昨夜の綾子との激しい情事を反芻し、耕治は一日中上の空だった。


 アパートの玄関からほとんど一足飛びでベッドに倒れこんだ。狂おしく唇を求め合い、互いの体をまさぐり、後は二人とも獣になった。


 思い出す。耕治の下で跳ねる小柄な白い身体。回した腕の、思いがけない力強さ。おんなの味が強く香る唇・・・。すべてが素晴らしく、忘れがたく、その時のことを思うと頭の芯に痺れるような快感が走った。


 妻との味気ない夫婦の営みとは大違いである。今まで自分が男としてどれだけ損をしてきたか、今更ながらに思い知った。


 綾子の部屋から慌しく飛び出し、終電に間に合うように走って駅へ向かった。かろうじて間に合い、JRの駅からはタクシーを使って自宅の最寄り駅まで走る。そこから自分の車に乗り換えて帰宅。(あまり飲んでなかったのが幸いして、酒は完全に抜けていた)なんとかそれほど常識外れでない時間に、家に帰り着くことができた。しかし、それほどの努力をして帰宅したというのに、峰子はパジャマ姿で、眠そうな目をこちらに向けながら、めんどくさそうに顎をしゃくっただけだった。「遅かったのね」でも無ければ、「お帰り」でもない。耕治は、様々な言い訳を考えていた自分が虚しかった。他の女を抱いて帰宅したと言うのに、妻は関心すら示さない・・・。その無頓着な態度が逆に腹立たしかった。これまでずっと、峰子を妻として立ててきたつもりだった。だからこそ今日だって気を遣って早く帰って来たのだ。しかし向こうは耕治のそんな気遣いすら、どうでも良いらしかった。耕治は初めて峰子を、憎いと思った。


 取るものも取りあえずと言った風情ではあったが、携帯番号とメルアドはしっかり交換しておいた。既に先ほどの昼休み、綾子からメールが届いていた。『昨夜はお世話になりました。すっかり酔っ払ってしまって・・・ごめんなさい。とても楽しかったです。また機会がありましたら宜しくお願いします。』 意味深なことは何一つ書かれておらず、一見するとただのお礼のメールである。耕治が既婚者なので、気を遣っているのだろう。こういうところに綾子の本気度が現れているような気がした。秘密裏に関係を続けたいという願望が見え隠れしている。バカな女ならこんな時赤裸々なメールを送って、何もかもぶち壊しにするところだが、さすがに綾子は頭がいい。


 何と返信しようか・・・耕治は思案した。考えたあげく、事務的な文面で行くことにした。『こちらこそありがとうございました。久し振りにお会いできて嬉しかったです。是非また機会を持ちましょう。私は○日と○日が空いているのですが、そちらのご都合はいかがでしょうか?』 5分後、返信が来た。『お誘いありがとうございます。私は○日が空いております。先日お別れした場所で、7時にいかがでしょうか?』 先日お別れした場所とは、言うまでも無く綾子のアパートである。『○日の7時ですね。了解しました。では、宜しくお願いします。』 


 胸が躍る。事務的なメールを交換しているだけだと言うのに、心の中では置き火のような情熱が湧き上がっている。きっと綾子も同じはずだ。秘め事と言ってもいい関係は、こんな風によそよそしく、しかし確信犯的なしたたかさで深まって行くのかも知れない。耕治は、期待感で耳が熱くなるのを感じた。


 一週間後、耕治は再び綾子のアパートにいた。綾子は夕食の用意をして待っていてくれた。何となくお互い気まずく、何を話したら良いか分からない。「仕事は・・・?」「大丈夫よ。コージ先輩は?」「俺はいつだって暇だからさ」「そう。ワイン飲む?」「あ、もらおうかな」「出してくるね。待ってて」そういうと綾子は台所に消えた。こういう、してもしなくてもどちらでもいいような会話さえ心地よい。言葉の全てが、何か別の深い意味を持っているかのように響く。恋の甘さとは、こういうものだったのだ。長い間、忘れていた感覚だった。


