「財研」記者日記 (2)多少の屈辱は出世の肥やし? 予算獲得への関門「ヒアリング」に見る官僚たちの人間模様
毎日新聞2020年11月3日 07時00分(最終更新 11月3日 07時00分)
https://mainichi.jp/articles/20201102/k00/00m/020/193000c
10月上旬、東京・霞が関の財務省主計局の廊下は、早朝から大勢の人でごった返していた。各省庁から要求された予算が必要かどうか査定する財務省の「主計官」が、詳細を聞き取る「ヒアリング」のために、他省庁の職員たちを呼び出しているのだ。
大半がスーツ姿の男性。防衛関連予算を担当する「防衛係」前の廊下には、カーキ色の自衛隊の制服を着た集団の姿も見える。資料を読み込む人、目を閉じて瞑想(めいそう)する人など順番待ちの姿はさまざまだが、いずれも表情には緊張感が漂う。まるで入試会場で試験の開始を待つ受験生のようだ。
若手を任命拒否した理由「若手が十分いない」 支離滅裂で混迷深めた菅首相の答弁
毎日新聞2020年11月2日 21時43分(最終更新 11月2日 21時43分)
https://mainichi.jp/articles/20201102/k00/00m/010/228000c
2日の衆院予算委員会で、日本学術会議に関する政府・自民党と野党の議論は堂々巡りの展開となった。菅義偉首相は会員候補6人の任命を拒否した理由の説明で核心を避け続け、学術会議のあり方を問題視する自民党と歩調を合わせた。野党は「論点のすり替え」と反発を強め、首相への追及を続ける方針だ。
「いやいや、それはもう表になっている人ですから。それと今回の任命権とは全く違うんじゃないでしょうか」。首相は自著「政治家の覚悟」の中にかつて総務省課長を更迭した理由を述べた章があると立憲民主党の今井雅人氏から指摘され、6人の任命拒否理由を明らかにするよう迫られると、色をなして反論した。
大阪市消滅への不安 「二度と元には戻らない」反対派訴え 都構想再否決
毎日新聞2020年11月3日 08時00分(最終更新 11月3日 08時00分)
https://mainichi.jp/articles/20201102/k00/00m/040/238000c
都構想は1日に投開票された2度目の住民投票で再び否決され、維新の看板政策は終幕を迎えた。賛否が伯仲する中、何が勝敗を分けたのか。推進、反対両派の動きから検証する。
「これは大阪市民の民意。制度が変わることへの不安を解消するには、僕の説得力が不足していた」
「大阪都構想」の2度目の否決が確実になった1日午後11時過ぎ、記者会見に臨んだ大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長はカメラのフラッシュを浴びる中、かれた声で敗因をこう分析した。2023年4月の市長任期満了後に政界から身を引くことも表明した。
ウィーンの銃撃、死者2人に 容疑者1人射殺 首相「テロ攻撃」断定
毎日新聞2020年11月3日 11時14分(最終更新 11月3日 11時40分)
https://mainichi.jp/articles/20201103/k00/00m/030/057000c
オーストリアの警察当局によると、ウィーン市中心部のシナゴーグ(ユダヤ教会堂)周辺で、2日午後8時(日本時間3日午前4時)ごろ、6カ所で銃撃が起きた。少なくとも市民2人が死亡し、14人が重軽傷を負った。容疑者の1人は警官に射殺されたが、少なくとも1人が逃走中とみられる。クルツ首相はツイッターで「テロ攻撃だ」と断定した。
クルツ氏は公共放送ORFで、容疑者について「非常に専門的」などと指摘した。地元メディアなどによると、シナゴーグが標的となったかは不明だ。
ポットの中は今… ロヒンギャ料理で考える~台所編~ 味がつなぐアイデンティティー 石山絵歩・外信部記者
毎日新聞 2020年11月3日
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201030/pol/00m/010/014000c
日本ではどこか遠くに感じられる難民問題を、食を通じて身近に――。10月中旬、私はひょんなことから、日本に住むロヒンギャ民族に家庭料理を学ぶというオンライン教室に参加することになった。カレースパイスなどで味付けしたちょっぴり辛い炊き込みご飯「ビリヤニ」の調理方法を学びながら、味がもたらすアイデンティティーという壮大なテーマについて台所で考えた。
まず、ロヒンギャについて少し説明したい。ロヒンギャとは、ミャンマー西部ラカイン州でイスラム教を信仰する少数民族だ。ミャンマー政府からは「ベンガル系(隣国バングラデシュなどに住む住民)の不法移民」であるとされ、長年、差別と迫害を受けてきた。迫害を逃れるためバングラデシュに避難し、難民キャンプで暮らすロヒンギャは100万人を超えるとも言われる。そのほか、インドネシアやマレーシアに船で漂着する人々もおり、各国に難民としての受け入れを求めている。在日ビルマ・ロヒンギャ協会(BRAJ)によると在日ロヒンギャは約300人おり、うち約260人が群馬県館林市に住んでいる。
