邦題:ドライヴ
77点。
エレベーターでのすれ違いから始まって、
エレベーターでの見つめ合いで終わる。ドライヴの距離はそのまま、想いの大きさ。
渋っ!!!
~未怜さんの真面目なあらすじ~
自動車整備士兼、映画のカースタント業をこなすかたわら、その裏で夜は逃がし屋をしている孤独な天才ドライバー。そんなある日、彼は隣人の人妻、アイリーンと恋に落ちる。やがて彼は、出所してきた彼女の夫を助けようとして、裏社会の争いに巻き込まれていく。
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
□画が綺麗で、明暗の対比とかの演出なんかが、実にお洒落だ。
勿論、日々大変だろうけど、真っ当に陽の当たる生活をするアイリーンと、影の道を行かざるを得なかったドライバー。二人の交流はほんの短い時間だったけど、三人でドライヴした時の彼には真っ直ぐに、陽が当たってキラキラしていたよ。
□そして、当然に私が触れないわけが無いんだから、付き合ってくれるよね?
主人公の愛車は1973年型シボレー、シェベル・マリブSS。敢えての、微妙に不人気の型を突いてくる、絶妙なチョイスだと思う!…私は好きじゃ無いけどね!!
まぁ、アメ車なんだけど、監督のレフンとライアン・ゴズリングが廃車施設からこれをピックアップして、わざわざレストアして使用したんだって。
好みは勿論あるけど、その拘り具合はすっごく解るし、正に浪漫だよね!?ね??
「俺の車にタイヤがない」
これ、ガチの車弄り人あるあるで、私も二回ほど言ったことがあってクスッと笑わせてくれるところ。
全体を通して、余計な台詞が一切無いのが良くて。このシーンなんかはさっきまで、ベニッシオは後ろに座ってて、次のカットでは助手席に移動していて。これ、勿論、道交法的にはアウトなんだけど、冒頭の逃がし屋の腕と相まって、これこそが本当に運転の上手い人ってこと。同乗者に安心を提供出来るっていう。
そして、車の運転の仕方で人となりが読めるんだよう。本当に解ってる人が作ってる映画だって、実に好意的に観られます。
□後半のバイオレンスな描写は賛否両論なのかも知れない。
ドライバーの暴力性と言うよりは、大事な人を徹底的に守る意志の行動であるから。言葉通りの誠実さすら私は感じるけどね。でもさ、結局、これって
お互いを思う気持ちにまだ、ズレがあったってだけ。アイリーンからするとね、考慮しないといけない要素がまだまだあって、整理が追い付いてないんだから。