卑怯者
何のいたずらか、きっと運命のいたずらなのだろうが、一発で流れないトイレというものが存在する。
ジャーッといった後になぜかヒラヒラ紙が底に見えているという不可思議な状況である。
当然、何を流したという話ではなく、大きさがなんだという話でもない。
私が毎日通う会社のトイレがそれなのだ。
必然的に、トビラを空けた途端、前回の人の紙が見えているケースがよくあり、そうなると余り気分がいい出来事ではないので何もしないまま水を流す。
環境破壊ではある。
分かっている。
先日、その環境破壊的水流しをしたところ、いきなり詰まったかのような現象が起こった。
コポコポと微かな音が鳴ったかと思ったら水位が上昇した。
これは危ない。
急いで私は隣のブースに移動した。
「環境破壊的なことをしていなかったら大惨事だったな~」と思いながらも、次の人はどうなるのだろうかということをふと思った。
そして、最悪のシナリオを想像し戦慄が走った。
バタンと音がして新たな客がトイレに入ってきた。
勢いよく歩く足音から、隣のブースに入ることは容易に想像できたが、ブースの中から「詰まっている恐れがありますよ(^^)v」の一言は私の口からでなかった。
聞こえてくる一連の音から推測するにその男は50前後の部長クラスだ。
彼は無駄な動作をせずドカッと座った。
私は用を済ませ、手も洗わずに直ちに退室した。
応援よろしくお願いしま~す![]()
以下のリンクをクリックすると「こころのネタ帳」に点数が入ります!
見まつがい
早く帰れたので少しウキウキしながら歩いていたところ、交差点で凄い格好をしている人を発見した。
凄い格好といってもヨガのポーズをしていた訳ではなく、背の高い髪の長い女性がホットパンツを履いていただけである。
それでも私は男子であるからして、振り返って再び視線を向けたのだが、あろうことか長髪のオッサンだった。
四角い、白いマスクで顔を隠しているものの明らかにオッサンだった。
女装をとやかく言う気はさらさらないが、とりあえず間違えた自分を恥じた。
後ろ姿で判断出来なかった自分を責めた。
ライブハウスでカワイイと思った西洋の女性が、前から見るとおもいっきりあごの割れた長髪の少年だったという遠い昔の出来事が走馬灯のように頭に浮かんだ。
応援よろしくお願いしま~す![]()
以下のリンクをクリックすると「こころのネタ帳」に点数が入ります!
ロックな奴
久しぶりにCDレンタル屋に立ち寄った。
店に入る直前から私の顔はしかめっつらになる。
言うまでもないが音楽通を気取りたいからである。
オススメCDランキングコーナーなんて見向きもしない。
なぜなら俺はロックだからだ。
ロック通だからだ。
一目散にHR/HMコーナーに駆け込む。
ちなみにホームルーム/ハンドメイドコーナーではない。
そして、目的のものを鷲掴みにしてダックウォークでレジに向かった。
週末だがそんなに混んではいない。
レジの前でならび、俺の番というところで少女が割り込んできた。
すると若い女性店員が、
「後ろにならんでね~」
と困った顔で子供の扱いに慣れていない感じで言った。
少女は不思議顔のまま動かない。
私ももう大人なので、
「どうぞ、どうぞ、どうぞ」
と慣れない感じで少女に言った。
肥後あるいは寺門ばりに言った。
少女は何食わぬ顔でDVDをレンタルした。
私よりも少女の方がよっぽどロックな奴だと言わざるを得ない。
応援してくれると嬉しいです。

