日本全国津々浦々再上映が決まった「落下の王国」
だからこそ
どこで見る?
https://www.imdb.com/title/tt0278827/?ref_=fn_all_ttl_1
***************
背骨を骨折した若い俳優(舞台でひどい転倒事故に遭い、身体が不自由になった)が病院で治療を受けている。彼は完全に障害を負い、これ以上生きることを望まない。隣の部屋に住む10歳の少年、レオニードと知り合う。少年は腕にギプスをはめて入院していた。二人は仲良くなる。実は俳優は少年を利用して毒を盛ろうとしていたのだ。彼は不思議な童話を語り始める。「ヨーホーホー」――海賊の歌のこのフレーズは、誰もが知っている。少年のために、俳優は善良な海賊が、罪を償わなければならない邪悪な支配者アルバレスと戦うという物語を創作する。病院にいた現実の人々は、少しずつ海賊物語の架空の英雄へと変貌していく。俳優と少年は、善良さ、誠実さ、そして自己犠牲によって、彼らを打ち負かす。少年は物語に魅了される。徐々に、この計画された友情は真摯な献身と愛情へと発展していく。レオニードの年上の友人への愛着、そして彼の信頼と優しさは、俳優に自殺の計画を断念させ、人生への信念を取り戻させる。たとえ麻痺状態にあっても、人生には生きる価値があると悟るのだ。
******************
「落下の王国」楽曲演奏はブルガリアオーケストラが担当
ブルガリアのオケやコーラスが作品中で大活躍
もちろんベートーベンも
ブルガリア男性コーラス(アヤソフィアのシャンデリアホールでオウディアスを称える)
結婚式のとき
ジョードプルのメランガーフォートでのコーラスなど
ボーイソプラノ(エヴリン姫と黒山賊のロマンス)
メゾソプラノ(Marie Kobayashi オッタ・ベンガの死) などが聞こえてくる
オペラを想定して曲をつけたので、登場人物はテーマ旋律を持っている
インド人のテーマ&ダーウィンのテーマが特に美しい
ブルガリア映画「YoHoHo 」は海賊の掛け声を表現している
ターセムはこの映画が気に入ってお金が貯まったら権利を買おうと思っていて、
そして買った
「落下の王国」はYoHoHoのストーリーが元になっている
猿も出てくる〜
美しい船を作るために製作予算の大半を注ぎ込んでしまった(だから映画は、船以外はショボイ)
海賊・・・?
海賊版・・・?
I don't like Pirate でもって山賊の話に・・・?
ターセムはこの猿のモチーフをYoHoHoから取ってきた
YoHoHoの猿は、これを見る限りごく普通の本当の猿だが、
「落下の王国」のウォレスはダーウィンに知恵を授ける心の友として描かれている
ターセムの考えは凡人には図り知ることはできないが、
「落下の王国」がYoHoHoを凌ぐ作品に仕上がるということは最初からわかっていた・・・
というターセムの自信の表われかもしれない・・・
だからウォレスは死ぬ
どうでもいい海賊映画YOHOHOが完璧な現代版千夜一夜物語「落下の王国」として生きるために
新聞紙で作ったマスク ↓
持っているのはニコ・ソウルタナキス
このマスクを貰ったことから、
アレキサンドリアは物語の中に入り込んでいく
重要な小物
記事はアメリカ国内が洪水、
海外はドイツの将軍ヒンデンブルグのタンネンベルグの戦い(1914年)勝利予測
バスター・キートンは1895年生まれ、1966年死去
この時代の映画は黎明期で無声
しかも体をはって全部本人が演じていた
スタントマンという職業はまだ確立していない
だから
「スタントというのは5ドルあげるから飛び降りて」
というものだったとターセムは言っている
ロイがスタントに失敗して半身不随状態になるのはいいとして
ロイの職業を「スタントマン」と決めつけることはできない
恋人を主演俳優に取られ、
ふられた当てつけに橋から飛び降りた(ここらへんがストーリー改変の大元)
つるされた馬は作りモノだが
ターセムは気に入って南アフリカでの事務所に飾り、
イギリスに持ち帰ろうとした(断念する)
「いつかきっと出てくる!」と信じて
