先週の試合、去年の対オリックス2戦、それによる気迫の凄まじさは、もし例えば精神状態をそのままに街に出たとして、そこで誰かにケンカを売られようものなら、たとえそれが身長が2メートルあろうと体重が150キロあろうと、川上は買ったに違いないとそう思えるほど鬼気迫っていた。勇ましかったが、投球動作の後にベルトをクイッと上げるのはあまり格好良くない。三振を奪った時など間が抜ける。無四球4安打しかもそのうち3安打は外野に行かず、鬼を相手にしてオリックス打線が気の毒なほどだった。
野手では荒木がスタメンを外れたままなのが気になるが、2軍落ちしていないので軽傷と思いたい。代役の森岡が頑張っている。併殺を取ってその喜びようは、井上と朝倉と3兄弟でも組んだらどうかと思わせる耳の立ち具合。
ヒロシを譲ってもらったのは二人の家に遊びに行った時
で、それからというもの毎日ポコポコ叩いている。その命名は僕の家に来る前から、白髪の具合がたしかに関口らしく、sari
さんかもしくはその旦那がつけた。
周囲に鈴が連なって、叩く度にきれいな音色がもれなく奏でられる。ジャンベ本体は一打が野太く、しゃかりきになって叩いていたら「うるさい」と怒られた。晴れた日に屋外で一心不乱に乱れ打ちたいと思いつつ、なかなか機会に恵まれない。その前に基本を学びたい。そういえば僕は1年以上も前からジャンベを習おうと言っていた。
海の、沖のほうを泳いでいた。ボートが近くにある。横を向くと彼女
がいた。楽しそうだったように思う。ああ、この女は僕の恋人ではなく元恋人だったと、そう気づいて彼女が泳げないことに構わず突き放して僕はさらに沖へ行こうとした。後ろから「やだぁ」と声も節も再現されて、やりきれなくなって、彼女の手を取りボートへ連れて行く。呼吸など必要ないことも理解したので、底深くまで潜った。
枕が濡れているという、このみっともなさよ。大体、夢に出てくるだけでも自身がめめしい。それはいいとしても、何が悲しかったのか。何を悲しくなっているのか。しかもそれ以後に寝つけなったときている。しばらくもぞもぞして、やっとのことで再び眠りについた。朝、鏡を見ると赤く腫れていた。
ヤクザを誇りに、半次郎は親分の仇を討とうと飯岡に喧嘩を売った。そんなものは誇れるものではなく、母と妹を守れと兄貴分の忠太郎はそれを止めようとするが聞く耳を持たず、結局は劣勢の半次郎に加勢する。それを機に半次郎は故郷に帰って堅気になることを決めた。しかし飯岡一家はそれを許さなかった。
5歳で母と生き別れ、その後に父とも死別し、天涯孤独の身である忠太郎は旅を重ねる。顔は忘れたが、瞼を合わせて浮かぶぬくもりを抱いて。風の噂で母親が江戸にいると聞き、そこで子をなくした齢50前後の女性に声をかけて回った。盲目の三味線引き、物乞いに近い娼婦、彼女らと接し、母への思いを強くする。
木綿問屋として成功したおはまと、彼女が自分の母親ではないだろうかとそこに訪れた忠太郎が顔を合わせる場面は、おはまの側から撮った。ふすまが開いて忠太郎が現れ、そこから二人の会話の中で心境の変化を捉える際、悲しさが引き立つ。前述の二人の中年女性に尋ねた時も、おはまと出会った時も、そのやり取りは1カットで見せた。義理人情に厚く、きっぷも良く、演じる中村錦之助のセリフ回しがまた流れるようで、魅了される。
加藤泰特集上映のチラシにはローアングル、長回し、シンクロとある。なるほどその演出はうたい文句の通り芸術的だった。しかしそれでいてメロドラマ、アクションの要素も含んだ一大エンターテイメント、情にほだされる忍者・名張信蔵の活躍と恋物語を描く。
まずはコメディで掴む。伊賀忍者の末裔だが次男坊の信蔵は出世を諦め、起きるのは午後だった。飯屋の娘・お勢以、道場館主の娘・おちのの二人を同時に口説きつつ、どちらにしようか迷っている。そんな信蔵の状況は、彼の姉が生活ぶりをくさすことで分かった。放蕩の様子はあくまで三枚目の路線で、それが一変するのは、町で巻物を持った男が山伏に襲撃されてからだった。
巻物は砂金の出る秘境・安羅井の里への道標で、おちのはそこの姫君だった。道場主の退耕斉と師範の高力もまた安羅井の人間だったが、高力は姫と金を手に入れるため、砂金を狙う紀州の人間と画策する。上からの指令で安羅井を調査することになった信蔵は、しかし全てにおいて金が目当てであることを知り、翻弄されるおちのを助けることに決めた。おちのは高力の女になったと吹き込まれて失意の中、高力の手から彼女を奪還して里に返す。その道中で真意を問いただし、おちのはそれに答えなかったが、二人が一夜を共にするシーンで野に実る赤い木苺を挿入し、その意味をくむ。そしてその夜の余韻をクライマックスの伏線として、切なくも叙情が響く。
