◆今日の一言
No.411(07/3/20)

『大きな印象は、小さな配慮から生まれる』





ちょっと時間が空いたので、ダイエーで米を買って帰り、自著の編集作業をやっていたら、ある学生さんから「受かる人と落ちる人って、やっぱり差があるんですか?」というメールが来ました。

なんだか思いつめたような文面です。

ということで、編集を中断し、メルマガを執筆して、また赤坂に戻ることにしました。



それにしても、明日から始まる「マネー塾(最終回)」は、案内して2日で参加者が30人を突破したそうで、なかなかの勢いです。

もし、参加したい方がおられたら、

http://funcolors.cocolog-nifty.com/blog/
をご覧の上、

ootsukimai@ezweb.ne.jp
までお気軽にどうぞ。




さて、「受かる人と落ちる人の差」…。

そんなの、あるに決まっているじゃないですか。ありすぎるくらいあります。

僕も本業の社会人の転職支援、フリーターの再就職支援のかたわら、もう4年もFUNで学生さんの就職のお手伝いをやっていますが、世代や経歴を問わず、うまくいく人といかない人の間には、決定的な差があるのを毎年感じます。

ということで、いくつか、思いつくままに挙げてみましょう。


1.受かる人は「働く」ために、落ちる人は「内定する」ために面接を受ける。

…会って数回言葉のやり取りをすれば、学生がどれくらいの深さで仕事を考えているかくらいは、簡単に見抜けます。

口ベタでも言葉が幼稚でも、本当に働きたいと思っている学生は、目つきや表情に真剣味がこもっています。

落ちる人は、名前や評判、イメージで勝手に「自分だけのためにある仕事」を仮想し、ありえない仕事に向かって熱い願望を語りますが、有名な会社に入って仲間内でいい顔をしたいという欲が見え見えです。


例えば、皆さんの前に、ある女の子に片思いの小学生がいるとします。その男の子が本気で相手を思っているか、それとも単なる遊びか見栄で相手をしているかは、数分見ていると、大学生なら楽に見抜けるでしょう。

我々社会人から見た学生も、このような小学生のように見えるということです。

これは何も、年齢を重ねて優位に立って言っているのではなく、素朴な言葉で素直に接する態度こそ、年齢を超えた尊敬を呼び起こすということです。


2.受かる人は小さなことを大切に語り、落ちる人はでかいことを語る。

…スケールのでかさや豪快さ、明るさなどはそれなりに重視してよいことですが、言っている本人の知識や理解度とかみ合っていなければ、これほど癪に障ることもありません。

スケールの大きいことを話す学生の話を聞いても、要するに「あんた、調べ方が粗雑なだけやね」という場合もあります。

小さな経験、仕事であれ、そこにどれだけの思いを込められるかが勝負を決めます。勝ちたければ、「当たり前」で差をつけましょう。


3.受かる人は連絡がマメで、落ちる人は困った時だけ礼儀正しい。

…これは、ESの添削などで毎年感じることです。落ちる人は僕を「使い捨て」にします。

これはもう慣れたのでどうってことはありませんが、困っている時だけ「お願いします!」と頼んできて、終われば報告もなし…というのはどうなんでしょうね。

そういう礼儀は、就職以前の問題だと思います。



4.受かる人は噂を相手にせず、落ちる人は噂に振り回される。

…落ちる人を毎年見ていて、そのあまりに忙しそうな迫真のトークの割に、全く作業が進んでいない様子には、毎年驚かされます。

このような要領の悪い人は社会人にもいますから、別に驚くことはありませんが、なんと報われない時間の使い方をしていることでしょう。

「噂」なんてのは、自信がない人にだけ聞こえるもので、受かる人は「ふ~ん」といなすか、聞こえないくらい自分の作業に熱中しているものです。



5.受かる人は共通点を信じ、落ちる人は相違点を信じる。

…受かる人は、志望業界に受かった先輩の話を聞いたりすると、どんな小さなことであれ共通点を探し、そこから自分の可能性を展開しようと努力します。

一方、落ちる人は「でも、私はサークルの幹事とかしなかったし」、「私はTOEICそんなに高くないし」、「私は1ヶ月しか留学してないし」などと、聞くなりすぐに相違点を見つけ、嘆きます。