 「俺、ひょっとしたらまだイケルかも・・・」何がどうイケルのか分からないが、耕治は根拠も無く自信たっぷりだった。この後の、綾子とのセックスへの期待が、現実の諸々をすっかり遠ざけ、幸福感と全能感を与えていた。綾子がワインボトルとグラスを持って戻って来て、耕治のグラスに赤ワインを注いでくれた。「乾杯」二人で声を合わせると、グラスになみなみと注がれた赤ワインを耕治は一気に飲み干した。


 携帯が鳴ったのは、その直後である。メールの受信らしかった。マナーモードだったので、綾子には気づかれていない。懐からちらりと出してみると、やはりメールだった。今すぐ確認しなければならない類のメールではないだろう・・・。耕治はたかをくくり、その時は無視した。


 30分ほどして、綾子が手洗いに立った時に、何となく気になって確認してみた。差出人の名前を見て、背筋が凍りついた。


(続く)

 女性と二人きりで居酒屋に入るなんて何年ぶりだろうか。


 繁華街の雑踏で偶然、かつての恋人綾子と再会した耕治は、懐かしさのあまりつい「時間ある?」と誘ってしまった。さりとて自身も街に出るのは久し振りなので勝手が分からず、とりあえず最寄の「養老の滝」に入ったのだ。ムードもへったくれもないが、致し方ない。


 18年ぶりに会った綾子は、少しも変わっていない気がした。恐らく38か9になっているはずだが、色白の丸顔、やや離れた黒目がちの、三日月形の目、ぼってりして口角の上がった唇。決して美人ではないが、いつも微笑んでいるような、チャーミングな顔立ち。若い頃とまったく遜色が無かった。学生時代は前髪を眉毛ぎりぎりで切りそろえたおかっぱ頭だったが、今はワンレンで背中までのロングを、明るい栗色に染めている。ブルーグレイのパンツスーツをビシッと着こなした、見事なキャリアウーマンだった。


 「綾ちゃん、変わってないね」思わず昔の呼び方で呼んだ。「コージ先輩こそ。・・・と言いたいところだけど、ちょっとお腹周りがふくよかになったかな?うふふ。」「毒舌も相変わらずだな」「すみませ~ん!」他愛も無い会話がスムーズに飛び出す。女性と会話を楽しむのも何年ぶりだろうか。


 こちらに来た理由は、転勤だと言う。綾子はずっと仕事を続けていたらしい。確か出版社に就職したはずだ。出版文化のないこの街で、仕事なんてあるんだろうか。「一応、編集長待遇ってことなんですけどね」「へぇ、すごいじゃない」「とんでもない。名ばかりの役職ですよ!新雑誌の企画を日本で一番元気なこの街で立ち上げるようにって言われて来たんですけど・・・なんか体のいい厄介払いみたいで。新雑誌作る話なんてこっちの人、誰も知らなかったし」「上の逆鱗にでも触れたのか」「さぁ、分かりません。確かにあたしちょっと主張の強いとこありますけど、今まで一生懸命仕事して来たつもりなんですけどねぇ。・・・あっ、ごめんなさい。久し振りに会ったのに愚痴ばっかりで。コージ先輩は今何してらっしゃるんですか?」「オレ?農協。以上!」「以上、ですか、あはは。他に何か言うことないんですか?」「無い!きっぱり」「あははは、じゃぁ、結婚は?」


 やっぱり聞かれた。隠しておいてもいずれ分かることなので、正直に打ち明けた。「7年前に、した。」「そうなんですか・・・お子さんは?」「娘がいるよ。」7人とはさすがに言えなかったが。「綾ちゃんは、結婚してるの?」「あたしですか・・・この指見てから、聞いてくださいよ~!」綾子はそう言って、両手を広げて耕治の方に突き出した。サンドベージュのマニキュアが綺麗に施された指は、左手の中指にメレダイヤをあしらったプラチナの指輪、右手の小指にシンプルな2連のピンクゴールドのリングがはまっていたが・・・左手の薬指には何もはまっていなかった。


 「へぇ、まだ独りなんだ」「そうなんですよ~負け犬ですよ、ま・け・い・ぬ!」「今39だっけ?」「あたし、早生まれですからまだ38です!っても、40近いってことに変わりはないんですけどね、あは。」「全然その年に見えないよ。もっとずっと若く見える。」「ありがとうございます!あたし、昔っから童顔でしたからねぇ・・・若い頃はこの童顔が嫌でしたけど、今は助けられてますねぇ・・・」「彼氏いるの?」「それがねぇ、いないんすよぉ!」


