偶発実生から発生した「巨大つる首カボチャ」を収穫しました。
まぁ、カボチャですからね、あんまり心配もしてませんでしたけど、中には交配種なんかで、うまく実を付けたと思ったらかなり大きくなってからポロッと落ちたり、上手く熟してると思ってたら裏側の地面に付いた所から虫に食われて中身カラッポになってたり、期待しているもの程アクシデントも起きがちです。
先日来、夜な夜な柵の破れ目からイノシシくんが1頭侵入して、この実がなってるすく傍で土を掘り返したりもしていました。深夜も2、3時間おきに見回りでくたびれましたよ。
幸いこの辺りには農地がないので、イノシシくんは農作物を食べる事を知りません。
圃場に侵入しても土の肥えた部分を掘り返してミミズや虫を食べてばかりで、カボチャもナスもジャガイモもイネも全く食べられず、むしろそれらを避けて穴掘りに夢中になってるみたいです。
イノシシにも「食文化」があるんですね。
幸運に恵まれて収穫まで漕ぎ着けた「巨大つる首カボチャ」がコチラ↓です。
9kg近くありました。中の茶色いのが普通種です。
普通種がだいたい1kg~1.5kgくらいですから、6倍から9倍と言う事になります。
大きさ以外は全く同じの相似形です。
見た目で異なるのは表面にまとった白粉で、熟すに連れてかなり濃く「バカ殿」状態になりました。
普通のつる首カボチャでもうっすらまといますが、ここまではっきり白粉はでません。
曲がった状態でも70cmを超えます。
全体のプロポーションは丸っ切り同じで、そのまんま数倍に拡大した感じです。
首の形も、ヘタの付き方もほぼ同様です。
肩の張り方なんかも瓜二つです。ただサイズが極端に違います。
ボリューム感が分かり易いように20㍑のポリタンクと並べてみました。
発見後に固定化の為に強制的に自家受粉させた実も、やや時期は遅かったのですが、十分に肥大して収穫出来ました。
下の大きい方の実は、開花時にこんなヤツだとは気付いていなかったので、他の普通の株の花粉を受粉させました。
もし4倍体だった場合は、普通の2倍体と交配するとタネが採れない可能性がありますので、ギリギリのタイミングで運良く雌花と雄花が咲き揃ったチャンスを逃さず、同じ株の花粉で受粉させ実を熟させる事が出来ました。
セルフ(自家受粉)なら、しっかりとこの個体の形質を維持してくれるのではないかと期待しています。
もう一つ可能性として浮かび上がるのは、以前も書きましたが、イタリアの巨大カボチャ「ナポリ」との交雑です。
発見当時の記事はコチラ↓
実や葉の形状にナポリの特徴は全く出ていませんが、F2以降で出始める場合もあるでしょうから、ソッチの可能性は来年以降、今回正常なタネが採れれば、それを栽培して見極めなければなりません。
さあ、発芽力のある種子が出来ているかどうか?そして、味は?あの「鶴首かぼちゃ」の濃厚で糖度の高い味わいが受け継がれているのか?
しばらく後熟させてから切ってみたいと思います。