読書雑記 -18ページ目

読書雑記

読書日記。

ほとんど自分のためのものです。



☆☆☆★★

ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)を舞台にした原田マハの短編集。

この小説を読んでいると、アメリカ(ヨーロッパもそうだろうけれど)は、人々の美術館やキュレーター(学芸員)に対する愛着や敬意の念の深さを感じる。


☆☆☆★★

読書が楽しいのは楽しいのだが、仕事や生活に役立っているかというと甚だ疑問なので本書を読んでみた。

まず本を読んでいるときに、目的を忘れないこと(目的の明確化)。

また、自分の言葉で説明できるように本の内容を咀嚼すること(思考整理)。

さらには、長い内容は覚えていられないので、20字で要約すること(端的な要約)。

そのための手法として、紙1枚に書くだけの「1シート・ラーニング・システム」を紹介している。






☆☆☆☆☆

巧妙なトリック、魅力的な登場人物、心動かされる事件の背景など、ミステリに期待したい要素が高いレベルで詰まっていると思う。

柚月裕子の描く男の主人公がこれまた良い。

ある男ある男
1,728円
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☆☆☆☆★

芥川賞を取った『日蝕』が難しそうだったので、平野啓一郎の作品は敬遠していたけれど、人に薦められて本書を読んでみたらイメージが変わった。

重いテーマであり読むのが少し疲れるが、「静かな感動」を呼び起こす。

長時間労働の実態、背景、原因から、「働き方改革」の問題点、残業削減策、組織改革まで、2万人を対象とした大規模調査に基づき、説得力ある内容になっている。

自らの職場の現状に照らしても、この分析結果や処方箋は役に立ちそうだ。

著者も末尾に書いているように、「教室を出たら(この本を読み終わったら)、『事』をなす(実践する)のみ」。

以下は、読書メモ。

・残業が個人にもたらすリスク
  ① 健康リスク
  ② 学びのリスク
・残業が企業にもたらすリスク
  ① 採用リスク
  ② 人材リスク
  ③ イノベーションリスク
  ④ コンプライアンスリスク

・底なし残業の裏にある2つの「無限」
  ① 時間の無限性
  ② 仕事の無限性

・残業は、「集中」し、「感染」し、「遺伝」する。
・残業は「職場」で生まれている「集団/社会現象」である。

・上司の指示が曖昧だと、部下は残業代をあてにする。

・長時間残業のメカニズム
    個人レベルでは、「麻痺」「残業代依存」が起こり、個人の「習慣」として定着する(個の学習)
    そこに、組織レベルで、「集中」「感染」が起こり、組織内の非公式な「制度」として定着する(ヨコの学習)。
    さらに、そのが効果は「遺伝」というプロセスで世代間に継承されます(タテの学習)。

・残業施策の失敗により引き起こされる現象
   ① 残業のブラックボックス化
   ② 組織コンディションの悪化
   ③ 施策の形骸化

・残業施策はその半数程度しか効果が実感されていないにもかかわらず、「廃止」された施策はほとんどなかった。

・施策失敗の3つの落とし穴
   ① 「施策コピペ」の落とし穴
   ② 「鶴の一声」の落とし穴
   ③ 「御触書モデル」の落とし穴

・残業削減施策のポイント
   ① 残業時間の「見える化」
   ② コミットメントを高める
        告知の「オムニチャネル化」
        キーパーソンを味方に
   ③ 1ヶ月後の「死の谷」を乗り越える
   ④  効果を「見える化」し、残業代を「還元」

・組織内で昇格していくことがインセンティブにならない事態は、日本企業の組織運営を根本から覆しかねない。

・「希望のマネジメント」に必要な3つの力
→ 「希望の組織開発」に必要な3つの透明性
   ① ジャッジ力 → 時間の透明性
        不確実な状況でも一貫した軸を持って迅速に状況判断・指示する能力
        とりわけ重要なのがジャッジ力、それも「やらない」ことをジャッジする力
   ② グリップ力 → 業務の透明性
        現場の状況や進捗を把握する能力
   ③ チーム・アップ力 → コミュニケーションの透明性
        オープンで風通し良く、活発にコミュニケーションをする能力
        マネージャーが「自分はわかっている、知っている」ことがメンバーに伝わっている度合いは、「自分が思う2割引き」程度

