先週のブログはちょっと生物学的な内容も書いたせいか、『トレーニングのこととか、そういうのは何で勉強するんですか?』というご質問をいただきました。これはジムでも会員様からたまに聞かれることなのですが、今はやっぱりネットで十分情報が得られますので、勉強に関してはそれほど苦労しないと思う。
たくさんのアスリートやトレーナー、研究者などが、ブログやホームページ、動画などで情報を発信しているし、DVDもある。また、英語さえ勉強すれば様々な文献に目を通すことも簡単に出来る。
でも逆にそれが弊害となってしまうこともあるのかなぁという気がした。新しい情報がどんどん入ってくると、それを試したくなるから、結局一貫したカラダ作りから遠ざかってしまう結果になることもあるんじゃないだろうか。
ちなみに僕のお勧めは、山本義徳さんが監修している『かっこいいカラダ』シリーズです。トレーニング理論はもちろん、サプリメントや生化学、時には専門用語がバンバンの細胞生物学的な話まで、あらゆる要素が網羅されている。
ネットで情報収集するよりは、この本を熟読する方が間違いなく近道だと僕は思うし、情報源を1つに絞ってそれをしっかり叩きことも必要だと思う。
トレーニング自体を楽しむことが目的なら、広く浅くでも構わないけど、筋肉を強くしたり、コンディションを整えたり、ダイエットやリハビリとか、機能改善とか、そういった場合はトレーニングにしても、栄養面にしても『続けること』が重要になってくる。
そして『かっこいいカラダ』は超実践的な本です。だから、知識だけつけて終わりじゃなくて、それを結果が出るように試行錯誤して、浮気せずに実践を続けることが絶対にお勧めです。それでそうとうな勉強になると思います。
まず理解することからはじめるのは大事だとは思うけど、それをちょこっと試したくらいじゃ、いつまでたってもそれは『ただの知識』。実践を継続することで、それが自分の中で『理論』へと変わっていくんだと僕は思う。
例えばパーソナルトレーナーがお客様へご指導させていただく時にも、エクササイズのやり方を知っているだけじゃ(それでお客様からお金を頂戴するなどありえないけど)、もしそれをお客様がうまくできなかったり、目的とした部位へしっかり効いていないと感じていたとしても、その原因を論理的、且つ直感的なスピードで評価・対処できるわけないですよね。知識だけじゃ。
だから、自分以外の人へ、自分ができることを、いかに速く、よりたくさん覚えてもらえるようにすることができるか?というのが理論なんじゃないだろうかと思うのです。別に自分がトレーナーじゃなくても、周囲から何かを聞かれたりした時に、知っていることを答えるだけなら経験なんて必要ない。サッカー経験のない人が解説を出来るようにはなっても、本当の指導者にはなれない。
一貫して実践を継続していくことではじめて理論や仮説の幅や精度が上がり、そこから自然と新しい知識が必要になり、学び、それを実践し、ということの繰り返しなんじゃないだろうかと思うのです。
だから別に『かっこいいカラダ』じゃなくてもいいんだけど、1つのことを『これはもう知っている』と思うとことや、試した、というところで止まらずに、そのやり方で結果を出そうと考えぬいているかどうか?
何を情報源に勉強していけばいいかということも大切だと思うけど、そんなことを考えながら継続しているか?まずはそんなふうに自分を振り返ってみるくらいはしてみてもいいのではないかと僕は思うのです。
お勧めしておいて書きづらいですが、『かっこいいカラダ』は多分もう手に入らないバックナンバーが多いかもしれない・・・(^_^;)