日本酒 醸造アルコール添加のホントのところ
今までの記事はこちらから
日本酒の大間違い
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
なぜ日本酒の味がわかりにくいのか
マーケティング下手の日本酒
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
で、なぜ日本酒が隅っこに追いやられて
しまったのかを書きました。
1.ワインや焼酎をはじめとする、その他の
お酒がおいしくなって安くなってしまったこと。
2.そもそも日本酒の取り扱いは繊細で
あるべきはずなのに、冷蔵庫にも
入れず日光にさらしたり燗つけ機に
つけっぱなしにして劣化させて
しまっていること。
3.誤った知識が蔓延してしまい、まっとうな
日本酒が避けられて、おいしくない
純米酒がはびこってしまったこと。
3.について、その回は書きました。
その時に書かなかったことで追加したいことが
一つ。

間違った知識がツタのようにはびこってます
よく醸造アルコールの添加について書かれた
本や漫画、ブログなどがありますが、アルコール
の添加方法について書かれたものは
あまり見たことがありません。
毛嫌いしすぎて作り方を知らないのは
本末転倒のような気がしますが。
醸造アルコールとは、サトウキビから作られる
アルコールを連続式蒸留器で蒸留したもので、
ある面『ウォッカとラムのあいのこ』のような
ものです。
悪意ある人間が書くと決まって原料が
『廃糖蜜』
と書かれたりしますが、普通にお菓子の原料や
黒糖の原料、ラム酒の原料に使われるものです。
なんでわざわざ『廃』なんて字を使うん
でしょうね。まあ、使わないことはないのですが、
食品の原料として使われるときには普通は
糖蜜と書かれます。

糖蜜はこんな感じで売られてます
さて、この醸造アルコール。
実際は、高濃度の醸造アルコールをタンクローリー
で運んでもらった後は即薄めて40度に落とします。
そのままだと発火するので危険なのです。
危険物の取り扱いが必要になってしまいますし。
知ったかぶった人がいきなり高濃度のアルコール
を圧搾した酒に添加するような事を書いて
ありましたが、そんなことはしません。
実際には絞る前の醪(もろみ)と呼ばれる米と
米麹がどろどろしているものの中に静かに
入れます。
絞る寸前のもろみは、だんだんと米が抜け殻
のように麹菌の酵素により分解され、乳酸菌
や酵母が繁殖し終わっており、さまざまな成分
を含みつつ下に沈殿しております。
甘酒みたいなもの、と言えば分りやすい
でしょうか。

これが醪です。ふつふつと発行しているまだ若い段階のものです。
この沈殿に向かって静かに静かに棒に
伝わらせて醸造アルコールを流します。
これにより、水に溶けにくい成分が
アルコールに溶けだします。
醪もアルコールはあるにはあるのですが、
どんなに高くとも20度を超えることはないので、
この醸造アルコールが入ることで純米酒には
出せない味が出来上がることになります。
具体的には、香りの成分である酢酸エチル
などのエステル類や味に関与する高級アルコール
があげられます。
また、これらの成分に加え、アミノ酸総量、
有機酸類(乳酸、コハク酸) の量も添加しても
変わりません。
また、コストコストと言われますが、
醸造アルコールの添加量は蔵によって
厳しく制限されているので、大量生産
しても、使える醸造アルコールの量は
決められており、そのコスト低減効果は
蔵全体からみると限定的です。
また、本当に味に関して気を付けて
作っているところは醸造アルコールの使用量も
限定的で、コストで見るとそこまでの効果は
ありません。

まあ、コストが安かったとしても売値が安かったら別にいいんじゃないかと思うのですが
まあ、普通酒とか作るにあたっての使用は
確かにコスト低減のため、と言えそうですが
最も安いお酒なのだから仕方がないんじゃ
ないかと思います。
ちなみに三増酒といって、元の3倍量に
なるお酒のことをしたり顔で言う人がいますが、
現在は酒税法の改正で3倍量に
なるほど添加はできません。
さらに、ぎりぎりの量まで添加した酒があった
としても、そのお酒をそのまま出荷する
ことはなく、普通酒のブレンド用に
使われます。
三増酒そのものは消滅してしまったのです。
醸造業界は、技術の革新もさることながら、
税制も驚くほどの速さで変わっていきます。
また、酒税法の縛りで、蔵が自由にできる
事は実は限定されていたりします。

