Fagiale ~僕らの街には夢がある~ -33ページ目

最高のサッカー仲間同士の戦い

天皇杯社会人予選

7月28日(土)

美作人工芝グランド

10:00キックオフ

ファジアーノ岡山 vs RKクラシック







中国リーグ所属チームと岡山県リーグ所属チームの対戦である。

そして、ファジアーノというクラブを知る人間が対峙する試合である。



リバーで戦った人間が

ファジアーノを立ち上げた時の人間が

ファジアーノを築いてきた人間が


ピッチに立ち


それらの歴史を背負い戦う人間がピッチに立つ。



点差がつく試合になるかもしれない。接戦になるかもしれない。



とにかく、ピッチで起こるものを目で見てほしい。


ピッチに立つ人間の目を見てほしい。


全ては、ピッチの上で証明されるはずだ。




思えば、一昌やオトやアキラや周剛を同じチームで見るのが、岡山のサッカーを見始めてからの夢だった。

それが、ファジアーノで実現した。僕は彼らと夢を追うことが心から嬉しかった。

でも、昨年彼らにJFL昇格を実現させてやれなかった。それは、心残りな事である。

今年は、池松が帰ってきてくれた。永禮や藤定も入ってくれた。今年も、同じ事を繰り返してはいけない。

正直、昨年末から自問自答の毎日だった。思い悩み立ち止まりそうな時もあった。でも、あの日、夢見たものが再び心を揺さぶった。

僕が応援してるのは、『ファジアーノ=おかやまの街』だ。そこには、色んな歴史や人々の想いが詰まっている。


先日、僕はある人のメッセージを読むことになる。

彼は、オフにファジアーノを退団した。そんな彼が、今でもファジアーノを応援しているということを知らせるものだった。

応援してくれた人への恩返しの為にも、サッカーを続けているという文もあった。

この文が、それまでモヤモヤしたものを吹き飛ばしてくれた。


もう、2度とこのメンバーの対決はないだろう。

この日から、また何かが始まると思う。

色んなことが言われるカードだが、サッカー好きの試合に変わりはない。

この試合を見るスタンスは、人それぞれだと思う。

でも、今回はブーイングしてでも彼らと戦いたい。

それを冷たいと言う言葉で片付けられたら、それまでだ。



懐かしむ思いで、あの場所に立つなら、それは彼等に失礼なことだと思う。

彼らは、きっと勝ちにくる。

ならば、それに応えてやるのが友だと思う。



昨年の仲間だけでなく、一昨年の仲間、そしてもっと前の仲間がいるから「現在」がある。

今年、毎回芝で練習ができたり、支援も大きくなってきた。

子どもたちが、憧れの選手たちに教えてもらえるようにまでなった。

それらは、今の人たちがいるから出来る事だけど、今までの人がいるから成り立つものだと思う。

それを忘れることなく、前へ歩いていく。

それが、やがて全ての人の想いを叶えることになる。

僕は、そう信じている。

歩みを止めることは、彼らが築いた歴史を否定することでもある。


キックオフから終了のホイッスルが鳴るまで、彼らと真っ直ぐ正面から戦いたい。

最高のサッカー仲間同士の戦いを、この目に焼き付けたい。









まだまだこれから

試合終了後、ある人と数分間、抱き合ってた。

疲労や思いが込みあげてきて互いに、ふらついてた部分があるのだけど、言葉や文字では表せないものを共有した瞬間だった。


昨年の悔しさを共に味わった仲間とも握手をして歩いた。


10番ゲートの入口の上から見た光景に思いが込みあげて落下しそうになったりもしたけど、コントロールルームに目をやると、あの時に語った事が頭の中で思い出されて落下しそうになったけど、気持ちが良かった。


そして、言葉や文字にできないものが、心の中心から溢れ出していた。



昨年末の地域決勝前にあった桃スタでの練習の時、ある記者さんがサポーターに質問した。

「ファジアーノを応援していて良かったことは何ですか?」

僕を含めて3人のサポーターが問いかけられ、3人とも同じ答えを口にした。


『友だち(仲間)が増えたこと』


独りで応援していても、こんな楽しさや喜びを味わうことはできない。

苦しいとき、悲しみ、せつなさを乗り越えてこれたのも、誰かの声や差し出された右手があったから。

仲間がいるから、この道を歩いていける。


僕は、そう思う。



頭と心の整理ができない時。

大敗した時。

雨の中、「ファジアーノってよえーの」と言われた日。

色んなことがあり、桃太郎スタジアムに1万人近くが入るまでにきた。

そして、これからも色んなことがある。

嬉しいことばかりでもないし、良いことばかりでもない。

どん底に落ちるような思いもするかもしれない。


だとしても、見捨てはしない。

選手を

仲間を

クラブを

あなたを

どんな時も、独りにはさせない。


お前らに、あの涙を流させはしない!!



