熱は、エネルギーそのものに見えて、実はエネルギーの最終的な「形」を指すんだって。

すべてのエネルギーは、最後は熱になっておしまいらしいよ。

これが科学における根幹にして最重要知識、エントロピー(熱力学)の法則だ。

 

エネルギーは、使えるタイプのやつから使えないタイプのやつになる・・・とだけ言ってるのが、エントロピーの概念だ。

エネルギーは絶対になくならず、ただ形を変えるだけなんだ。

石油は燃えてエネルギーを解放し、世界を揺るがして燃えカスになるけど、熱は残る、って具合い。

鉄球を持ち上げると、「重たいよう」という(位置)エネルギーが蓄えられる。

その手を離すと鉄球は落下運動を開始し、つまり別の形のエネルギーになる。

その運動エネルギーが床にぶつかり、衝撃と音と熱というまた別の形のエネルギーになる。

衝撃とは、エネルギーが起こした仕事のこと。

その際に散らかる音とは、空気の震えのこと。

そして発せられる熱とは、粒子の震えのこと。

震えは系内(地球や宇宙)をどこまでも伝わっていき、やがては平衡状態におさまる。

この過程で、震えが徐々に弱まることから、熱いものは冷めていく。

が、逆行程はあり得ないので、冷たいものは熱くはならない(新たにエネルギーを加えないかぎり)。

 

宇宙にあるすべてのエネルギーが、仕事を終えた後に震え・・・すなわち熱に落とし込まれる。

音でさえ、空気を震わせる熱と言える。

震えは平衡状態に向けて広く薄く散開しつづけ、温度が下がりきったところで、宇宙は使用可能エネルギーゼロの完全な静穏状態に落ち着く。

最終的には一切の原子が震えを止め、この世界は絶対0度であるセ氏−273度に凍りつく(現在の宇宙は−270度くらい)。

原子が動かなくなったら、もちろん生物は生きていられないし、地球も銀河も形をとどめてなんかいられない。

こうなると、宇宙は摩擦なしの真っ平らにならされて無となり、要するにおしまいだ。

(※正確には、エネルギーの保存則から、震えは完全には止まらず、運動の最小値=基底状態で超安定となる)

 

宇宙の最後に、素粒子は静止する。

宇宙の営みとは、最当初に与えられたエネルギーを解放して、原子で構築された世界を徐々に動かなくしていくことに他ならないようだ。

この不可逆性を説明するのが、エントロピーの法則だよ。

みんな、長生きしたかったら、エネルギーを無駄遣いしないことだ。

宇宙は、無限でも永遠でもないらしいからね。

 

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あなたは運命を信じます?・・・のその前に、運命ってなんだかわかってます?
最初から決まってためぐり合わせっつか、「定め」っつか、原因から必然的に発生する避けられない結果のことだよね。
これを厳密に(科学的に)突き詰めてみる。
ビリヤードのブレイクショットで弾き出された白玉は、カラフルな玉の隊列にぶつかって散乱させ、盤上に無秩序な配置をつくる。
この作業では、開始時の玉の状態と、白玉に与えられる運動の初期値が完全に同じなら、何度やっても同じ結果(盤上のすべての玉の最終的な散らばり方)が得られる。
これが運命だ。

このルールを宇宙レベルに拡大すれば、138億年前のビッグバン時に吐き出された素粒子の運動(方向と速度)の初期値によって、現在の世界の形は決定されてた、ってことになる。
宇宙を開びゃくする一点の穴から飛び出したおびただしい素粒子たちは、弾かれたビリヤードの玉のようにいくべき位置に必ず向かい、出会うべき相手と必ず接触し、なるべき形に必ずなる。
ビッグバンを何度繰り返しても、初期設定が同じなら、同じ時を経れば必ず今ある世界が正確に再現される。
ひとつの分子の進む方向と周囲の分子の配置さえわかれば、その後にどれとどれとがぶつかるかを予測できるのは自明だ。
ってことは、現在のこの世界の分子の状態をすべて理解できれば、あらゆる未来が見通せるってことになる(ラプラスの悪魔)。
よって、定められた運命は存在し、原因による結果は絶対に不可避となる・・・古典的なニュートン力学系においては。


