◆今日の一言
No.413(07/3/25)

『できない営業マンは、契約を取るのが仕事だと考えています』





最近は執筆の締め切りが迫る中、就職相談や卒業挨拶が相次ぎ、慌しくも充実した日々を過ごしています。

さすがに、昨日のFUNゼミは自分でも「なんだ、この疲れた表情は…」と思いました。


今日はお昼から、西南大・国際文化3年のNさんに、外資系の保険会社で働く友人を紹介し、色々と考えさせられる有意義な時間を過ごしました。

その後は福岡女子大2年のNさんと会って韓国語塾のテキストをチェックし、その後は西南を卒業して明日、東京に行くM地君と語り合いました。


さて、今日の本題。

説明会では、優秀な学生をつなぎとめようと、ついつい「きれいごと」ばかりを話し、具体的、現実的な業務については何の説明も行わないのに、「君の志望動機は浅い」と文句を言う会社もありますが、そういうのは会社の説明力不足でもあります。

会社が売る何よりの商品は「仕事そのもの」なわけですから、「せずにはいられない!」と若者を動機付ける業務説明ができない人事担当者は、社内に愚痴と非能率を蔓延させた責任を取り、解任すべきでしょう。

そもそも、そういう人を人事担当者にした経営者も見識が疑われます。ぜひ、『貞観政要』でも読んでほしいところです。


若者をストレス解消の道具にする前に、言いたいことがあったら、やることをやってから言えと言いたいところです。


若者は言葉も経験も未熟ですが、だからこそ、よく上司や年長者の「行動」を見ているもので、若いからと侮ってはいけません。若者は意見を言葉にできなくても、大切なことは注意深く感じ取っているものです。

人の評価はいつも、「何を言っているか」ではなく、「何をやれているか」で見極めるのが適切です。言葉は、信用の担保材料にはなりません。上に立つ者ほど、体で語らないといけません。

メルマガ第412号には、三名の方から共感のメールを頂きました。あれと同じで、採用には企業側の責任も多いのです。もちろん、だからといって学生が手を抜いていいという理由にはなりませんが。

Nさんも、様々な業界の魅力に触れるうち、金融業界にも可能性を感じ始め、「具体的な仕事の話が聞きたい」と聞いたので、今日は珍しく、友人を紹介しました。

今日の一言、「できない営業マンは、契約を取るのが仕事だと考えています」は、その友人が後半でサラッと話した言葉です。


今日の話のポイントをまとめてみると…



①保険、とりわけ金融業界の仕事は、「偏見との戦い」である。

②その偏見を打ち破り、期待と信頼に変えるには、当たり前の継続以外に方法はない。

③契約した後に高まるお客さんの気持ちを汲み取り、どこまで迅速なサービスが行えるかがやりがいや楽しさを決める。

④義理、人情、プレゼントの「GNP」も確かに必要なのだろうが、お客様は何より「金融商品」を買われたのだから、責任を持って契約後のフォローを行うべきだ。

⑤本当の仕事は契約後からやっと始まるのに、ダメな営業マンは「契約を取ること」を仕事だと勘違いしている。


というものでしたね、Nさん。


こうしてメルマガで並べてみると、「そんなことは分かっている」と言う人もいますが、「頭では分かっている」なんてのは、1%の理解にもなりません。

実際にその業務、しかも「完全成果主義」という勤務形態で結果を出している人から仕事の話を聞くと、「普通の言葉」がいかに重く、カッコよく響くことか…。

「できる人ほど、フツーのことしか言わない」という事実を、今日はNさんと一緒に、改めて再確認できました。


こういう社会人同志で毎週集まり、実務能力向上と人脈・情報網拡充を目指すミニ勉強会を明日から定例開催するので、新社会人として良い習慣を身に付けたい方は、ぜひご参加下さいね。


『トップセールス研究会』
(毎週月曜19:30~21:00)

