こんにちは。笑顔の看護師りょうこです。
あなたは鼻血をとめるとき、どこをつまみますか?
おとなも子どもも、つまむ場所は小鼻です。
「鼻翼」 (びよく)という部分です。
「鼻の穴をふさぐ」と言ったほうがわかりやすいですね。
まったく止血になりません。
何分つまんでも意味なし。
つまむ場所が違う。
(鼻の穴がふさがっていません)
【鼻血の間違った対処法】
●上を向く
●あおむけに寝かせる
●鼻にティッシュをつめる
●首の後ろをたたく
●「鼻骨」(びこつ)をつまむ *上の写真
電話で「子どもの鼻血がとまらないんです!」という相談がよくあります。
10分以上鼻をつまんでも止まらないので、どうしたらいいですか?と慌てているお母さん。
ほとんどの場合は、「つまむ場所」が間違っています。
お母さんは自信満々に「しっかりつまんでいます!」と興奮気味。
上の写真では、「鼻骨」という固い骨の部分をつまんでいますね。
ここをおさえても、骨は凹まないし、鼻血はどんどん流れ続けます。
【正しい止血】
鼻血を止めるには、次のような方法があります。
①圧迫止血(あっぱくしけつ)
②止血処置(しけつしょち)
③出た血を自然に固める
④冷やす
2016年版の詳しい図解は、こちら↓
「鼻血の正しい止め方!これで子供も大人も安心【看護師が詳しく図解】」
誰でもすぐにできるのが「圧迫止血」です。
これは、小鼻を強くつまんで、鼻の穴を完全にふさぎます。
直接、血が出ているところを押さえるのが一番効果的なのですが、鼻血はたいてい鼻骨の奥の方から出ています。
小鼻を上手に押さえても、血が出ている傷の部分はほとんど押さえられません。
それなのに、どうして小鼻をつまむのでしょう?
それは「出た血を自然に固める」ためです。
血は、流れ続けていると止まりにくいのです。
血液には、自然に血を固める成分(血小板)が入っています。
だから、小さな傷なら勝手に血が止まります。
流れた血を小鼻の内側にためておく。
そうすると、血の流れが止まって固まるのです。
このときに、上を向いていると、どうなるでしょう。
上を向いていると、いくら小鼻をふさいでも、鼻血は喉(のど)の方へ、どんどん流れ続けます。
だから、血が止まりにくい。
軽く下を向いて、うつむく姿勢をとりましょう。
同じ理由で、あおむけに寝るのもよくありません。
手の届かないところを圧迫止血するには、詰め物をします。
一番よい詰め物は「綿」です。
でも、普通の家庭に鼻に詰められる綿はありませんよね?
ティッシュは、乾くと鼻の粘膜にこびりつきます。
それをはがすときに、ふたたび鼻の粘膜を傷つけてしまいます。
せっかくできた「かさぶた」をはがすのと同じです。
だから、やめましょう!
首の後ろをたたいても、まったく意味がないのは、あなたも知っているとおり。
冷やす。
物理的に血管を縮めて、出血量を減らす方法です。
では、どの場所を、どのくらい冷やせばいいのでしょう?
おでこから目、鼻にかけて冷やすとよいと言われています。
顔の凹凸にフィットする保冷剤がありますか?
濡れタオルをあてるくらいしかできませんね。
冷やそうとしているうちに、鼻血は止まります。
できればやってみる、と思う程度でよいでしょう。
下を向いて座った姿勢で5~10分間小鼻をつまむ。
様子を見て、まだ血が出るようなら、再度小鼻をつまみます。
聞き分けのある子どもや大人は、最初から15分くらいつまんでいたほうがよいでしょう。
20分以上血が止まらない場合は、小鼻をつまんでうつむいたまま病院へ行きます。
耳鼻咽喉科を受診してください。
病院では、まず圧迫止血をしっかりやり直します。
それでもダメなら、硝酸銀という薬液を塗り、鼻の粘膜を固めて止血します。
または、レーザーで焼いて止血します。(麻酔をするので痛くない)
【鼻血が止まったあとに】
鼻血の原因は、指でほじって傷をつけたり、アレルギーなどで鼻の粘膜が充血している場合、たんに乾燥しているだけでも血が出ることがあります。
マスクで保湿する。
鼻の中にワセリンなどの軟膏を塗って保湿する。
アレルギーの治療をする。
小鼻をつまんで、すぐに血が止まっても、何度もくり返す場合には、耳鼻咽喉科で相談してみましょう。
止血処置で、鼻血を出にくくすることができます。
血が止まりにくい病気がないかどうか、一度調べてもらうことも必要です。
血液検査が必要なので、耳鼻咽喉科で検査できなければ、内科や小児科で相談してみてください。
【鼻血で吐き気】
鼻血は、たくさん飲み込むと具合が悪くなります。
吐き気がする。
原因はよくわかりません。
水分を多めにとって、様子をみましょう。
【鼻血で血便?】
鼻血を飲み込んだあとは、便が黒くなることがあります。
あわてずに、2~3日様子をみていて大丈夫です。
鼻血の豆知識でした。
お役に立てたら嬉しいです。
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