父子愛を描いて、その愛のかたちははいびつに歪んでいるようにも思えたが、考えてみれば愛に正解はなく、一般論も各々の価値観を当てはめているだけのことで、なるほどこういう愛し方もあるのかと、それなら自分に置き換えて父親との関係を見直してみた。僕ほどの年齢になれば、父親と子どもの両方の視点から見ることができるはずなのに、まだ家庭もなく、ましてや息子なんて現実味も帯びず、しかし「父親とは孤独なものだ」というセリフは妙に説得力を感じて、父性の責任を負うことは無理だ。
ロシアの街並は入り組んで、トタンの屋根や石畳などに風情があった。また、立体的な造りをしているのだが、それがやけに平面に見える。セピアカラーも手伝って映像の平坦さが全て絵空事のような。建物の最上階に住む父子は互いを愛し、セットのようなロケのような、その屋上でサッカーを興じたり肩車をしたりして遊んだ。郡を退いた父の息子への溺愛に対し、軍の養成学校に通う息子の父への愛は同情にも似る。
冒頭で悪夢にうなされた息子は父に抱かれてまた眠り、現実にいる父と対話する。ラストに近づき今度は父が、その場にはいない息子と対話する。夢か幻想か、非現実的な世界へのいざないが心地悪く美しい。
アレクサンドル・ソクーロフは「ドルチェ 優しく」で稀有なファミリー・島尾一家のドキュメンタリーを撮り、新作の「太陽」では昭和天皇を題材にした。日本の、しかもスポットの当てづらいところを果敢に挑み、気になる。三部作の最初「マザー、サン」と完結「ブラザー、シスター」ももちろんのこと。
豊島湯 北区豊島3-19-7
玄関で体長2メートルほどの白虎が迎える。室内にも多数の置物があった。店主は度の厚い眼鏡をかけて、白内障で最近手術をしたらしく、常連客とその話で持ちきりだった。「世の中が明るくなったでしょう」「蛍光灯がまぶしすぎてかなわんよ」嬉しそうに、趣味であろう飾り物もくっきり見えているに違いない。
浴槽は大きくなかった。10人も入らない。電気風呂は低温湯、バイブラ風呂は鉱石湯を兼ねて効率的に。低温の風呂は長く浸かることができて重宝する。ここのは三人入るとかなりきつそうで、刺青と初老の先客二人に悪いと、そこは後にすることにした。
歯を磨いてから再度目をやると、刺青のほうがまだ入っている。とりあえず隣のバイブラで様子を見た。彼は下半身、太ももから股間の辺りをひっきりなしに掻いていた。場所を特定できないのは、当然、背中の紋々が関係する。凝視できない。もしその掻いている箇所が股間であれば、菌が怖い。ヤクザと同じくらい怖い。最悪の状況を想定して、彼が出ていってからも低温湯には入らないことにした。
「一樹さんを見てるんで、」うん、うん、うん。見ているから何だと、その後に言葉が続かず頷くだけの英智のヒーローインタビューに笑いながら突っ込みを入れていたが、こここそが笑うところではなかった。どうも泣いている。ワイルドピッチで、2塁からノンストップで加速した英智はそのまま一気に勝ち越しのホームに滑り込んだ。昨日に続き今日も拙攻で負けるのかと思い、フラストレーションは募るばかりだった。しかしそれも勝利とお立ち台で吹っ飛ぶ。僕と同い年なのにこの純情さ。
落合監督も本気だった。目が怖い。采配も勝負に徹する。昨年の交流戦の雪辱を果たすべく、今年はやる。36戦で5分の18勝18敗と予想(願望含む)したが、もっと勝つとみた。19勝くらい。
僕のレッチリ好きは“Give It Away”のPVにてフリーのヘアスタイル、頭部一帯に渦巻状の刈り込みを約10年前、真似たところに顕著だと思う。当然それがイカすと判断して剃り、美容師の嘲笑など気に留めなかった。
タワーレコード入り口前の特設販売場でびあんち号ブレーキかけて「1つください」と、屋台のたこ焼きもしくは焼き鳥を買うかのように。新作のジャケットがダサかろうが何だろうが、全幅の信頼をおいているので試聴はしない。
力作だった。2枚組のベスト盤のようだった。ミクスチャーはメランコリックなメロディも添えて、これはドライブに欠かせない。というかこの2枚だけを持って旅に出たい。ただ、否定されるのは耐えかねるので、助手席には誰もいないことがベター。
- Red Hot Chili Peppers
- Stadium Arcadium