「そのときは必ず手に入れる」と決めていたブツ、入手
17年間捜していた「落下の王国写真集」 ↓
かなり大きくて重い
六本木ツタヤにあったもの ↓
******************
ビジョナリーディレクターのターセムは、彼の画期的映画「落下の王国」の制作中に最初に私たちにアプローチしてきました。
彼はこの信じられないほどのファンタジー映画に自己資金を提供していたので、配給業者を探す必要がありました。
唯一の問題は彼はまだ編集を微調整していて、最終的なカット以外は何も見せたくありませんでした。
彼は、実際の映画をまったく見せずに、映画のイメージと壮大な範囲を示す何かを必要としていました。
<見えない映画を売る>
Tarsemは、有名な写真家Stephen Berkman(およびオスカーを受賞した衣装デザイナーの石岡瑛子のスタジオから数名)が撮影した7,000枚以上の静止画像を、映画配給会社への作品紹介として<オブジェクト(この写真集)>を作成することを任せてくれました。
その結果、80ページのハードカバーの本が、14x17インチのフィルムとほぼ同じように拡大縮小され、フィルムのヒーローであるアレクサンドリアに象徴的な紙のマスクを置くカスタムプラスチックシートで保護されました。
*************************
自主制作した映画だから、配給も自身で開拓しなければならなかった
まだ編集途中だったので、ターセムは中身をあまり知らせずに売り込もうと、
この写真集を作った
この写真集はムービーアイに渡され、
たぶんムービーアイが公開前の宣伝のため
ツタヤに託したものだろう
左端 ロジャー・エバート ↓
AIさんによると最大限持ち上げてくれてはいるが、
買い付けやら公開やらの際、ロジャー・エバートは体調がすこぶる悪くて
あまり「落下の王国」を取り上げてプッシュすることができなかった
「ザ・セル」はすでに公開され成功していたものの、
そのころはまだ、
ターセムはシックなMVを撮る単なるCM監督だと思われていたので
売り込みはたいへんだった
インド人だしね
*************************
ロジャー・エバート 落下の王国
映画評論家のロジャー・エバートは、ターセム・シン監督の映画『落下の王国』(原題:
The Fall)を高く評価しており、2008年のレビューでは4つ星満点を与えています
エバートがこの映画を絶賛したポイントは以下の通りです
日本版の特典映像には「未公開シーン」、
オーストラリア版には「削除シーン」とあるが
ディスクを見てみると「オリジナルカット 削除シーン」とある ↓
「オリジナルカット」というのは117分のバージョン???
今回再上映されるのは119分
この映画が封切られた2006年、
このときカットされた部分が
今回は取り入れられた
(オーストラリア版本編には収録されている)
この部分すごく重要で
コレ見ていたから、
ワタシの中ではこちらが劇場版本編に刷り込まれ、
全く違和感無く解釈
しかーし
もし、
初見だったらこの部分は無いのだから
まったく印象が違ってきたはず
劇場で見たときは気づかなかった (sigh)
物語の方向が見える大事な会話がある
本当に巧い!
アレキサンドリアが後半、ベッドで
「二人の物語よ!」とロイに言う理由付けはこの会話があってこそ
削除シーンを入れないままではあまりに「唐突」に聞こえる
*******************
・アレキサンドリア
Why are you killing everybody? Why are you making everybody die?
・ロイ
It's my story.
・アレキサンドリア
Mine, too.
**************************
これをカットしたターセムはそのとき何を考えていたのかな
たぶん心が<<黒>>かった
なんたってターセム自身も傷ついていたからだ
「失恋=裏切り」に対する考え方が一般人のウチラとは違うの
というわけで
4K ULTRA HD制作や劇場での再公開をするためにはぜったいに
正しく編集し直す必要があった