と真の成長を想定し、「営業とは、素晴らしい仕事だ」と思っている人だけが、そこに至るまでのプロセスにめげず、最後は想像したとおりの営業を成功させます。


マネー塾の第①回には、「未開人は、矛盾に鈍感だ」というレヴィ・ストロースの言葉を紹介しています。

自分で勝手にやる前から「きつい」と想像し、本質的な意義を考えることなく、仕事をやる前から「仕事はきつい」、「営業は大変だ」と言っている人も、スーツは着ていますが、「未開人」と言ってよいでしょう。

このような未開人は、そもそも「仕事自体」が嫌で嫌でたまらないため、何をやってもきつくなるのに、相変わらず「私にぴったりの仕事、ないかな?」などと考えるものです。

未開人とは、自分の思考的前提の矛盾に対する自覚がないので、どのような忠告も無効となる点では、「ガン」よりも恐ろしい病気を抱えているといえます。


その未開人が営業をやると、「契約を取るのが仕事だ」という、「君、ほんとに大卒?」と思うような倒錯心理に陥ってしまうのです。

契約なんて、営業でもなんでもなく、「営業の準備」に過ぎません。

お客様から考えれば、契約は「この人と付き合って良い」という承諾であり、「人間関係のスタート」です。それを「ゴール」と考えるなんて、やっぱり、どうにかしています。

こういう人に限って「営業、きついっすよね」とか「営業やめたいです」と言いますが、僕はいつも、「ていうか、あんた、まだ営業なんて何もやってないじゃないか」と答えることにしています。


仕事や人間関係における成功の極意があるなら、それは常に、「ここまでやるか」と、良い方向に相手の期待を裏切ることによって成り立ちます。

お客さんでも学生でも、人は誰でも、「自分を他の人より大切にしてほしい」と願っているものです。

そのような相手の想像、関心のありかと度合いを見抜き、誠心誠意、当たり前の基本を続け、「ここまでやってくれる人はいない!」と感動したら、人はその営業マンを誰かに紹介せずにはいられなくなるものです。


従って、2年ほど前に本メルマガでもご紹介したとおり、ここで、「トップ営業マンとは、営業しなくてよい営業マンである」という領域に到達するわけです。

本当にできる営業マンは、機先を制して相手の要望を見抜き、スピーディで過不足ない対応ができ、自分が持つ財産を惜しみなく人々に分け与えます。

世の中に無数に存在する「できない営業マン」は、いつもいつも自分の契約のことばかり考えているため、できない営業マンがその定義に従って頑張ってくれるほど、「できる営業マン」はますます輝いていくわけです。


できない営業マンは、成績不良からどんどん居場所がなくなり、「譲れないものは何か」という無意味な執着にこだわり、ますます成績を下げていきます。

一方、できる営業マンは、常に「与えられるものは何か」と考え、お客の視点で勉強と努力を続けます。

これは、就活でも全く同じではないでしょうか。


できる営業マンのように接してくれる人は「100人の中に1人」もいないため、人々は争って「あなたのお客さんになりたい!」と行列を作ります。

一方、できない営業マンは見込み客を目指して行列を作ります。

このような単純な事例の比較からも、「何を営業と思っているか」が、行動や結果、人生の全ての結果に至るまで、あらゆる要素を決定する前提条件になるのが、よく分かりますよね。


