『ニューファンドとは-素材の知識』

「フィギュアの初心者はファンドがいい」というのは僕の知る限り20年前から言われていたような気がします。それくらい歴史がある素材ファンド。ただし今回紹介するのは「ニューファンド」です。ファンドには「ファンド」「ファンドソフト」「メルファンド」などたくさん種類があるのでお間違えのないように。

ファンドのいいところ
○ほかの素材に比べて安価。100円ショップでも「石粉ねんど」として入手可能ですが値段が安い分質が悪いため正直おすすめしません。
○有害な物質がなくにおいも気にならない。防腐剤が少量入っている程度。
○水に溶けるので加工しやすく手や衣服についても水道水で洗うことが出来る。
○乾燥後水分が抜けるので厚めに盛って大きいパーツを作っても軽い。
○白熱灯やオーブンで強制的に乾燥させることが出来る。
○接着にねんど自体を使うことが出来る。
○ヘラや指による加工がしやすい。
○硬化後はかなり硬くなるのでヤスリやナイフで加工がしやすい。
○水性絵の具や塗料で着色できる。
○硬化後も水に浸すと柔らかくなる。ただし完全にもどるわけではありません。
○「高級素材」だけどお値段はかなり良心的。だいたい500円前後。
とにかくこの「水さえあれば自由に調節できる」というのが、非常に強みです。

ファンドの使いづらいところ
◯乾燥は遅いのではなく厚く盛った箇所の水分が抜けにくいので一度に盛りつけしづらい。ただしオーブンで加熱すれば数十分で強制乾燥させることで改善できる。僕は温度調整機能つきオーブンを使い15分焼いています。足りないときはさらに15分焼きます。※オーブンの説明は記事末で紹介。
○接着剤でつなぐとそこだけナイフやヤスリで加工しにくくなる。そのため接着した周りを盛りつけるのが基本。接着剤は木工ボンドがおすすめ。指など細いものなら瞬間接着剤を利用することができる。
○接着面の強度が足りないと、接着面からすぐ折れる。この場合金属線などで補強するといい。
○リューターやヤスリで削った時削りカスが大量に飛び散る。このときはマスクと集塵装置があるといい。
○大きいものを持たせた作例だと指が強度不足で折れる。指だけ別の素材を使うか金属線などで補強する。
○他の素材とつなげづらい。金属線やプラ系素材プラ板プラ棒アクリルパイプなどにはくっつきにくく完全に乾燥するまで組み合わせしづらい。そういときは金属線にキズをつけるか糸を巻き付けるとつけやすくなります。プラ材の代わりに木材を使うといいでしょう。
○水研ぎができない。ヤスリが目詰まりしたときは歯ブラシで落としましょう。
●「ニューファンド」は問題ないが「ファンドソフト」は完全硬化した後でも手の汗だけで溶けてしまう。夏場はこれがつらいです。

▽買ってきたばかりのねんどは、大きすぎて使いづらいものです。そこで僕は小分けにして、口をふさぐことができるジップのパックに詰めて使用しています。これなら乾燥する心配もなく安心♪　水は入れなくても大丈夫です。入れるとしたらちょっとだけにしてください。入れすぎるとカビが生えて大変なことになります。

小分けにに便利なのがステーキ用ナイフ。100円で買えますしもちろんフィギュア作り専用なので食事には使いません。

複数のねんどを同時に使いはじめると見た目の色が一緒のものはどれだかわからなくなるのでラベルを貼っています。ちなみに使っているのはマスキングテープです。ニューファンドは乾燥が早いためいっぺんに外に出して作業をすると気がついたらコチコチになってしまいます。そこで小分けにしたものをさらに小分けにして使う分だけを取り出します。

僕は小皿に水を入れていつでも付けられるようにしておりねんどは写真の器、実はこれ灰皿なんですが、ここにちょっと水をいれて乾燥しないようにしています。この灰皿は便利な形をしており、道具置き場として使えます。もっと欲しいけどこれしか売っているところを見たことがないんだよね。ちなみにダイソーです。小皿のなかに小皿を入れているのは作業中こぼして水浸しになることが多いので、それを防ぐためです。