6.受かる人は「内定後」を考え、落ちる人は「受かってから」と言う。

…面接官が確認したいものは、何よりも「その人が生き生きと働く姿」です。全ての質問は、そのイメージを形成するために投げかけられるわけです。

その辺の学生に、「ねえねえ、内定したらどうする?」と聞いてみて下さい。

落ちる人は、「あのね~、そんなの、内定してからでいいでしょ!」と言いますよ。


7.受かる人は準備を大事にし、落ちる人は焦っていつも後手後手。

…受かる人は準備が違います。これは万事に共通し、できる人やお金持ちは、「見えないこと」こそ大切にします。

一方、できない人や貧乏人は、「他人が見聞きすること」だけカッコつけようとします。要するに「メッキは華やか、中はスカスカ」ということです。

本当の力を問われた時、あっぷあっぷして作業の前に撃沈するのは、当然のことでしょう。



8.受かる人は内定後も学び、落ちる人は内定までも学ばない。

…受かる人は未来の仕事に興味を持ち、様々な知識や情報を関連付けては、自分の可能性を想像します。受かる人は、とにかく勉強熱心です。

一方、落ちる人は目先のマニュアルばかりを追い求め、本質的な勉強などは一切やらず、疲れる前から「ストレス解消」などと言っています。


9.受かる人は最大限の努力を、落ちる人は最低限の努力をする。

…慣れてくれば作業を簡素化して時間を短縮するのは結構なことですが、落ちる人は受ける前から「別に志望業界じゃないし、滑り止めか練習でいいや」と本気を出し惜しみ、最後までそのまま続けます。

何事であれ、うまくいく人は「最大限⇒最低限」と展開し、うまくいかない人は「最低限⇒最大限」の順で努力します。

そして、うまくいかない人は、落ちたり遅れたりしたら、「自分って、きっとダメな奴だと思われてるに違いない」と考えます。しかし、心配無用です。誰もそんな人のことは気にしていません。



10.受かる人はよく反省し、落ちる人は些事で調子に乗る。

…皆さんの周りの「すごい友達」のことを考えてみて下さい。

「なぜそこまでできるのか」と思うほど頑張っているのに、本人はそれでも満足せず、さらなる成長を求めて反省と挑戦を繰り返しているでしょう。

逆に、意識にも残らない人はどうでしょう。ちょっとしたことで安心し、一人だとすぐ不安になり、不安を共有できる人がいたら、問題は解決していないのに、共有できただけで安心しているでしょう。


11.受かる人は友達を応援し、落ちる人は誰からも応援されない。

…受かる人は「人を応援することで力が付く」ということをよく知っています。受かる人は、自分が忙しくても、友達の応援に手を抜きません。だから成長するわけです。

一方、落ちる人はいつも応援を求め、自分が誰からも応援されないことに対して、「周囲は冷たい」などと言います。

そう言う前に、自分の日頃の接し方を反省してみてはどうでしょうか。



12.受かる人は全てを「やる理由」に、落ちる人は「言い訳」にする。

…これも、言うまでもないことですね。人生には似たようなことしか起こらないものです。差は「受け止め方」で開きます。



13.受かる人は大事なことを信じ、落ちる人はどうでもいいことを信じる。

…これは、お金持ちと貧乏人の差とも同じです。

貧乏人が「金」を欲しがるのに対し、お金持ちは知識やアイデアを重視します。

就活だと、受かる人は「思い」や「会計的視点」を大切にし、落ちる人は「見栄えの良さ」、「響きのカッコよさ」を信じる、という状態として表れます。


14.受かる人は習慣を育て、落ちる人は要領を育てる。

…受かる人は、とにかく腹が据わっています。

受かる人にとっては、面接プラスアルファの努力こそ大事で、それが面接で聞かれるかどうか以上に、自分の可能性を広げると信じて貪欲に挑戦します。

一方、落ちる人は「聞かれること」ばかり調べながら、聞かれたことにも答えられません。強いパンチは腕力だけでは出せず、足腰が強くないと無理です。「聞かれること」の十倍調べたら、聞かれることに答えられます。