 綾子は段々饒舌になって来る。飲むほどに顔も赤らんで、テンションも上がっている。ストレスが溜まっているのか。「なんかねぇ・・・会社じゃあたし、若い女の子から同情されてるらしいんです。『負け犬のお局』って。こっちの人は保守的ですねぇ、東京じゃあたしぐらいの独身の女なんてゴロゴロいるから、特別な目で見られたことなんて無かったのに・・・こっちじゃあたし『かわいそうな人』なんですね。あたしを仕事してる人間じゃなくて、ただの女としてしか見ないんだもの、まったくやんなっちゃう・・・あたしは一体なんだっつーの!」


 昔から負けず嫌いだったが、今でもそうらしい。この気の強さに手を焼いたこともあったが、ひたむきさがかわいらしかった。情熱的で、耕治を全身全霊かけて愛してくれた。耕治ももちろん綾子のことが大好きだった。一時期は同棲までしていたほどの仲だったと言うのに、結局別れてしまった訳は、耕治のUターン就職だった。東京の企業に入らず、郷里へ帰って職を探す道を選んだのだ。耕治が就職してからもしばらくは遠距離で頑張っていたが、次第に疎遠になり、1年ほどで自然消滅した。その後風の便りで、綾子が東京の大手出版社に就職が決まったことを知った。やはりキャリア志向だったのだ、自分とは合わなかったのだ、耕治は無理やり自分にそう言い聞かせ、諦めることにしたのだった。


 そうなのだ。元々嫌いで別れた訳ではない。綾子は今でも独りだ。そして昔と変わらず、魅力的だ。耕治は、自分の中で何かが蠢くのを感じた。そしてそれは、したたかに酔って正体を失くしかけている綾子を見ている内に、だんだん大きくなって行った。「コージ先輩・・・あたし、ちょっと飲み過ぎちゃったみたいですぅ・・・」


 耕治は無言で酔いつぶれた綾子の肩をかつぐと、勘定を済ませ、通りへ出てタクシーを拾った。まだかろうじて意識のあった綾子から住所を聞きだし、運転手に告げた。そして30分後、耕治は綾子のアパートにいた。


(続く)


 







episode 6


23歳。大規模合コンで知り合ったY君。二つ年上。最初私は他の人といい雰囲気だったのだが、後でY君と話した時「こっちの方がいい」と思って乗り換えた(笑)Y君もそう思ってくれてたらしい。最初のデートは東山動物園。二人ともほとんど黙っている時が無いくらいずっと喋り続け、笑い転げた。ずっとこの関係が続くように祈って、ボートには乗らなかった。(注:東山動物園にある池のボートにカップルが乗ると別れる、というジンクスが名古屋にはある)車が好きでフィアットアウトビアンキというマニアックな車に乗っていた。中古のオンボロで、走るとガタガタ言うのだが、不思議と私は車酔いしなかった。彼といると本当に楽しかったからだと思う。そのまま行けばよかったのだが、私に他に好きな人ができてしまい、終わった。私が悪いのだ。


 Y君はガテン系のネアカタイプ。野茂英雄に似ていた。ヘビースモーカーで、吸っていた煙草はラッキーストライク。自動車整備工で、キャリアアップしたくて会社を辞めて、しばらくブラブラしていた。一緒に自動二輪の限定解除もしたくて教習所に通っていたのだが、そちらも、転職もうまく行かず、段々焦りだしていた。思えば、その頃から気まずい空気が流れ始めたのだと思う。デートしても会話が無くなり、会う回数も減った。そのくせ体だけは毎回求めて来るから、私の方が嫌気が差してきたのだ。気持ちにゆとりが無いと上手く行くものも行かなくなる、と学んだ恋だった。