さて、ファジアーノが、熊本、大分に忘れてきたものを取り戻しに行く準備を始めよう。

ある選手は言った。
『去年取り残したものを、取り返すために、練習や試合をやっている。』

ある選手は、言った。
『俺たちだけじゃないですから、ピッチで戦っているのは。』


あの地獄のような戦いの場所に残してきたもの。

あの場所に、涙を流した仲間とあの時に行けなかった仲間と共に取りに行きたい。

『憧れ』だった光景は、この街で、既に始まっている。

クラブの人と語った夢

選手に伝えた夢

仲間と共有してる夢

それは、カラーになり事実になりはじめている。

いつも、そこに、僕らのクラブがある。



昨日、ファジアーノは、地域決勝出場を決めた。

だけど、まだ『優勝』は決めてない。まだリーグも終わってない。


まだまだ、戦いも終わってない。


まだまだ、ここから。




ねぇそうだろ?

はじまり

それは、どこからもなく聞こえてきた・・。

ちょうど交差点についた頃だった。

バスの中から『ファジアーノ』と、僕らに向かって歌う子どもたちがいた。

この時、MDPに掲載された『憧れ』が、現実になろうとしている予感がした。

スタジアムまで、50人を越える列が続いた。

ここには、いない人達に見せてあげたいと思った。

開幕戦、わずか数名だった人が、ここまで増えた。

それは、誰かに強制されたものではない。自らの意思で、彼らは文化をつくろうと集まった。

僕は、西口から桃スタに歩んでいくなかで、どこか誇らしげな思いになった。

後から聞いた話では、その日、あの周辺はファジTやレプリカを着た人が沢山いたらしい。

バスから聞こえた声は、文化の始まりを意味してる。ぼくは、そう思いながら横断歩道を歩いた。


さて、ここで前日練習の話をしたい。

財田で、おこなわれた練習。全ての練習が終わったあと、グランドの周りを黙々と走る男がいた。また、グランドの隅で、何度も何度もセンタリングの練習をする男がいた。

中川英之と加藤佳孝だ。

思えば、雨の降る中、涙を流しながら旅立った漢との最後の夜にいたのも、この2人だった。

その2人の光景に、僕は熱くなるものを感じていた。

僕が応援してるのは、フィールドに立つ11人だけではない。ベンチもそうだし、ベンチから外れた選手も、同じように応援している。それは、きっとみんな同じだろう。

この日、昨年共に戦った多くの仲間が姿を現した。それを事前に知っていた僕は、ある幕を、この手ではろうと決心していた。

『PATRES CONSCRIPTI INSIEME』

ファジアーノというコールは、11人の選手たちだけに送られているものではない・・・。

どんな風に、このコールを聞いたのかわからないが、どんな時も忘れはしない。

試合が近付くにつれ、ある場所に足は向いた。なぜ、そこに行ったのかも覚えてない。なぜ、そこに立ったのかも覚えてない。


10番ゲートの入口の上。

そこからは、仲間がよく見えた。前線に揃った仲間の姿が見えた。その後ろに続く新しい仲間が、よく見えた。

いつもは、よく聞こえる声も届かないぐらい人が集まってくる様子も見えた。

この後の事は、よく覚えてない。ただ、最後にはバンデを手すりからとり体に巻き付けていた。

地域決勝みたいに、身を乗り出して落ちそうになった。

試合が終わり、選手が挨拶にきた後、断幕の片づけに向かった。

仲間の姿が見えて、何か安心感を覚えた。


そして、ある男が目の前にきた。

握手した瞬間に、何かが溢れだした。

男と男が抱き合ってるのだから、周りからは異様な光景に見えたかもしれない。

一言、語りかけた後、言葉につまった。

帰った時に1通のメールがきていた。

『○○くんが、おらんかったらコケてたわ。』

僕も、こけていたはずだ。


人は支えたり、支えてもらって、毎日を生きてる。
当たり前の事なんだけど、それを自覚することは難しい。

人と人の繋がりは、右クリックで始まったとしても、本当の意味の始まりはそこではない。面と面が向かいあい、言葉をかわし、そこから始まると思う。

最近、色々あったのでアレだけど、一言も挨拶や言葉をかけなければ、何も生まれない。右クリックして出会い、右クリックだけで別れの繋がりなら仲間とは言わないだろう。僕は、そう思う。


何かを始めることは、勇気がいる。そして、続けることにも信じる力が必要になる。

時には、孤独を味わうときもある。言いたくても言えない中、胸にしまうときもある。

今年はじめに、多くの選手が、このクラブを離れた。様々なことが、色々な場所で言われた。様々な人が、様々な事を言ってきた。

そんな中、ある男やある男と、1つの信念で歩いていく事を決心した。

周りから何を言われても歩いていかなければならないと思った。

現場には、トイレに落書きするような人には、わからないものがある。

これから、何が待ち構えているのかは分からない。

ただ、1つだけ言えるのは、何があったとしても、『俺は、あなたを見捨てない』

迷うな

何かあったとしても

俺たちは見捨てたりはしない