ところがここに、揺らぎともつれと重ね合わせに支配された新ルールが割り込んでくる。
量子力学(の不確定性原理)によれば、素粒子の運動は気まぐれな確率の問題であって、予測は不可能なんだ。
そのモデルによると、一般に素粒子と称せられる「量子」は数学上の存在で、粒子(物質)とはそのエネルギーのいち形態だ。
極小世界における量子は飛び飛びに動きまわり、時間すらも連続的じゃなく、離散的な形を取る。
この飛ぶ(消えて、次の瞬間に別の時空間に立ち現れる)位置情報がランダム極まるので、要するに運命は確定的じゃなく、確率の問題になってくる。

運命はひとつじゃなく、確率密度として、そこここにひろびろとたゆたってる。
そして、重ね合わせの状態で解放系となった不確定な未来は、あなたの観測によって収縮(所在を確定=波動がツブ化)する。
オカルトでもスピリチュアルでもなく、これはマジな最新サイエンスの話だよ。
運命は常に波のように不安定な状態にあるんだ。
そして、あらゆる可能性という形でたゆたうそいつを、あなた(の観測)が確定させる。
つまりあなたの未来の運命は、あなた自身に依存する。
そのメカニズムをさらに説明するけど、いよいよ小難しくなるんで、そろそろめんどくさくなってきたひとはドロップしてちょうだい。

つわけで、本気のやつ・・・


あなたは現在時にいながら、周囲にひろがる過去の世界に生きてる。
あなたには理論上、世界の現在を観測することができない。
光速に限界があることから、あなたの意識の外側に開いた世界は、すべて過去のものなんだ(あなたが空に見る太陽は8分前の姿、というのと同じ理屈で、あなたが鼻先に見てるスマホ画面はコンマ何秒か前に起きた事象の残影にすぎない)。
その過去世界とは、不確定性原理が支配する散らかった素粒子系(量子場)を、あなたが観測によって収縮・確定させたものだ。
かくして現象上、現在時に実在してるのはあなたの意識だけだ。
ところが、その外側に展開する「あなたを存在させる世界」にも、過去画の先に現在時の姿が「今まさに!」あるべきで、それはまだあなたの観測による収縮を経ておらず、量子場の波動状態にあり、観測されてツブ化してもらえるのを待ってる。
そしてその観測の先には、物理的にありうるすべての世界が確率的に枝分かれして存在してる。
観測されてない世界は、あらゆる可能性を重ね合わせにした状態で待機してるんだ。
これがマルチバースというやつで、未観測のその「場」にはあらゆる未来が(というよりも厳密な現在が)パラレルになって、あなたがのり込んでくるのを待ち受けてる。
あなたは実際、その分岐したすべての可能性世界に突入するわけだけど、あなたの個体が持つ特定の意識は、その中のひとつの世界にしか踏み入れない。
その他のおびただしい・・・無限と言っていい多元世界にも他のあなた(分身?)が踏み入って同化し、それぞれに別の未来を生きることになるが、意識の当事者としてのあなたが選ぶのはたった一本の道、すなわち、あなた独自の世界だ。

 

・・・と、まあこれが、古典力学を更新した最新論における運命の説明となる。
運命は、無数(マルチ)に存在してる。
だけど、それを確定させるのはあなた自身に他ならないようだ。

もう一度言うけど、オカルトなんかじゃなく、この世界像こそが、実験証拠に根ざしたサイエンスによる最先鋭にして最無矛盾の解釈だ。

 

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進化論なんて、単純な理屈なの。

そこにある生命を歳月をかけて複雑化させていく、その根本のメカニズムさえわかれば明快に説明できる。

だけど本当に重要で解明困難なのは、いちばん最初の「生命はなんでそこにあるの?」の部分。

鉱物と水しかなかった・・・いや、それ以前には粗元素しかなかったこの世界に、どういういきさつで生命が誕生したのか?