■第1回テーマ…『飛耳長目』(担当:小島尚貴)
(20代を通じて行ってきた人脈構築・拡大の考え方についてのミニプレゼン)
■場所…赤坂ベローチェ
■参加費…\200
■申込
chance-maker.nao@ezweb.ne.jp
(小島)まで、人数を添えてお願いします。

週によっては不参加の時もあるでしょうが、「情報だけでも欲しい」という方は、そのように知らせて下さいね(携帯から)。


皆さんにとっての「仕事」とは、どのようなものでしょうか。

「会社に行くこと」

「言われたことを嫌でも続けること」

「いずれはやめるもの」

「やりたくないが、生活のためには仕方ない反復強制作業」

「できるだけ責任を引き受けず、できるだけ多くの報酬を得たい作業」

「何をしたいかは選べず、何をやるかは運任せ」

と言う人も、社会人の中にはいます。



要するに、「仕事と呼べることは、何一つしていない」ということです。

これらの定義の中には「相手」の姿はこれっぽっちも存在しておらず、相手がいない作業はみな、やりがいがないものです。


人は誰でも「自分が仕事だと思うこと」をやるので、その人が仕事そのものにどのような定義を持っているかは重要です。

きつい、嫌だ、やめたい、逃げたい、したくない…

そんな感想を持つ人は、自分の間違った定義によって苦しんでいるだけで、会社のせいでも、上司のせいでも、仕事のせいでもありません。ただ、自分の頭で自分を虐待・搾取しているだけなのです。


採用の問題は企業側に起因するものも多くありますが、社員の方でも、多くの選択肢の中から「ここだ」と決めたからには、仕事に関して「人のせい」にできることは、何一つ存在しないと覚悟せねばなりません。

「人の価値はお金では計れない」などと言おうが、給料は「その人の値段」です。

そもそも、お金というものは、物事の価値を測ることをもってその究極の存在意義としているので、「お金で価値は計れない」などという言葉は、よっぽど芸術的なものや精神的な要素を説明する時以外は、全く現実性を欠いた発想だと言えるでしょう。


「営業はきつい」と言う人もいます。

しかし、それをもって「営業とはきつい仕事」だと考えるのは間違っています。

その人はおそらく、「きつい仕事」を恐れる余り、きつさを避けようとして知覚過敏になり、自分が逃げようとしたトラップに自らはまりこんで、しなくてよかった余計な「きつい仕事」にはまり込み、「営業=きつい」という目標を達成しただけです。

「ほーら、やっぱりきつかった」とか言うのは、何の自慢にもなりません。


「きつい仕事だから、きつい」というのは、このように、思考の前提から考えて明らかに間違った発想です。

「きついと思ったことが、きつい」というのが正しい認識です。

大事なことは、その人が何をきつい、楽しいと思っているかです。

営業における本当の達成と真の成長を想定し、「営業とは、素晴らしい仕事だ」と思っている人だけが、そこに至るまでのプロセスにめげず、最後は想像したとおりの営業を成功させます。


マネー塾の第①回には、「未開人は、矛盾に鈍感だ」というレヴィ・ストロースの言葉を紹介しています。

自分で勝手にやる前から「きつい」と想像し、本質的な意義を考えることなく、仕事をやる前から「仕事はきつい」、「営業は大変だ」と言っている人も、スーツは着ていますが、「未開人」と言ってよいでしょう。

このような未開人は、そもそも「仕事自体」が嫌で嫌でたまらないため、何をやってもきつくなるのに、相変わらず「私にぴったりの仕事、ないかな?」などと考えるものです。

未開人とは、自分の思考的前提の矛盾に対する自覚がないので、どのような忠告も無効となる点では、「ガン」よりも恐ろしい病気を抱えているといえます。


その未開人が営業をやると、「契約を取るのが仕事だ」という、「君、ほんとに大卒?」と思うような倒錯心理に陥ってしまうのです。

契約なんて、営業でもなんでもなく、「営業の準備」に過ぎません。

お客様から考えれば、契約は「この人と付き合って良い」という承諾であり、「人間関係のスタート」です。それを「ゴール」と考えるなんて、やっぱり、どうにかしています。

こういう人に限って「営業、きついっすよね」とか「営業やめたいです」と言いますが、僕はいつも、「ていうか、あんた、まだ営業なんて何もやってないじゃないか」と答えることにしています。