社会人の皆さん。

できる営業マンになりたかったら、遠くの見込み客を求めるよりも、目の前にいる身近な人々から満足させていきましょう。

身近な人の信頼を得ずに、遠くの人の信頼を得ることは不可能です。


「んなコト言っても、オレの周りには学生しかいねーんだよ!」と思うでしょうか。

その考えは間違っています。

確かに、「今」は学生でしょう。しかし、「今」しか考えないから、相手が学生にしか見えないだけではないのでしょうか。


その人を「ただの学生」と考えるのは、自分の視野が狭く、視点が短く、器が小さいだけです。

その人は、そういう営業マンの前でだけ、「ただの学生」なのであって、見る人が見れば、ダイヤモンドの原石でもあります。

それを短期的にしか考えず、「今の姿」で可能性を判定するような人こそ、「ただの営業マン」です。


なぜ、もっと先を見て、相手の可能性を大事にしてあげないのでしょうか。

いつも「相手の今」ばかりを見て付き合ってきたから、「ここぞという時」に誰も応援してくれず、飲み仲間は多くても助け合える人脈はゼロ、という結果になったのでしょう。

できる営業マンは、「契約後から仕事は始まる」と考えます。要するに、相手が今どういう状態であれ、「相手の可能性と付き合う」ということです。


みんなで各社、各業種の「トップセールスマン」を目指してお互いを高めあう「トップセールス研究会」の発展が楽しみです。

「お客が続々寄ってくる」という営業マンになり、会計とセールスの本質を実践を通じて身に付けたい方は、ぜひ一緒に楽しく勉強していきましょう。

面接の何倍も大変な営業も、トップを極めた人たちと学べば、自然と楽しく捉えられるようになり、結果も必ず出ます。

学生の方は、社会人になれば参加できるので、今から楽しみにしておいて下さいね。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

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◆今日の一言
No.412(07/3/24)

『役に立たない社員がいるなんて言う社長は、バカ社長だ』(本田宗一郎)





昨日はお昼から西南法3・Kさんの「信託銀行」の企業研究を一緒に行い、夕方から西南を卒業したM君のお友達の相談に乗り、夜からは大濠ミスドで西南経済3年・MさんとTさんとお話しました。

相談を終えて改めて気付いたのですが、僕にはやっぱり、かわいい学生さんたちの就活をさしおいて「執筆」に専念するなんてできません…。

ということで、「下巻」の執筆はちょっと延ばし、しばらくは学生さんたちの相談に本腰を入れることに決めました。



この間、内定報告や就活の近況報告、勤務先への引越し報告などのメールを下さった皆さん、週末には返事を書きますので、しばらくお待ち下さいね。


さて、今日は久しぶりに「ああ、あの手の話か」という話を聞きました。

それは、「大量内定」です。

内定の中には、真剣に会社を選び、過敏な精神状態で連絡を待ち、ちょっとした電話やメールにも細心の注意を払う時期の学生さんに、「肩透かし」のようなタイミングで訪れるものもあります。

もらってしばらくは「精神安定剤」のような役割を果たすのかもしれませんが、大事なのは学生が「本気を出し切った」と自覚しているのを見定めて結果を知らせることでしょう。


いくら「内定は通過点だ」と言っても、就活中の学生にとっては、やはり内定がもらえるかもらえないかは重大な関心事であり、話を発展させるためにも、まずは学生の視点に合わせて考える必要があります。

いくら業界や企業選びに迷っている学生とはいえ、「え?これで内定?」と思うような内定をもらっては、かえって迷いや当惑が深まるだけではないでしょうか。

不採用通知も内定通知も、相手の努力と熱意への正当な評価として、礼儀を添えて提出する必要があります。いくら自分が「採用する側」で、相手が年下だといっても、そういうところを粗雑にしていいものでしょうか。


企業の中には、毎年退職者が多く、内定辞退も多いため、そういう状態を見越して他社より先に選考を開始し、早めに「内定キャンペーン」を行うところもあります。

「早く内定を出せば安心し、他の業界の魅力を知る前に就活をやめてくれるだろう」という期待から行う、自信のない選考姿勢です。

本当に自社の業務やビジョン、勤務条件や待遇に自信がある会社なら、「たくさんの会社を見て、うちがいいと思ったらぜひ一緒に働こう」と言うものです。


もちろん、中には「内定さえもらえればいい」と考え、企業のこのような狙いに自ら喜んではまる学生もいますが、そういう人はいずれ自己の浅い思考を悔やむもの。

大半の学生は、結果以前に、自分を大切に見てほしいはずです。いくら未熟であれ、粗末な選考で返事を出されては、誰だっていい気はしないでしょう。

たとえその返事が不採用だったとしても、「私はこれが足りないんだ」と深いところで反省させてくれる返事なら、それはそれで有り難く、後々振り返ってみれば貴重な経験として感謝できるものです。