MRJが世界を飛ぶ日 三菱スペースジェット中断「このまま飛べないのか」 平野純一・経済プレミア編集部
毎日新聞 2020年11月3日
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20201102/biz/00m/020/006000c
日本初のジェット旅客機を目指す「三菱スペースジェット」は、開発を一時中断することになった。三菱重工業は10月30日に発表した2021~23年度の事業計画で、開発費を3年間で200億円に減額すると決めた。年間で70億円弱。過去3年間の約20分の1となる。新型コロナウイルスの影響で世界の航空業界は大打撃を受けており、市場の回復が見えるまでスペースジェットの開発は長い冬眠状態に入る。
ただ、いずれコロナの影響が収まったとしても、航空業界が以前と同じ状態に戻るかはわからず、量産機を作る「事業化」への道のりは依然として不透明だ。
首相、1月訪米検討 大統領選、確定遅れ念頭
毎日新聞2020年11月3日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20201103/ddm/001/010/110000c
菅義偉首相は3日の米大統領選の当選者と会談するため、来年1月にも訪米する検討を始めた。日本政府は共和党のトランプ大統領、民主党のバイデン前副大統領のいずれが当選しても、早期の訪問は難しいとみている。新型コロナウイルス感染拡大で郵便投票が広く導入されたことなどで結果確定の遅れが予想されるためで、日米両政府は選挙後に具体的な日程調整に入る方針だ。
アメリカ大統領選2020 ミッキーでも勝たせる? 大統領選を揺らす米国の信仰心 オハイオ州カントン=渡辺丘、ワシントン=金成隆一
朝日新聞 2020年11月3日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNC23C8HNBWUHBI00T.html?iref=comtop_7_03
分極社会
4年前の大統領選で、トランプ米大統領を当選させた原動力の一つは、キリスト教福音派の支持だった。大統領に就任してからも、トランプ氏の「岩盤支持層」と言われてきた福音派を動かすのは何か。(オハイオ州カントン=渡辺丘、ワシントン=金成隆一)
中西部オハイオ州ポーテージ郡の郊外で26日、元福音派牧師のジェームズ・タスカーさん(77)と、妻のローズマリーさん(81)は雨の中、約300軒を訪問して回った。
2人の目的は、州の宗教団体が作った「投票ガイド」を各戸に配ること。中には「女性が中絶を選ぶ権利を認めた最高裁判決 バイデン賛成 トランプ反対」とある。タスカーさんは「多くの宗教保守派がトランプ氏再選を祈っているのは、彼の人格が理由ではなく、聖書の価値観に最も近い政策を実現してきたからだ」と語った。
トランプ氏の離婚や不倫も我慢
「聖書地帯」の住民、世俗化を危惧
1人5万円還元公約の新市長 市の貯金全て取り崩しへ
朝日新聞 2020年11月3日 7時47分
https://www.asahi.com/articles/ASNC32GN0NC2OBJB003.html?iref=comtop_AcsRank_01
愛知県岡崎市の中根康浩市長が2日、公約の「1人5万円還元」に向けた財源を明らかにした。市の貯金にあたる財政調整基金約81億円をすべて取り崩し、目的別の基金も廃止する。将来に備える財源をほぼ使い切る内容で、市議会の理解が得られるかは不透明だ。
総額約195億円の一般会計補正予算案として、6日の臨時市議会に提出する。使い道が自由な財調だけでは足りず、老朽化した公園や文化施設などの整備に積み立てた五つの基金も取り崩す。そのための条例廃止案も提出する。中根氏は「新型コロナウイルスは激甚災害に相当する市民の大ピンチ。(取り崩しの)デメリットを上回るメリットがあると判断した」と説明した。
大阪都構想、若者の「NO」増える…橋下徹氏「必要性感じていない」
読売新聞 2020/11/03 11:16
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201103-OYT1T50095/
読売新聞が読売テレビと共同で1日に実施した「大阪都構想」の賛否に関する出口調査で、都構想に賛成する20~30歳代の割合が前回2015年の住民投票時と比べ、低下したことがわかった。若い世代の支持に広がりを欠いたことが、都構想が否決された要因の一つといえそうだ。
■「必要性感じていない」
■政令市解体に不安
大阪市北部は「賛成」多数、南部は逆に「反対」…住民投票結果で地域差くっきり
読売新聞 2020/11/03 11:02
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201102-OYT1T50167/
