生きてく強さ ほたるのきまぐれライフログ

それをミキサーに掛けてしまうなんてとんでもない。

地元に戻ってまた入院の日々に戻りました。相変わらず腸閉塞起こしたところはビクともせず。じゃんじゃん得体の知れない何かが出てきてます。人間の体って消化管から出てくる液はオロＣとかドデカミンみたいな色してるんですよ。人体の不思議ってやつですね口からの栄養が取れないのはかなりの痛手ですが、先日入れたcvポートが最高に役に立っており点滴漏れやらその手のトラブルからは解放されました。なんて頼もしいやつなの、もうお前を絶対に離さないぜ！位には感動してます。なぜ私はこれから逃げ回っていたのか...今はご飯が食べられるようになったらもう最高って感じで、そこが目標です。鼻管はいってるんで入れても全部出てっちゃうんですよね。ご飯🤔あとこのままだとミキサー食になるらしく。パスタをミキサー、想像してみてくださいよもうそれ小麦でいいじゃん

頂きは遠く険しく

やーっと、実家の街に帰ってまいりました。⛄ですよ！⛄！絶対にありえない様な医療ミスでこんなことになり、これまた超レアケースの腹膜播種。Y先生とこ行ってオペしてもフロア内随一の合併症数を誇り、死にかけた挙句、先生もびっくりの再発の速さ＋腸閉塞。見て貰おうと思ったら未曾有の疫病。都市封鎖の週末。＋して⛄これ、どれ位の確率ですかね(遠い目)そういえば昨日は病院で生まれて初めて卒倒しまして(；´Д｀)ﾊｽﾞｶｼｲ先生はじめ、看護師さん、同行のKさんには大変ご迷惑お掛けしてしまいました。そもそもなんで倒れたのって話を、さっき看護師さんとお話していたんですがストレスなどで副交感神経がなんたらで、血圧が下がるとぶっ倒れるらしいです。ちょっとの貧血でクラクラとかではなく、バチンと意識が無くなってしまい、その後も意識混濁が続きました。皆様もおつかれの際のお出かけではお気をつけくださいませm(_ _)mさて治療ですが。とりあえず腸閉塞。とにかくこいつをどうにかしないとヤバいので、まずそこ目標に頑張ります。端的に言うとこのままだと死ぬよねって奴ですね。パスタ食べられないまま死ぬのは嫌です。とにかくパスタが食べたいので、ほんと、頑張ります。

2020/03/28

ご心配おかけ致しました治療の道筋がたちましたまずはイレウス解除から。

満開桜

朝子供と会えた。かわいい家が荒れ放題でびっくりしたもー私がいないとほんと片付かない。こまった満開桜を新幹線からみられた今日の朝はそんなかんじ

もうぐっだくだです。ぐずぐずぐだぐだ言ってますが流してください。

ステント入れて快調だった排尿も怪しくなってきた。こいつはヤバいやつだわ(なんか最近やばいしか言ってない気がする)一気に全身状態悪くなるんだよね。ほんと勘弁していただきたい腺癌の怖さをまざまざと見せつけられていますね。こいつは底なしです。もはや怖いなど通り越したかもしれない。「ほたるさんの最初の症状、大量のオリモノを出した奴が今、お腹にいます」どんどん腸液で溜まっていくボトルを眺めながら主治医に言わた言葉をぼんやり思い出していました。これは、そいつが出してるんじゃないの？今日は窓の外に息子と娘が来て手を振ってくれました。入院してから全然会えなかったから嬉しくて大きく大きく手を振った。積極的な治療をすればまた会えなくなる。どの道を選べば正解なのか。また分からなくなってしまいました。引く事も出来ず。行くのも忍びがたい。単に子供と居たいんですよ。それだけ。離れた場所で延命を全力でして、一緒にいる時間を長くすることに掛けるか、それとも...難しい選択です。まずはこの腸閉塞をどうにかしないと、にっちもさっちもいかない。ここではどうすることも出来ない。それなら、もう行くしかない。でも....これを延々メビウスの輪の様に繰り返して悩んでます。あーーつかれた。パスタ食べたい

