・・・・・・・っということで、ピアニストのアリス=紗良・オット(35)が「題名のない音楽会」に出演しているのを偶然見つけました。
最初、やたらニコニコとしていて、彼女だと気付きませんでした。
彼女については、2019年にブログに書いています。
何とこの後、難病を発病し、ピアニストを諦めるどころか、生命の危機さえ経験したのだそうです。
あのチェロのジャクリーヌ・デュ・プレ(42歳没)の命を奪ったのと同じ病だそうです。
あれから5年の歳月が経って、ずいぶん彼女は丸くなったと感じました。
治療法が確立されておらず、完治ではないようですが、フツーに元気でした。
ご存じ、彼女は靴を履かずに裸足で演奏します。
ピアノを演奏するのに手袋をしないと同じように、素足でペダルをコントロールするのは理にかなっています。
司会者が微妙なペダルコントロールが音楽を豊かにしていると褒めました。(意訳)
すると、足を褒められたのは初めてと言って笑いを誘いました。
いくつか演奏した中に、ショパンの「雨だれ」がありました。
彼女は、可愛らしい曲と思われているけれど、ものすごくドラマチックな内容だと自分の解釈をしました。
そのあとで、彼女が雨だれを演奏すると、全く違った曲になっているのに驚きました。
一部の批評家は、感情を込めすぎと批判するかも知れませんが、ぼくにはとても新鮮に感じました。
まさに彼女はその新鮮さを狙っているのであって、クラシック音楽を埃のたまった音楽ではなく、ロックと同様に新しいものだと感じて欲しいと言っていました。
映画【アマデウス】の中で、モーツァルトが新しいと言われて驚喜する場面がありました。
病を得たことで、音楽的にも、人間的にも大きく成長したように見えました。
今後とも、末長く成長し続けて欲しいと願わざるを得ません。