情報は常に新しくなっております。消滅していることもあるんです。
また、醸造アルコールの添加=悪とする
人達は、純米酒をまるで神のように崇めて
おりますが、純米酒も全然、水や米以外のものを
添加していないわけではなく、たとえば
ラベルには書いてありませんが乳酸が添加
されています。
実情を本当に知っているのかと疑いたくなる
こともあり、そういううわべだけの知識をふりまわす
のは、日本酒そのものにとって非常に良くないこと
ではないかと思うのです。
次回は1.2.についてお話しできれば、と思います。

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日本酒の大間違い
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
なぜ日本酒の味がわかりにくいのか
マーケティング下手の日本酒
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
で、なぜ日本酒が隅っこに追いやられて
しまったのかを書きました。
1.ワインや焼酎をはじめとする、その他の
お酒がおいしくなって安くなってしまったこと。
2.そもそも日本酒の取り扱いは繊細で
あるべきはずなのに、冷蔵庫にも
入れず日光にさらしたり燗つけ機に
つけっぱなしにして劣化させて
しまっていること。
3.誤った知識が蔓延してしまい、まっとうな
日本酒が避けられて、おいしくない
純米酒がはびこってしまったこと。
3.について、その回は書きました。
その時に書かなかったことで追加したいことが
一つ。

間違った知識がツタのようにはびこってます
よく醸造アルコールの添加について書かれた
本や漫画、ブログなどがありますが、アルコール
の添加方法について書かれたものは
あまり見たことがありません。
毛嫌いしすぎて作り方を知らないのは
本末転倒のような気がしますが。
醸造アルコールとは、サトウキビから作られる
アルコールを連続式蒸留器で蒸留したもので、
ある面『ウォッカとラムのあいのこ』のような
ものです。
悪意ある人間が書くと決まって原料が
『廃糖蜜』
と書かれたりしますが、普通にお菓子の原料や
黒糖の原料、ラム酒の原料に使われるものです。
なんでわざわざ『廃』なんて字を使うん
でしょうね。まあ、使わないことはないのですが、
食品の原料として使われるときには普通は
糖蜜と書かれます。

糖蜜はこんな感じで売られてます
さて、この醸造アルコール。
実際は、高濃度の醸造アルコールをタンクローリー
で運んでもらった後は即薄めて40度に落とします。
そのままだと発火するので危険なのです。
危険物の取り扱いが必要になってしまいますし。
知ったかぶった人がいきなり高濃度のアルコール
を圧搾した酒に添加するような事を書いて
ありましたが、そんなことはしません。
実際には絞る前の醪(もろみ)と呼ばれる米と
米麹がどろどろしているものの中に静かに
入れます。
絞る寸前のもろみは、だんだんと米が抜け殻
のように麹菌の酵素により分解され、乳酸菌
や酵母が繁殖し終わっており、さまざまな成分
を含みつつ下に沈殿しております。
甘酒みたいなもの、と言えば分りやすい
でしょうか。

これが醪です。ふつふつと発行しているまだ若い段階のものです。
この沈殿に向かって静かに静かに棒に
伝わらせて醸造アルコールを流します。
これにより、水に溶けにくい成分が
アルコールに溶けだします。
醪もアルコールはあるにはあるのですが、
どんなに高くとも20度を超えることはないので、
この醸造アルコールが入ることで純米酒には
出せない味が出来上がることになります。
具体的には、香りの成分である酢酸エチル
などのエステル類や味に関与する高級アルコール
があげられます。
また、これらの成分に加え、アミノ酸総量、
有機酸類(乳酸、コハク酸) の量も添加しても
変わりません。
また、コストコストと言われますが、
醸造アルコールの添加量は蔵によって
厳しく制限されているので、大量生産
しても、使える醸造アルコールの量は
決められており、そのコスト低減効果は
蔵全体からみると限定的です。
また、本当に味に関して気を付けて
作っているところは醸造アルコールの使用量も
限定的で、コストで見るとそこまでの効果は
ありません。

まあ、コストが安かったとしても売値が安かったら別にいいんじゃないかと思うのですが
まあ、普通酒とか作るにあたっての使用は
確かにコスト低減のため、と言えそうですが
最も安いお酒なのだから仕方がないんじゃ
ないかと思います。
ちなみに三増酒といって、元の3倍量に
なるお酒のことをしたり顔で言う人がいますが、
現在は酒税法の改正で3倍量に
なるほど添加はできません。
さらに、ぎりぎりの量まで添加した酒があった
としても、そのお酒をそのまま出荷する
ことはなく、普通酒のブレンド用に
使われます。
三増酒そのものは消滅してしまったのです。
醸造業界は、技術の革新もさることながら、
税制も驚くほどの速さで変わっていきます。
また、酒税法の縛りで、蔵が自由にできる
事は実は限定されていたりします。