今日驚いたのは、「辞退させていただきます」と伝えた途端に相手の態度が変わり、無愛想な口調で責められてびっくりした、というものでした。

自社の選考を受けてもらい、最後まで自社が定めた基準をクリアしているかを見極め、「内定」という返事を伝えて、辞退された…。

このプロセスのどこに、「学生を責める理由」があるのでしょうか。辞退されたのは、純粋に自社の魅力不足が原因です。ならば、責められるべきは自社の業務内容か選考方法でなければなりません。



「告白して、ふられた途端に相手の悪口を言い始める」ような人に会うと、誰だって腹が立つでしょう。

「内定」をもらったのは、「仲間になれる資格がある」と認められたことではありますが、それで「入社」ではなく、入るかどうかは学生に決定権があります。

不採用だから、今後の就活のためにアドバイスを行うのは、チャンス喪失の悔しさはさておき、まだ理屈が分かるとしても、内定を出して断られた瞬間に態度が豹変するというのは、大人気ない行為と言わねばなりません。


本当に好きな相手に振り向いてもらえるよう、さらなる努力を自己に課すか、あるいは諦めて相手の幸せを祈るか。

それが常識的な対応ではないでしょうか。



僕は、最近でこそ求職者寄りのスタンスを取っていますが、以前は法人営業一点張りで、実務重視型の価値観を持っていました。

しかし、会社の中における「退職トラブル」の原因は、ほとんどが「上司」にあります。


これは何も、学生を弁護しているわけではありません。無能で無気力な社員がいるのは、これとは別に深刻な問題です。しかし、採用側もあまりに若者心理の研究が不足しているというのが僕の実感です。



「部下は一週間で上司を知るが、上司は一年かかっても部下を知らない」とは言い古された言葉で、真実を突いています。

だからこそ、上に立つ者ほど腰を低くし、進んで部下の中に飛び込み、視点や前提を合わせて、よく話を聞き、要望や悩みを記憶せねばなりません。

たとえ年や経験の差から全部は共感できなくても、部下や新人は、上司のそのような姿勢そのものが嬉しく、自分を伝えようと張り切るものです。

お互いに「何かを分かったつもり」の組織より、共有しているものが少なくても、「分かり合おう」とお互いに協力、調和しあう努力ができる組織の方が伸びるのは当然のことです。


採用や育成、配置における企業側の問題点は、来月に全国で発刊される僕の初の自著の「序章」で触れていますから、よかったらお読み下さい。

■タイトル 若者が燃えた 仕事の「とらえ方」(仮)
■出版社 (株)オンブック(デジタルメディア研究所)
■価格 \1,890
■発売 2007年4月中旬
■全国の書店およびamazon.com、bk1で販売

です。



※先行予約は
mixture-unison@docomo.ne.jp
(福岡女子大4年・築地まで)



採用を決めたなら、その人が通用するまでの責任は、9割が企業側にあります。

「やる気がある若者が欲しい」なんて言う人事担当者もいますが、採用した後に「うちの社員はやる気がない」などと言う人事担当者を見たら、僕は遠慮せず、「自分の人望のなさを恥じろ」と忠告することにしています。


「イマドキの若者だからやる気がないんじゃなくて、あんたの部下だからやる気がないんだ。若者がぶすくれていたら、自分がナメられているかバカにされているか、くらいに覚悟した方がいい」ということです。


「採用した」ということは、意欲なり資質が自社の業務を遂行する上で不足なし、と判定したということでしょう。一旦採用すれば、やる気の有無を社員のせいにするのは、おかしいのではないでしょうか。


