海の、沖のほうを泳いでいた。ボートが近くにある。横を向くと彼女
がいた。楽しそうだったように思う。ああ、この女は僕の恋人ではなく元恋人だったと、そう気づいて彼女が泳げないことに構わず突き放して僕はさらに沖へ行こうとした。後ろから「やだぁ」と声も節も再現されて、やりきれなくなって、彼女の手を取りボートへ連れて行く。呼吸など必要ないことも理解したので、底深くまで潜った。
枕が濡れているという、このみっともなさよ。大体、夢に出てくるだけでも自身がめめしい。それはいいとしても、何が悲しかったのか。何を悲しくなっているのか。しかもそれ以後に寝つけなったときている。しばらくもぞもぞして、やっとのことで再び眠りについた。朝、鏡を見ると赤く腫れていた。