パスタ

長い夜、どんなに開ける朝を待ち続けたって劇的に昼間になったりしないぽつりと朝日が差し込んで段々と明るくなっていくものだ。ふと前の入院で一月40度の熱が続いた時を思い出した。あの時ほど、何とかなって欲しいと思ったことは無いかもしれない。めちゃくちゃ辛かった。ほんと冗談抜きで死ぬんではないかと思った。その位には辛かった。全く希望など見えず、続く激痛と高熱。枕やシーツに処置シートを引いて寝た。すぐに汗でびっしょりになって体が逆に冷えてしまうからだ。ある時36度台に熱が下がった。まあそれからまたすぐ高熱に逆戻りだったけど、あれは嬉しかったな。そして、その時を機に私の体はどんどん良くなって行った。あの経験がなければ今ももどかしみ焦っていたかもしれないと思うと、何がプラスになるかは本当に分からないということだ。9割9分ダメでも1分希望が差し込んだら好転のチャンス。あー腹減ったな。パスタが食べたいんだよ、塩で茹でただけのやつだけでもいいからさ（笑）

馬と鹿

野生の動物も寝て治すとか言うし昨日の夕方からこんこんと寝てました。排液はすんげえ増え方してて、(？！)てなりm....ならないんだなこれが。こんなんでいちいち驚いてたら、やってらんないです。だってめっちゃでてるもん。これ100ccにしろとか無理な話。人間時には諦めも肝心です。まあいつか治ったらいいねd(˙꒳​˙* )位で。生きて動けてあつもりやれてりゃ充分です。あ、でもお腹すいたわ。トマト食べたい。あとスパゲティとか。ボンゴレ的なやつ。コンビニとかのじゃなくて、茹でたてのやつ。あとはまあ、悪いことばっかじゃなくてお通じもあったりいい事もあったよ凄い排液1リットルがっつりでて、ステントで快尿だけど脱水ならんのかな( ˙꒳​˙ )???もうずっと入院してるんで頭弱ってきた笑

関東続々外出自粛。早く終息しますように

処置3DAYS最終日、ステントの処置も無事に終わりました。昨日のアレのお陰で、きちんと鎮静をして下さったので力も入らず。痛みも全くありませんでした。先生、看護師の皆さんいつも感謝、感謝です🙏さて。排液。ダメだねこりゃwやばい、増えました。昨日は900cc（笑）もう出ちまってるもんは仕方ないです。思う存分出たら、そのうち止まんじゃね？(適当)くらいになってきました倦怠感の波もあり、正直動くのだるいってなりましたがサボっても後が大変になるだけなのは身をもって学習したので、積極的に歩いたり運動したりとできる限りの事はしています。まあ、これ、やばいよね。って感じのやつですが、思えば最初からヤバかったんだからもう今更何言ってんだってやつです。ドーンといこう、ドーンと。

リブログ記事”ピンチ続く子宮頸がんのほたるさん、「リハビリ」、「歩き」で免疫力アップ！退院祈ります”