そこをこそ知りたい。

そこで、自説と言うか、これまで得た知識の総合を開陳してみるよ。

 

むかしむかし、深海底に熱水を噴出させる穴があった。

マグマに温められた鉱物混じりのお湯が、こんこんと湧いてるの。

この中には、メタンやアンモニアなんていう、分子の構造式を見ると胸ときめくような有機物の素までがパッケージになってたわけ。

さらに、熱水に混じった金属が、穴の周囲にエントツを築く。

これが偶然にも、半導体素材になるんだ。

エントツの中からは水素主体の熱水、外側には二酸化炭素の海がひろがってる。

すると、エントツの内と外にペーハーの差ができて、イオン勾配、すなわち電位が生まれる。

要するに、半導体の中を電気が走る構造になるんだ。

そんなエントツの内部に、有機物がたまっていくとどうなるか?

 

たまった有機物は、固まって凝縮してアミノ酸になり、それがまた寄り集まってタンパク質になり、連なり、さらに高分子になって複雑化していく。

なにしろ、何億年って時間はあらゆる可能性を否定しないからね。

そこに電気が流れる。

タンパク質間で電気を流し合って感覚情報をコードしよう、ってのが神経系の原理なんだから、この深海のエントツ内で「意識の原始的システム」が生まれてたとしても不思議じゃない。

 

さらに電気って幻想みたいな現象は、エネルギーを物質に手配してもくれる。

実際、細胞内にひそむミトコンドリアなんて、エントツの内部とそっくりのイオン勾配を利用した酵素のシステムから元気玉をつくり、生物を動かす原動力を供給してる。

生命の素材とエネルギーが一体化すれば、いよいよ歳月まかせの適者生存が開始される。

化学的な相互作用による外界の刺激に反応する機械を組み上げ、膜でポータブルなパッケージにすれば、エントツを離れて旅をすることも可能になる。

「膜に覆われて外界から独立してること」「新陳代謝できること」「自分のコピーをつくれること」ってのが生命の最低限の約束事だけど、なんとなくそれが見えてくるではないの。

ただ、こうして自律機械はできたけど、「意識的活動」という目標にはまだまだ遠い。

解明したいよねえ、この謎のリンク部分。

 

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みんな、ブラックホールの実相を知ってる?

そんなお話。

 

星(恒星。地球は惑星だから違う)ってのは、中心部の核融合爆発で、常に膨張したがってるんだ。

だけどとてつもない質量による自重があるから、その重力で縮もうともしてる。

その逆ベクトルの力関係が50対50なんで、いつも安定して光ってるわけ。

だけど、核融合の燃料が切れて膨張が止まると(0)、収縮圧力が100になって、自重でつぶれる。

この重力崩壊で、星の中心に向けて猛烈な爆縮が起きて、巨大な質量が「点」にまで丸められてしまう。

これがブラックホールだよ。

 

この特異点(正確にはシュバルツシルト半径という広大な球状のエリア)からは、光も抜け出せない。

地上に向かってボールを落とすその自由落下のスピードで、逆に地上から上昇すれば、地球の重力圏から離れられるでしょ。

ブラックホールの重力による自由落下スピードは、計算上で光速を上回るため、要するに光のスピードを持ってしてもその重力圏を振り切ることはできないわけ。

だからこのホールは底抜けにブラックなんだ。

 

さて、相対性理論では、時空間という概念で、時間は三次元空間とつながってる。

そしてシュバルツシルト半径という事象の地平の内側では、この時空感がひん曲がってて、特異点に向けて落ち込む光速のために時間が引き延ばされ、空間が縮まる。

スピードってのは距離÷時間だから、どうしてもこうなっちゃうんだ。

現象的には、この危険半径をまたいだ瞬間から、落ち込む事象は永遠にストップして見えることになる。

 

そんなブラックホールがふたつ、お互いに向けて落ち込み合ってる、ってものすごい光景(この柏木くんのくるくる皿のような)をとらえたのが、晴れてノーベル賞を冠された重力波だよ。

質量が時空間をゆがめるのが重力の正体、と前回説明したけど、重力は宇宙空間全体をゆがめるんで(ゆがみは光速でかつ無限に伝わる)、その波がこの惑星上でも検出されたってわけだ。