情報は常に新しくなっております。消滅していることもあるんです。
また、醸造アルコールの添加=悪とする
人達は、純米酒をまるで神のように崇めて
おりますが、純米酒も全然、水や米以外のものを
添加していないわけではなく、たとえば
ラベルには書いてありませんが乳酸が添加
されています。
実情を本当に知っているのかと疑いたくなる
こともあり、そういううわべだけの知識をふりまわす
のは、日本酒そのものにとって非常に良くないこと
ではないかと思うのです。
次回は1.2.についてお話しできれば、と思います。
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マーケティング下手の日本酒
日本酒について書いたお話はこちら。
日本酒の大間違い
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
なぜ日本酒の味がわかりにくいのか
日本酒業界でもいろいろとマーケティングを
試してはいるものの、私からすると感心しないなぁ、
というのが実情です。
たとえば、日本酒度というものがあります。
----------引用開始-----
日本酒の比重を表示するために設けられた単位で、
15℃のお酒に日本酒度計と呼ばれる特別の浮秤を
浮かべて測定します。
15℃で4℃の純粋の水と同じ重さのお酒(比重=1)
は日本酒度±0で、それより軽いものはプラス(+)、
重いものはマイナス(-)で表示します。
一般的に甘口酒は含糖量が多く、比重が大きいので
(-)側に傾き、逆に辛口酒は(+)側に傾きます。
そのため、酸の多さによっても違いはありますが、
一般的には(+)の度合いが高くなるほど辛口であり、
(-)の度合いが高くなるほど甘口ということになります。
http://www.kikumasamune.co.jp/toshokan/05/05_06.html
----------引用終わり------

シチュエーション的にこんな感じで一度飲んでみたいですね
食品についてお詳しい人ならわかるかと
思いますが、これは、Brixを間接的に
測っているんです。
Brixというのはエキス分のことで、ある液体
の中に含まれている固形分全体を指すもの
です。
こちらを用いて、高いものは辛口、低いものは
甘口という事で目安として書かれています。
しかし、中に含まれる酸の度合いやその他の
成分量、飲むときの温度などなどで、
甘口辛口の感じ方は人によって違ってきて
しまいます。
これは、日本酒の自由さでもあるんですが、
キリキリに冷やすところから、アツアツの
お燗まで温度を自分がおいしいように
設定することができます。
これがワインですと室温とか10度前後
など、比較的決まった温度で飲むことを
勧められますので大きな違いとなります。
逆に言えば、同じ条件での味見となるので、
赤ワインの重厚さの度合いや、白ワインの
甘口辛口は、日本酒と比べれば基本的に
ブレが生じにくいといえます。
よって、この日本酒度が使えるかどうか
本当に微妙なところになってしまいます。
日本酒度が5だから、辛口で白身の魚にあう
とか全然言えません。
そのため、私は日本酒度でお酒を決めた
ことはありません。(苦笑)

最近は、このようにコンビニで缶入りの日本酒なども売られてますよね
日本酒メーカーに言いたいのは、
ラベルからでは中身が本当によくわからない
ことです。
最近でこそラベルに説明文が書かれて、
味の手がかりになるような文章が出てきましたが、
やはり、何の料理に合うのか、濃厚な飲み口か
端麗な飲み口かなどの情報は欲しいです。
こういうところの努力が足りないからこそ、
やれアルコールが添加されているからこれは
ダメだとか、吟醸だから味が薄いとか
したり顔のニセ通がはびこってしまうのです。

ニセモノ
ラベルや瓶の色などはきれいになって、
どこに贈答に出しても問題ないものに
なってきました。
しかし、消費者がほしいのはきれいなビンでも
たいそうなラベルでもありません。
中身についての情報なのです。