もちろん、社員の側にも、自分の実力や知識不足を補うための、自発的な努力が応分に求められるのは当然です。

しかし、やる気が発揮され、持続されるような環境なり威厳を整えるのは、純粋に会社の責任でしょう。とりわけ、まだ何の経験も知識もなく、世間の右左も分からない新卒社員に責任を転嫁するのは、奇妙な論理といわねばなりません。


僕も採用する側の人間で、仕事のかたわら、学生サークルをお手伝いするという立場も持っています。

僕は運営や入退部には何の口出しもせず、運営会議にすら参加していませんが、もちろん、この時期になれば、「元気な学生さんがたくさん入部するといいな」くらいのことは思います。

しかし、自分は何の努力もせず、学生の側にだけ「やる気」を求めるなら、顧問失格です。


僕がFUNの応援でいつも考えているのは、当人の意欲の状態がどうであれ、FUNを訪れる学生は必ず成長や逆転、悪習慣の脱却、将来的な資産確保を求めて来るわけですから、それが不安や恐怖、心配に立脚したものであれ、全ての動機を「立派な意欲」として認めるということです。

一通のメールを送るのは、大変な勇気が必要だったことでしょう。また、一冊の小冊子から問合せを行うまでの間に、一体どれだけの体験を回想し、どれだけの可能性を比較検討し、迷ったことか。

初めて見学に来て、すんなり溶け込む学生さんもいますが、緊張している学生さんもいます。しかし、それらは全て、偉大なる前進の証です。



「やる気」とは、何も陽的で口数が多く、笑顔に満ち溢れている、という分かりやすいものばかりではありません。

こわばった表情で、声も小さく、右往左往していても、それもそれでその学生さんには貴重なやる気なのです。

そういう「声なき声」ならぬ「やる気に見えないやる気」を優しく見抜いて反応するのも、サークルとしては大切な姿勢ではないでしょうか。


ですから、僕は顧問として応援する時は、「誰がどのような状態で訪れても、心の底からやる気が溢れる環境作りをお手伝いする」という姿勢を何より優先しています。

「やる気がある学生」は、それはそれで嬉しいですが、やる気を失っていた学生さんが再び目を輝かせ、「入ってよかった」、「メールを送ってよかった」と言ってくれるのは、もっともっと嬉しいことです。


「小島さんと話すと、元気になった」と言われるのは有り難いですが、それは「当たり前」です。

なぜなら、「元気になるまで帰さない」からです。なんと簡単なトリックなのでしょう…我ながら。

学歴と教育がない僕は、こういう素朴なアイデアしか持っていませんが、案外これでうまくいっています。

FUNが全国紙で紹介され、書籍や雑誌を通じて有名になっても、顧問としてのこの姿勢を変えるつもりは一切ありません。


本当にいい会社は、どんな人でも育ちます。

自分が使いやすい人、気に入った人、言わなくても頑張ってくれる人とだけ働くのは簡単で、そういう上司は怠け者です。

また、「あの人が動いてくれない」、「みんな、分かってくれない」などと会議でこぼす上司がいたら、即刻解雇の無能上司と言わねばなりません。


他人に「動いてくれない」とこぼす時間があるくらいヒマであるからには、きっと、自分が全然動いていないんでしょう。

本当に動いている人の周りでは、仲間がそれ以上に動き、リーダーは感謝でいっぱいになるはずです。

人が動かない、分かってくれない、助けてくれない…という問題は、全て「自分の日頃の行い」が鏡に映ったものだと解釈し、自らの怠慢と配慮不足を戒めて、あるべき場所からスタートすればよいのです。