大阪都構想の住民投票で開票結果を24行政区別に見ると、反対多数が14区、賛成多数が10区だった。5年前の前回住民投票と同様、市南部に反対多数、北部に賛成多数の区が広がり、地域差が色濃く出る結果となった。
前回住民投票では、反対多数13区、賛成多数11区。東成区が前回の賛成多数から反対多数に転じただけで、残る23区は前回と変わらなかった。
【独自】「究極のエコカー」量産へ…トヨタ、燃料電池車の生産能力10倍に強化
読売新聞 2020/11/03 08:46
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20201102-OYT1T50225/
トヨタ自動車は、燃料電池車(FCV)の生産能力を現在の10倍となる年3万台規模に強化する。12月に「MIRAI(ミライ)」を全面刷新して発売することもあり、本格的な量産体制を整えて普及を図る考えだ。
FCVは水素を燃料とし、走行中には水だけを排出するため「究極のエコカー」と呼ばれる。
トヨタによると、動力の中心となる燃料電池の生産能力を現行の10倍に増やすことで、バスなどの商用車を含めたFCVの量産体制を整える。
抱っこして歩くと泣きやむのはなぜ?…赤ちゃん研究が迫る
読売新聞 2020/11/03 09:02
https://www.yomiuri.co.jp/science/20201029-OYT1T50203/
赤ちゃんは言葉を話せない。にっこり笑えば周囲は幸せ。泣けばおろおろしてしまう。子育て生活は楽しくもある一方で、「なぜ?」「どうして?」の連続だ。赤ちゃんの本能や不思議な行動を解き明かすこれまでの研究を、新米ママでもある記者が体験を基に取材した。テーマは、「泣く」。(科学部 笹本貴子)
まもなく2歳になる息子が、生まれたばかりの頃のこと。泣き出して延々と抱っこし、部屋を歩き回らされたことが何度もあった。歩けば泣きやみ、疲れて座ると大泣き。真っ赤な顔で泣き叫ぶ我が子が時折「赤鬼」のように見え、「座るな! 歩け!」と怒られている気分になった――。
この現象、科学的な実証が進んでいるという。
おとなしく運ばれる…危機回避のため本能的に親に協力?
AIで原因予測「泣き声判定サービス」
あるじが住まない首相公邸、危機管理は大丈夫?
読売新聞 2020/11/02 15:00
https://www.yomiuri.co.jp/column/politics03/20201028-OYT8T50021/
就任から1か月半。菅首相の1日の始まりはこんな感じだ。午前6時台に東京・赤坂の衆院議員宿舎を車で出発し、3分ほどで首相官邸に到着。敷地内を40分ほど散歩した後、近くのホテルで経済人らと朝食。その後、官邸に戻って執務にとりかかる。
官邸に隣接する「首相公邸」に住むことも出来るが、今のところ、引っ越す気配はない。1929年に建てられた公邸は、もともと官邸として使われていた。老朽化したため建物を土台ごと動かし、2005年に居住空間を整備して公邸に生まれ変わった。レンガ造りの歴史的な趣は残しつつ、24時間対応可能な執務スペースや茶室を設け、外国要人を迎える機能を併せ持つ優れものだ。
ところが、歴代首相の評判は必ずしも芳しくない。安倍晋三首相は第1次政権では公邸に住んだものの、第2次政権では東京・渋谷区の私邸から通い続けた。国会で危機管理上の問題を指摘されても、「自宅の方がゆっくり休める。今の形でやっていきたい」とかたくなに拒んだ。
菅首相、維新カードは保持 政権運営に影も―「大阪都」否決
時事通信 2020年11月03日07時24分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020110200940&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
首相官邸で記者団の取材に応じる菅義偉首相=2日午前、東京・永田町
菅義偉首相は、看板政策の「大阪都構想」で挫折した日本維新の会との連携を引き続き重視する考えだ。政策で維新と重なる部分が多いことに加え、今後の国会運営で維新の協力が必要な場面も否定できないからだ。ただ、維新が勢いを失えば、首相の政権運営にも影を落としかねない。
首相答弁、目立つ誤読 予算委控え自民は楽観―国会
時事通信 2020年10月31日19時57分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020103100375&g=pol
衆院本会議で答弁中に苦笑いする菅義偉首相=10月29日、国会内
「アトキンソン」を「アトキンシンソン」―。臨時国会序盤で、菅義偉首相は用意された原稿を読み間違える場面が目立った。今のところ与党は楽観しているが、週明けからの予算委員会は野党の攻勢が激しくなることが予想され、安定した答弁ぶりを見せられるかも焦点となりそうだ。