15.受かる人は自分の同意を、落ちる人は他人の同意を求める。

…受かる人は腹の底から同意できるビジョンを確立した後は、びくともしません。一方、落ちる人はちょっと決めても、周囲の言葉ですぐにぐらぐらします。

人に決めてもらっても、それは他人の成功なのです。

自信を付けたかったら、自分で決めたことを、自分で達成してみることです。



16.受かる人は不採用に感謝し、落ちる人は他人を中傷する。

…受かる人の特徴は、とにかく謙虚で、小さいことに一喜一憂せず、長期的視点で大胆に取り組むことです。

たとえ不採用でも、「新たな短所と可能性に気付かせてくださってありがとうございます」と考えれば、その時は悲しくても、次の会社ではもっと喜べます。

一方、落ちる人は「うまくいったら自分の手柄、落ちたら他人のせい」と考え、いつもヘラヘラしています。



17.受かる人は相手の前で動じず、落ちる人は相手が去ると調子に乗る。

…受かる人は相手が誰であれ、最初はちょっと緊張しても、動じずに自分の所信を伝えます。

一方、落ちる人は相手の前ではビクビクし、終わると様々な論評を加えます。

その勇ましさ、あと1時間早く発揮すればいいのに。



18.受かる人は空き時間に学び、落ちる人は空き時間がない。

…受かる人は、自由時間を見つけては勉強し、とにかく知識の定着に努めます。

一方、落ちる人は作業に圧迫され、自由時間すらなくなっていきます。

人の価値を測りたければ、「空き時間に何をする人間か」を見れば十分です。面接でも「学生時代に熱中したこと」を聞くのは、どういう資産運用に挑戦し、どういう資産を形成したかを知りたいからです。



19.受かる人は面接を「共同作業」、落ちる人は「戦い」と捉える。

…受かる人は面接官や会社の人に対する感謝を忘れません。一方、落ちる人は「全部自力」とカッコつけながらも、自力すら発揮できません。

自分を知るために繰り出される全ての質問に、まずは「知りたがってくれてありがとうございます」と感謝してみてはどうでしょうか。

小さなやり取りを大切にする姿勢が、一言一言の温かさや重みを支えるのですから。



20.受かる人は1~19を見て、「受かる人」の素質を確認して喜ぶ。

以上、19項目を見て、「やばっ!」、「あたしのことやん」、「なんや、ふざけるな」、「オレ、成功するぞ」、「メルマガ、解除してやる!」と思った方もおられるかもしれません。


以上は僕が数百人の若年者の就職、転職、再就職を見てきて感じたことですから、どういう意見を持たれようと、あくまで参考にしかなりませんが、いくらか的を得たものもあると思います。

目指している会社に受かり、受かった後もその思いを育て続けるには、今の自分がどうであれ、可能性に同意して、欲しい能力をあると信じ、地道に努力することです。



「そんな当たり前のこと、分かってる」といつも言われますが、「分かっているかどうか」など、評価の対象にもならない空しい言い訳に過ぎません。

「やれているかどうか」と自問すべきです。



あっ。

一つ言い忘れました。

受かる人は「やるかどうか?」と問い、落ちる人は「できるかどうか?」と問うことを…。



小さな気付きを大きな可能性に転化させ、ここから逆転を図るのも十分可能です。

面接官が口にしなくても見抜いている短所を知ったら、人に言われる前に改善していけば、「自分で気付いて直せるなんて、なんと素晴らしい学生だろうか」と評価も上がりますよ。

焦らず臆せず、毎日に成長と前進を刻んでいきましょう。

さて、赤坂に戻らないと…。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

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