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日本酒の大間違い
ああ、嘆かわしい -日本酒ほんとのところ-
なぜ日本酒の味がわかりにくいのか
日本酒業界でもいろいろとマーケティングを
試してはいるものの、私からすると感心しないなぁ、
というのが実情です。
たとえば、日本酒度というものがあります。
----------引用開始-----
日本酒の比重を表示するために設けられた単位で、
15℃のお酒に日本酒度計と呼ばれる特別の浮秤を
浮かべて測定します。
15℃で4℃の純粋の水と同じ重さのお酒(比重=1)
は日本酒度±0で、それより軽いものはプラス(+)、
重いものはマイナス(-)で表示します。
一般的に甘口酒は含糖量が多く、比重が大きいので
(-)側に傾き、逆に辛口酒は(+)側に傾きます。
そのため、酸の多さによっても違いはありますが、
一般的には(+)の度合いが高くなるほど辛口であり、
(-)の度合いが高くなるほど甘口ということになります。
http://www.kikumasamune.co.jp/toshokan/05/05_06.html
----------引用終わり------

シチュエーション的にこんな感じで一度飲んでみたいですね
食品についてお詳しい人ならわかるかと
思いますが、これは、Brixを間接的に
測っているんです。
Brixというのはエキス分のことで、ある液体
の中に含まれている固形分全体を指すもの
です。
こちらを用いて、高いものは辛口、低いものは
甘口という事で目安として書かれています。
しかし、中に含まれる酸の度合いやその他の
成分量、飲むときの温度などなどで、
甘口辛口の感じ方は人によって違ってきて
しまいます。
これは、日本酒の自由さでもあるんですが、
キリキリに冷やすところから、アツアツの
お燗まで温度を自分がおいしいように
設定することができます。
これがワインですと室温とか10度前後
など、比較的決まった温度で飲むことを
勧められますので大きな違いとなります。
逆に言えば、同じ条件での味見となるので、
赤ワインの重厚さの度合いや、白ワインの
甘口辛口は、日本酒と比べれば基本的に
ブレが生じにくいといえます。
よって、この日本酒度が使えるかどうか
本当に微妙なところになってしまいます。
日本酒度が5だから、辛口で白身の魚にあう
とか全然言えません。
そのため、私は日本酒度でお酒を決めた
ことはありません。(苦笑)

最近は、このようにコンビニで缶入りの日本酒なども売られてますよね
日本酒メーカーに言いたいのは、
ラベルからでは中身が本当によくわからない
ことです。
最近でこそラベルに説明文が書かれて、
味の手がかりになるような文章が出てきましたが、
やはり、何の料理に合うのか、濃厚な飲み口か
端麗な飲み口かなどの情報は欲しいです。
こういうところの努力が足りないからこそ、
やれアルコールが添加されているからこれは
ダメだとか、吟醸だから味が薄いとか
したり顔のニセ通がはびこってしまうのです。

ニセモノ
ラベルや瓶の色などはきれいになって、
どこに贈答に出しても問題ないものに
なってきました。
しかし、消費者がほしいのはきれいなビンでも
たいそうなラベルでもありません。
中身についての情報なのです。
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宵越しのお茶はなぜ飲めない?
お茶
日本では緑茶が主でしたが、最近になって
さまざまな場所で紅茶やウーロン茶、はては
プーアール茶まで作るようになってきました。
知り合いの台湾人いわく、
『お茶は美しい。色も香りも』
というように、良いお茶は色も香りももちろん
味もよいものです。

お茶とお菓子 組み合わせとして素晴らしいですね。
よく言われるのが、淹れたお茶を次の日まで
持たせない、というもの。
いわゆる
『宵越しのお茶は飲まない』
という言葉があります。
実際に筆者はお茶を冷蔵庫に入れて
おいて飲めなくなってしまいました。
口をつけてないのに腐ってしまったのです。

スイカも菌にやられると…。
現代のお茶は、近代的な設備で
比較的衛生的に製造されて
おりますが、さすがにオープンエア、
つまり外の空気がそのまま加工場
の中に入ってくる構造になって
いるので、空気中の菌がそのまま
ついてしまいます。
前回のパンの話の逆ですね。
パンの場合は、製造の場に直接
外の空気が入ることはありません。
そのため、空気中の菌がパンに
くっつくことがなく長持ちするのです。
お茶の場合は、高温の蒸気で葉を
揉んで、熱風乾燥させますので、
湿気させたりせずに乾燥
している状態であれば、ほとんどの
菌は死滅してしまいます。

オープンエアは解放系ともいいます。
同じようなものでは海苔とか干物
などが挙げられます。
これらも外からの空気をそのまま使って
製造しております。
いずれの場合も、塩分がやや高かったり
極端に水分が少なかったりするので、
一般の菌は死滅します。
あくまでも一般的な菌は、ですが。

