詩人 意味を成さず  ~掌握~ -17ページ目

詩人 意味を成さず  ~掌握~

私が詩だと思ったものを
ロックンロール

いつも通り崖を落ち続けている

横着な転落を横目に爪を切る君

僕たちの関係はいったいどうなっているの

呼び出さればどこにでもいくし

君は僕の提案には一切のらない

いつだって急に電話をかけてきて

慈しみは言い訳に使えないхорошо

とりあえずポロシャツを着て微笑

 

楽器なんてできない

今日も思うのさpianoを弾いている君のことを

今日も思うのさ誰かに抱かれてる君のことを

日曜日の朝のミルクに息吹を感じる

胸一杯の憂うつにドレッシングを

きっとこれでいいんだって

多分これでいいんだって

 

竜巻は間に合ってる粋なはからい

君の目は遠く僕を透かして

10段先のステップを踏んでいる

その階段はどこに通じてるの

炭酸を放置して気が抜けるのを待つ

もう僕は嘘を隠し通せない

カーテンの隙間から姿を現す

僕の登場は予想されて誰もいない

楽器なんてできない

 

今日も思うのさpianoを弾いている君のことを

今日も思うのさ誰かに抱かれてる君のことを

砂場には木漏れ日の全てが落ちている

あまりにも退屈ならため息の衣替えを

きっとこれでいいんだって

多分これでいいんだって

 

 

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電車の中でなくしてからわかることが揺れる

口が乾く

 

借りた言葉で考え借りた言葉で測り借りた言葉で語る

 

芝生は伸び放題で手入れするものはいない

端から枯れていく

物置の扉が途中で止まり開けも閉めもできない

自転車に乗ることができない

 

じゃああの頃に戻って何をしろと

過去の自分を罰するのか

あの頃の自分は私の言うことを聞かない

オリジナルはフォーマットされ続ける

 

今だって借りた言葉で考えている

 

モノクロームの男が見事なセリフを言ってのける

作られた雨の中必要以上に濡れながら息は白く

夏のシーンなのに確実に撮られたのは冬の中

とんでもないまでの決め台詞を吐いてみせる

私は手帳にメモし

来るべき未来に使う日を心待ちにする

誰もその映画を観ていないことを確認しながら

 

君との愛を適当にチョイスした言葉で詠う

後悔するにもしきれない

他に手帳に書かれた言葉はなかった

 

電車の中でなくしてからわかることが揺れる

口が乾く

 

手帳の紙を一枚一枚口に放り込む

 

 

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純愛    2018 4 12

突き抜ければそこは狂人孤高のユートピア

叫びもうろたえもない地獄の果て

ののしられようとも

後ろ指をさされようとも

好奇の目にさらされようとも

あくまでも

視線を合わせながら平然

流暢に言葉を扱えど

すでに彼らは地獄にはいない

果てているのだ

tukinukereba

 

――――――――――――

 

多くを傷つけてきたことに気づく

過去にさかのぼって全てを恥じる

揚々と旗をあげ凱旋していたときに

周囲は裏で私を笑っていた

 

好き勝手に振る舞った

横暴を繰り返し

心友の妻に手をつけた

性病を巻き散らし

教育を阻んだ

多数の名をカタり

少数を切り刻んだ

豚のように食い

嘘を操った

瞬時に沸騰し

老若を見下し

才能を貶めた

 

じわじわと私の酸素を奪う過去の呪縛

嘲笑

さかのぼって謝罪することかなわぬ

業業業業

どこに向かって贖罪が出来るというのだ

 

誰の目にも明らかに私は精神を病む

視界はなく色が消える

暑さの中鳥肌が立つ

食えず鈍り選べず襲われる

私という屍は切っ先に揺れるのだが

 

揺れるのだが

しかしだがしかし

 

私に残る理性のかけら

装う何かがある

破滅した生活ではあるが逃げ道が残る

密かに演じられたいやらしい計算が垣間見える

 

ああ狂人の偽物まがい物

果てた人間の爪の垢の価値にも程遠い

叫び頭を打ち付けるこざかしい半端なモノノケ

 

本当に私は悔いているのか

「人とは心から悔いることができるのか」と懐疑的に

それを言い訳に

どうせ信仰に殉じる者さえ

煩悩を完全に捨て去ることはできず

どこか欲が蜘蛛の糸の五分の一ぐらいの細さで

他人に隠して残っているのだろうと

私は甘い

限りなく甘い

 

