映画の上映時間を間違えて夜に差しかかる時間帯、失意のまま傘もささずサンダルで歩いていた。とある雑誌を読もうと近くのコンビにまで行くがそこになく、結局4件ををハシゴする。こんなに歩くのであれば靴を履いていけばよかったとか、この程度の雨なら自転車でもよかったとか、裏目がうらめしい。

その帰り、歩道の先に自転車が1台止まっている。いやゆっくりと動いているだろうか。傘で隠れて定かではないが携帯で話しているのだと思う。傘から出た下半身をまとうのはマイクロミニで、そのスカートのほんの一切れ程度をサドルに敷いて、生足がなまめかしい。

彼女とその傘とその自転車が邪魔なので、意図的に大きな足音を立てた。振り返り、僕を確認する。その際に彼女の足は地面についていたが自転車は進んでいて、徐々に壁に寄っていることを彼女が前を向いた時既に遅し。ズガガと壁を擦って、前輪は電柱との狭い隙間にすっぽり入った。「大丈夫」声をかけようか迷ったが、彼女も恥ずかしかろうとやめた。見たところ怪我もないだろう。僕は車道に降りて追い抜いた。右の手で左の襟を掴み、二の腕を口に押し当てたが、僕の頭と肩がふるふると震えていたいたことに、彼女は気づいたかどうか。

残菊物語 好きな女性のタイプはと聞かれた時「古風な人」と答える男のほとんどは、要するに差別主義者というか、自分の甲斐性いかんにかかわらず奉仕してほしいのだと思う。けなげに尽くす女性は誰だって好きだろう。

歌舞伎の名門の跡取り・菊之助と、その弟の乳母・お徳との悲恋の物語。親に勘当されて都落ちし、大阪で芸を磨くが世話をしていた座長が急死したことによってさらに旅回りへと身を落とす菊之助を、お徳が献身的に支える。そんな彼女を愛おしく思いながらも、どこかその愛おしさに後ろ暗さを感じてしまう。このような女性を良しとする見方が、自分も大した分際でないくせにそのような人を求めていることに繋がると思うと、何だかみっともない。

階級社会がはびこる時代で、身分をわきまえてお徳は2度、身を引こうとする。乳母を解雇されて実家に帰った時、分かれることを条件に菊之助を東京に帰す約束をとりつけた時、菊之助が彼女を探すシーンを横スクロール長回しで捉えた。大した芸もできず見栄ばかり気にしていた頃の1度目は長屋を、苦労が芸の肥やしとなって立派に見得を切るようになった頃の2度目は電車を、画面左から右へと歩く菊之助をその中から追う。成長の影にはお徳がいて、しかし彼女は報われなかった。

全く報われなかったということはないのだが、その結末は悲しすぎる。歎美な溝口健二の世界にどっぷりと、気づくと頬と鼻の下は顔を洗って拭かなかったのかというぐらいに、浸っていた。ハンカチもティッシュも忘れてTシャツの袖では拭いきれなかい。嗚咽をこらえて呼吸困難にもなる。

TVをつけると広島の投手は広池で、先発が降りたということはリードしているのかと思ったがスコアレスだった。広島のベンチをカメラが映すと、はてブラウン監督は髭を生やしたのかと。VTRで先発ロマノと共に退場になったことを知る。

アンラッキーな当たりが続いたり、エラーが絡んだり、しかし結果として大量点が想定内ということに腹が立つ。ドミンゴ。クリーンヒットが出るまで交代しなかった監督の意向も分かるが、走者を溜めてしまってはあの猛獣、それはビッグイニングを献上するわけで。

さて忌まわしき交流戦が始まる。今年は勇猛果敢に、強気で、5割を望みたい。

これなら 数えてみると「「HAPPY SMILE! with fireflies 」のsugarさんからは6本もバトンをもらっている。ありがたい。「あいつバトン 」と共に渡された2本組2本目。

●1 バトンを回してくれた人に対して持つイメージの漢字は?
蛍。というのも、sugarさんのブログにて英語でFireflyと表記することを知ったのだが「火」「飛ぶ」とは彼女にピッタリだと思った。

