人生も世界も、多くの矛盾や混沌に溢れている。あなたもこんな言葉を口にしたことはないだろうか。『人の気持ちって難しいよね』『世の中って複雑だよね』
僕もそんなことを言ってたし、今でもそんなことが頭を無意識に過ることはある。だからこそ、アドラー心理学を知った時、もの凄い衝撃を受けた。人の気持ちや世の中が難しく、複雑だというのは客観的であるように感じる。しかしアドラー心理学ではそうではなく
『人は自らが意味づけした主観の中に住んでいる』
としている。つまり人生や世界が難しいのではなく、自分自身がそれらを難しく困難なものにしているということ。
アドラー心理学の特徴の1つに『原因論』と『目的論』の違い、があげられる。例えば、今の自分自身の状況について、そうなってしまうような出来事が過去にあったとする。
現在の自分がそのように過去によって規定されるというのが『原因論』。確かに、過去の経験がその後の人生に何らかの影響を与えることはある。でも、『自分はそのような経験をしたことが原因で、今もこうなっている』と考えるのだとすれば、それはそう考えたい目的がその人の中にあるからだ。これが『目的論』。仮に現状が不満で幸せでないとしても、その目的に沿った行動を続けていることは間違いないという。
『いや、そんなことない、私は◯◯というふうに変わりたいんだ』と思っていながら、変われないままでいるのは何故か?それは変わらないでいることで目的が達成されているから。たとえ自分はもっとこうなりたい!という思いがあり、現状に不満があろうと、決して好き好んで現状を維持しているわけではなくても、『今のままのわたし』でいる方が楽だし、安心だから。
つまり自分を変えることは怖いことなのかもしれない。変えようとすることは『勇気』がいること。いろんな不安や恐怖が待ち構えている。
今の仕事をやめて起業したいけど、失敗はしたくない、将来の先行きは見えない、生活はどうなるのか?今のままの自分では、まだダメだ。ということかもしれない。
引きこもりを脱却して社会にでてハツラツと生きたいけど、何年も仕事をしていなかったのだから面接を受けても採用してくれるところなんかないのではないか?今までは家の中で家族が心配して色々面倒をみてくれたが、大勢の人の中に入れば自分は見劣りする、でも今までのように自分を大切に扱ってくれる人なんかいない。ということかもしれない。
そうやって意識的だろうが無意識だろうが、『変わらないという選択』を繰り返している。人生や性格を変えようとする時に突き当たる不安よりも、変わらないことでつきまとう不満を選択している。自分の過去の体験や世の中にその理由があるおかげで、自分への不満や、思い通りになっていない人生を納得させることができている。だけどそんな理由ばかり考えていることは苦しいことでもある。これが先に述べた、人生や世の中が困難なのではなく、自分が難しいものにしているということの1つといえるかも知れない。
自分が思う通りに生きたいと思い、勇気を持って不安な道を選んだ結果、その願いは砕け散るかもしれないが、それによって成長できるかもしれないし、ダメだと分かって別な道を見つけるきっかけになるかもしれない。いずれにせよ、前に進むことはできている。
逆に、やるべきとを目の前にしながら、やれない理由をひねり出し続ける自分が人生や世の中を難しいものにしてしまっている。
『人は自分の過去の経験によって規定されるのではなく、その経験にどのような意味を与えるかによって自らを決定する』とアドラーは言う。だから『過去は関係ない。今、何を選択するか?』そして『それは全て自分で選べる』ということ。
とはいえ、自分で選んだのではないものたくさんある。そしてそれらは確かに人生に影響を及ぼしていることもある。不満もあるだろうだろうし、自分と他人の境遇を比べて羨まし思ってしまうこともあるかも知れない。だけどそこで終わってはいけない。これまでの人生に何があったとしても、これからの人生をどう生きるかには何の影響もない。今の自分が決めることだ。
さて、ここまでいうと、アドラー心理学って、なんて厳しい考え方をするんだろう?と思われるかもしれない。僕も最初は、言ってることは分かるけど、自分がしたいことを選択したくてもできなことだってたくさんあるじゃないかと考えていた。そこがどうしても受け入れられなかった。
でも、何度もそのことを考えているうちに、どうしても避けられない自分への言い訳が繰り返されていることに気づいた。『もし自分が◯◯だったら』とか『環境さえ整っていれば』とか。そっか、そうやってただ可能性の中に生きているうちは決して何も変わらないじゃないか。その意味がやっと分かった。
だから、結果がどうなろうと、前に踏み出す『勇気』が必要だ。自分を変えようとすれば不安があるのは当然。不安だから勇気がでないのではなくて、そもそも不安を選択する勇気を持とうとしていなかったんだ。
アドラー心理学は『人は変われるというのが前提』であり、そのためには『勇気が必要』というもの。アドラー心理学は勇気の心理学なのです。
では、その勇気とは?その考え方や方法論が示されなくては意味がない。でも、ここで僕が書籍から引用してお伝えしても、それは所詮、他人から与えられた対処方法でしかありませんし、とても薄っぺらいものに感じるでしょう。
『じゃぁ、アドラー心理学を理解すれば私は変われんですか?』などと言わずに、答えは自分で見つけだそうとすることが、理解する上で、自分を変える上で、最も大切なことなのではないでしょうか。
今回の内容は以下の2冊から引用したり、僕が感じたことをお伝えしています。
『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』
著者:小倉広
『嫌われる勇気』
著者:岸見一郎 古賀史健
ともにダイヤモンド社の出版。
ご興味を感じていただけたかたへは、是非お勧めしたいと思いご紹介させていただきました。
べつに、本を読んでアドラーを知ろうとなどしなかったとしても、これだけは言いたい。
あなたも変われる、どうか勇気を持ってほしい。









