ガムラン バリ島は7年ぶりで、その時は空港で警備員に「喫煙所はどこか」と尋ねると、場所の説明が難しいと判断したらしく「エブリウェア」という答えが返ってきた。今では色々と警備も厳しくなっている。

空港に着くや否やタバコに火をつける。友人は「迎えに行けるかどうか微妙」と言っていたので、彼の姿がないことを確認してから移動手段を模索した。インフォメーションでシャトルバスは最終便が出た後だと聞いて、タクシーでウブドゥへ行くことにした。

ウブドゥを訪れたのもそれ以来で、街並を覚えているような、様変わりしているような、記憶は書き換えられて曖昧である。宿泊先のロスメンとは日本でいう民宿、アットホームな雰囲気で暖かく迎えてくれた。そこの人たちが「友人が空港まで迎えに行ったはずだ」と言う。すれ違いになった。宿で寛いでいる頃に彼らが戻ってきて、逆に迎える。

僕の友人とその恋人、彼女の友人二人と夕食に出かけ、さっそくナシゴレンを食した。身重を案じてタバコを控える。部屋に戻ってからさっそく一服。遠くからガムランが聞こえる。

電車が渋谷に着いて降りようとすると、何かに引っ張られた。前につんのめる。ドアにバッグの紐が挟まっていた。引っこ抜こうとしてもそれは抜けない。思わず「おい、マジかよ」と声が出た。ひざまずいて頭を抱える。


結局降りることができず、渋谷からJR線で日暮里まで、そこから京成線という予定が狂った。ひとまずバッグを置いたまま、車内の路線図を探し、ルートを考える。


周りの乗客が僕を見ている。「何見てんだコラ」と睨んだところで、阿呆は既に露呈済みだ。半蔵門線は九段下まで僕を離さなかった。前途多難である。

旅の支度 はいつもギリギリになってからだ。荷物のチェックをしている今、手元にないものがあったらどうしようと、スリルを味わいながらパッキングをする。なかなかはかどらず、ペースを上げるためにMassive Attackを流す。テロ反対の意思表明も込めて。

友人が持っていた、温度によってケースが変色する仕様のボックスセットが羨ましく、真似をした。豪華なミキサー陣のレア・トラックも収容して使い勝手も良い。この中でマイベスト10を考える。

1.Karmacoma(Bumper Ball Dub)
2.Protection(Alubum Version)
3.Risingson(Underdog Mix)
4.Any Love(2)
5.Protection(Radiation For The Nation)
6.Hymn Of The Big Wheel(Original)
7.Tear Drop(LP Version)
8.Unfinished Sympathy(Nellee Hooper 12" Mix)
9.Karmacoma(Album Version)
10.Inertia Creeps(State Of Bengal Mix)

迷いに迷った。オリジナルとミックスを織り交ぜ、アルバム元は“Blue Line”から“Mezzanine”まで満遍なく揃った。満足したところで旅支度が終わってないことを思い出す。

Massive Attack
Singles 90/98

陽は短くなり、寒さが増す。「サーフ・サイド・ハイスクール」を思い出した。湘南にある高校を舞台にした、阿部・永島・三田の高校生男子3人の愛と友情と笑いの物語。登場人物を深く掘り下げて、内面も克明に描く。コメディの要素が強いが、そこはかとなく醸し出される悲しさをまとっている。作品の内容に四季があるが、イメージとして秋のにおいがする。

容姿端麗のサーファーで女に苦労しない阿部は、頭が悪いが純粋な心を持つ。趣味人として主に一人で学校生活を送っていた永島は、阿部からサーフィンを学び始めた。東京から越してきた、独自の美学を貫く三田もまた阿部にサーフィンを習っている。趣向やスタイルは違えど、三者三様に友人を愛して思いやる。

作者の澤井健は、著作に「イオナ」「華族な人々」があり、最終回は大方の読者の期待を裏切る姿勢を崩さない。「サーフ・サイド・ハイスクール」に至っては未完。どれも哀傷がありながら、かなりのサディストとみた。

澤井 健
サーフサイドハイスクール 5 (5)

永遠に刻まれるもの 」馬さんから再びバトン。ここにきて急激にバトンが出回っている。1週間で4本ともなると、気の利いたことが言えない。普段から言えてないが。

■どっちが好き?
*東京 *大阪
大阪を訪れたのは5度ほど。長期滞在はない。比べられる対象としては少なすぎる。

■どっちが好き?
*沖縄 *北海道
寒いのは苦手なので沖縄。

■久しぶりの再会。してほしのはどっち?
*ぎゅっと抱きしめて頭ナデナデ
*優しくスマイル そっとキス
このバトンの制作者はおそらく女性。ぎゅっと抱きしめてそっとキス。視点の違いを埋められない。