繰り返す

どこまで病もうとも

どこまで苦しもうとも

私の先に狂人の果てはない

この後また誰かに出会えば

現世で繰り返し

他人を傷つけ

満足し

一定時間

苦しみ反省する「ふり」をするのだ

 

ああ狂人の偽物まがい物

 

――――――――――――

 

ここまできてもなお

私をつま先まで愛してくれる人間がそばにいる

人非人として人と関わってはいけない私のそばに君がいる

愛してもいいのだろうか

愛する資格が私にあるのだろうか

君は全てを知っている

私の汚らわしい本質を見抜いている

 

一緒に死んでほしいといえば君は必ずともに死んでくれるに違いない

 

私はもう人と関わってはいけない呼吸するムクロ

多くの時間を経てやっと恥を知り病むことしかできない汚物

中途半端な狂人の偽物まがい物

 

ただ

 

私が愛さなくては君は悲しむだろう

私が黙って去れば君は嘆くだだろう

私がいまさら幸せをつかむことをまがまがしく思う人間はあまた

私ですらそれは許されぬと

 

この世で君一人

君一人を

 

いや違う

 

私が愛さなくても去ろうとも

君はそれを受け入れるに違いない

 

私に足りなかったものを君は持っている

 

 

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アン・ドゥ・トロワ 2018 6 8

たくさん食べよう

こぼしていいから

口も周りをたくさん汚しながら

たくさん食べよう

食べながら寝ちゃってもいいんだよ

アン・ドゥ・トロワ

 

危ないところにはゴムをつけたよ

寝返りとハイハイからとうとう立ち上がったね

少しずつでいいから

お家の中を探検してね

アン・ドゥ・トロワ

 

周りは宝物でいっぱい

気づかないかも知れないけど

プレゼントで満ち溢れている

おおいに遊んで

笑ったり泣いたりするのが君の仕事

アン・ドゥ・トロワ

 

お母さんはそこにいる

探さなくても君といる

僕たちは見守っている

生の奇跡がここにある

出会う喜びをありがとう

アン・ドゥ・トロワ

 

僕とお母さんが出会って

君につながった

僕はお母さんを君に取られてちょっと悔しいけど

母になるお母さんも大好きなんだ

至らない僕も父になる

アン・ドゥ・トロワ

 

弟か妹を用意したい

嫉妬という言葉を手に入れるだろう

これが嫌だあれが嫌だが増えていく

駄々をこね続けていこう

僕たちは君を怒らない

君を叱るんだ

アン・ドゥ・トロワ

 

僕は写真を撮るのが好きになってきた

シャッターを切り続けて

僕らの毎日を保存する

カメラを持って旅行に行こう

同じところに二回行こう

今の君と

そこに行ったことを思い出にできるようになった君と

 

三角と四角と丸は全部違う

あの人とこの人と大勢は全部違う

君がこれから出会う人の中に

君のごくごく近い人に

君のパートナーがあらわれる

お父さんとお母さんがそうだった

 

アン・ドゥ・トロワ

アン・ドゥ・トロワ

 

君のぷよぷよが大好きだ

 

アン・ドゥ・トロワ

アン・ドゥ・トロワ

 

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祭りの夜 2018 6 11

 

 

祭りの夜ってさ

健康にみんな不健康で

はぐれて辺りを見渡したとき

君は他の男とキスしていて

見たくないものを闇に紛れさせようとして

僕も闇に紛れて怖くなって

山車が通ったあとのすすけた提灯の下をたどって

何回も嫌になっちゃうんだよ

燃ゆる夜だから

なおさら嫌になっちゃうんだよ

 

酒を飲む担ぎ手

手を叩く壮年

観光客

掛け声

法被

足袋

Tシャツの僕

浴衣の君

 

祭りの夜ってさ

開放的にみんな閉鎖的で

水ヨーヨーなんかに気を取られていると

君はなんだか物欲しげな顔で男をみつめていて

見たくないものを闇に紛れさせようとして

君の中の女が夏の蒸した佇まいに充満して

別な男に向けられた君の生身には触れたくなくて

何回も嫌になっちゃうんだよ

燃ゆる夜だから

なおさら嫌になっちゃうんだよ

 

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「がおー」

がおー

がおー

がおー

きゃっきゃきゃっきゃきゃっきゃ

 

お父さんはこわいんだぞう

 

がおー

がおー

がおー

きゃっきゃきゃっきゃきゃっきゃ

 

お父さんはらいおんさんだ

 

がおー

がおー

がおー

きゃっきゃきゃっきゃきゃっきゃ

 