・・・うーん、簡単な説明ってのは難しいな。

 

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この世界は、どこまでもひろがる平原。

この不動の地を覆う丸天井が回転することで、頭上の星はめぐる。

太陽と月には特別なレールが用意されてて、一日に一度、その軌道を運ばれていく。

あったりまえの事実だ。

主観的には。

ところが、七つか八つばかりの大きめの星だけは、天球の流れに従わず、昨夜あっちに出たかと思えば、今夜はこっち、明日はどっち・・・という具合いにうろうろとさまよってることに、あなたは気づく。

そこで探究がはじまる。

 

ようく観察してみると、その中の二つの星、すなわち水星と金星は、太陽の周りをぐるぐると回ってることがわかる。

なにしろこのふたつは、昔から暁の明星(あかつきのみょうじょう)、宵(よい)の明星といって、明け方と夕刻にしか姿を表さない。

すなわち、太陽「周辺」にしか。

あの二つの星が太陽の周囲をめぐってるとなると、太陽とは地平を隔てたところまで放浪するあの三つの星、すなわち火星、木星、土星はどうなってるのか?

これまたようく観察してみると、おいおいどうやらあれらの星も、地球をまたぐ軌道でぐーるうう~・・・っと太陽を周回してるようだ。

 

その昔、動かない地球とその天球上を運ばれる太陽と月、そしてその太陽をめぐる星々を図説するのに、プトレマイオスは地球を中心にして、まるで歯車式の時計のように複雑なメカニズムを描いた(天動説)。

神さまとはこれほど難解な天体構造をお考えになるのだなあ、さすがさすが、と。

ところがあなたは、プトレマイオスが見落としてた天体の仕組み、しかも最も重大な事実に気づく。

すなわち「この地球も太陽の周りを回ってんじゃね?」って点に。

 

太陽の近くをめぐる水星、金星と、太陽から逆サイドまでを大きくめぐる火星、木星、土星の間に、地球もまた軌道を取れば、この全天の運動にうまく説明がつく。

主観と客観が素晴らしくうまく噛み合う。

しかも、あの見苦しい周転円(小歯車)をふんだんに配置したプトレマイオス式のカラクリよりも、シンプルに図説できる。

天体のすべての運動は同心円上、という形で。

こうまで美しくあってこそ、神さまの仕事じゃね?

 

知識のないひとは、地上からの狭い視点だけで夜空を見上げて満足する。

そこ止まりでもロマンティックで悪くないが、新しい知識を持つだけで、あなたは宇宙からの広大な視点を手に入れられる。

神さまが創造したメカニズムそのものの理解によって、神さまがごらんになった光景が拝めるんだ。(ここからさらに進めば「神さまの不存在」の説明まで可能だ)

知識を持つのは、必要だからって喫緊の理由だけじゃなく、人生を豊かにするため。

勉強していろいろ知ってかしこくなろうってのは、社会をうまく渡ってくためじゃない。

知って面白がれる人間は、きっとしあわせだと思うんだよ。

 

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メインブログの方から、定期執筆の豆知識を転載。

これを最後まで読んだら、きっとあなたは「量子力学」と「とマルチバース」という最先鋭の基本知識ふたつを手に入れるよ。

最近のノーベル物理学賞は、素粒子論と宇宙論という量子系が一年おきにぐるぐると獲り分けてる構図なんで、この流行ってるやつの中身を知っといて損はないと思うんだ。

世間ではオカルトみたいなえせ見識が出回ってるんで、吾輩がちゃんとした説明を試みるものなり。

 

さて、量子力学についてはどこまで知ってる?