筆者も大好物です。でも、味噌や醤油、日本酒などの醸造の天敵です
納豆菌の仲間は極端な乾燥
でも熱でも死にません。
いえ、正しく言うと、増殖に熱が
必要なのです。
納豆菌の仲間のBacillus属の
菌は、栄養条件が悪くなるなどの、
生命の危機を感じると芽胞と呼ばれる
胞子状の形態の分身を作ります。
この芽胞、80℃程度の熱でも薬でも
塩分でもほとんど死にません。
むしろ、80度ぐらいの熱がかからないと
この休眠状態からなかなか起きない
というしぶとさを持っております。
この菌の仲間は土壌中にたくさん生息
しており、空気中にも風に飛ばされて
浮遊しております。
よって、お茶の表面にも降りかかって
いたり、そもそものお茶葉から生きたまま
製茶されていることもあります。

中国茶は一煎目を捨てたりしますが、あれは質の良くないお茶の時にするものだそうです
よって、Bacillus属の菌に汚染されて
いた場合は、お茶を一晩おいてしまうと
お茶の中で菌が増殖して飲めなくなって
しまうのです。
熱いお湯をかければ、Bacillus属の菌は
その熱によって目が覚めて大暴れして
しまいます。
昔の人々は経験的に知っていたん
ですね。

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日本では緑茶が主でしたが、最近になって
さまざまな場所で紅茶やウーロン茶、はては
プーアール茶まで作るようになってきました。
知り合いの台湾人いわく、
『お茶は美しい。色も香りも』
というように、良いお茶は色も香りももちろん
味もよいものです。

お茶とお菓子 組み合わせとして素晴らしいですね。
よく言われるのが、淹れたお茶を次の日まで
持たせない、というもの。
いわゆる
『宵越しのお茶は飲まない』
という言葉があります。
実際に筆者はお茶を冷蔵庫に入れて
おいて飲めなくなってしまいました。
口をつけてないのに腐ってしまったのです。

スイカも菌にやられると…。
現代のお茶は、近代的な設備で
比較的衛生的に製造されて
おりますが、さすがにオープンエア、
つまり外の空気がそのまま加工場
の中に入ってくる構造になって
いるので、空気中の菌がそのまま
ついてしまいます。
前回のパンの話の逆ですね。
パンの場合は、製造の場に直接
外の空気が入ることはありません。
そのため、空気中の菌がパンに
くっつくことがなく長持ちするのです。
お茶の場合は、高温の蒸気で葉を
揉んで、熱風乾燥させますので、
湿気させたりせずに乾燥
している状態であれば、ほとんどの
菌は死滅してしまいます。

オープンエアは解放系ともいいます。
同じようなものでは海苔とか干物
などが挙げられます。
これらも外からの空気をそのまま使って
製造しております。
いずれの場合も、塩分がやや高かったり
極端に水分が少なかったりするので、
一般の菌は死滅します。
あくまでも一般的な菌は、ですが。

筆者も大好物です。でも、味噌や醤油、日本酒などの醸造の天敵です
納豆菌の仲間は極端な乾燥
でも熱でも死にません。
いえ、正しく言うと、増殖に熱が
必要なのです。
納豆菌の仲間のBacillus属の
菌は、栄養条件が悪くなるなどの、
生命の危機を感じると芽胞と呼ばれる
胞子状の形態の分身を作ります。
この芽胞、80℃程度の熱でも薬でも
塩分でもほとんど死にません。
むしろ、80度ぐらいの熱がかからないと
この休眠状態からなかなか起きない
というしぶとさを持っております。
この菌の仲間は土壌中にたくさん生息
しており、空気中にも風に飛ばされて
浮遊しております。
よって、お茶の表面にも降りかかって
いたり、そもそものお茶葉から生きたまま
製茶されていることもあります。

中国茶は一煎目を捨てたりしますが、あれは質の良くないお茶の時にするものだそうです
よって、Bacillus属の菌に汚染されて
いた場合は、お茶を一晩おいてしまうと
お茶の中で菌が増殖して飲めなくなって
しまうのです。
熱いお湯をかければ、Bacillus属の菌は
その熱によって目が覚めて大暴れして
しまいます。
昔の人々は経験的に知っていたん
ですね。
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パンはなぜカビない腐らない?
実は、前にもちょこっと書きましたが
私は無類のパン好きです。
スーパーで市販されているパンも
菓子パンも、街のパン屋さんで
売られているパンも大好きなのです。