本田宗一郎さんは、「役に立たない社員がいるなんて言う社長は、バカ社長だ」と言いましたが、まさにその通りだと感じます。

採用しておいて「役に立たない」とは、要するに、「役立てられるビジョンや計画を持っていない」ということの証明であり、それは純粋に経営陣の怠慢です。

「自己管理できる上司に、部下の管理は不要である」という石坂泰三さんの言葉をずいぶん前に紹介しましたが、それと一脈通じる思想を含んだ言葉ですよね。


人を動かしたければ、人を動かす必要はありません。

『リーダー塾』でも説明したように、ただ、自らが「言行一致の人間」になるだけでいいのです。そうすれば、周囲の人は黙っていてもついてくるし、期待以上の動きを見せてくれるもの。

周囲がそうならないうちは、「自分はまだ、口だけ人間なんだ」と反省し、強固な意志で自己管理を行うのが、リーダーとしてのあるべき姿です。


「口先で多くの人を動かそうとする」のと、「自分一人だけを動かそうとする」のでは、どちらが簡単なのか?

偏差値が「25」くらいあれば誰でも分かりそうなくらい簡単な問いなのに、この問いに対する答えを間違って、無用のストレスと報われない努力に熱中し、資源を垂れ流す組織のなんと多いことか。

僕は、そういう「勘違い人事」に会うたび、あまりの頭の悪さと目のつけどころのずれっぷりに、社員がかわいそうにさえ思えてきます。



そこまでして「余計な苦労」を背負いたくなる心理が、僕には理解できません。たぶん、「自分はリーダーらしい苦労をしている」と思いたがるマゾ体質なんでしょうね。

ほんと、こんなリーダーはただのお人好しか社会主義者です。

皆さんも、面接の最後に「何か質問は?」と聞かれたら、「○○さんが採用された社員の中で番成長した方は、どのような方ですか?」とか、「○○さんが採用された社員の中で、トップ営業マンはどれくらいいますか?」とでも聞いてみればいいでしょう。


それで答えに詰まったり、変な言い逃れをしたり、部下や同僚を責めたり、言い訳をしたりしたら、「マニュアル面接はやめましょう」とでも忠告して、こっちから辞退してやればいいだけのことです。

皆さんには、確かに経験や知識はそれほどないでしょうが、だからといって、自分を安売りする必要はありません。

皆さんは「会社」という時間運用商品を買い、自分の人生の最も貴重な時期の運用決定を行う「時間の投資家」でもあるわけですから、学生らしい素直な選別眼で、シビアに相手を選んで一向に構わないのです。


この時期は、自分の方が選ばれる立場であるため、年上の社会人から言われたことは、全て「正しい」、つまり「自分の方が間違っている」と考えて、余計な不安や劣等感にとらわれることもあるでしょうが、常識的に考えておかしいことなら、年が若いからと譲る必要はありません。

若者には、若者らしい堂々とした姿勢があります。

面接とは、自分を引っ込める場ではありません。虚飾や見栄で飾るのもダメですが、卑屈になる必要もありません。

言葉にすれば簡単ですが、選考結果を意識しないくらいの「自然体」で、素直に自己の信念を披露すれば大丈夫です。


昨日、僕やFUNの部員が大好きな作家・城山三郎さんが亡くなりました。本名である「杉浦英一」の名は、城山さんのお父さんが尊敬してやまなかった渋沢栄一にあやかって付けた名前だそうです。

その城山さんの代表作である『雄気堂々』(新潮文庫)は、渋沢栄一の半生を描いた壮大な物語であり、渋沢栄一が自己の未熟さを克服し、堂々と上の身分や地位の人とわたりあって豪快、柔軟に人生を切り開いていく姿が描かれています。

組織作りの天才・渋沢栄一の半生を「就活における成功シミュレーション」のモデルとして読むのも、また最高の対策の一つでしょう。

「世の中に、役に立たない人はいない」という事実が心の底から理解でき、嬉しくなってきますよ。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

参考になった方は応援クリックお願い致します(^^)/


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◆今日の一言
No.411(07/3/20)

『大きな印象は、小さな配慮から生まれる』





ちょっと時間が空いたので、ダイエーで米を買って帰り、自著の編集作業をやっていたら、ある学生さんから「受かる人と落ちる人って、やっぱり差があるんですか?」というメールが来ました。

