嘘喰い49巻、読み終わっちゃった、寂しい〜 | くぅちゃんへ

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くぅちゃん、プリンや、シュウ君、お母さんのここ最近のツタヤ通いは「嘘喰い」を読むためだけだったと言っても過言ではない。

 

迫稔雄先生のお作である

主人公の嘘喰いこと斑目貘君

あ、ガンガンネタばれあるから今から読む方は見ないで。

 

 

ギャンブラー、斑目貘君のお話だ。

大ヒットして実写化もされた「賭ケグルイ」と同じギャンブラーものではあり、主人公はどちらもギャンブルのギリギリさに取り憑かれてはいるんだが、もうね、全く違う。

 

これは賭ケグルイの主人公、蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)ちゃん

エッチな格好ではあるが作品にエロは皆無だからな。

賭け事だけだから。

こっちはラスボス桃喰綺羅莉(ももばみきらり)様

学園物で嘘やろ〜、みたいな設定だけどしっかり賭け事が描かれている。

何度も言うが、エロはない。

ないったらない。

だけど、存在が妙に色っぽくて百合の花が咲きまくっている。

賭け事やってるんだけど、登場人物達のイッチャった感がハンパない。

女性キャラは巨乳が多いしね!

 

繰り返すが絶対にエロではない。

 

皆、色っぽいし女同士の絆の深さや業の深さが尋常じゃないけど。

そして何より、みんなおかしい。

こんな綺麗な絵だけど、みんな頭イッちゃってるんだよね。

 

かたやこっちの嘘喰い、パッと見、こっちのキャラの方がヤバくみえるよね

 

ヤバそうな女ばっか。

しかも完全百合だし。

大型バイクで船に乗り込んできたとんでもない髪型の方、もちろんクッソ強い

でもこの漫画、女性はほとんど出てこない。

最上様が率いる女性軍団はいるけど、これは数話しか出てこないから。

 

女性の登場人物少ないうえ、そりゃもう恐ろしい女ばっか。

 

 

恐怖の権化みたいな女組長さん

しかもこの最上さんと良い仲

組長はバイである

最上立会人の横にいるの、蘭子さんである。

ほぼほぼ別人

だけどこの漫画、常に顔が変わるから服装と髪で判断しなきゃいけないことが多々…

 

先天性の面白い髭が生えてしまっている亜面立会人とか

 

ほら、女性っしょ。

っつか、最初女性と思わなかったからすっげビックリした。

案外巨乳、そして案外ドジっ子で性格が可愛い(この漫画の中では)

立会人以外に美人が出てくるけどこの方も恐ろしい

そして、SATの隊長さんをボッコボコに捻り潰すくらいお強い

 

トドメはこの方、殺し屋から警視庁の密葬課を経て賭郎立会人になった花さん

この方にもおっ女っ、と驚いたのだけど…

そしてムッチャクチャ強いんですけど

花さん、もうおばあさんなんだけどお強い

若い頃の花さんは美人なんだけど、あの美人がどうやったらこうなるっていう典型…

 

数少ない(嘘喰いは登場人物が多いのでこの布陣でも少ないのだ)女性でコレだよ

普通に見て、賭ケグルイより頭イッちゃってる連中ばっかと思うだろう?

 

確かに暴力シーンはえげつねぇし趣向がイッチャってる立会人とかゾロゾロ出てくるからね、パット見、イッチャってる漫画に思えるのだが、実は相当にまともなのだ。

皆ね、根っこがまともなの。

きちんとしてるの。

 

ヤバいのは悪役連中なんだけど、それだってきちんと欲望に向き合っている人達だから納得のヤバさ。ある意味まともなんだよ。

異常犯罪者も出てくるんだけど、それでも「いるよね、こういう人」って感じで、しかもストーリー展開上必須なヤバイ人設定だから。

 

主人公獏さんとラスボスお屋形様こと切間創一君

戦国の昔から続く「賭郎(かけろう)」って組織で日本の権力機構にがっちり食い込んでいる、その組織のトップがお屋形様切間創一(きるまそういち)

屋形越えって儀式でお屋形様に勝ったら賭郎トップになれるっていう、それを目指す斑目獏君

 

 

構成は王道である。

だけどこの漫画、キャラがものっすごく魅力的で、しかも根っこが「まとも」なのだ。

これは作者の人柄なんだろうね。

価値観とかも凄くまとも。

イッちゃったゲームしながらよくよくその根っこを見ると皆さん真っ当な方達なわけ。

 

髪をおろすとお屋形様はイケメンである。

色々説明は省くけど、王道は王道でも、単なるバトル物じゃなくて、そこに意外な人間ドラマや絆が隠れていて読んでいて「マジかー」とビックリする。

ほらイケメン

何故ハルと呼ばれているか、それはもう感動のエピソードあったから

この切間創一と斑目貘の関係なんて、後半ビックリだったからね。

 

悪人ではないが善人でもない、と評される獏さんですが、いえいえ、あなたは十分善人ですよ。

 

そんな獏さんに惹かれる様々な方達、この人物たちがまた魅力的である

賭け事に勝っても相手が支払わずにこっちを殺しにかかってくるなんてことは日常茶飯事、だから暴力装置を持っていない勝者は敗者になってしまう。

獏さんはそこんとこ、よーくわかってるからね。

 

獏さんと色々あったけど、頼りになる伽羅さん

 

くっそ強い。

伽羅さんの過去、泣ける。

まさかの花さんが飯食わせていた少年だったとは。

マジで伽羅さんの生い立ち編は泣ける。

その分、獏さんへの思いも強くて、獏さんがいるから彼は絶体絶命になっても勝利をもぎとれる。

ベタベタしてないけど強い信頼で結ばれた二人だ。

 