●2 前の人が質問6で答えた漢字に対して自分が持つイメージは?
砂…厚化粧の肌
糖…常夏の国の果物やタバコ
蛍…頭を搾ってにじみ出てきた液体

●3 大切にしたい漢字を3つ
客、客観性
受、受動態
冗、ユーモア

●4 漢字のことどう思う?
書き順はおおよそで良いのではないだろうか。

●5 最後にあなたの好きな四字熟語
何事もほぼ有耶無耶にしてきた。全てボーダレス。

●6 次の人に回す漢字を3つ
優しさとは
情をかけるもの
糧の有無

●7 バトンを回す人5人とその人をイメージする漢字を
漢字3つ選んでおいて回さないという。

追記術
一文字で意味を持つ漢字は世界に誇れる言葉で、美しさも兼ね備えていると感じます。読めても書けませんが。こうやってキーボードを叩き、ますます書けなくなってきてますね。字面は覚えていても、いざ直筆でペンを走らせようとすると、いびつな形になってしまいます。そのいびつさといったら、喜び勇んでバトンを受け取るくせに、自分は渡さないこのブログスタンスもまた然り。ああ、うまいこと話をつなげようとしましたが、うまいこといきませんでした。

Les Deux Chevaux Les Deux Chevaux
世田谷区太子堂3-25-3

ブンレツさんの誕生日に、ソウウツシニアと3人で食事。2ヶ月に1度のペースで訪れるここには、たしか昨年 も子供の日前後に行った。夫婦で経営している。シェフの主人は無口で厨房から出ることは少ないが、味は確かでしかも安い。給仕係の夫人は記憶力が凄まじい。2度目の来店時、まだ通い詰めていない段階で既に覚えられていた。僕の禁煙、その断念まで見抜かれた。おそらく、僕らファミリーはパンの人として定着している。おそろしく、パンを食べる。あらゆるソースに浸し、皿が出される度にパンも補充される。今日もたらふく。

ブロークン・フラワーズ インディペンデントの雄として、ミニシアター系作品が好きな人がジム・ジャームッシュをフェイバリット・ディレクターに挙げる確率はかなり高い思われるが、本作は東京だけでも4つの劇場で公開され、もはや単館ものとも言い難く、配給の熱の入れ様といったら凝りに凝ったその公式サイトの重さに顕著である。そんな拡大公開作はドン・ファンよろしく若い時分に数多くの女性と浮名が立ったドン・ジョンストンが、X-girlsに会いに行くことで過去と向き合う様子を描く。

ドンにピンクの手紙が届き、それには19歳になる息子が訪ねてくるかもしれないと記されていた。20年前に別れた恋人は5人いて、隣人のウィンストンは彼女たちのところへ行けと促す。インターネットで現住所を割り出して計画を寝るウィンストンにほだされて、愛用のフレッドペリーのジャージを脱いでスーツをまとい、ピンクの花束を持ち、ドンは旅立った。バスや飛行機を乗り継ぎ、レンタカーでアメリカを横断する。対向車が通り過ぎて、バックミラーで遠ざかる様を見る。女性と出会い、接し、別れ、また別の女性と出会うという一連が凝縮されているようだった。ウィンストンや昔の恋人たちとのやり取りを通じてドンの、虚無的だが享受するスタンスがうかがえる。

最後、ドンを中心にしてカメラがぐるりと回り、ヴィム・ヴェンダース「アメリカ,家族のいる風景」でも主人公の男、息子とのコミュニケーションを模索する父親を同じように写していたことを思い出した。不器用で不恰好な中年男性に、僕も避けられないだろうから覚悟を決める。

隠された記憶 映像が始まったと思ったらそれはビデオテープだった。夫のジョルジュ、妻のアン、一人息子のピエロからなる家庭に、子供が書いたような無邪気で残酷な絵を添えて、そのテープが頻繁に送られる。ストーカー的な内容に一家の不安は増殖の一途をたどった。

