ギターは “ 見た目 “ で選んでます。 (中-後編) | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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  FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』


『中編』から つづく。)

 



引き続き “ 一目惚れ “ で購入したギター、

『Fender  PLAYER PLUS STRATOCASTER  (Tequila Sunrise)』

に手を入れる件。

 


1つ目の、「見た目重視」で

[1] ピックガードを「白/3プライ」→「白/1プライ」に換装

の方は、とりあえず ちゃんとビス穴位置が合う様に加工するとろころまで。
もう一つの

[2] トーン兼用の フロントP.U. ON/OFF スイッチを「PUSH/PULL」→「PUSH/PUSH」に変更

の方も同時に処置します。こちらは「実用性」を鑑みて。

 


少し詳しく説明すると・・・。
この『PLAYER PLUS』の ストラトキャスター、3シングルモデルは

 ~ PUポジション1 & 2でネックピックアップを常時ONにするプッシュ/プル仕様トーンノブ
  (Fender社 サイト、製品特徴説明から引用)

になってます。
正直なところ「『PUポジション1 & 2』ってどの位置?」と思いましたが、これは 5点式スイッチのそれぞれ

 ・ ポジション1:ブリッジP.U.
 ・ ポジション2:ブリッジP.U. + センターP.U. (ハーフトーン)

です。
外側のトーンコントロールが「PUSH/PULL」式のスイッチ付きポットになっていて、ノブを「PULL」すると ネックP.U. がパラレル接続されて

 ・ ポジション1〔+ PULL〕:ブリッジP.U. + ネックP.U. ミックス
 ・ ポジション2〔+ PULL〕:全ミックス

になります。
(因みに PLAYER PLUS ストラト の SSH レイアウトのものは、ブリッジ側のハムバッカーがいわゆるコイルタップで「シングル/ハム」を切り替え可能な仕様です。)

で、その流れからすると序列の続きは

 ・ ポジション3:センターP.U.
 ・ ポジション4:センターP.U. + ネックP.U. (ハーフトーン)
 ・ ポジション5:ネックP.U.

というのがオフィシャルな呼び名かと。

これまで、ネック側 P.U. のことを「フロント(F)」/中央を「センター(C)」/ブリッジ側を「リア(R)」と呼んでおりました。しかも感覚的には「フロント = 1番」と思っていたのでちょっと戸惑いましたが、フェンダー社 的には上記の通りらしい。
・・・ということではありますが、もう過去記事でも散々使ってきたので 馴染みのある「F/C/R」で表現することにします。


私は ストラト のピックアップのセレクトに関しては「迷ったらセンター」という立場で、「F+R」が使えるなら むしろそればっかり使ってしまいそう。
いわゆる「ハーフトーン」に当たる「F+C」と「C+R」は、元々は 3点式のスイッチのスプリングを抜いて中間ポジションでパラで繋がった時の独特の音色を利用するという “ 裏技 “ 発祥で、後にメーカーのデフォルト仕様として 5点式が採用されたもの・・・という認識でよいかと思います。
『前編』『中編』にちょい出しした ジャパン の「’57 リイシュー」は、 “ ちゃんと “ 3点スイッチ仕様でした。(「どうせ 5点式に換えるんだから、正直 “ 余計なお世話 “ だな~。」とは思いましたけど。)

この「ハーフトーン」のちょっと垢抜けた “ おっされ~ “ な音色(?)に対して、「F+R」は若干 “ 泥臭い “ 印象。(以前別の連載でも書きましたが、私の中では ハーフトーン は「アルマイトのお皿みなたいな音」/ F+R の方は「ギョロッとした音」と表現しております。)
2ハムの F+R ミックスでも近いニュアンスは載りますが、恐らく シングル同士の方がピックアップの物理的距離が遠いせいか よりその特徴が顕著なのでは・・・というのもあくまで私の認識。

『モズライト』とか『カジノ』の時には「F+R」を多用しているので、ストラト でも「F+R」を使いたいところ。
過去には グレコ の ストラトタイプ(これもメーカー仕様は 3点式)で、一旦 5点式に換えたセレクタを 3点式に戻して「F/F+R/R」の接続にした上で、センターをトグルスイッチで ON/OFF 出来る様にしておりました。そうすれば 今回の PLAYER PLUS と同じく 全てのパラ接続の組み合わせが使用可能になります。
私は 5点式スイッチをハーフポジションにピタッと止めるのが苦手なので、「3点式+トグルSW」の方が実用的な気がします。
となれば、この ストラト も 3点式で「F/F+R/R」とともにポットSW で「C」を ON/OFF 出来る仕様にすれば、外観はほぼ変えずに済みます。今回はやってませんけど、本気で検討の余地はあるかな~と思っております。
ただ、いずれにしても切り替えに “ 2アクション “ が必要になってしまうパターンは生じてしまいますけど。



・・・と、例によって前置きが長〜くなりましたが。


購入前からこの機種の仕様で気になっていたのは、スイッチの操作が「PUSH/PULL」なところ。
「PUSH」状態でフロントP.U. が OFF/「PULL」で ON なわけですが、「『PULL』はダメでしょう・・・。」という読み。

 

現物到着後、開梱して真っ先に確かめたのが “ そこ “ でしたが、案の定 私の指力ではムリでした。
ノブにはギザギザの縦溝が刻まれてはいますが、センター部分は径が細い上に/けっこうテーパー付いてます。かなりがんばってみましたが、指先がプルプルするだけで引き上がる気配なし。(「PULL」だけに・・・。)
爪をちょっと盛っているのでノブ下の隙間に入らず、結局 ドライバーを突っ込んでなんとか持ち上げられた次第。到底 曲中に瞬時に切り替えるなんてのは不可能です。(曲間とかでも道具が無ければムリ。)


