2022年9月のMVP | 銀玉戦士のアトリエ

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☆2022年9月 月間MVP☆

 

🇺🇸コーリー・サンドハーゲン🇺🇸(UFCバンタム級)

 

【UFC FIGHT NIGHT VSソン・ヤドン戦 dif4RTKO勝利】

 

 

昨年7月にTJ・ディラショーと5Rマッチを戦いhttps://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12688711139.html?frm=theme、10月にはピョートル・ヤンと暫定タイトルマッチを争ったコーリー・サンドハーゲン。

共にハイレベルな試合を繰り広げ、負けてもなお評価を上げるも、2連敗を喫してしまったサンドハーゲンの今回の相手は、ランキング10位の中国出身、ソン・ヤドン。

下からの突き上げが激しいUFCにおいて、サンドハーゲンとしては3連敗は絶対に避けなければならない相手だ。

 

 

 

1R、身長で7cm、リーチで8cm上回る身長180cmのコーリー・サンドハーゲンがサウスポーに構え、前手を出してオーソドックスにスイッチする。

対するソン・ヤドンはオーソドックス構え。サンドハーゲンは拳が当たらない距離でジャブを見せ、そこからタックルを仕掛けケージ際まで押し込んで左を脇を差す。

そこからTDしたいサンドハーゲンだが、ヤドンはクラッチを取らせずクリンチを外してスタンドに戻る。

右回りにサークリングしながら、左ミドル、右ボディストレート、カーフキックをヒットさせるサンドハーゲン。

 

リーチの長さを活かし蹴りとジャブで距離を作っていくサンドハーゲンだが、打って出ようと距離が一瞬詰まったところへ、ヤドンが左フックをヒットさせる。

数々のファイターをKOしてきたヤドンの拳は危険な打撃だ。

サンドハーゲンは再びタックルを仕掛けるも、ヤドンはスプロールで切って逆にトップポジションを取る。

下からバタフライガードを試みるサンドハーゲンはパウンドを打ってそこから立ち上がり、脱出を試みる。そこへバックを取りに行くヤドン。サンドハーゲンは過去の試合でも相手にバックを取られやすいという課題があっただけに、ヒヤリとさせられる場面だったが、ヤドンのクラッチを切り逆に体位を入れ替えてケージに押し込み、スタンドに戻る。

左ミドル、左ストレートを当て、ワンツーを見せてから足払いでこかすサンドハーゲン。ヤドンもサンドハーゲンのジャブの合間に左右のカウンターを狙っていくが、サンドハーゲンもバックステップとサークリングで致命打を貰わないよう距離を取る。

1Rはサンドハーゲンか。

 

2R、サンドハーゲンは右回りのサークリングで外を取り、ローキックや飛び膝蹴りを見せる。

ヤドンも飛び込み左フックをヒットさせ、打ち合いになったところへポジションを入れ替えて左をヒットさせる。

サンドハーゲンがタックルでTDを決める。ヤドンは直ぐに立ち上がり、サンドハーゲンの2度目のタックルは切る。

前腕で押し込むような左のショートエルボーをカウンターでヒットさせたサンドハーゲン。この攻撃によりヤドンは左目の上をカットする。

サンドハーゲンは再びタックルを仕掛け、切られても強引にケージ際まで押し込む。ケージを背負ったヤドンの左目のカットの傷が深くなり、流血が目立って滴り落ちる。

クリンチの離れ際に今度は横打ちの左エルボーを当てるサンドハーゲン。再び右回りで距離を取って蹴りを当て、ヤドンが前進しながらワンツースリーと放つとバックステップでかわし、レベルチェンジでケージへと押し込んでゆく。

お互い右のパンチを当てたところで2Rが終了。

左エルボーによってヤドンの目の上をカットさせたサンドハーゲンが、このラウンドもポイントを取った。

 