彼らの職業と暮らしぶり、また演じるダニエル・オートゥイユの出っ張った腹、ジュリエット・ビノシュの締まりのない体からも、ブルジョア階級のにおいがする。ジョルジュには後ろ暗い過去があり、それは6歳の頃の記憶で、脅迫じみたビデオはその時の復讐だと推察した。生家に仕えていたアルジェリア人の一家がいて、その両親はアルジェリア独立戦争が起こった際に帰ってこず、その息子マジッドはジョルジュの家に養子として迎え入れることになったが、6歳のジョルジュは快く思わなかった。永らく封印されていた記憶がジョルジュによみがえる。

やましさと自己防衛。ビデオや手紙を自宅や会社、息子の学校に送りつける相手を絶対悪として、ジョルジュは立場や財産を固持しようとした。それは醜く見える。ビデオのシーン以外でも固定カメラが客観的な視線として、監督ミヒャエル・ハネケは提示するだけ、ただ委ねた。

ラストシーンは、彼らの存在に気づくまで時間を要した。半分くらいロスしただろうか。最初から分かっていたら、どうだっただろう。仮に、瞬時に気づいたとしても、作品の理解が変わってくるとも思えないので、自分の観察眼はよしとする。

ソラ 初めてオシメを替えた。替えさせてもらった。尻の肌触りは何とも形容しがたい程に気持ちが良い。「旅するサンバ♪ 生まれましたっ 」sariさんとその旦那 の家にて。

全てが小さくてしかし全てが揃って、汚れのない様といったらその尊さはこの上ないなど、どうも宗教っぽい概念に囚われそうになってしまって、とにかくかわいいということなのだ。大体において僕が近づくと赤ん坊は泣き出す。二人の子供「空ちゃん 」はまだ生後3ヶ月弱で、大丈夫だろうと言われていたが、やはり泣かれた。お疲れだったということもあったらしいがジンクスは続く。

彼女は子育て、彼は仕事で多忙にもかかわらず招待していただき、というかズカズカと勝手にお邪魔したわけだが、しかもご馳走をふるまってもらい、楽しかった。しかも個人的に良い話も聞けて僕は満悦、しばらく妄想も事欠かない。

携帯電話のCMにてイカしたニューウェイブっぽい曲が流れて、誰だろうと目を凝らしているとMUSIC by InKとあった。誰だろう。アルファベットの大文字と小文字を合わせるなんて、最近の若い人間だろうと、そこで興味は失せつつあった。

後日、友人と飲んでいる時に石野卓球と川辺ヒロシが組んだという話を聞いて、それはすごいと。ユニット名がInkという。捻りが利いて格好良いではないか。卓球の声が心地良いではないか。

InK InK
C-46

HAPPY SMILE! with fireflies 」のsugarさんから2本まとめて、その1本目。「あいつ」とはバトンを回した人を指すとのことで、さしずめ僕からsugarさんへのラブレターといえる。

■1:あいつの名前を教えて下さい
sugarさん。僕は2つか3つ下。

■2:あいつを色で例えると?
マゼンタ

■3:あいつを四字熟語で例えると?
喜怒哀楽。が、激しい。

■4:あいつの良い所、ひとつ教えて?
喧嘩上等のところ。

■5:あいつの嫌な所、ひとつ教えて?
「ブログをやめる」と言うところ。

■6:あいつに唄わせたい歌は?
ウルフルズの「笑えれば」が今ループしているのだが、歌わせたいというよりも僕が歌う。 

■7:あいつと遊びに行くならどこ?
無難にドライブなどはどうだろう。運転してもらうのはどうだろう。

■8:あいつと一日入れ替わったら、何をする?
スノーボードの誘いを断る。僕の性格の悪さがここに露呈。

■9:この場を借りて、あいつに言ってやりたい事があれば。
なるべく「ブログをやめる」と言わないでほしい。

■10:あなたについて答えさせたい、次の回答者を最大5人!
おらず。

追記汁
本音は回したいです。僕について答えてもらいたいのですが、貫いて回しません。僕のほうからは回しません。ただ、受け取ってくださるというのであれば、喜んでお渡しします。密かに募ります。