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FBIKのこと

■FBIKのこと

Mobu(MotionBuilderの略らしい)を使うようになって、MAYAのFBIKの理解がやっとできました。

そもそも FBIK は mobu の機能です。Mayaは互換性のために入れてある、、、という感が今までの印象。

でも、FBIK、こいつはすばらしいリグなんだと認識しました。


フルボディIK という名からは、全身がIKで制御できるということしか伝わってこないが、FBIKの真髄はそこにあらず。


FKでも、IKでも好きなほうでキーが打てるのが、FBIKの本当の利点です。しかも、

同じコントローラーでポーズを付けれるのです。


■ReachでFK/IKを切り替える

FK/IKの切り替えは reach アトリビュートで行います。

リーチが有効な時はIK、切っているときはFKで動作します。両方のブレンドも可能。

キーフレームはFKにもIKにも打たれます。

どちらの制御方法でポーズを決めても、もう片方もそのポーズを再現するために自動的に変形します。

個人的に以下のようにするのがコツなんじゃないかなぁと思ってます。


1.FKアニメーションなら reach 0 に、IKなら reach 1 に設定する

2.ポーズは全て simple でキーを打つ

3.FK/IKの切り替えが必要な時だけ、 reach にキーを打つ

4.ポーズをつける際はFKだろうが、IKだろうが都合のいい制御方法でOK

  ポーズさえつければ、キーの補間は reach で設定した方法で行われるため


■例えばこんないいことがある

・IKのように制御しながら、FKアニメーションが作れる : 歩きのモーションで、腕の振りをつけている時に、ポーズをIKで作ってキーを打てば、動きの補間はFKで行われているので弧を描く軌道で腕の振りがつけれます。


便利!


fig.1

MAYAメモログ-fig.1

手のコントローラでポーズを作り、キーフレームは右と左の二箇所に設定

真ん中は補間されて作られているポーズで、FKならではの弧を描くポーズになっている


■MAYAでFBIKを利用する時の難点や、ちょっと気がついた点


・sでキーを設定してはいけない。

 FBIKでは常に effector(IKコントローラ) と FK joint を同期しておくことが望ましい。

 sキーでは charactor のアトリビュートにしかキーが入らないので、後々のポージングで困ることになる

 FBIK専用のキー設定機能を使って作業をする


reach の値を変更しても、アニメーションを再生もしくはポーズを変更するまでその結果が更新されない


・IKとFKは基本的に常に同じポーズをとるが、それはユーザーがポーズをとらせた場合に限る。

 例えばfig.1のように、補間中のポーズではFKとIKのポーズはずれてしまう。

 このとき、中間のポーズをFKで改めて作ると、IKコントローラがFKに自動でスナップする

 これでキーを打てば、キーフレーム時のFK/IKポーズは同期される


・今reachがどっちに設定されているのかは、右クリックのMM west で確認可能(fig.3参照)


pinning の状態はエフェクタの形状で判断できる

 四角 = 移動pin

 半球 = 回転pin

 半球+四角 = 移動/回転pin

 球体 = フリー

fig.2
MAYAメモログ-fig.2

(ヘルプからの転写)


・便利なショートカットキー(MMの方が使いやすいけど・・・)

Alt + w toggle translate pinning

Alt + e toggle rotate pinning

Alt + s toggle both pinnning


Alt + 1 set reach 0 (FK)

Alt + 2 set reach simple

Alt + 3 set reach 1 (IK)


Alt + d set Key All

Alt + x set Key body part

Alt + 4 set Key selected


・右クリックMM(ショートカットキーより便利)

fig.3
MAYAメモログ-fig.3

ノードの概念:node

Mayaの特長ともいうべき「ノード」についてちょっと一考。


■「ノード」?

こんな意味です > http://eow.alc.co.jp/node/UTF-8/?ref=sa

Mayaでは「ネットワークへの接続ポイント」という意味合いが強いかな。


■シーン=ノードネットワーク

Mayaのシーンはノードのネットワークで出来上がっています。

ノード以外にシーンを構築しているものはありません。ノードを基本に成り立っている。

ノードだけしか無いと聞くとちょっと制限がありそうですが、これはものすごく柔軟なコンセプトです。


■なにがいいのか

Mayaは「ノード」を区別しません(厳密にはDAGとDGという種類は存在しますが、それだけです)。

そのノードが何なのか区別するのは、そのノードを使うユーザーに一任されています。

もちろんノードの機能によって使い方は存在しますが、それにとらわれなければノードをどう扱おうが、基本的にはユーザーの自由なのです。アイディアしだいでいかようにもできるのが魅力的。無茶すると壊れますが・・・。

ノードベースで何が良いかというと、この「全てのノードが同列で扱われる」、という点だと思います。

この利点は、作業を感覚的に単純化できる点です。

Mayaでの制作を説明すると、以下のように言えます。


1.ノードを作る

2.ノード同士を繋げる

3.ノードのアトリビュートを調整する(頂点などの変更もこれに含まれます)