・経営学におけるマネジメントの有名な定義は、「他者を通じて、事を成し遂げる(Getting things done through others)」








☆☆☆★★

刊行から30年経って、時代の違いを随所に感じるものの、古くささはない。

会話を中心とした流れるような文章に感心し、一気に読んでしまう。

それでも上品過ぎて何か物足りない。
ワンマンの小林会長や主人公を追いやった前島部長にしても迫力に欠ける。

同じく高杉良の『金融腐食列島』シリーズや池井戸潤作品に出てくるような悪役に慣れ過ぎているのだろうか。


☆☆☆★★

AIやロボットの最新テクノロジー、AI時代を生きるためのマインドセットについて、体系的ではないが、著者の鋭敏なアンテナと時代を読む感性によって、参考やヒントになる情報を与えてくれる。

以下、メモがてら本文の内容を引用する。

AIが進化の飛躍の大ジャンプを遂げる可能性は「AIに『身体性』を持たせ、自らの意思によってリアル社会とインタラクションさせることによって、起こるのではないか」

世界的なロボット研究者である石黒浩氏の話を引いて「アンドロイドの研究は、アンドロイドそのものが役に立つというよりも、人間に関する深い知識を与えてくれる。それをアンドロイド以外の量産型ロボットに応用できることが大きなポイント」

「最も早く、製品化を成し遂げそうな多機能なAIロボットが『パーソナルモビリティ』である。ひとり1台時代は、ヒューマノイドやアンドロイドよりも、こちらの方が早く到来するだろう。」

「AIやロボットにも、きっと深い愛着は宿る。愛着がない限り、人のパートナーとしての役目を引き受けるのは難しい。」「愛着とは何か?という問いの答えをまだ見つけられないのだから、そこにたどり着けば、あらゆるビジネスチャンスが転がり込んでくるだろう。」

「私たちにいま問われているのは、『仕事が奪われる』とかいう次元の問題じゃない。AIやロボットによってリデザインされる世界をどう生きるかという話だ。」

「働かなくてもいい世界で、なおモチベーションを保ち、何かの行動を起こせる人が、生き残れるのだ。」

働かずに生活していく制度として「ベーシックインカムとは、すべての国民に政府が生活費として一定額を支給する制度」「ベーシックインカムを導入して無理に働いてもらわないことが有効だろう。」




☆☆☆☆★

本書のタイトルである「カササギ殺人事件」は、本書に出てくる作中作のタイトルである。

読者は、名探偵アティカス・ピュントを主人公とした作中作の犯人探しと、作中作の作者アラン・コンウェイや出版業界をめぐる「現実世界」での殺人事件の犯人探しと、一冊で2つの謎解きを楽しめる。

しかも、なぜそのような構成になっているのか、作中作と「現実世界」との接点が謎解きのポイントになっており、精緻で独創的な作品だ。

さらには、作中作が「アガサ・クリスティの完璧なオマージュ」として仕上がっていたり、随所にシャーロック・ホームズとの対比が出てきたりと、英国ミステリ・ファンにとってはたまらない作品となっている(らしい。私には一部しかわからなかったが)。

解説の川出氏曰く、「一読唖然、二読感嘆。」ということで、構成や登場人物が複雑なこともあり、再読するとより深く味わえるかもしれない。




☆☆☆★★

上巻の解説によれば、スティーグ・ラーソンの跡を継いだダヴィド・ラーゲルクランツが個性を出し始めたということらしい。
物語や人物を描く部分より、ノンフィクションのような説明的な文章が多くなっているような気がする。