ものは、半分に半分に細かく刻んでいくと、行き着く先は原子という一単位になる。

この原子も原子核と電子でできてて、原子核も陽子と中性子という核子でできてて、核子もクォークという素粒子でできてる。

ところがこの小ささの行き止まりである素粒子ってのは、実体を持たない「波」なんだ。

これが集まって相互作用を起こすことで、ツブという物質のテイになるんだ。

そして素粒子にはもういっこのへんなルールがあって、それがなんと「相互作用の現場を人間が見ないと実体化しない」ってことなんだ。

人間が観測しないと、物質は「まだ」そこには存在せず、波のままなの。

・・・結局オカルトみたいだけど、これは実験で証明されてる現代における最先端サイエンスなんで、覚えておいて。

 

ところで、あなたは三面鏡の中の自分が永遠の向こうまで無限に並んでるのを見たことがあるでしょ。

あれって、実は無限じゃないんだよ。

光速は相対性理論によって厳密に定数化されてるんで、鏡がどれだけがんばって無数のあなたを写し込もうとしても、その仕事は光の速度を上回ることができないんだ。

その像を見るあなたもまた、鏡のいちばん向こうの自分を光の速度でしか追いかけられないんで、結局、最後尾に並んだ自分を見られずじまいだ。

夜空の星を見たとき、その星が何年も前に放った光が時間をかけてあなたの目に届くという理屈から、あなたはその星の過去の姿を見てる、ってロジックは知ってるよね?

これと同様に、あなたが見る対象物とあなたとの間にわずかでも距離がある限り、あなたの見てる世界は必ず過去の像だ。

あなたが見てるぼくの姿は、ほんのわずかだけ過去のもの、ってわけ。

ここで思い出してほしいのが、前述の量子論の「波の世界は人間が見たときにだけ実体化する」ってやつ。

あなたが見てるぼくの姿は、すでに実体化させた過去のぼくの像なんであって、あなたは現在のぼくをまだ見てないことから、現在のぼくはまだあなたの世界に存在してないと言える。

そしてまだ観測されてない現在のぼくは、あなたの中でまだ波なんであって、それは重ね合わせやもつれの状態であらゆる可能性を持って漂ってる。

つまり、あなたが見てる時点から先の世界(厳密な現在)はまだ物質的実体として確定してなくて、無数に分岐してるんだ。

これがマルチバースの理屈だよ。

ほんとに世界はパラレルに分かれてるんだ、ってことが理解できる?

映画や物語なんかでこのへんが奇妙に解釈されてるけど、ちゃんと真の意味を知っとくのも悪くないよね。

 

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たった今、何年かぶりにFAXってものが届いて・・・つまり今どきのひとは「なにそれ?」かもしれないけど、説明すれば、スマホやLINEや、ひょっとしてメールなんて文化がまだ世間に出回ってなかった古代の時代に使われてた、「こちらから文字を送信するとあちらの紙にプリントできる」って電信装置なんだけど、その受信機が作動したのですよ。

いったい何事か?と送られてきた内容(プリント)を見てみると、それがどうやら宛て先間違いのようなのですね。

しかもその内容が、交通共済協同組合なる組織から個人に当てた、交通事故の示談解決内容確認書というシリアスなものなのです。

文面には、事故を起こした側と起こされた相手の名前に、車両登録番号、損害賠償金額までが記載されてて、外に漏れちゃまじでやばい雰囲気のやつ。

これを、暗号なしの、相手確認なしの、剥き出しの情報で、昭和のお気楽さでポンと送っちゃえるメンタル(というか教育)の国って、もうどうしようもないですね。

コロナを体験した後になっても、この国の医療機関は保健所に、いろんな情報をFAXを使って送ってるらしいですが、ここまでオンラインできない科学技術の低さって、本当になんなんでしょうか?

自民党のおじいちゃんたちのためにむつかしい機械は導入しない、って政治判断があるにしても、なかなかこの状況にはシブいものがあります。

まあ、うちの母親にもよめの両親にも「ペイペイはじめろ」「その方が安全だし簡単だから」「そのうち現金なんて使えなくなるから」と口すっぱく言っても、あの人々は頑として新技術に手を出そうとはしません。

こんな国だから、世界標準から完全に置いていかれて、その極端な取り残され方がまるで「現在稼働してる最後の古代遺跡」のように珍しがられ、懐かしがられて、世界中から(後進のアジア諸国からでさえ)観光客が殺到して感心されちゃう、というメリット(?)もなくはありませんが。

