Fukushima 50(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

Fukushima 50

監督:若松節朗

概要
 多くの関係者への取材を基に書かれた門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を実写映画化。世界を震撼(しんかん)させた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故発生以降も現場に残り、日本の危機を救おうとした作業員たちを描く。『64-ロクヨン-』シリーズなどの佐藤浩市、『明日の記憶』などの渡辺謙らが出演。『沈まぬ太陽』などの若松節朗がメガホンを取り、ドラマシリーズ「沈まぬ太陽」などの前川洋一が脚本を務めた。(シネマトゥデイより)

感想
 もぎりはチケットをみせるだけでOKになっていた。災害を描いた映画をまた別の災厄のさなかに見る。非現実的な空間。まあ、平日朝にはいつも数人しかお客さんが居ない劇場。そこまでリスクはないかな…と判断してGo。

 映画の感想は…ほぼ『シン・ゴジラ』だった^^;

 ここまで来るのに10年かかったか…という印象。3.11を描いた作品は数あれど、「エンターテイメント」の分野で直接に向き合うことは難しかった。『君の名は。』や『シン・ゴジラ』のように、別の物語にくるんで僅かに言及することができた程度だ。

 災害の意味や規模は全然違うけれど、アメリカが9.11の直後にそれを物語として消化したこととは対照的だ。良くも悪くもね。

 あらためて『シン・ゴジラ』は通過点として必要だったのかなと。情に流されずに描くあの作品は、巨大な悲劇にどうやって向き合うかというひとつの方法論を示していた。実際、この映画の序盤はほとんど『シン・ゴジラ』そのままだ。

 それもただの真似ではなく、『シン・ゴジラ』は3.11を描くためにゴジラのフォーマットを借りていたわけだから、むしろ『シン・ゴジラ』のあるべき姿というか、本来の『シン・ゴジラ』を見ているような、そんな気分にさえなった。

 ただまあ、そこは『夜明けの街で』や『柘榴坂の仇討』の若松監督。悪い意味でね。途中の回想シーンなんかは完全に映画のリズムを止めているし、後半になると理の物語から情の物語へと遷移していく。かつての特攻隊の物語を見ているような、そんな気分にさせる。

 繰り返されるのは歴史か、それともそれを見る僕らのまなざしか。

 オリンピックを絡めたラストは今の状況を考えるとなんだかなあ…という感じ。あれで全体が少し陳腐になってしまった。まあそれでも、これは見ておいて損はない映画。

☆☆☆☆★(4.5)