3R、ややガードをブロッキング気味に顔を覆うように構えるヤドンに対し、サンドハーゲンはジャブや前手のフェイントを見せて相手のガードを固めさせ、左ミドルやテンカオ、エルボーと隙間に打撃を当ててゆく。

目のカットの出血によって視界がボヤけて距離感が掴めず、パンチが空を切ってゆくヤドン。こうなってくると、スピードで上回るサンドハーゲンが多彩な攻撃で更に相手を撹乱させる事が出来る。焦るヤドンはサンドハーゲンのフェイントにも過剰に反応するようになる。

サンドハーゲンはジャブから組んで膝蹴りを当て、ケージに押し付ける。

離れ際のヤドンの攻撃はガードされるものの、逆にサンドハーゲンはノーモーションのワンツーをガードの隙間にヒットさせる。

バックステップからのカウンタージャブ、足止めのカーフキックと、フットワークを駆使した打撃が冴え渡るサンドハーゲン。ラウンド終了間際、上段にガードを固めるヤドンに左ボディ、更に飛び膝を顎にヒットさせた。

ヤドンのカットの傷は深く、試合が止められてもおかしくないような状態だ。

 

4R、勝利を諦めないヤドンは右クロス、右ミドルをヒットさせ、サンドハーゲンの左ミドルをキャッチしてTDに成功する。

ヤドンとしてはこのチャンスを生かしたいところだが、サンドハーゲンは立ち上がりバッククラッチを切ると、ヤドンをケージに押し付けて投げでTDを決める。

再びスタンドに戻っての打撃戦。サンドハーゲンは得意技の一つである左ボディをヒットさせると、ダブルのジャブを見せてからタックルでTDに成功させ、ドライブでケージ際へと押し込んでゆく。

グラウンドでトップを取ったサンドハーゲンは肘パウンドを当て、立ち上がって上から鉄槌を落としたところへラウンド終了。

カットの傷が深いヤドンはインターバルでドクターストップが宣告され、ストライカー同士による激しくも豊穣なMMAの攻防が堪能できた一戦は、コーリー・サンドハーゲンが4RTKO勝利で自身の連敗をストップした。

 

 

 

元々はキックボクサーで、2015年にプロMMAデビュー。

北米フィーダーショー団体LFAで活躍し、2018年1月にUFCデビューを果たす。

当初はフェザー級で戦っていたが、 UFC2戦目からバンタム級に転向。

長身から繰り出される打撃とスピードを武器に頭角を現していき、ジョン・リネカー、ハファエル・アスンサオン、マルロン・モラエス、フランキー・エドガーとランカー選手を次々と撃破して、2021年10月にはUFCバンタム級暫定王座決定戦をピョートル・ヤンと争った。

 

https://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12711202084.html?frm=theme

 

元キックボクサーでありながらも、スイッチを駆使した素早いフットワークには定評があり、シャープさを重視したキックや、手打ち気味だがノーモーションのパンチとの連動性が高く、攻撃やフェイントを散らしながら相手を撹乱させ、バックやサイドステップから角度を付けての見えない一撃(シフティング)

 

 

や、華麗なコンビネーションをヒットさせるのがサンドハーゲンの打撃の特徴だ。

ポイントアウト的な打撃だけでなく、タイミングが合えば相手を一撃でKO出来る技量も併せ持ち、飛び膝蹴りやバックスピンキックなどの大技も織り交ぜる事によって、フットワーカーが苦手とする接近戦の攻防をカバーする事が出来る。

ブラジリアン柔術は茶帯で、下からのサブミッションも得意としており、スタンドのみならずグラウンドの攻防も積極的に仕掛けるなど、MMAファイターとしての伸び代も非常に高い。

UFC8勝1敗と勢いに乗る若手有望株のヤドンに完勝した事で自身の連敗をストップし、 UFCバンタム級トップファイターである事を改めて証明して見せたコーリー・サンドハーゲン。

あとは、王者に肉薄する善戦マンの壁を破る事さえできれば、念願のUFCベルトを腰に巻く事が叶うはずだ。