そして「現金なんて今に使えなくなる」という現役世代の声を否定しつづける親たちの意見は、驚いたことに正しく、本当にこの国ではまったくマネーの電子化が進まないでいつまでも現金が使えてしまう、という実際もあるわけです。

きのう、中国製の人型ロボットが格闘技までし合って実用化に相当近づいてる、というニュースをやってましたが、日本のロボットはアイボちゃんとアシモくん以降、少しも進歩してないようです。

そりゃそうだ、あちらの投下資金21兆円に比べて、日本がロボット開発に出す予算は2千億円だそうで、その差は百倍というオーダー。

どこまで果てしなく置いていかれるか、一周回って楽しみになってきました、一周遅れなだけに。

いや、すでに百周遅れてるかもね。

 

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太古のむかし、石ころが転がって有機物になり、高分子に結合して自律的な運動システムを構築し、営みを洗練させて、ついに意識を獲得した。
素朴な元素と自然法則のみの世界がいかにして、エントロピーを逆行させるがごとき魔法、すなわち「生命」を手に入れたのか?
・・・と深く深く考え詰めてまして、分子生物学やら、脳神経科学やら、生命発生学やらの、「オカルトやスピリチュアルじゃない」真っ当な自然科学書を読み込んでます。
この本は、生命が獲得した神経系(外界への接触→理解・反応システム)による無制約連合学習・・・つまり、感覚情報の一元化とカウンターアクションの果てしない繰り返しによってもたらされた臨機応変な判断能力こそが意識につながった、と論じてます。
体表面全体にめぐらせた各感覚器が集める単純刺激を中枢部で束ね(インプット)、複雑・緻密化させた情報をもとに外への働きかけを決定する(アウトプット)という繰り返しによって、神経系は精緻化・強大化・高度化していき、ついには外界とわたくしとを区別するようになり、自己に至る、というわけです。
生命とは曖昧なもので、どのメカニズムから先が外世界からの独立と言え、どの振る舞いから先が生きるという営みと言え、自律機械の創発がどの階層に達すると自己が完成したと言えるか、ってラインがわりとあやふやです。
高分子(タンパク質や核酸)の集合体たる細胞をたくさん連結させれば生命か、と言えばそうではなく、もぞもぞと原子的な摂食機械がうごめいて自己完結の循環系をつくればそれはパーソナリティの確立か、と言えばそうでもないようで、そこには難しい哲学的な議論が関わってきます。
この本は、アリストテレスの言う理性霊魂(論理的に思考する能力と、客観的世界の概念形成)を神経系の到達点として獲得することこそが、「わたくし」をつくり出す、と論じてます。
生命の発生の瞬間でも、生きるという活動の開始位置でもなく、生物の中に魂が生じたタイミングはいつか、という部分に論点を絞ってるわけです。
興味深いのは、タンパク質間の電気と化学物質のやり取り(脳活動)がオンラインだからこそ、自分という意識は生じ、維持される、と断じてるところです。
感覚器が外界の情報を、例えば「写真撮影」で取り込んだとしても、そこへの働きかけをする頃には外界の状況は変化してるわけで(外敵を発見した頃にはすでに自分は食べられてる、とか、獲物を見つけた頃にはすでに取り逃してる、とか)、意味がありません。
「ビデオ撮影」として外界の動きを捉えても、それは過去の出来事であるために、まだタイムラグが生じます。
判断活動がオンラインであるとは、つまり「未来を予測する能力を持つ」ことであり、ボールをキャッチするには、ボールの軌道の先回りをし、グローブをひろげたところにボールが落ちてこなければならないわけです。
動物意識は、未来を予知してるのですよ。
考える、とはそういう作業なのです。
意識メカニズムをよくここまで洗練させたなあ、生命進化よ、とうなずかされる一冊です。