ちょっと前までは家で朝から焼き立てパンを食べてました
最近はドイツパンにはまっており、
そこのご主人はドイツで本格的な
修行をされ、パンとお菓子のマイスター
を取られたそうです。
ドイツは日本と違って、いろいろな
職業を行うのに免許が必要で、
一定の技術がないとその職業に
つけないという規則があります。
免許がないと車が運転できないのと
いっしょですね。

免許の考え方がドイツと日本では違うのでしょうね
そこで大体聞かれるのが、
『パンにもいろいろと保存料入れてあるんでしょ。
特に大企業のものに』
『スーパーで売られているパンっていろいろな
ものが入っているのでしょ?』
『パンって天然酵母のほうがいいんでしょ?』
えー、皆さん、何か大企業に恨みでも
あるんでしょうか?
たとえば、昔大企業に大切にとっておいた
おやつを取られたりとか。ご先祖様の仇が
大企業だったりとか。

おやつを取られれば腹が立ちますよね
冗談はさておき。
天然酵母については、危険が多少なりとも
ある可能性があります。前にも書いた通りです。
何でもかんでも天然と名が付けば安全
というのは大間違いです。彼らも生き物であり、
人間のためなどではなく自分自身のために
生きているのです。
さらには、酵母自体がカビと非常に近い
生き物なので、毒を作る可能性はあります。
実際に軽度の食中毒のもとになることもあります。
よって、天然だから何でもかんでも体に
良いというわけではありません。
さて、日本のパンは、周りの空気に水分が
多いこともあってかびやすいのは事実です。
腐らないのは、パン自体の水分が腐るまで
はないからです。
ではなぜかびにくくなってきたのか。
単純に言えば企業努力です。
工場内を清潔に保ち、取り入れる空気を
フィルタリングすることで雑菌を極力減らし、
衛生レベルを非常に上げたことで、
焼きあがったパンの表面にカビが
付かなくなってきたのです。
保存料は確かに入っています。
ただし、それは殺菌剤という意味ではなく、
雑菌が入り込んでも増えにくくなるような
もの、たとえばお酢に近いような成分や
抗酸化剤のビタミン類などのことです。
これらを入れることによりパンの持ちは
良くなります。

餅・・・
街場のパン屋さんはどうでしょうか?
実は特段の断りがなければ、
原料の違いはあまりありません。
ややもすると、冷凍生地を買ってきて
ただ整形して、あるいは上にトッピング
を載せて焼いただけというところもあります。
こういったところは全くスーパーで
市販されているパンと変わりません。
また、見えないところで虫やネズミが
通ったりしており、とても工場のほうが
きれいとは言えない状態というところも
あります。
外見だけきれいにしておいて、中は
ぼろぼろ。よくある話です。
まあ、それでもパンは高温で焼いてしまう
ので、食中毒菌による汚染は極端に
少ないといえます。
市販のパンであっても、街のパン屋さんの
パンであってもおいしいものをおいしく
食べるのがパンをおいしく食べるコツと
言えます。

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私は無類のパン好きです。
スーパーで市販されているパンも
菓子パンも、街のパン屋さんで
売られているパンも大好きなのです。

ちょっと前までは家で朝から焼き立てパンを食べてました
最近はドイツパンにはまっており、
そこのご主人はドイツで本格的な
修行をされ、パンとお菓子のマイスター
を取られたそうです。
ドイツは日本と違って、いろいろな
職業を行うのに免許が必要で、
一定の技術がないとその職業に
つけないという規則があります。
免許がないと車が運転できないのと
いっしょですね。

免許の考え方がドイツと日本では違うのでしょうね
そこで大体聞かれるのが、
『パンにもいろいろと保存料入れてあるんでしょ。
特に大企業のものに』
『スーパーで売られているパンっていろいろな
ものが入っているのでしょ?』
『パンって天然酵母のほうがいいんでしょ?』
えー、皆さん、何か大企業に恨みでも
あるんでしょうか?
たとえば、昔大企業に大切にとっておいた
おやつを取られたりとか。ご先祖様の仇が
大企業だったりとか。