episode 7


24歳。職場の上司で4つ年上、血液型B型のTさん。Y君との間が気まずくなった時にそういうことになってしまい、悩んだ挙句Y君を振ってTさんに行った。一つ問題は、Tさんが妻子持ちだったことだ。男女の仲になる前から色々なことに相談に乗ってくれた人だった。Y君のことも、Mさんとのこともだ。特にMさんのことは職場内恋愛だから怒られるかと思ったがそんなことはなく、私目線で意見を言ってくれ、とても心が救われた。そんな訳で以前から少し気になってはいたのだ。しかし結婚している人だし、職場の上司だしなぁ・・・と思って躊躇していた。付き合うきっかけになったのは、Tさんが「一緒にテニスでもするか」と誘って来たことだ。昼間ならいいかと思ってお付き合いしたのだが、なし崩しに夜まで一緒にいてしまった。Tさんも私のことを好きだったと告白され、驚いた。しかし自分は既婚だからと、ずっと抑えていたらしいのだ。Tさんとの付き合いはおよそ1年。休みを合わせるのが大変で、なかなかデ^トできなかった。会社で会う時の「上司」の顔と、一緒にいる時の「恋人」の顔のギャップがすごくて、そこがたまらなかった。体の相性がやたら良く、初めてセックスのよさを教えてくれたのもTさんだった。不倫の常として、幸せな時期は長く続かない。やがてTさんが、私と付き合うためにクリアしなければならない色んなことをめんどくさく感じるようになり、別れを告げられた。身を切られるような、辛い別れだった。しばらくは喪失感が続いた。別れた翌日から上司と部下として職場で顔を合わさねばならず、涙を必死でこらえて仕事をしたのを今でも覚えている。


 童顔だがおっさんくさいという不思議な人。結婚が早かったのでその分落ち着いていたのかも知れない。酒豪でヘビースモーカー。煙草の吸いすぎで始終変な咳をして、医者に禁煙を勧められているのに一向に辞めようとしなかった。私もTさんに何とか煙草を辞めさせようと頑張ったのだが、ムダだった。案外独占欲が強く(既婚者のくせに)嫉妬深かった。社員旅行で温泉に行った時、ホテルのパブでたまたま一緒になった他の会社の団体があったのだが、そこの男性社員の一人が私に話しかけてきたことがあった。それが面白くなかったらしく、後から責められた。私も納得行かなかったので喧嘩になった。そうしたら「ごめん。でも俺だけの夏ばこでいて欲しいんだ」と子犬のような目をして言われた。その言葉に当時の私はきゅんとなったのだが、今考えると随分身勝手なセリフだなぁ。


 好きで好きで仕方がなかった人。風の噂で離婚したらしいと聞いた。今頃どうしているだろうか、気になる。



episode 8



24歳。アルバイトでスナック嬢をしていた時のお客さん、Hさん。9歳年上。Tさんと付き合っていた時、彼と半同棲するために一人暮らしをしようと思って、お金を貯めるためスナックでバイトをしていたのだが、目論見に反してTさんとダメになってしまった。それでも惰性でバイトは続けていた。Hさんと出会ったのはそんな時だった。向こうも職場の若い女の子と不倫していて、終わったばかりだったので、お互い傷を舐め合うように、男女の仲になった。私もHさんも寂しかったのだと思う。お互いのことを本気で想っていた訳では無かったのだ。そのことにどちらともなく気づき、終わりになった。別れを告げたのは私の方。今の夫と知り合った(その時はまだ付き合ってはいなかったのだが)時点で、終わりにしようと決め、そう告げた。Hさんは「これからは友達として会おう」などと往生際の悪いことを言って来た(笑)。「友達」になんてなれるはずないと分かっていた私は、きっぱり断った。その選択は間違いではなかったと確信している。



 背が高く、ちょっと知的なイケメン。(実際はあんまり知的ではなかった 笑)一見すると「かっこいいパパ」。実際年より若く見えたし、お父さん連中の中ではかなりイケてる方だと思う。付き合っている時、話題はほとんど「前の彼女の話」と「Tさんの話」。本当に傷舐め合うだけの関係だったな・・・(苦笑) ま、そういう恋もアリってことで。