なんだか思いつめたような文面です。

ということで、編集を中断し、メルマガを執筆して、また赤坂に戻ることにしました。



それにしても、明日から始まる「マネー塾(最終回)」は、案内して2日で参加者が30人を突破したそうで、なかなかの勢いです。

もし、参加したい方がおられたら、

http://funcolors.cocolog-nifty.com/blog/
をご覧の上、

ootsukimai@ezweb.ne.jp
までお気軽にどうぞ。




さて、「受かる人と落ちる人の差」…。

そんなの、あるに決まっているじゃないですか。ありすぎるくらいあります。

僕も本業の社会人の転職支援、フリーターの再就職支援のかたわら、もう4年もFUNで学生さんの就職のお手伝いをやっていますが、世代や経歴を問わず、うまくいく人といかない人の間には、決定的な差があるのを毎年感じます。

ということで、いくつか、思いつくままに挙げてみましょう。


1.受かる人は「働く」ために、落ちる人は「内定する」ために面接を受ける。

…会って数回言葉のやり取りをすれば、学生がどれくらいの深さで仕事を考えているかくらいは、簡単に見抜けます。

口ベタでも言葉が幼稚でも、本当に働きたいと思っている学生は、目つきや表情に真剣味がこもっています。

落ちる人は、名前や評判、イメージで勝手に「自分だけのためにある仕事」を仮想し、ありえない仕事に向かって熱い願望を語りますが、有名な会社に入って仲間内でいい顔をしたいという欲が見え見えです。


例えば、皆さんの前に、ある女の子に片思いの小学生がいるとします。その男の子が本気で相手を思っているか、それとも単なる遊びか見栄で相手をしているかは、数分見ていると、大学生なら楽に見抜けるでしょう。

我々社会人から見た学生も、このような小学生のように見えるということです。

これは何も、年齢を重ねて優位に立って言っているのではなく、素朴な言葉で素直に接する態度こそ、年齢を超えた尊敬を呼び起こすということです。


2.受かる人は小さなことを大切に語り、落ちる人はでかいことを語る。

…スケールのでかさや豪快さ、明るさなどはそれなりに重視してよいことですが、言っている本人の知識や理解度とかみ合っていなければ、これほど癪に障ることもありません。

スケールの大きいことを話す学生の話を聞いても、要するに「あんた、調べ方が粗雑なだけやね」という場合もあります。

小さな経験、仕事であれ、そこにどれだけの思いを込められるかが勝負を決めます。勝ちたければ、「当たり前」で差をつけましょう。


3.受かる人は連絡がマメで、落ちる人は困った時だけ礼儀正しい。

…これは、ESの添削などで毎年感じることです。落ちる人は僕を「使い捨て」にします。

これはもう慣れたのでどうってことはありませんが、困っている時だけ「お願いします!」と頼んできて、終われば報告もなし…というのはどうなんでしょうね。

そういう礼儀は、就職以前の問題だと思います。



4.受かる人は噂を相手にせず、落ちる人は噂に振り回される。

…落ちる人を毎年見ていて、そのあまりに忙しそうな迫真のトークの割に、全く作業が進んでいない様子には、毎年驚かされます。

このような要領の悪い人は社会人にもいますから、別に驚くことはありませんが、なんと報われない時間の使い方をしていることでしょう。

「噂」なんてのは、自信がない人にだけ聞こえるもので、受かる人は「ふ~ん」といなすか、聞こえないくらい自分の作業に熱中しているものです。



5.受かる人は共通点を信じ、落ちる人は相違点を信じる。

…受かる人は、志望業界に受かった先輩の話を聞いたりすると、どんな小さなことであれ共通点を探し、そこから自分の可能性を展開しようと努力します。

一方、落ちる人は「でも、私はサークルの幹事とかしなかったし」、「私はTOEICそんなに高くないし」、「私は1ヶ月しか留学してないし」などと、聞くなりすぐに相違点を見つけ、嘆きます。


