ラブという 代々木公園で練習をしていたら若い女性に声をかけられた。15人程のダンサーがここでゲリラライブをやるらしく、そこでジャンベを叩いてほしいと頼んできた。ペイントパフォーマンスもあるとのことだった。打ち合わせもせずに参加する。こちらはその時4人。合わせて20人前後での即興ジャムセッションはイントロ、アウトロが難しかった。

彼女らと握手を交わした後は、一期JAMメンバーも徐々に集まってきてライブの練習にいそしんだ。そこへ今度は若い男性が声をかけてきた。ビデオカメラを持った彼はズームインスーパーの取材だという。練習風景を一通り撮ってから個別にインタビューを受ける人もいた。しかし彼は放送日時は決まっていないといい、名刺も渡そうとしなかった。悔いが残る。

日曜の代々木公園はいつも様々な人がいる。スケートボードに乗る犬もいた。

勝って当然と思っていてあれだけへこまされた昨年と比べ、今年は穏やかな心境である。自らの野球をすることができなかったシーズン、個人的に半ば諦めの気持ちもあったのだろう。力みがないのは選手も同じだと思う。多少の力みが全くなかったとはいわないが、それすらもプラスに転じたような初物シリーズだった。かみ合っている。中田の暴れ馬っぷりが如実に現れていたとしても好転する。1週間後までそれが持続しているとは考えにくいが、穏やかさは維持できそう。

ここ一番で投打に活躍する大エースの真骨頂。身長180センチに満たない川上が規格外に大きい人間に見える。肉の密度は通常の2倍以上あるような質感がある。調子に乗って3ランを打たれるところがまた彼らしい。

打線はよく繋がっている。集中力の高さがうかがえる。一蓮托生となっているのであろう。未だクライマックスシリーズで負けなし。勢いをつけて昨年の雪辱といきたいところだ。リーグ戦で優勝した巨人が勝ち抜くことを「空気を読む」とされるのであろうが2004年、思えば落合中日1年目は2位からプレーオフで勝ち上がった西武に負けたのだったから相殺としようではないか。

第1ステージで投げなかった朝倉か山井が先発だと思っていたが中3日で小笠原が来るとは思わなかった。そして巨人が術中にはまり過ぎたのも予想外だった。そして見事に期待に答える左腕。シーズン終盤こそ勝ち星に恵まれなかったが、安定した力を大舞台でも発揮し、その心臓の強さは大学から現在に至る先輩に通ずるものを感じた。残る右4枚も試合を作ってくれさえすれば勝ち星を拾えるのだ。

最も警戒されながらウッズは本塁打を放つ。このダメージは巨人にとって大きいだろう。向こうのファンにしてみればこれほど面白くないことはない思われる。

人ごみは自転車を行く僕を阻み、サドルから降りた。いつの間にか力持ちになっていた僕は自転車を担ぎ上げて歩く。下を向いたままこちらに来る少年とぶつかった。身長同様に年齢も一回り下と思われる彼は悪態をついて睨んでいる。生意気な口を聞くので頭に血が上り、彼の胸倉を掴んだ。いつの間にか力持ちになっていた僕は片手で彼を宙に浮かせた。優位に立った気になって何年生まれか問うと昭和49年生まれだという。そっと降ろし、非礼を詫びた。

クライマックスシリーズ第1ステージで中日が巨人への挑戦権を得る。2連勝したことによって今日あるはずだった3戦目がなくなった。初回にビッグイニングを、先発投手が試合を、それぞれ作って2戦とも優位に試合を展開した。短期決戦に弱いと思っていただけに意外だ。揃いも揃って内弁慶の選手のためにマウンド慣らしをさせることもできた。良い流れのまま東京ドームに乗り込める。

このシリーズの是非はともかく、ファンとしては目の前の試合を勝ってほしいと願うばかり。どんな形にせよ日本一が見たいのだ。

昼は代々木公園で、夜は下北沢のスタジオで、来月のライブに備えて本気練習モードに入った。今回は大所帯でダンサー3人、ジャンベ8人、ドゥンドゥン2人。筒状の太鼓、小さいサイズのケンケニと中くらいのサイズのサンバンで構成するドゥンドゥン部隊のうち、サンバンはライブの前後半でパートを分け、僕はその後半を担うことになった。最初はジャンベを叩いて、後にサンバンを叩く。左手でベルを鳴らし、右手に撥を持つ。これが思ったよりも難しい。
びあんち号のタイヤの骨が2本、外れている。1本は応急処置ではめることができた。残る1本は切るしかないがペンチを持っていない。変に曲がって現在、走ることができない。加えて後輪のブレーキの調子も悪い。勝手にかかることがある。自転車店にも持っていけない状況だ。それ以前に修理代をちゅうちょするほど経済的に苦しい。誰かにペンチを借りなければ。今まで自分がどれだけびあんち号に頼っていたか理解した。病気の時と同じである。