教師 2018 5 29
君に寄り添いたい
君のそばにいてどんな話でもゆっくり聞いてあげたい
君は先生を必要としているし
君は先生のことを信頼している
君に寄り添うと他の「君」とは一緒にいることができない
「君」が大勢ひいきだと合唱する
先生が嫌われるだけならまだいいかもしれない
君は他の「君」に嫌われる
「君」が多すぎる
自由に生きたい「君」もいる
どんなに悪いことでも天真爛漫にやってのける
これを放置すればまた嫌われる
天真爛漫は善悪どちらでも嫌われる
それを放置すればまたもや先生は嫌われる
教育なのか
しつけなのか
君たち全員を制圧しなくてはいけなくなる
それをできない先生のためにもっと多くの生徒を制圧しなくてはいけない先生がいる
君のための教育じゃなくて
いろんな先生のための教育があるんだ
よく言えば先生方も支えあっている
でも多くの場合は極端に全体を支えなければいけない孤立する先生がいるんだ
悪くいえば先生が先生を抱えているんだ
言葉遣いすらままなっていない先生もいる
そんな先生がどんな言葉を使って君に話をするのか
先生の正義は君の正義ではない
先生の安らぎは君のやすらぎではない
僕もその一員だ
この現場で自由とは混沌なんだ
やりがいと仕事の精度は別なんだ
船長が十人いる船は沈むんだ
信頼され尊敬され畏怖され嫌われる
保護者にも信頼され尊敬され畏怖され嫌われる
先生たちはいつでも強大なものに惑わされ雲をつかむ
先生たちはいつだって牛に四肢を引き裂かれる
もっとのろまでとんまでたまたま波長の合う朴訥になりたかった
これだけいる先生のどこかに引っかかる君は幸運だ
「君」の周りには誰もいないかもしれない
これだけいてもどの「君」にも相手にしてもらえない先生もいる
君はひっかかってくれているのか
未然に防げば嫌われる
ほっとけば事件になる
事件になってから解決すればよい先生といわれる
未然に防げばやりすぎと言われる
ほっとけば君も「君」も傷ついてしまう
事件にならなければ何も指導できないという先生もいる
感覚を鋭く広げ君と「君」を強く観察する
君と「君」の摩擦は次第に大きく自分では解決できない問いになる
未然に防いで指導すれば押しつけがましいと嫌われる
罪の意識の存在で初めて「君」は自分の非に気が付く
打たれた君はやるせなさと卑屈さを学ぶ
先生は
どこの時点で何を指導するのだろうか
全員に好かれる先生はこの世にいない
学び
学問を
人とのつながりを
傲慢な学歴と横柄なスポーツマンシップを
自分の限界を
無知を知れば称賛され限界を知れば叱咤される
君はそのままでいいのに
誰にも矯正されずに矯誤されず
君はそのままでいい
君はたくさんの話を聞いて想像するカナリアだ
新しく獲得した素敵を堂々と歌えばいい
それを称賛さる「君」
それを疎ましく思う「君」
無関心「君」
そこから学べばいい
先生は学問を教えるだけのマシーンになる
先生は君のお話をちゃんと聞いている
先生は君のお話だけを聞いているわけにはいかない
先生は君を大好きなくらい「君」大好きにならなくてはいけない
嘘をついて
偽って
先生は自分の気持ちを無理やり抑えて
君も「君」も愛さなくてはいけない
先生たちが君に捧げるコメントには必ず裏がある
褒めている言葉に裏がある
誰にも気づかれないように
君の隠したい現実を舌触りのよい言葉にするんだ
愛していない人に愛していると言ってはいけないと世は求めるのに
先生という人間は君にも「君」にも愛していると言わなければいけない
複数の人に愛を囁いてはいけないという倫理に従うのに
先生という人間は複数の人に愛をもたなくてはいけない
君は先生の子ではない
「君」も僕の子ではない
でも先生は全員自分の子だって嘘をつくんだ
間違っている
もっとドライに線を引いておつきあいしなくてはいけない
君にだけ関わるのは職業として間違っている
先生たちは永遠に悩むんだ
個人を大切に感じるのか
集団を大切に感じるのか
そこにバランスなんて存在しない
常に僕たちは統一した考えを持てずに
目につきやすい安いことにだけこだわって
だって目につきやすいことにしか議論できないんだもの
君たちに対して最も重要なものは共有できず
将来の大切なことが後回しなって
今すぐ結果がわかるものにしか助言できず
大きな矛盾の中でお金を稼ぐんだ
お金を稼ぐんだ
プロとして気が狂うんだ
プロとして気が狂わないために何も見ないように考えないようにしてるんだ
君に上下をつけるのは先生なんだ
先生と呼ばれる人はたくさんいる
先生と呼ばれる人ほど偉そうだなんて話もある
でも先生は君の前では先生でいないとおかしくなってしまうんだ
先生はいつでも大いなる背反の中にいる
先生たちはもっと夢のようなことを語りたかった
先生たちにもたまらないほどに真な初心があったんだ
君に寄り添いたい
君のそばにいてどんな話でもゆっくり聞いてあげたい
君は先生を必要としているし
君は先生のことを信頼している
ああここに書ききれているかわからないよ
どれだけ君を愛していてどれだけ君が鬱陶しいかを
先生がどれだけあつかましいかを

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