「魔法使い」の弟子 -22ページ目

「魔法使い」の弟子

シロートの、シロートによる、
シロートの為のオンガク日記

ああ。

この道を・・・

二年に一度くらいは・・・

ギャー!!雷に打たれて死ぬる!!でも前みないと車にひかれて死ぬる!!!

と叫んで耳を塞ぎながら走っている気がする。

それが。
二年に一度。
発表会の前。

どーしてだろうね。
ピアノあわせの日に雨でボトボトになって教室でスカートから雨を滴らしながら弾いたり、雷バリバリで教室までの道(雷が落ちやすい線路沿い)をギャーギャー言いながら走ったり。

あとは弓が折れたりe線がぶっとんだり。

必ず事故が起こる。

そうだよ。
お気に入りのピラストロゴールド。ぶっ飛んだよ。
キラキラの音♪素敵☆
とか言ってたのに、あっさり切れたよ。なんでなんだよ。詐欺かよ。またブラカットにしなきゃいけねーじゃんかよ。ちぇ。

ぼくの楽器は、空気を読むのです。
ゴールドブラカット以外の弦は、あっさりと切れます。特にお高い弦。
エヴァゴールドe線三回連続切れはなかなかヘビーでした。アレ、e線とはいえ高いんだよ。

あーあ。

アジャスター、ボールエンド型にかえよっかな・・・
ヒル型、上級っぽくてお気に入りなんだけどな・・・

まあ。

十数年も師匠のとこにいたら、e線ぶっ飛んだくらいじゃ平常です。
師匠と雑談しつつ、古いe線出して適当に装着しました。なんかプロっぽいよね。慌てて泣き出したりしないとこが。(←誰も泣かないし。)

え?
最終レッスン?

弾けるかよ!!!

これだけ弾けない弾けないって言って、弾けてないのに、弾けるかよっ!!!

普通の先生なら「大丈夫ですっ!弾けますっ!だいたい弾けてるんだから大丈夫!!」とかって優しく言ってくれるのだろうが、師匠はやっぱり違うぜ。「うむ。まあ難しいからな」で終わりだぜ。こんな当たり前な言葉ではダメスイッチは切れないぜ。
ぼくの前のレッスンの少年には「完璧だよ!あとは元気いっぱいに弾こう!」とかってテンションあげにかかってたのにさ。ちぇ。ちぇっ!!!

まあ。

今回はもう無理だ。
失敗しか目に見えない。

がんばる、とかなまっちょろいことじゃ、なにも解決しない。
いろんなミスだ。
ダメスイッチとかいうのではなく、たぶん、実力不足。

あーあ。
何かの間違いで、めっちゃ弾けたりとか奇跡の一日だったりとかしないかなー。(現実逃避)

さーて。

本格的にやばい、やばたん。やばたにえん。

と、いうのも・・・本気で通せない。人前で成功しない。

ピアノ合わせでも落ちたぜ~。

頼む、神様仏様。アッラーの神様。インドのシヴァ神様。あとはもう・・・何の神様でもいいので神様総動員でよろしくお願いします。
や、コロナ来月くらいで消滅するとかなら、失敗してもいいかな。(←そういう態度だから失敗するんだよ)

まあ、だいたいはわかってるんだ。
ダメなのは、メンタル側なのだ。
しかしメンタル側に負けるくらいの練習が問題なんだよ。そう。メンタルに勝つには筋肉。バイオリン筋を鍛えるしかないのだ。ようわからんけど。
相変わらず、家で練習していたら爆速でも通るぜ。ヤバいなーと思いながら突っ込んでも弾けるぜ。こういうのって録音してみたら割とグダグダで、弾けてないのに弾けてると思い込んでいる、とかってのもよくある話なのだけど、本当に弾けてるんだよ。いい感じで通ってるから、この八割程度弾ければ完璧なのだよ。

ピアノあわせ?
ああ。

いつも思うのだけど、ピアノあわせってすごく歯がゆいのよね。いつも師匠がピアノ弾いてくれるのが、どれだけすごいのかよくわかる。師匠がこっちに合わせてくれるから。一発目でばっちりあってしまう。

ピアニストさんはめっちゃうまいのだけれど、合わせづらい。
師匠が和音の音を減らして弾いている部分も完璧に弾いている。
しかし、はじめてなのでどこでためるとか、ちょっとリタルダントぎみとか、入りとか、ちゃんと言わないと、やってくれない。
弾きたいように弾こうとおもうと、ちゃんと伝えないといけないのだ。

それを伝えるのって、難しいよねー。今回は師匠がかなり、おまえが言え、おまえが言えって促してくれたけど、たぶん英会話とかみたいなものなんだと思う。慣れなきゃできない。でもそんな機会めったにない。だからやらせてくれるのに感謝なんだけど、だけど。

・・・とりあえずどうして欲しいか、どうしてもらったらバッチリ弾けるかがわからんかったら、伝えることなんかできないし、どう弾いてもらったらこっちがうまくいくのかもわかんないと、伝えられないのだよね。ホントに難しい。あと、何小節目から入るので何拍目の頭から弾いてください、とか。言えたらかっこいいよね。それも堂々と。

とりあえず。

あとは神頼みだけだな。

パワーストーン握りしめて毎日お祈りして寝ます。


さーて。

発表会まで秒読みに入ってきたよ。
弦も替えたよ。

エヴァ?

エヴァゴールド??

それともパーペチュアル???


じゃーん。

なんでやねーーーん!!!

正解は、ペーターインフェルドにピラストロゴールドのe線。

まあ、さ。
弦って進化してるわけじゃん?きっと。
特に張力強い系やったら、新しいのいかんとアカンと思ったわけよ。新作くん使いとしてはね。
新しい張力バリバリ系なら、パーペチュアルかロンドかなと思ったわけよ。

でもな。

なんか、ペーターインフェルドとピラストロゴールドの組み合わせ、最近プロの間で流行ってるらしいよ。知らんけど。(←大阪のおばちゃん)

ペーターに嫌な思い出もないし、まあ一度くらいはペーターと舞台に立ってみるのもいいかな、と。

ちなみに、工房に行くとあーせんとかえーせんとか言っても、1番線とか2番線って言われるよね。やっぱえーせんとあーせんのとりまちがえ予防のためなのかな。と思ったり。

え?弦?
めっちゃいい感じ。

いや、弦替えたら直後はなにに替えてもとにかくいい音なんだよ。弦替えボーナス。好き嫌い関係なくいい音がするのさ。
ペーターは、持ち帰って弾き始め直後はなんか詰まってる感じがして、やばっ、発表会前に下手こいたか?と思ったのですが、五分ほどかき鳴らすと馴染みました。張りのあるいい音だー。G線がよく鳴る~。
なにより、ゴールドがとてもいい。ブラカットより好きかも。柔らかくて透き通った音がする。裏返らない。これで千円以下はなかなかコスパいい。
・・・まあ、今日のお部屋が湿度55%だからいい音の原因はそれかと言われればそうでないとも言い切れないような気もしなくもなくもなく・・・。

まあ。

やることはすべてやったので、あとは曲を仕上げるのみなのさ。

今回の曲。
はっきり言って・・・

仕上がる自信がない。
間違えずに弾きあげる自信がない。
落ちて転んで苦笑して終わるビジョンしか見えない。

という、発表会前にあるまじきコンディションなのですが。
家での練習の時には本番想定の1.5倍くらいの速度で落ちずに弾けてしまうから、本当に始末が悪い。
弾けていないのなら、家でも弾けないでほしい。その方が練習のしようもあるのだ。

ま、善処はする。

PS。
あ、あと美容院も行ったよ。