首相は26日の所信表明演説で、新型コロナウイルス感染の医療資源を重症者に「重点化します」とする部分を「ゲンテン化します」と発言。東日本大震災の「被災者」を「被害者」と言うなど複数箇所で誤読した。
トランプ氏、ペンシルベニアで猛攻 一方的「勝利宣言」への布石か―米大統領選
時事通信 2020年11月02日20時33分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020110200903&g=int
トランプ米大統領=10月31日、東部ペンシルベニア州ニュートン(EPA時事)
【ワシントン時事】米大統領選を3日に控え、共和党のトランプ大統領(74)が激戦州の東部ペンシルベニア州に照準を定め、猛攻を仕掛けている。郵便投票急増による開票の遅れが確実視されている同州で、民主党のバイデン前副大統領(77)相手に開票開始直後からリードする展開に持ち込み、一方的に「勝利宣言」する布石だという見方が出ている。
米メディア「アクシオス」は1日、トランプ氏が3日夜に「当選確実」が出ていなくても勝利宣言する考えを示していると、複数の関係者の話として伝えた。
米大統領選、激戦州で最後の訴え 両候補、次の4年懸け中間層意識
共同通信 2020/11/3 10:24 (JST)11/3 10:25 (JST)updated
https://this.kiji.is/696162827007591521?c=39546741839462401
【スクラントン、クリーブランド共同】米大統領選を翌日に控えた2日、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領は、中西部から東部に広がるラストベルト(さびた工業地帯)の激戦州などで最後の訴えを行った。両氏は前回選でトランプ氏の勝利をもたらした中間層、労働者の票を強く意識し、次の4年間の米国像を懸命にアピールした。
同行記者が見たコロナ禍の首相外遊 何度も検査、外出禁止にネット取材も
共同通信 2020/11/3 07:00 (JST)
https://this.kiji.is/695814743465722977?c=39546741839462401
菅義偉首相の就任後初の外国訪問に同行した。新型コロナウイルスの流行後、初めてとなる首相外遊の訪問先はベトナムとインドネシアだった。感染していないことを確認する検査は、10月18日から21日の行程で計3回。マスク着用は必須で、首脳会談や視察など取材の多くが参加者を絞った代表制になった。ホテル外への私的な外出は禁じられ、食事は弁当が中心。海外の雰囲気をほとんど感じることなく、慌ただしく帰国した。(共同通信=篠原雄也)
▽出発前に陰性証明
▽入国直後に再び検査
▽市中感染者はゼロ
▽インドネシアへ
▽帰国 後は自宅待機
トルコ沖地震、救出相次ぐ 死者93人、「72時間」経過
共同通信 2020/11/2 22:41 (JST)
https://this.kiji.is/695976789437301857?c=39546741839462401
【イスタンブール共同】トルコ、ギリシャ沖のエーゲ海で発生した地震で、トルコ当局は2日、国内の死者は91人、負傷者は990人以上となったと発表した。死者はギリシャ側の2人と合わせて計93人。2日未明以降、倒壊現場では14歳の少女と3歳の女児の救出が相次いだ。救助活動が続く中、生存率が著しく下がるとされる「発生から72時間」が過ぎた。
<金口木舌>単位を決めたのは誰?
琉球新報 2020年11月3日 06:00
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1218827.html
力の単位はkg重(キログラム重)と学校で習ったが、最近はニュートン(N)。電力のワット(W)や電流のアンペア(A)など、単位は科学者の名前由来のものが多い
▼かつてカナダの化学関係のニューズレターに、体積の単位「リットル」が仏科学者「クロード・エミール・ジャン・バティスト・リットル」にちなんだと紹介された。「没後200年を記念して体積を表すSI単位(国際単位)に彼の名が使用されることが決まった」
▼実はこれ、ジョークだった。だが新聞や雑誌、ラジオはその記述を真に受け偽記事を出し、さらには「ミリー・リットル」という娘がいるとの創作も生まれたという(スレンドラ・バーマ「ゆかいな理科年表」)
▼リットルやメートル、グラムなどの単位は、18世紀末のフランス革命の頃に定められた。科学者からなるフランス学士院が任命した委員会が命名した。今もメートル法は国際単位として使われている
▼フランス学士院といえば国立のアカデミー。民間の同好会として発足したが、その後、宰相リシュリューが公の機関として制定した。フランス語辞典も編集した
▼日本のアカデミー、日本学術会議の委員任命拒否問題で菅義偉首相は違法でないと主張する。法を独自に解釈するあたり、既視感も覚える。耳障りなことを聞きたくないのだとしたら、度量が足りなさすぎる。