入院生活が長くなりブログ更新じゃんじゃんしてますがお許しくださいm(*_ _)m食事もないのでする事が歩くかゲームするか文章書くかの3択しかないっていう(´･ω･`)さて本日のリハビリレッグプレス(太腿筋肉用のトレーニング器具)➕自転車のアレ初回だったので軽めの負荷。ちと物足りなかったので、明日は負荷を重くしてもらおうと思いつつ帰ってきました。それより！小腸の詰まってる箇所がヤバいです。排液少なくなったー！...と喜んでいたらまんまと溜まってました(--;)さっき気がついたんですが、お腹１箇所めっちゃ固くて痛いんですよ。( ˙꒳​˙ )???で、なんぞこれと思ってモミモミしてたらぶわーっと排液が出てきました。すげえ！人間の体まじホース！！押すとなんかぎゅるぎゅる音するし。私怖い！....ていうか、ここだろ、詰まってんの。えー、でもこれ、モミモミしたりして柔らかくなったし痛みも殆どなくなったけどダメな奴でしょ上から出てきてたら。詰まりが取れて下に行かなきゃいけないのに、排液が流れず上から出てくるってことは、まだまだダメってことです。尿量も今日は少なかったし、この辺も関係してますね。さてどうしたもんか🤔○運動する○祈祷するこんくらいしか出来ることないですね。まあ引き続き明日も頑張るか。ヒデくんのブログ、リブログさせて頂きました！先日は祈念ありがとうございました！頸がんの希望の星✨cemiplimab！待っています！

スーパーハイテンションてどんどんテンション上がっていくんだよね、あれ、凄いよね。自分も会得したい

シガメンのスーパーハイテンション処置に慣れてしまっていたせいか、物凄く静かな先生で更に緊張し、過呼吸になるというまさかの事態。大の大人が情けないでござる...スーパーハイテンション参考画像看護師さん一同➕先生に明日のステントの処置の方が絶対やばい。大丈夫かなのかと心配されるなんか、もう、ほんと、ごめんなさいき、気を取り直してリハビリ行ってきます！今日から理学療法士さんと一緒なのだ！がんばるぞ( •̀ㅂ• ´)و

やばい、もう連れてかれる

こ、腰が痛い。。。喉もめちゃくちゃ痛い、そして凄い鼻水...もしや風邪を引いたのではなかろうか😷なんとなく熱っぽいけど熱はなし。まあ仕方ない。水分取って(水飲めないけど)寝てれば治るだろうお腹→動いてる。うちの初号機(いつのまにか初号機設定)やるじゃん。このまま頼むよ。排尿→ん？なんとなく調子悪い。まあ風邪の時はいつもこんなだし仕方ない。こまけぇことは気にしない。それより処置3DAYS、中日はcvポート設置です。:(；ﾞﾟ'ωﾟ'):あ、あうああああ、処置怖いよぉぉおおおもうね、あの緊張感ていうか、度重なる処置でトラウマがですね。いや、大の大人が何言ってんだって思うじゃないですか、でも怖いもんは怖いんですよ、あーー早く帰ってきてゲームやりたい、お母さんがんばる(混乱)

生きてく強さ力

結果が出ると人間、やる気になるものです。何の話かと言うと、リハビリのお話。今日、内視鏡やって結果、十二指腸あたりまで何も問題がありませんでした。という事は、出来る事はもうひたすら運動して止まっている腸に動いて頂くしかありません。活動停止してる場合じゃないんだよ、動いてよ。さて、じゃあ、どうするか？というと歩く。もうね、これ。これホント大事。回遊魚の様に病棟のフロアをただひたすら歩き回るリハビリは草総で叩き込まれました。シガメン、鍛えてくれて本当にありがとう。私頑張る。で、うちの病棟じいちゃんばあちゃんばかりで1人もそんな人はいないのですがお構い無しに歩き回りました。結果↓自己排尿 1L 達成←まあまあ凄い腸の詰まりがとれだし、鼻の管をクランプしても大丈夫なまでに回復。←結構凄い肝心の排液は150程度まで下がりましたすげえ！！！昨日まで800あったんだぜ！思えば退院後、肺の炎症から動かなくなり、次第に出不精になって気がついたらほぼ寝たきりでした。これぞ悪循環て感じだな。死にたくなかったらキリキリ歩けってやつですね。骨身にしみましたよ、ほんと。生きてく強さ力が下がってました。めっちゃ、やる気出した。地に足つけて、出来ることからやってやる。☆親バカコーナー☆息子に誘われ流星群を見る。幸せ。息子と博物館で蛹の観察。幸せ。息子と蝶に囲まれて記念撮影。幸せ。おやすみなさい。明日は逃げ回ってたcvポートついに入れます( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧

ゾッとするほどの排液量。それでも朝は来る

早朝起床4:50。ここの所、起きた時全身を掻きむしるような倦怠感に悩まされていたのだけれど今日は少しのダルさだけだ。良かった。内視鏡もあるし、リハビリで動きたかったし大変都合がいい。珍しく起床時自己排尿も300ccでた。昨日CTで腫れていた尿管も少しは回復したかな、という感じ。これも嬉しい。出るものが出ないというのは良くないからね。しかし、出るものが出るのは良い事だけど出過ぎるのもどうかと思う反対に排液の排出は止まらない。もう"製造場所が壊れてしまった"と考えた方が早いレベルでどんどん出てくる。これは見ていて凄く怖いな。腸閉塞だけでなく、消化管のどこかの何かも明らかにおかしいんだろう。まずは内視鏡だな、それから....自分自身に出来る事は少ないけれど、無理に鼓舞させ進むのではなく流れに身を任せてみようと思う。可能な選択肢を選び、粛々と進んでいこう。気持ちはとても静かで心も穏やか。いい感じだ。本音は息子とゲームして娘と電話して、もうずっとそんな時間がいいなって、いや、現実無理なのだけど、思った。楽しかったんだ。会いたいなあ、もうずっと会っていないよ。

アメンバー限定記事寝る前のつぶやき

試練の時が多すぎるんだけど、これはまじでガチの奴。

タイトルに【悲報】とかつけるお知らせです。まずご覧下さい↓なんぞこれ？とお思いの方へ。こちら腸閉塞になると鼻から管いれてお腹の液を排出するんですが、その廃液(消化管液)でございます。これがなんと1日800ccとか出ています。肝臓頑張りすぎだろ。少し休んでいいぞ。で、ですね。タイトルのガチの試練てやつなんですが。今回ばかりはマジでやばいです。「あーこれは詰んだわー。」って口から漏れちゃったくらいです。何がやばいかと言うとですね。100cc以下にならないと、鼻の管引っこ抜けないんですよ。いや、鼻の管抜けなくて水が飲めないご飯食べられないとかなら、んなもんちっと我慢しろって話なんですが。何がまずいって鼻の管抜けないと、抗がん剤打てないらしいんですよね...。めっちゃだめじゃんそれ...背水の陣もついに陥落とかそういう奴です自然の摂理ってもんもあるんで、流石にしゃーないわとも思うんですが、家族の応援もあるしでとりあえずやるとこまでやりますが....ぶっちゃけ今回ばかりは自信ないなぁ...(小声)えーと、まあうん、やるしかないです。ほんとにやるしかない。ということで今週の予定☆↓明日外科の先生が内視鏡。(今日は内科の先生だったのでキャンセル明日に持ち越し)もしそこでつまりの原因が分かったら勝ち。消化管液も流れスッキリ爽快。ケモの準備。↓無理ならひたすら歩いて腸に頑張って動いていただく。理学療法士もついてリハビリ開始。ゴロゴロ寝てゲームしてる場合じゃない、さっさと歩け。↓土曜、鼻の管一瞬抜いて外出→静岡。もうここは気合いですね。途中で駅弁とか買っちゃいそうですが、マジで死ぬので我慢です。そしてY外来にてお見立てを伺う。うちの先生曰く、小腸の上ら辺の播種ごとばっさり切って繋げられたらベストとの事。全部無理だったら詰みです。頑張ります！！！！とか言うのは明日にします。今日はもう無理、明日から気合い出す。「動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動いてよ！今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ。もうそんなのやなんだよ！だから、動いてよ！」(新世紀エヴァンゲリオン第拾九話 男の戰い)