もうお父さんは君のことをこわがらせることはできないけども

いつか君がお父さんになることがあったらステキならいおんさんになってね


 

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あのこもみてsuicide 2018 5 6

あのこもみてsuicide

連続的なgood-by

落ち着かないmoon-night

読み解けぬsong-write

 

車いすで狙ってほざいて周回して

感謝する兵隊にモルヒネを打つ

鑑みる性格にばらついた不穏

試してみてもいいけど自己責任で

 

かなわぬ夢はここらへんで捨てて

マイクロの記憶のたがねを絞める

クオリティの低さはどうぞご勘弁

そういえばお願いされた尊厳死はここに

 

たじろぐ子どもたちを寓話でだまし

ダライ・ラマが統括する便所に潜む

そうねあんたのところの猫を踏んだ

ヤンデレとメンヘラの違いくらい飛べ

 

ラッキーは心なしか気分を損ね

崩壊する映画観でラッカーを塗る

あと一回しか言わないけどそこは底だ

混じりけのない敗走には雫がこもる

 

解除された芋虫を信じて候

怨念がしみ込んだ聖なる泉

何気ない気遣いを蹴散らして武装

ヘルメットかぶせ配給した管理の無双

 

ビル八階の窓枠が取れてお試しの労働

酸性のはちみつをコンプリートするアイドル

ハーモニーは氾濫とシケインでキメろ

神経は多忙半径は摩耗

 

あのこもみてsuicide

連続的なgood-by

落ち着かないmoon-night

読み解けぬsong-write

 

言語を体系化するおまえは偽物

切れない包丁で岩を砕くに等し

お前はまがい物お前こそ捏造

福音を求めること誰も許さじ

 

お前は許されず俺も許されず

行く道は違えど終着点は同じ

俺は用意している最後の瞬間

お前に仕掛けるとっておきの皮肉を

 

俺は舞うお前とともに

それはとても高くから始まる

互いに嘘を重ね天空にやってきた

お前だけがそこにいるわけではない

 

もう一度言おうお前は偽物

誰とでも別れいつまでも月をみる

わけのわからない歌を作り

結局俺とともに空中で回顧する


 

 

 

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「3センチ」

 

 

姿勢を正して

3センチ

いつもと違う映画を見つける

 

ネクタイ緩めて

3センチ

いつもと違う空気を吸う

 

アンテナを張って

3センチ

あの曲が聞こえてくるまで

 

歩幅を広げて

3センチ

いつもはいけない場所にいく

 

コーラを残して

3センチ

あなたが来るまで待つつもり

 

指先伸ばして

3センチ

あなたの所にあと3センチ

 

 

 

 

 

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夏の自転車 2018 8 3

 

 

夏の自転車は

ちょいと粋にはからい

陽射しを泳ぐように

顔を上げる

 

日傘のおばあちゃん

汗が光る少年

顔を拭うおじさん

首からタオルをかけた青春の君

 

ハツラツとした午後の12号線

青春の君

誰よりも

青春の君

この道に潤いを与える早咲きのコスモス

 

 

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アスパラ 2018 6 20

 

 

アスパラにょきにょき

栗山の春は二ヶ月に渡り

暖かくなったり

寒くなったり

日差しは何度も布団にもぐり

とある日に鋭角に畑を突き抜く

 

 

アスパラにょきにょき

今年は雨が降らないから散漫に

なかなか大きくならないものだから

小さいアスパラが自己主張

アスパラには違いないと胸を張る

小さくてもおいしい土の生気

 

アスパラにょきにょき

じいちゃんは動かない

タバコの煙がたなびいている

横に横に

じいちゃんは妹のジャージを着ている

継立中学校って書いてある

えんじ色がよく似合っている

 

アスパラにょきにょき

注文先に電話をする

今年のアスパラは数が揃わなくてね

雨が少なくてすっかり遅れてしまってね

ごめんなさいの電話なのにサッカーの話で盛り上がる

アスパラなお話はほんわかした湯がき具合

 

アスパラにょきにょき

上から見れば深い緑のロケット

ロケットはそこらにもたくさん

導火線に火をつけたら五メートルは逃げろ

畑の中ロケット選手権が開催されます

どっちに飛べばいいか聞いてくるアスパラ

 

アスパラにょきにょき

ジョンが死んだから土手のところに埋めた

ジョンの食事と野菊を供えた

ふと見渡すと曇天の下

背の低いはりはりとした麦穂が軍列を作り

西に向かって敬礼していた