 以上、私の結婚する前までの男遍歴でした(笑)一応「好きだった」と言える人たちだけ挙げてみた。上記の他に、紹介されて付き合ってみたけど全然ダメだった人、いいなと思ってデートしたら向こうが既婚者だってことを隠していて、そのせいで気持ちが冷めてしまった人、どこがどう気に入らないのか全然分からず、むしろいい人だったのにどうしても好きになれなくて別れた人など、まだまだある。名前忘れたけど(爆)


 こうして列挙してみると、けっこう色んな人と付き合ってるなー。気まずい別れ方をしてしまった人も、すったもんだあった人もいるのだが、付き合っている時は大好きで、幸せだった。妊娠したことも、病気をうつされたことも、暴力を受けたりお金を騙し取られたことも無い。私の好きになった男の人たちは、皆いい人だったんだと思う。


 楽しかったなぁ。

 episode 1


18歳。相手は高校の先輩のHさん。部活のOBで、大学に進学した後もよく部室に遊びに来ていた人。試合後の打ち上げ会で意気投合し、電話番号交換し、クリスマスプレゼントも渡した。とある打ち上げ会の後、いいムードになってハグする。お互い酒が入っていたので(おいおい)大胆になったのかも知れない。これで私は「H先輩ゲットー!」と確信していた。ところが・・・その後の親睦会で、1コ下の後輩が「あたしはH先輩が好き!付き合ってください!」と大胆告白し、周りも拍手で祝福したため先輩も引っ込みがつかなくなり、付き合うことに。後で電話で「ごめん」と謝ってきた。


 背が高くてガタイが良くて天パでちょっとバタ臭い顔の、面白い人だった。言われた言葉で印象に残っているのは「君はもっと自分本位に生きた方がいい」。その言葉、そっくりアンタに返したいよ・・・。




episode 2


19歳。同じ会社の同期のK君。同期と言っても年上だった。向こうが何かと言うと私にちょっかいを出してくるので、私が勝手に勘違いをして、ある時電話で告白した。「彼女がいる」と言われ、あえなく玉砕。その後も同僚として普通に接したが、なかなか忘れられなかった。というのもK君、妙に優しいところがあって、残業で遅くなった時など家が逆方向なのにわざわざ車で送ってくれたり、私が一人で仕事してたりするとセクハラめいたちょっかいを出して来たり、とにかく意図がはっきり分からない接触をして来るのだ。しばらくしてK君が彼女と別れたという噂を聞いて、再チャレンジしたが、またあっけなく玉砕。いわく「夏ばこのことは妹みたいにしか思ってない」とのこと。


 極端に痩せていて髪が薄く、おまけに近眼で出っ歯。何であんなに好きだったのか全く分からない。ただしゃべりの面白さはピカ一だった。(そこに惚れたか?)あと面倒見のいいところも。・・・若干面倒見が良すぎるところもあるが・・・振った女を車でわざわざ送るなよ。中途半端な優しさ見せるなよ。余計勘違いするだろ。そういうのを優柔不断って言うんだよ。




episode 3


20歳。やはり同じ会社の同期のI君。同い年だった。実は私はI君を、過去に一度振っている。新入社員の時、向こうから「付き合ってくれ」と言われた。その気がないので断ったが、2年後私が会社を辞めることになり、それを言ったら「まだ好きだ」と言われた。その時は私もまんざらでもなかったので、付き合うことにした。最初は順調に行っていたのだが、2ヶ月くらいして急に相手の態度が冷たくなり、電話しても全く掴まらなくなった。私は一体どういうことだろうと頭が混乱してしばらく悩んだのだが、ある日別の友人から真相を知る。I君には年上の彼女がおり、私に告白した時はちょうどその彼女と上手く行っていなかった時期らしい。その後その彼女とヨリが戻り、私のことはお払い箱となった訳だ。失礼な奴。


 背がものすごく高く、草野球をやっていたのでガタイも良かった。連絡がつかなかった時は「野球で忙しい」と言い訳されていた。男が「忙しい」と言う時は、会いたくない口実に過ぎないことを教えてくれた最初の男。一見ヤンキーっぽいけど根はものすごく真面目。そこに惹かれたのかも。でも女癖は悪かった!