6.受かる人は「内定後」を考え、落ちる人は「受かってから」と言う。

…面接官が確認したいものは、何よりも「その人が生き生きと働く姿」です。全ての質問は、そのイメージを形成するために投げかけられるわけです。

その辺の学生に、「ねえねえ、内定したらどうする?」と聞いてみて下さい。

落ちる人は、「あのね~、そんなの、内定してからでいいでしょ!」と言いますよ。


7.受かる人は準備を大事にし、落ちる人は焦っていつも後手後手。

…受かる人は準備が違います。これは万事に共通し、できる人やお金持ちは、「見えないこと」こそ大切にします。

一方、できない人や貧乏人は、「他人が見聞きすること」だけカッコつけようとします。要するに「メッキは華やか、中はスカスカ」ということです。

本当の力を問われた時、あっぷあっぷして作業の前に撃沈するのは、当然のことでしょう。



8.受かる人は内定後も学び、落ちる人は内定までも学ばない。

…受かる人は未来の仕事に興味を持ち、様々な知識や情報を関連付けては、自分の可能性を想像します。受かる人は、とにかく勉強熱心です。

一方、落ちる人は目先のマニュアルばかりを追い求め、本質的な勉強などは一切やらず、疲れる前から「ストレス解消」などと言っています。


9.受かる人は最大限の努力を、落ちる人は最低限の努力をする。

…慣れてくれば作業を簡素化して時間を短縮するのは結構なことですが、落ちる人は受ける前から「別に志望業界じゃないし、滑り止めか練習でいいや」と本気を出し惜しみ、最後までそのまま続けます。

何事であれ、うまくいく人は「最大限⇒最低限」と展開し、うまくいかない人は「最低限⇒最大限」の順で努力します。

そして、うまくいかない人は、落ちたり遅れたりしたら、「自分って、きっとダメな奴だと思われてるに違いない」と考えます。しかし、心配無用です。誰もそんな人のことは気にしていません。



10.受かる人はよく反省し、落ちる人は些事で調子に乗る。

…皆さんの周りの「すごい友達」のことを考えてみて下さい。

「なぜそこまでできるのか」と思うほど頑張っているのに、本人はそれでも満足せず、さらなる成長を求めて反省と挑戦を繰り返しているでしょう。

逆に、意識にも残らない人はどうでしょう。ちょっとしたことで安心し、一人だとすぐ不安になり、不安を共有できる人がいたら、問題は解決していないのに、共有できただけで安心しているでしょう。


11.受かる人は友達を応援し、落ちる人は誰からも応援されない。

…受かる人は「人を応援することで力が付く」ということをよく知っています。受かる人は、自分が忙しくても、友達の応援に手を抜きません。だから成長するわけです。

一方、落ちる人はいつも応援を求め、自分が誰からも応援されないことに対して、「周囲は冷たい」などと言います。

そう言う前に、自分の日頃の接し方を反省してみてはどうでしょうか。



12.受かる人は全てを「やる理由」に、落ちる人は「言い訳」にする。

…これも、言うまでもないことですね。人生には似たようなことしか起こらないものです。差は「受け止め方」で開きます。



13.受かる人は大事なことを信じ、落ちる人はどうでもいいことを信じる。

…これは、お金持ちと貧乏人の差とも同じです。

貧乏人が「金」を欲しがるのに対し、お金持ちは知識やアイデアを重視します。

就活だと、受かる人は「思い」や「会計的視点」を大切にし、落ちる人は「見栄えの良さ」、「響きのカッコよさ」を信じる、という状態として表れます。


14.受かる人は習慣を育て、落ちる人は要領を育てる。

…受かる人は、とにかく腹が据わっています。

受かる人にとっては、面接プラスアルファの努力こそ大事で、それが面接で聞かれるかどうか以上に、自分の可能性を広げると信じて貪欲に挑戦します。

一方、落ちる人は「聞かれること」ばかり調べながら、聞かれたことにも答えられません。強いパンチは腕力だけでは出せず、足腰が強くないと無理です。「聞かれること」の十倍調べたら、聞かれることに答えられます。