心は牛の歩みのように遅く、それでも

友達が元気で楽しそうにしていると私も楽しい。私も元気になる。それみて「私も頑張ろう」とかも勿論あるけど、普通に彼女と未来の日々を遊んだり共に楽しんだりしたいという、子供のような気持ち。でもこういう純粋な思いが大事なんだと思う。何か理屈をこねるような考え方では前に進めなくて、単純に楽しみたいから明日を生きたい。もう、これでいいんだと思う。純粋な気持ちに勝るものは何も無いと思う。遂に夢の”息子と一緒にゲーム"やったー！19年たって、自分の息子とどうぶつの森が出来るなんて感無量過ぎるセンキューGOD！ありがたやありがたや家に帰れないから通信をつかって一緒に遊んでるんだけど、🍒を息子から貰ったのが嬉しくて立派な果樹園を作った。親バカ極まる。(ゲーム分からない方何が何だかでごめんなさい)ついでに息子の島に”ママの木”なる木も植樹しておいた。木の周りに白いバラを植えたらなんか葬式的な雰囲気になり若干失敗。(や、まだ死にませんよ)ゲームの中で怪我をしていたら、息子が大慌てで心配してお薬をくれた。優しくて泣いた。早く家に帰ろう。

入院の中間報告

まずは初腸閉塞の感想↓すんごい量の廃液がでてビビる。こんな量が腸のどっかで詰まって流れなかったら、そりゃあっぷあっぷにもなりますわで、なんかこう、腹筋にフンって力入れると鼻の管を通って廃液が出てくるのが面白くてちょいちょいやってたら「どうやってるのそれ！凄いね！」とか看護師さんに褒められ(？)なにやってんの私と逆に凹む。大腸、小腸共にガス溜りがあるけど期待してるほどは出てこない。便も期待してるほどは出てこない。腹部、活動停止。エヴァかよ。明日は救急で「凄い胃液出てくるんで胃かもしんないです」とか言ったせいで内視鏡の予約が入ってしまい、今から処置に鬱気味。cvポートの処置も来週あるし、またしても楽しくない予定だけが盛り沢山。鎖骨らへんに局麻とか考えただけでも痛い。窓からダッシュで逃げ出したくなる。今5階だけど。入院中、寝てる時間以外の時間はほぼ全てあつまれどうぶつの森。早く退院したい(´；ω；｀)あと今、いい感じだった血管が死んで点滴漏れ。やっぱビーフリードはダメだな。あいつ強い。発見が遅れて腕がシオマネキみたいになった。早く帰りたい(´；ω；｀)

ほんと死神にとりつかれてんじゃないの？この流れはダメなパティーン

なんか読み返したら暗いなこれは心配掛けるやつだわ、すいません入院生活はmaxエンジョイ中ですよ！あつもりやってるんで超楽しいです現実逃避？何それ旨いの？入院する時、ゲ○袋握りしめながら「し、支度があるんで一旦帰ります！」とか言ってSwitch取ってきてほんと良かった。あらかじめダウンロードしたのもほんと正解私偉すぎ。まじ自画自賛発売の当日の深夜にテザリングしてソフト解禁。さっき来週cvポート作ることになった。これでルート地獄から開放されるのかと思うと胸熱