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アメリカは変わったわけじゃない、ただ正直になっただけだ・・・って説はうなずける。
トランプさんは、ただあけすけなだけで、アメリカは過去もずっとこうだった。
他国が持っててうらやましいものは力ずくで奪ってきたし、自分がいちばんじゃなきゃ気がすまないって態度もこれまでと一緒。
ただ、それを隠さない、バレることに臆さない、軽蔑されても恥じ入らない、って点が更新されたにすぎない。
ブッシュ(Jr.)さんあたりは、トランプさんと等量の強欲と下品さを持ってたけど、もう少し陰湿で姑息で・・・つまりスマートだった。
その点でトランプさんは、吹っ切れてる。
アメリカはずっと自分たちが尊敬されてると思い込んできたけど、それはとんでもない勘違いだ。
世界から彼らは常に一貫して、侮蔑の眼差しで見られてきた。
なのにアメリカは、動じない・・・というより、それに気づく感性がなかった(こここそがアメリカ的なのだ)。
トランプさんは違う。
侮蔑されても構わないし、嫌われてることに気づく感性はあるが、それをものともしない別の感性もある。
さすがだ、わかってらっしゃる、これは手強い。
映画のジャイアンは「バカだけど力持ち」ってキャラだけど、テレビになると「力持ちのバカ」になり下がる。
この転換が、ブッシュさんあたりからトランプさんへのアップデイトかもしれない。
考えてみれば確かに、隠す必要なんかなにもない。
ロシアと組めば、この上ない強さを手に入れられるし、欲しいものがなんでも強奪できることは明白だ。
そうしなくても、体の大きさと声のデカささえ見せつければ、周囲のザコたち相手なら大概の言うことを聞かせることはできる。
そのことを隠さないことがいちばんの得策(つか、お得)だ、とトランプさんは知ってる。
あの国はリミッターが外れた。
「合衆国」なんておためごかしもやめて、きちんと「帝国」と名乗るのがいいかもしれない。
グローバル世界って幻想が大失敗の末に霧散して久しいけど、いよいよその後のパラダイムがシリアスにシフトしてきたなあ、と感じずにはいられない。
だけど日本は安心だ。
親分がますます強くなったんで、ますますなんでも言うことを聞いて頭を下げてれば、たくさんのおこぼれにあずかることができるぞ。
石破さん、あのこぼれんばかりの笑顔とお手てすりすりで、トランプさんの心をわしづかみだ!

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エントロピーは面白い。
「エネルギーは使うと減る」「集まったものは散らかる」と、それだけの法則なんだけど、事あるごとにそれを感じて「へえ」となる。
ところで、風呂に入るのが好き!
何時間でも湯船につかってられる。
お湯の中でじっと本を読んでると、億劫になって動けなくなって、そこにいるまま生活したいとまで考える。
ただ、お湯はだんだんとぬるくなっていく。
お湯と水との境界線、ってところまでこらえるんで、ようやく風呂から上がると体が冷えきってたりする。
入浴は、体温対お湯の温度の戦いと言える。
お湯の温度が高いうちは体は温まるが、お湯が冷めてやがてその温度が体温を下回ると、体温が逆に周囲のお湯を(水を)温めはじめる。
相対的に、体温は冷えていく。
お湯の温度もまた時間にしたがって周囲の空間に散逸していくため、ついには両者ともが冷めきる。
大局的に見ると、お湯(とぼく)は浴室内の空気を温めてつづけてるわけだ。
一方、浴室内の空気は、浴室の壁も温める。
浴室の壁は、その外にある外気を温め、外気は地球大気全体を温め、地球大気は宇宙空間を温める。
こうして温まるはずの宇宙空間だが、この無限開放系は膨張しつづけてる。
温度ってのは、素粒子の振動の言い換えだ。
強く震えるものを、人類の神経系は「温かい」「熱い」と感じるにすぎない。
その振動の波は、空間がひろがるにしたがって、静止への一方向に引き伸ばされつづける。
波がのびのびに伸びきって平坦になった状態を「エントロピーの最大値」と言い、これが宇宙の最後の姿だ。
宇宙の最後は、なにもなくフラットな波だ。
・・・ってことをですね、お風呂に入ると考えてしまうなあ、の話でした。
次回、「ならなんでぼくは温かいのか?」編にたぶんつづく。

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