15.受かる人は自分の同意を、落ちる人は他人の同意を求める。

…受かる人は腹の底から同意できるビジョンを確立した後は、びくともしません。一方、落ちる人はちょっと決めても、周囲の言葉ですぐにぐらぐらします。

人に決めてもらっても、それは他人の成功なのです。

自信を付けたかったら、自分で決めたことを、自分で達成してみることです。



16.受かる人は不採用に感謝し、落ちる人は他人を中傷する。

…受かる人の特徴は、とにかく謙虚で、小さいことに一喜一憂せず、長期的視点で大胆に取り組むことです。

たとえ不採用でも、「新たな短所と可能性に気付かせてくださってありがとうございます」と考えれば、その時は悲しくても、次の会社ではもっと喜べます。

一方、落ちる人は「うまくいったら自分の手柄、落ちたら他人のせい」と考え、いつもヘラヘラしています。



17.受かる人は相手の前で動じず、落ちる人は相手が去ると調子に乗る。

…受かる人は相手が誰であれ、最初はちょっと緊張しても、動じずに自分の所信を伝えます。

一方、落ちる人は相手の前ではビクビクし、終わると様々な論評を加えます。

その勇ましさ、あと1時間早く発揮すればいいのに。



18.受かる人は空き時間に学び、落ちる人は空き時間がない。

…受かる人は、自由時間を見つけては勉強し、とにかく知識の定着に努めます。

一方、落ちる人は作業に圧迫され、自由時間すらなくなっていきます。

人の価値を測りたければ、「空き時間に何をする人間か」を見れば十分です。面接でも「学生時代に熱中したこと」を聞くのは、どういう資産運用に挑戦し、どういう資産を形成したかを知りたいからです。



19.受かる人は面接を「共同作業」、落ちる人は「戦い」と捉える。

…受かる人は面接官や会社の人に対する感謝を忘れません。一方、落ちる人は「全部自力」とカッコつけながらも、自力すら発揮できません。

自分を知るために繰り出される全ての質問に、まずは「知りたがってくれてありがとうございます」と感謝してみてはどうでしょうか。

小さなやり取りを大切にする姿勢が、一言一言の温かさや重みを支えるのですから。



20.受かる人は1~19を見て、「受かる人」の素質を確認して喜ぶ。

以上、19項目を見て、「やばっ!」、「あたしのことやん」、「なんや、ふざけるな」、「オレ、成功するぞ」、「メルマガ、解除してやる!」と思った方もおられるかもしれません。


以上は僕が数百人の若年者の就職、転職、再就職を見てきて感じたことですから、どういう意見を持たれようと、あくまで参考にしかなりませんが、いくらか的を得たものもあると思います。

目指している会社に受かり、受かった後もその思いを育て続けるには、今の自分がどうであれ、可能性に同意して、欲しい能力をあると信じ、地道に努力することです。



「そんな当たり前のこと、分かってる」といつも言われますが、「分かっているかどうか」など、評価の対象にもならない空しい言い訳に過ぎません。

「やれているかどうか」と自問すべきです。



あっ。

一つ言い忘れました。

受かる人は「やるかどうか?」と問い、落ちる人は「できるかどうか?」と問うことを…。



小さな気付きを大きな可能性に転化させ、ここから逆転を図るのも十分可能です。

面接官が口にしなくても見抜いている短所を知ったら、人に言われる前に改善していけば、「自分で気付いて直せるなんて、なんと素晴らしい学生だろうか」と評価も上がりますよ。

焦らず臆せず、毎日に成長と前進を刻んでいきましょう。

さて、赤坂に戻らないと…。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

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