■浮気現場を目撃しました。殺すならどっち?
*恋人 *浮気相手
刺し違えてでも両方を殺す。

■どちらの人生を歩みたい?
*破滅が常に付きまとう短命タイプ
*保留しながらも長い人生
いまいち意味が分からない。何に対して破滅が付きまとうのか。何を保留するのか。長く生きたいとは思わないが、破滅が身近なのは嫌だ。

■SとM。どちらかというと?
どちらかというとハードS。

■生まれ変わるなら?
*男がいい *女がいい
紛うことなく男。

■好きな人の前で猛烈に太股がかゆくなった。
*かく!!! *かかない・・・
かかないわけがない。

■さぁ一緒に行こう!と言われたら?
*昔好きだった人 *知らないけど、ィヶてる人♪
制作者は確実に女性。昔好きだった人に未練はない。

■付き合うならどっち?
*年上の落ち着いた人 *年下の甘えッ子
年下の女性と付き合っている。

■告白の後okされたら??
*抱きつく *キスする
どっちが先だったっけか。とりあえずハグした気がする。

■必要なのはどっち?
*己を磨く向上心 *人を思いやる優しさ
向上心はさほどない。見返りを求める優しさを多く持ち合わせている。

■カレーに入ってなくてイヤなのは?
*じゃがいも *にんじん
にんじんが最も嫌い。

■告白されて困るのは?
*親友と思っていた人 *親友の恋人
親友の恋人が恋愛対象になることはない。


■死ぬ前に一言!
二択バトンではなかったのか。

■どちらかとしか付き合えません。
*自分の事を好いていない想い人
*自分の事が大好きなデニーズの店員
デニーズを馬鹿にしているのか知らん。僕とに限って濡れない女とは付き合えない。「自分の事が大好き」なのはナルシストという。

■エッチするなら?
*相手の家 *ホテル
ここ2ヶ月弱でホテルに行く回数が急激に増えた。

■大人と感じる飲み物は?
*ビール *ブラックコーヒー
ブラックコーヒーを飲めない。

■バトン回す人
印籠のごとく。

追記フレーバー
馬さんには何度も指名をくださって、こちらが置いたものも好意で拾っていただいて感謝しております。しかしこのバトンの制作者は、どなたか存じ上げませんが腐女子臭がいたしました。ジェネレーションギャップが身に沁みます。例えるなら若い女性とファストフード店で相席という感じで、それもまた乙です。ドリアンだって喜んで食べます。青い果実も腐りかけの果実も魅惑。

ゆかりさんからは「学校バトン 」に次いで2本目。調味料で人から興味を惹こうとは露にも思わなかった。一体幾つのバトンが存在するのだろう。

Q1.次のメニューにどんな調味料をかけますか?(薬味は含みません)
目玉焼き→酢
納豆→ソース
冷奴→酢
餃子・・・醤油とソース
カレーライス→何を書かせたいのか。
ナポリタン→タバスコと書かせたいのか。
ピザ→二度もタバスコと書かせたいのか。
生キャベツ→砂糖
トマト→酢
カキフライ→砂糖
メンチカツ→砂糖
コロッケ→砂糖
天ぷら→ソース
とんかつ→砂糖
ご飯(おかず無しの時)→酢

Q2.周囲に意外だと驚かれる、好きな組み合わせはありますか?
どう見ても女子高生ではないのにセーラー服。

Q3.それが一般的だとは知っているが、苦手な組み合わせはありますか?
半分辺りで停止されているアダルトビデオと、それを貸す時に言うセリフ「ここで止まっているけど、決してそこでいったわけではないから」。

Q4.バトンを回したい5名は誰ですか?
回さない。

追記ぽ
嘘です。あまりにマジョリティな調味料チョイスなので、さしすせそを一つずつずらしました。それが面白くないとは、閃いて2秒後に気づいたのですが、どうしてもひねりたく、かといってウィットに富んだことも書けず、こんな醜態です。そして回しません。岩瀬クラスのストッパーです。

10.12本当の追記

素で間違えました。さしすせその「そ」はソースではなく味噌でした。以前に何かで読んだことがあったのですが、すっかり忘れていました。笑わせることは難しいですが、笑われることは簡単というか慣れています。指を差してやってください。