おやつを取られれば腹が立ちますよね
冗談はさておき。
天然酵母については、危険が多少なりとも
ある可能性があります。前にも書いた通りです。
何でもかんでも天然と名が付けば安全
というのは大間違いです。彼らも生き物であり、
人間のためなどではなく自分自身のために
生きているのです。
さらには、酵母自体がカビと非常に近い
生き物なので、毒を作る可能性はあります。
実際に軽度の食中毒のもとになることもあります。
よって、天然だから何でもかんでも体に
良いというわけではありません。
さて、日本のパンは、周りの空気に水分が
多いこともあってかびやすいのは事実です。
腐らないのは、パン自体の水分が腐るまで
はないからです。
ではなぜかびにくくなってきたのか。
単純に言えば企業努力です。
工場内を清潔に保ち、取り入れる空気を
フィルタリングすることで雑菌を極力減らし、
衛生レベルを非常に上げたことで、
焼きあがったパンの表面にカビが
付かなくなってきたのです。
保存料は確かに入っています。
ただし、それは殺菌剤という意味ではなく、
雑菌が入り込んでも増えにくくなるような
もの、たとえばお酢に近いような成分や
抗酸化剤のビタミン類などのことです。
これらを入れることによりパンの持ちは
良くなります。

餅・・・
街場のパン屋さんはどうでしょうか?
実は特段の断りがなければ、
原料の違いはあまりありません。
ややもすると、冷凍生地を買ってきて
ただ整形して、あるいは上にトッピング
を載せて焼いただけというところもあります。
こういったところは全くスーパーで
市販されているパンと変わりません。
また、見えないところで虫やネズミが
通ったりしており、とても工場のほうが
きれいとは言えない状態というところも
あります。
外見だけきれいにしておいて、中は
ぼろぼろ。よくある話です。
まあ、それでもパンは高温で焼いてしまう
ので、食中毒菌による汚染は極端に
少ないといえます。
市販のパンであっても、街のパン屋さんの
パンであってもおいしいものをおいしく
食べるのがパンをおいしく食べるコツと
言えます。
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食品表記 ホントのところ 2
前回までのお話
食品表記 ホントのところ
食品の表記って本当にわかりにくい
ですよね。
筆者もわかるようになったのは、
読み方を書いてある本を読んでからで、
前知識がなく読もうとすると結構
つらいものがあります。
なぜ、わかりにくい表示になってしまうのか。
原因は下記の3つではないかと思います。
1.管轄の法律・省庁が複数
2.安全を担保するために、必要な情報を
全部入れている
3.そもそも表示に関する読み方を誰も
教えてくれない
今回は2.についてお話を。

三本の矢 ではありませんが。
2.安全を担保するために、必要な情報を
全部入れている
1.でもお話しましたが、法律により以下の表示が
義務付けられております。
JAS法・・・原材料、原産地
資源有効利用促進法と容器包装リサイクル法・・・リサイクルマーク
食品衛生法・・・名称・添加物、賞味期限、保存方法、
製造業者等、遺伝子組換え食品、
アレルギー表示
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
健康増進法・・・栄養成分表示
計量法・・・内容量
(重複しているものは外しております)
なぜ、ここまで様々な表示が義務付けられているのか。
これは、安心安全を担保するためです。

アクセサリーを担保に・・・
原材料は重要な項目で、中身の類推や
自分の体質にあうかどうか、味付けが
自分の好みに合うかどうかなどを、
低い精度かもしれませんが読み取ることが
できます。
原産地は言うまでもないですね。
最近では加工地まで書いてあるものも
あります。
リサイクルマークに関しては、ゴミ出し
の際の分別に必要ですし、
製造業者等というのは、製造業者
以外として販売者が挙げられたりします。
何か質問があったりしたときには
連絡先として必要ですよね。

質問することは重要です。
特別に添加物を別項目としてあるのは、
法律的には原材料ではない、という
意味です。本来的にはなくても良い
ものであって、特別な効果を持たせようと
して使っているという事です。
賞味期限と保存方法はペアです。
保存方法がしっかりしていなければ、
賞味期限は担保されません。
また、賞味期限はあくまでも包装を
開けるまでのものであって、開けて
しまえば通常は早く食べなくては
なりません。
昔、食品会社に勤めていたころ、
開けた商品にカビが生えたという
クレームが年に数件入って
頭を抱えたことがありました。
そういう意味もあって、ラベルには
開けたらすぐ食べる旨の文言が、
添加物として保存料を入れてほしい
という小売店の要望で入れることに
なることがままありました。