仕事や人間関係における成功の極意があるなら、それは常に、「ここまでやるか」と、良い方向に相手の期待を裏切ることによって成り立ちます。

お客さんでも学生でも、人は誰でも、「自分を他の人より大切にしてほしい」と願っているものです。

そのような相手の想像、関心のありかと度合いを見抜き、誠心誠意、当たり前の基本を続け、「ここまでやってくれる人はいない!」と感動したら、人はその営業マンを誰かに紹介せずにはいられなくなるものです。


従って、2年ほど前に本メルマガでもご紹介したとおり、ここで、「トップ営業マンとは、営業しなくてよい営業マンである」という領域に到達するわけです。

本当にできる営業マンは、機先を制して相手の要望を見抜き、スピーディで過不足ない対応ができ、自分が持つ財産を惜しみなく人々に分け与えます。

世の中に無数に存在する「できない営業マン」は、いつもいつも自分の契約のことばかり考えているため、できない営業マンがその定義に従って頑張ってくれるほど、「できる営業マン」はますます輝いていくわけです。


できない営業マンは、成績不良からどんどん居場所がなくなり、「譲れないものは何か」という無意味な執着にこだわり、ますます成績を下げていきます。

一方、できる営業マンは、常に「与えられるものは何か」と考え、お客の視点で勉強と努力を続けます。

これは、就活でも全く同じではないでしょうか。


できる営業マンのように接してくれる人は「100人の中に1人」もいないため、人々は争って「あなたのお客さんになりたい!」と行列を作ります。

一方、できない営業マンは見込み客を目指して行列を作ります。

このような単純な事例の比較からも、「何を営業と思っているか」が、行動や結果、人生の全ての結果に至るまで、あらゆる要素を決定する前提条件になるのが、よく分かりますよね。


社会人の皆さん。

できる営業マンになりたかったら、遠くの見込み客を求めるよりも、目の前にいる身近な人々から満足させていきましょう。

身近な人の信頼を得ずに、遠くの人の信頼を得ることは不可能です。


「んなコト言っても、オレの周りには学生しかいねーんだよ!」と思うでしょうか。

その考えは間違っています。

確かに、「今」は学生でしょう。しかし、「今」しか考えないから、相手が学生にしか見えないだけではないのでしょうか。


その人を「ただの学生」と考えるのは、自分の視野が狭く、視点が短く、器が小さいだけです。

その人は、そういう営業マンの前でだけ、「ただの学生」なのであって、見る人が見れば、ダイヤモンドの原石でもあります。

それを短期的にしか考えず、「今の姿」で可能性を判定するような人こそ、「ただの営業マン」です。


なぜ、もっと先を見て、相手の可能性を大事にしてあげないのでしょうか。

いつも「相手の今」ばかりを見て付き合ってきたから、「ここぞという時」に誰も応援してくれず、飲み仲間は多くても助け合える人脈はゼロ、という結果になったのでしょう。

できる営業マンは、「契約後から仕事は始まる」と考えます。要するに、相手が今どういう状態であれ、「相手の可能性と付き合う」ということです。


みんなで各社、各業種の「トップセールスマン」を目指してお互いを高めあう「トップセールス研究会」の発展が楽しみです。

「お客が続々寄ってくる」という営業マンになり、会計とセールスの本質を実践を通じて身に付けたい方は、ぜひ一緒に楽しく勉強していきましょう。

面接の何倍も大変な営業も、トップを極めた人たちと学べば、自然と楽しく捉えられるようになり、結果も必ず出ます。

学生の方は、社会人になれば参加できるので、今から楽しみにしておいて下さいね。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

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