 episode 4


22歳。中学時代の恩師O先生。私の初めての男になった。中学時代から憧れていて、卒業式に気持ちを伝える。相手は教師なので当然一線を引かれ、ただ「いつでも遊びに来なさい」という言葉を真に受けて、高校時代しょっちゅうO先生に会いに、母校へ顔を出していた。私が社会人になってから二人で会ってくれるようになったが、まだ喫茶店でお茶を飲む程度。それから私もイロイロあり、(前項参照)一時期疎遠になっていたのだがある時交流が復活、月1、2回の割合でデートするようになる。私が20歳の頃、初めて結ばれる。ちなみにO先生は既婚。そのまましばらく不倫の関係を続けたが、私がそういうのに耐えられなくなって自分から別れを告げる。初めての男性だし、死ぬほど好きな人だったので、関係が終わった時はこのまま死んでしまいたいとさえ思った。多分一番辛い失恋。


 スポーツマンタイプで女生徒に人気があり、いつも数人の女子に囲まれていた。そんな人気者の先生と、私が付き合えたなんて信じられない。後で聞いたのだが、先生は随分悩んでいたと言う。いつの間にか私を女と見ている自分に気づき、どうしていいのか分からなくなったそうだ。親友にも相談したらしい。教師としての倫理観と、男としての感情の間で揺れに揺れ、結局男としての感情を取った。一回り近くも離れていたが、付き合っている内に年の差は感じなくなった。今でも、どうしているだろうかと時々気になる。県内で中学校の教師をなさっていると思うが、昨今の荒れた学校事情を知る度、心配でならない。お元気でいらっしゃるだろうか?



episode 5


23歳。O先生と別れて落ち込んでいる時に、声をかけてくれた二つ目の職場の同僚、Mさん。私は正社員で向こうはバイト、年は3つ上だった。一緒にシフトに入っている時になんとなく意気投合し、今度デートしようかという話になった。しかし当日待ち合わせの喫茶店で1時間以上待っても彼は来なかった。痺れを切らしてMさんの会社(正社員として働いている方)に電話をしてみると、「日にちを一日間違えていた」とのこと。気を取り直して翌日もう一度仕切りなおす。Mさんはたいそう恐縮してくれ、ものすごく優しかった。それで私も段々彼のことが好きになり、付き合うことになった。・・・しかし結論から言うと、彼とはすぐに終わった。結局相性が良くなかったのだと思う。別れた後も同じ職場のため、顔を合わせる度に随分気まずい思いをした。振られたのは私の方だったので、胸が痛んだ。このMさんも中途半端な優しさの持ち主で、バレンタインデーに送った義理チョコにていねいなお返しをくれたり、飲みに行こうと誘ったりして来たりした。私がいたたまれない気持ちになるのがイヤで、他にもう一人誘ったら、「何で誘うんだ」と後で怒って来た。そのくせ私と付き合うきは一切無いと言うのだ。自分勝手な男である。


 細身の優男で、あんまり男くさくない、どちらかというとフェミ男君タイプ。男性ホルモン少なそうと言うか。(私って男の趣味一貫してないなー)。一見ものすごく優しそうで、女にひどいことしなさそうに見えるのに、実は心が冷たい。最後のデートでバックトゥザフューチャー3を見に行ったのだが、映画の上映中ずっと私を避けるように、体を斜めにしていた。余談だが、結婚が決まってからこのMさんともう一度顔を合わせる機会があった。向こうはまだ独り身で彼女ナシ。私を見て、妙に愛想良く接してきた。「機会があったら旦那さん紹介してよ」って、一体何がしたかったんだか。振ってから「逃がした魚は大きい」ことに気づいても遅いわ!




 まだまだあるのだが、続きはまたの機会。

 最近、公私ともにイロイロあって、精神的に疲れてしまいました。


 ブログを続けて行く気力が無くなりました。


 なので、今日4月1日をもってブログを閉鎖したいと思います。


 今まで「雑想三昧。」をご愛読下さったみなさん、本当にありがとうございました。


 飽きっぽい私が今までブログを続けて来られたのは、みなさんのお陰です。


 もうすぐ2周年なので、せめてそれまでは続けようかと思ったんですが・・・


 根性無くて申し訳ありません。


 みなさんの所へは、時々遊びに行かせていただきます。


 「雑想三昧。」は無くなりますが、これからも夏ばこを宜しくお願いします。




 2008年4月1日      管理人













































・・・ウソです。


 

 「ちゃんとした家庭を築いてこれからはまっとうに、落ち着いて生きる」


 な~んて


 貴方には無理ですよ~


 無理!無理!無理!