4.そしてレンダリング


これ以外に当てはまる操作はありません。。たぶん。

どの引きだしに何を入れといたか覚えておかなくても、引きだしはそもそも1つしかない、という明快さがあります。

もとがシンプルだと、複雑化したシーンでも感覚的に全容を把握しやすい気がします。

24fps(23.976fps)DVDを作る AfterEffects MPEG-2エンコード術

■はじまり■

映画のDVD、アニメのDVDを見て気がついたんだけど、コマ送りにするとちゃんと24コマ秒なんですね。

映画もアニメも24コマで作ってるんだから、あたりまえかぁ・・・っと思ったけど、これはおかしい!

なぜならば! 日本のテレビの規格に次のような決まりがあるのだから!


規格名:NTSC

解像度:720x480

アス比:0.9

フレームレート:29.97

※1規格についてもっと正確に知りたい方は、ウィキぺのリンクを張っておいたので参考にどうぞ


なにか裏がある。というわけでやってみました。



■3:2プルダウン(ドロップダウン)の秘密■

24fpsを30fpsに変換するために、3:2プルダウンなることをさせる。(詳しくはリンクを見てください。)

しかし、これをする時期が重要。

普通、DVDに書き込むファイルはNTSCの規格に合わせるので、プルダウン処理がすんだものを用意する。

つまり、次のようなファイルを作ってからDVDイメージや書き込みを行う↓


フォーマット:MPEG-2

解像度:720x480

アス比:0.9

フレームレート:29.97


この段階で3:2プルダウン済みなわけです。

エンコード時にプルダウン処理を行っているということ。

これだと、結局29.97fpsのDVDになってしまうのです。


しかし!

実際には23.976fpsのムービーを、再生時に29.97fpsで再生させることができるのです。

再生する時に3:2プルダウンを行い、あたかも29.97fpsであるようにしているんですね。

29.97fpsのDVDは、やはりコマ送りで見ると30コマ送ると1秒進みますが、

23.976で作成したものは、24コマで1秒になるのです・・・。

制作者の意図通りにコマが進むようにするには、そのソース本来のフレームレートで再生されるのがやはり望ましいので、24fpsでアニメを作っているような私にとってはありがたい機能でした。


ただ、コマ送りで24コマ/秒なのはいいけど、実際に再生している時は29.97fpsなわけですよね・・?

再生している時の絵に違いは生まれるのだろうか・・・・・。


(ま、いっか)


というわけで、AfterEffectsの設定画面↓

fig.1fig.2 fig.2fig.1


AfterEffects6.5の設定画面です。

出力モジュールで、「-DVD」の無を選ぶとfig.2のような設定ができます(fig.1)。

「-DVD」の方はMPEG-2のDVD用のセットで、設定項目が少なく、DVDに特化しているみたい。

その場合、3:2プルダウンの設定項目は隠されて、マルチプレクサというところのDVDを選択することで潜在的に行われるようになる(と思う・・・。これは、汎用プリセットの方でマルチプレクサの項目を見ると、そこにプルダウン設定があること、さらにそこでDVD用のセットを選ぶと、そのプルダウン設定が自動になることなどからの推測です。)


マルチプレクサでDVDを選ぶと.mpgで出ます。

でなければ.m2vと.wavなどと、映像と音声が切り離されて出るので、オーサリングソフトによっては音が混ぜられなかったりします。

設定箇所は23.976fps3:2プルダウンマルチプレクサDVDという部分だけ設定し、ビットレートを調整するくらいでその他はいじらなくてもとりあえず大丈夫。


さて、Afxでmpegをレンダリングすれば準備完了です。オーサリングソフトでVOBやらISOやらを作って、焼きこめばいいはず!

ちなみに、オーサリングソフトによっては強制的に29.97fpsにされてしまったり、音声がかみ合わなかったり、問題が出ます。高機能のものか、比較的新しいソフトでやるとうまくいくと思います。オーサリングソフト側ではエンコードをしないように、再圧縮なし、などを設定しておけばAfxで作ったMPEGのままでDVDに焼けます。


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※ちなみにDVDMovieWriter2.0はX 5.0では成功した。


※DVDの音声に関しては、MPEG音声だけというのを許容していないらしく、LPCMかDolbyDigital(AC3)で作るといいみたいです。そこら辺もDVD-Video規格を調べると書いてある。用意する周波数も44khzじゃなく、48khzが良いみたい。


※1

・NTSC規格の詳細:http://ja.wikipedia.org/wiki/NTSC

・DVD-VideoやMPEG-2のエンコードのこと:http://ja.wikipedia.org/wiki/DVD-Video

・テレシネのこと。24fpsを30fpsにする作業の説明もここに載っています:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%8D