そしてこれがひょんなことから関わりをもった梶くん。

獏さんの後ろにいるのが一巻の梶君である。

 

ただのダメ男で普通の子かと思いきや、梶君の成長の著しいこと

作者も一巻からすると絵がうまくなってるし

 

同一人物とは思えない後半の梶くん。

こんなにカッコよく成長しちゃって。

いや、彼は中身も素晴らしく成長したんだよ。

獏さんと一緒に歩いていきたいと願った時から彼は命を張って頑張って成長した。

獏さんが「梶ちゃん、キモ冴えてる」って言うくらい、彼は獏さんにとってなくてはならない人物になっていく。

なにより梶ちゃんは絶対獏さんを裏切らないからね。

獏さんにとって、数少ない「友」なわけだ。

よくこういう王道漫画じゃ梶君タイプって後々、忘れさられることが多いっていうか、ドラゴンボールのヤムチャ状態になってたまに出てくるっていうパターンが多いんだけど、梶君は本当に物語になくてはならないキャラになっていくのだ。

 

そして、賭郎の暴力装置である「立会人」達や賭け事のためには人も殺すし自分も命を張るってのが当たり前な世界に生きている獏さん達とは違い、梶君は軸足を「普通の世の中」にきちんと置いている。

本人、それが甘さだと指摘されることが多くて悩むうえ、脱しようとするんだけど、結局それでいいんだと、これが僕なんだと納得するんだな。

そして梶君の「甘さ」に色んな人達が救われていく。

もちろん獏さんも。

その過程の描き方が上手い!

嘘くさくないし納得できる。

 

こちらは推しキャラナンバー1のマルコだ

一巻のマルコ、っつーかこれは「ロデム」になったマルコ

アレです、快楽殺人者の元軍人から実験動物にされて、薬物で理性を飛ばし化物にされていたマルコ、すでに薬剤は必要なく注射だけで理性のない殺戮兵器になる。

一巻で獏さん達を襲ってくるけど、そりゃね、頭のいい獏さんですから、しっかり返り討ちです。

でも獏さんは絶対人殺ししないんだよ。

賭け事で命がかかってる場合は負けた相手は死ぬけど、それ以外で絶対に獏さん、殺しはしない。

この化物ロデムだって殺さない。

そしてロデムの呪縛をといてマルコはマルコなんだと居場所を作る。

結果、こうなる

ビフォー・アフター

マルコは子供時代を「獏兄ちゃん」の元でやり直している状態なので、獏さんからお使いたのまれて、そのおつり50円で好きなもの買っていいよって言われてたんだけど、ある時おつりが100円だった。

カリカリ梅が安売りしてたかなんかでおつりが100円

マルコはここで100円使っちゃって、罪悪感でこうなってる。

でも、この場面は外野はすっごくシリアスなこと言ってるんだけどね。

 

マルコは本当に50円って凄いって思ってるから。

坊や坊やしてて本当に可愛い。

でも、伽羅さんに負けないくらい強い。

マルコは注射でロデムになっちゃうんだけど、「マルコ」の状態でメチャクチャにやられると「ロデム」の扉を明けて怪物になってしまうんだけど、獏兄ちゃんと梶君の存在がそんなマルコを変えていく。

ロデムになるのはマルコが弱いからだ、そう己の中で決着つけて、マルコとしての自我を失わないまま強くなっていく

 

大好きな獏兄ちゃんがマルコの側にいてくれるからマルコは強くなれるのだ。

このマルコの変化の物語も素晴らしい。

 

手前にいるのは門倉立会人だね。

 

この立会人、ものすごい数だし、色んなキャラがいるんだけど、門倉立会人は推しだ推し!

 

下と同一人物っす

この作者ねぇ、顔がかわるんだよ。髪も異様に伸びたりするんだよ。

だんだんマシになっていくけど、最初の頃はほんっと、キャラが見分けられなかったから一苦労。

でも苦労しても読ませるだけの力がこの漫画にはある。

 

脳を損傷して死んだかと思ってたら生きてた門倉さん

リーゼントではなくなって最初、獏さんも梶ちゃんも誰かわからなかった

そりゃわからん

でもこの笑顔で門倉さんだとわかった

 

門倉さんの魅力については話しても話し足りないのでもうコレ、読んでいただきたい

そしてもうひとりの激推し立会人、イケオジの夜行妃古壱様!

 

眉毛変だけど素晴らしいイケオジだ

 

夜行さん、穏やかそうに見えて中身は熱い

私をただコーヒーを入れているだけの気のいいおじさんとでも思ってましたかな?

……ぐふっ(萌え死ぬわ)

実際彼は執事喫茶経営してるんだけどね。

S級掃除人、夜行丈一さんとのご関係は作者、めんどくさくなったのか回収されず

多分双子?丈一さんが兄?

丈一さんの方がワイルドである。

 

この立会人達の魅力は読んでいるうちにジワジワくるからもう説明はしねぇ

49巻だけどあっという間だから

そして、賭け事のルールは案外難しくて、何度か読み返した。

まぁ、わっからーん、で過ぎても物語には支障はない。

 

青年誌とか、案外主要キャラあっさり殺したりするもんだけど、この漫画は死なない。

うそん、生きてたん?アンタ、燃やされてたじゃん、みたいなことがあっても死なない。

実に清々しい。

これは作者の人柄なんだろうね。

 

みんな、ぶっ飛んでいそうで根っこが非常にまともっていう稀有なこの漫画、ぜひぜひ読んでいただきたい!

最後も現場大好きな獏さんと仲間達、切間創一君の明るい未来が暗示されててほんっとに清々しい。

 

久しぶりに気持ちのいい青年漫画を読んだ気がする。

そしてツタヤ万歳

やっぱり紙で読みたいよねぇ、細かいところまで目がいくと思うんだけど。