 そういうことはねぇ~できる人とできない人がいるの


 あなたは「できない人」


 私もだが(笑)


 胸の内にたぎる熱い思いに素直になってしまったことが一回でもある人は


 穏やかに生きるなんてことは無理なの!


 貴方今まで何回そういうことあった?(数え切れないでしょ)


 体と心に蠢くものを無理やりに押さえつけて生きたいですか?


 「正しく生きる」だけが人生じゃないですよ~


 人間ってもっともっと複雑ですよ~


 貴方は貴方のお父さんとは違うんだから


 お父さんにできたことが貴方にできるとは限らない


 ていうか

 

 真似せんでもええ!


 貴方らしく生きたらいいのよ


 私も私らしく生きるからさ

 忘れたいと無理して思う自分がいたら それはもう忘れてはいけない



 胸が苦しくて心が苦しくて耐えられないの この苦しみをもっと下さい



 いとおしくて憎い人 憎くていとおしい人二人とも同一人物だったりする



 楽しいだけの恋なんてない でも苦しいだけの恋ならある矛盾



 恋そのものが幸せなのだから どんな恋でも受け入れろと言われた



 人妻に恋する男 夫でない男に恋する人妻 きっとどちらも不幸に見える



 若い女に恋する妻子持ち 妻子持ちに恋する若い女 きっとどちらも浮かれて見える



 『忘れない』と貴方が言った その言葉を糧に明日を生き延びるつもりです

3月22日の私のブログへのアクセス数は、1349だった。

(ΘoΘ;)一瞬、349の間違いではないのかと思った。いつものアクセス数は平均300前後で、多い時で600超えるぐらいなのだ。1000行ったことなど、今まで一度もない。

一体何が起こったのか。

1349の内訳は、1100余りが携帯からで、残りはパソコンだった。のべ1100人以上の人が、携帯で『雑想三昧』を読んで下さったのか…
なんにせよ、アクセス数が増えるのはありがたい。やりがいを感じる。

みなさんありがとう、これからもご贔屓に。(^o^)/
さっきまで乗っていた電車の中で、隣に座っていた女性が一心不乱に化粧をしていた。

ファンデーションを塗り、眉を描き、紫のアイシャドウを塗り、アイラインを引き、紅いチークと濃いローズの口紅を入れて完成。年の頃なら40をちょっと出たぐらい、電車に乗って来た頃よりも、ややくっきりした顔になった。

電車の中でフルメイクをする若い女はいくらでもいるが、これくらいの中年女性はちょっと珍しい。不思議なものだが、若い女性よりもよほど醜悪に見える。

何ヵ月も洗ってなさそうな汚れたファンデーションのパフ、安っぽい紫のシャドウ、試供品をそのまま使っている口紅…全てがその女性を貧乏臭く、薄汚く見せている。よく見ると化粧をするためにピンで留めた前髪がそのままだ。(-"-;)

つくづく、年を取るということは醜さを増すことなのだと思う。若い女が同じことをしても、ここまでの醜悪さは感じなかっただろう。(だからと言って若い女の電車内化粧を肯定しているわけではない)

結論。女はある程度の年になったら、人前では居ずまいを正していなければならない。若い時に許された『隙』が、中年になると単なるだらしなさとして映る。理不尽かも知れないが仕方ない。

…と、我が身を振り返り肝に命じた。『人の振り見て我が振り直せ』だ。

自分独りの力で生きてみたい。突然そう思った。いや、随分前からそう思っていた気がする。


一人でアパートに住んで家賃払って生活して…いくらくらいあればできるだろう?どれくらい稼げば十分だろう?


もし…一人で生きられるだけの生活費を稼ぐことができたなら、独りで生きてみたいなぁ。


一度でいいから自分の力で生きてみたい。誰かに養われるだけでなく。


貧しくとも自由に。