空中庭園 曰く付き の本作は豊田利晃渾身作だった。製作委員会が公開にこぎつけて、監督は獄中にて何を思う。どうしてもそういう目で見てしまい、ドラッグ・ムービーの感を拭えない。

とにかく振り子のようにカメラが揺れる。様々なものを中心に置いて、縦横無尽に、時には1回転して、情緒不安定な人物とその関係を映した。何事も包み隠さず、タブーを作らず、京橋家は模範の家庭として、絵里子は家族をがんじがらめにした。夫の貴史はそれに従っていると装いながら外で愛人を作っている。娘のマナも理解を示しているように見せかけて、登校する素振りだけで学校に行っていない。息子のコウはどこか冷めて、俯瞰の目で自らの家族を見る。絵里子が風通しが良くて居心地の悪い家を作り上げたのは、幼少時代のトラウマ、母・さと子との確執からだった。

バレない嘘は嘘でないが、それが露呈して家族は崩壊する。そしてそこからさらに再生までを描く。危うく揺れて、見えない糸が切れたかと思いきや、切れてもまだ動き続け、否定をしない。“会議は踊る、されど進まず”から“それでも進む”へと、むしろ好転したように感じる。

完璧な親などいない。欠落部分を愛するか憎むか。どちらにしても反面教師にするところは必ずある。つまりは誰しもがシンパシーを持ち得るストーリーだった。過去の記憶の改ざん然り。絵里子もさと子も、昔の思い出をはからずも書き換える。美化することも生きる術である。

監督や撮影だけでなく、照明、編集、美術、全てにおいて渾身の一撃である。これ以上の施しようがない。豊田組恐るべし。「ポルノスター」では渋谷、「青い春」では学校というそれだけで完結した宇宙が、本作では新しくなくなったニュータウンだった。揺れの軸それぞれが小宇宙だとして、それを包み込む団地が混沌。

chef-doeuvre 日常的に使用している鞄は15年物のウェストバッグ、10年物のリュックサック、8年物のナップザック、7年物のトートバッグである。ここのところ全く購入していない。それは継続中なのだが、彼女からショルダーバッグをプレゼントされた。コンパクトなサイズの、新しいワードローブの色と形で、大人な雰囲気のそれ。欲しかった全ての条件を満たしている。これで5つのローテーションになると思いきや、雨の日以外はしばらくこれのみが街に出る。値が張って申し訳ない。しかもウィンドウ・ショッピング中に「ジーンズが欲しい」と口走って、彼女の「買ってあげようか」との言葉に一瞬揺らいだ僕は節操がない。

今日はジョン・レノンの誕生日。生誕65年で、12月には没後25年になる。リアルタイムで知ることはなかったが、The Beatlesの洗礼を受けたのは割と早く、小学校に入学して間もない頃だった。今でもTHE BEATLES CLUBの会員であり、月刊誌を愛読しているソウウツカズンの影響によって、それに触れた。中学時代の彼は毎日のようにジョン・レノン宛に手紙を書き、返事をもらったことがあるという。そこには「いつも手紙をありがとう。しかし君の英語は理解できない」と記してあったそうだが、そんな彼の自慢は僕の自慢でもある。僕が彼のその当時の年齢に達した時、プレゼントされたCDは、今現在でもコンスタントに聞いている。

先日の朝霧jam にて真心ブラザーズ「拝啓ジョン・レノン」。YO-KINGに言わせれば現実見てないばかな平和主義者だが、それも含めてLOVE。is real.なわけで、is touchであって、is freeなのだと。

John Lennon
Collection

ブンレツグランマのいるホームへ行くと、他の入居者にも客が来ていた。老紳士が同年代の女性を見舞っている。僕は肩越しに会話だけを聞いていた。「明日も来るから」そう言われて彼女は笑い声をあげた。「明日も来てほしいでしょ?」と問われると「どっちでもいいよ」と答える。彼にしてみれば来てほしいと言わせたかったのだろう。彼女は気を使って曖昧な返事をしたのだろう。再度尋ねて再度同じ答えが返ってくる。「また明日来るからね」と彼は去った。

程なくして「誰だか分かる?」という声を聞いて僕は振り返った。中年女性が彼女を見舞う。その問いかけに返事はない。分からないようだった。「やだ、自分の娘を忘れないでよ」。彼女は本当に分からない。「お父さんはもう来たの?」「うん」「あら、お父さんのことは覚えてるのね」。二人は笑った。