恐らく ギブソン系の『スピードノブ』くらいの外径とグリップがあればギリギリ行けそう。
あと、ノブの取り付け高さを上げて傘の下に少し指が入り込むくらいに設定し直せば行けそうなんですが、その場合には別の懸念が・・・。
ノブの内側 ↓ を見てみると、シャフト用の穴にセレーションが切られていない。

私はギターのノブを外すのが総じて苦手なのですが、このノブはセレーションが切られていないおかげで必要以上に喰い付くこともなく、比較的簡単に外せました。
裏を返すと、このノブを「PULL」のスイッチに充ててしまうと そのままスッポ抜けてしまうリスクが高まります。
セレーション無しだと、フツーに使う分には取り付けの角度が任意なので 他のノブときっちり向きを揃えたい時には便利だと思います。通常はセレーション有りなので、厳密にやろうとするとポットの取り付け角度から気にしないといけない。(・・・ってゆーか、皆さん 面倒臭がらずにちゃんとやってるんだろうな〜、きっと。)

あと、軽い作動であったとしても「PULL」の操作だと一瞬で ポンッ! と切り替えるのには向いてないし、ビミョ〜なトーン設定がブレてしまう可能性も高い。(・・・とか言いながらトーンは ほぼフルオープンですけど。)



・・・というところから、スイッチ付きポットを「PUSH/PUSH」式に交換するのが合理的と判断いたしました。

上位機種の現行『American Professional II』では「PUSH/PUSH」仕様になっているので、廉価ラインの『PLAYER PLUS』はそこのところをケチって でコストを下げてるってことなんでしょう。


「PUSH/PUSH」式は、文字通り 押すごとに ON/OFF を繰り返すオルタネート式。基本的な構造は「PUSH/PULL」と同様で可変抵抗器のシャフトが貫通して下の箱状のスイッチ部分に繋がっています。
(但し、どちらもスイッチそのものの仕様は「2回路・ON/ON」だと思いますので、あくまでこの機種での運用上「ON/OFF」ということです。)

ネットで探す前にデフォルトのポット ↓ を確認してみると・・・。


これだとスイッチ部分を分解しないと刻印が読めないので抵抗値が不明。(← というところも今回の早合点のひとつでしたけど。)

内側の方のトーンの抵抗値を参考にしようと見てみると、「あれ? 『1MEGΩ』??」。

抵抗値の相場は概ね「シングルは 250kΩ/ハムバッカーは 500kΩ」で、後はお好み次第・・・という認識でした。ざっとネットで探した範囲ではスイッチ付きのポットは ほぼ 250kΩ/500kΩ で、1MEGΩ は発見出来ず。
ということで、根拠は乏しいものの より「1MEGΩ」に近い「500kΩ」(Aカーブ/インチサイズ)を選択。
そうそう。
この機種、内側のトーンコントロールが「F/C」兼用で、外側が「R」用になってます。
これも時代や機種ごとに変遷ありってことですね。


デフォルトのスイッチ付きポットは スイッチ部の金属製の箱に特徴的な斜めのスリットがあるので( ↓ 画像 左側)、リプレイス用もそれに準じた外観のものをチョイス。恐らく同じメーカー製なので、取り付けに影響するシャフトやネジ切りの高さが揃うはず・・・と思っていたらショップもメーカーも品切れで注文がキャンセルに。
再発注したのが ↓ 画像 右側の方。


比べるとスイッチ部が若干縦長ではありますが、キャビティの深さからして許容範囲かと。あと、シャフトとネジ部の関係もちょっと異なりますが、そこもナットの調整で凌げると思います。


実際に嵌めたのが ↓ こちら。(「OFF」状態。)

「あ、ちょっと浮き気味。」と思ったのですが、むしろそれが “ 正解 “ です。
「PUSH/PUSH」式のスイッチは ON/OFF の際に 一旦沈み込むことでロックが掛かったり/外れたりするので、そのためのストロークが 2mm くらい必要。ノブをピックガード スレスレに取り付けてしまうと作動しません。
因みに、「ON」状態は ↓ こちら。



後になって「そういえば・・・。」と思い返して、外した方のポットの抵抗値を測ってみた。

ちょっとビミョ〜ですが、テスターの針は「5k×100Ω」と「10k×100Ω」の中間くらい。セオリーに従って目盛りを読めば「7.5k×100Ω」ってことなのですが・・・。
ここで はたと気が付きました。
リプレイス用ポットを発注する際に、「配線が繋がったままではデフォルトの抵抗値が測れない。」と勝手に思い込んでおりました。
んが。
このアッセンブリーの配線だったらポットの片端がオープンなので、繋げたまま両端を測ればよいだけでした。

念の為リプレイス後の「500kΩ」の方も実測値を見てみると・・・。

カメラの位置が悪くて針がズレて見えてますが、ピッタリ「5k×100Ω」でした。
ってことは、デフォルトの方はホントのところはどうなんでしょう。少なくとも「500kΩ」ではないってことは確かですが、読みの通り「750kΩ」なのか?/テスターの誤差で実際は「1MEGΩ」だったりするのか?
どっかに デジタルテスター あった気がするけど・・・。



・・・で。
またまた長くなったので、今回を『中-後編』ということにして、次回ホントの『後編』(最終回)・・・の予定です。





『後編』に つづく。)

 




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