回顧録

連休の病院は静かだ。仕切りのカーテンをじっと見つめながら、これからのことを考える。まだ戦う力は湧いてこない。これではダメだ。こんな状態では戦えないのは自分がよく分かっている。母親からは頑張れと言われた。もちろん家族はみんなそう思っているだろう。期待されているのもわかる。いつもなら、その期待に答えようとするだろう。それも過度に。私の人生は思えばとても変わった人生だった。幼少期から波が激しい。あまりの激しさにおそらく全部話しても信じて貰えないだろうと思うくらいだ。もともと大人しくのんびり絵でも書いていられたら幸せと思う性格だった私に、無情にも次から次へとトラブルは降り掛かってきた。今考えれば産みの母が、そのトラブルのほとんどだったかなとも思うが、旦那選びも失敗しているところを見ると私にも問題があるのだろう。その度に心を鼓舞し奮起してハードルを乗り越えてきた。人間勢いがあれば大体のことはなんとかなるもんだ。本当は"布団に潜り込んで何も見ず何も聞かず寝転んで居たい"そんな本音とは裏腹に、物凄い馬力で全てを乗り越えてきた。私の道は進むしかなく、そしてその全てが急展開で痛みを感じている暇すらなかった。乗り越える度にハードルは高くなり、最終的にステージ4Bの癌にぶつかった。(これはもうダメなやつだ。)誰がどう見ても、ダメなやつだ。流石に万歳する時が来たと思った。神様がいるとしたら物凄いハードルの上げ方をしてくる。こんなもの、常識的に考えて乗り越えられない。猿でもわかる。子供たちの為に私が動けるうちにできることを全てしなくてはいけない。時間はあまりない。物凄い展開からの最終的な診断がステージ4Bの末期癌だったので一瞬あれ？もうこれ止まっていいよって言われてんのかな？なんて思ってしまったほどだ。そもそもだれに向けて言っているのか分からないけれど。今回、なぜ回顧録という駄文を書いているのかというと先日、産みの母に電話をしたからだと思う。彼女と2人きりで過ごした長い時間はそれは酷いもので、今母親となった私には凡そ信じられないようなことをした、まあなんというか一言で言えば変人だ。変わった人だと思う。特に憎んでもおらず、ただ人にはヒトを愛せる人間とそうでない人間の2種類がいるのだと言うことだけはよく分かった、そんな感想しかない。ただそれだけだ。そんな母に電話をした。「ママ、私癌になったんだよ」「ステージは4。体感的にあまり長くないと思う。それだけなんだけどね」そう言うと母は「どこの癌なの」「私が変わってやりたい」「父にありがとうと伝えて欲しい」と言った。驚いた。心底驚いた。そんな事が言えたのなら、その親心は40年前からお願いしたかったと少し笑ってしまった。今だから出てきた言葉なんだろう。人は歳をとり死が近づいてくれば自ずと考え方が変わってくるのだなと、母を見て思った。そしてそれは、恐らく私も同じで。抗うことが正しいのかわからなくなってしまった自分にとって最後のハードルは正に自分自身なのかもしれない。

行く道 2

最近の私は、まるで終の始末をしているようだなと、心のどこかで思っていた。アルバムの整理、子供たちへ遺すもの遺影の写真をピックアップしそれらの全てが終わった時に心から安堵した。もう大丈夫。(.....何が？)ここ最近はまるで死神にとりつかれているようだよと友人に話した。PETの待ち時間、薄暗い部屋の中で何故かやっと楽になれると思っていた。死がとてもとても甘いものに感じた。心底、うっとりするほどに。今思えば、辛くにっちもさっちもいかない人生から裸足で逃げ出したいという、ただのくだらない現実逃避だったのだろう。本当に下らない。だけど逃げ出したくもなるんだよ、こんな無理ゲーやってらんねえよって。主治医に話すと、静岡に行く事を許可してくれた。そして戻ってきても治療をしてくれると言ってくれた。私はまた泣いた。もう最近は泣いてばかりだな。やってらんないよほんとに。続けて先生はこう言った、ここまで進行した私の癌に対して果たしてその治療が効果があるのかは不明であるという事。そもそもエビデンスとは多数の症例をもってしてエビデンスとするもので、そこから外れるという事は、ある意味人体実験と言っても過言ではないという事。そして、一通り医学的な見解を述べた後に「でも僕はエビデンスから外れた事にチャレンジする事を否定するタイプでもないので。」と、軽く笑って先生は言った。ほんとかっこいいな。今の主治医。子供たちと少しでも一緒に居たいなくらいの思いでは、おそらくこの先戦っていけないと思った。もっと貪欲に生に執着しなければ、あっという間に刈り取られて行く気がする。行く道は険しく、辿り着く先も今は見えない。