生えていたのは本当は酵母だったんですが・・・
遺伝子組換え食品については、
『消費者の知る権利』のために
必要ですよね。
私は肯定派ですが、嫌な人にとっては
遺伝子組み換え食品は嫌ですから。
アレルギー表示は下手をすると
生死にかかわるものですね。
こぼれ話ですが、千葉県のあたりの
データを使ったため、5大アレルゲン
の中に落花生が入ったという噂を
聞きました。
もちろん、落花生アレルギーは重篤
になれば、ほんのわずかであっても
アナフィラキシーショックで死ぬことも
あるので必要な表示であることは間違い
ありません。
このようにざっとあげただけでも
表示から様々な情報が読み取れます。
もう少し書くとするなら、砂糖より
ぶどう糖液糖の方が甘みを強くべたべた
とした感じを受けるとか、トレハロースを
使った場合は甘くないとか、いろいろと
実は情報源としてあります。
その他につきましてはまた次回にでも。

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食品表記 ホントのところ
食品の表記って本当にわかりにくい
ですよね。
筆者もわかるようになったのは、
読み方を書いてある本を読んでからで、
前知識がなく読もうとすると結構
つらいものがあります。
なぜ、わかりにくい表示になってしまうのか。
原因は下記の3つではないかと思います。
1.管轄の法律・省庁が複数
2.安全を担保するために、必要な情報を
全部入れている
3.そもそも表示に関する読み方を誰も
教えてくれない
今回は2.についてお話を。

三本の矢 ではありませんが。
2.安全を担保するために、必要な情報を
全部入れている
1.でもお話しましたが、法律により以下の表示が
義務付けられております。
JAS法・・・原材料、原産地
資源有効利用促進法と容器包装リサイクル法・・・リサイクルマーク
食品衛生法・・・名称・添加物、賞味期限、保存方法、
製造業者等、遺伝子組換え食品、
アレルギー表示
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
健康増進法・・・栄養成分表示
計量法・・・内容量
(重複しているものは外しております)
なぜ、ここまで様々な表示が義務付けられているのか。
これは、安心安全を担保するためです。

アクセサリーを担保に・・・
原材料は重要な項目で、中身の類推や
自分の体質にあうかどうか、味付けが
自分の好みに合うかどうかなどを、
低い精度かもしれませんが読み取ることが
できます。
原産地は言うまでもないですね。
最近では加工地まで書いてあるものも
あります。
リサイクルマークに関しては、ゴミ出し
の際の分別に必要ですし、
製造業者等というのは、製造業者
以外として販売者が挙げられたりします。
何か質問があったりしたときには
連絡先として必要ですよね。

質問することは重要です。
特別に添加物を別項目としてあるのは、
法律的には原材料ではない、という
意味です。本来的にはなくても良い
ものであって、特別な効果を持たせようと
して使っているという事です。
賞味期限と保存方法はペアです。
保存方法がしっかりしていなければ、
賞味期限は担保されません。
また、賞味期限はあくまでも包装を
開けるまでのものであって、開けて
しまえば通常は早く食べなくては
なりません。
昔、食品会社に勤めていたころ、
開けた商品にカビが生えたという
クレームが年に数件入って
頭を抱えたことがありました。
そういう意味もあって、ラベルには
開けたらすぐ食べる旨の文言が、
添加物として保存料を入れてほしい
という小売店の要望で入れることに
なることがままありました。

生えていたのは本当は酵母だったんですが・・・
遺伝子組換え食品については、
『消費者の知る権利』のために
必要ですよね。
私は肯定派ですが、嫌な人にとっては
遺伝子組み換え食品は嫌ですから。
アレルギー表示は下手をすると
生死にかかわるものですね。
こぼれ話ですが、千葉県のあたりの
データを使ったため、5大アレルゲン
の中に落花生が入ったという噂を
聞きました。
もちろん、落花生アレルギーは重篤
になれば、ほんのわずかであっても
アナフィラキシーショックで死ぬことも
あるので必要な表示であることは間違い
ありません。
このようにざっとあげただけでも
表示から様々な情報が読み取れます。
もう少し書くとするなら、砂糖より
ぶどう糖液糖の方が甘みを強くべたべた
とした感じを受けるとか、トレハロースを
使った場合は甘くないとか、いろいろと
実は情報源としてあります。
その他につきましてはまた次回にでも。
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