読書雑記 -18ページ目

読書雑記

読書日記。

ほとんど自分のためのものです。



☆☆☆★★

AIやロボットの最新テクノロジー、AI時代を生きるためのマインドセットについて、体系的ではないが、著者の鋭敏なアンテナと時代を読む感性によって、参考やヒントになる情報を与えてくれる。

以下、メモがてら本文の内容を引用する。

AIが進化の飛躍の大ジャンプを遂げる可能性は「AIに『身体性』を持たせ、自らの意思によってリアル社会とインタラクションさせることによって、起こるのではないか」

世界的なロボット研究者である石黒浩氏の話を引いて「アンドロイドの研究は、アンドロイドそのものが役に立つというよりも、人間に関する深い知識を与えてくれる。それをアンドロイド以外の量産型ロボットに応用できることが大きなポイント」

「最も早く、製品化を成し遂げそうな多機能なAIロボットが『パーソナルモビリティ』である。ひとり1台時代は、ヒューマノイドやアンドロイドよりも、こちらの方が早く到来するだろう。」

「AIやロボットにも、きっと深い愛着は宿る。愛着がない限り、人のパートナーとしての役目を引き受けるのは難しい。」「愛着とは何か?という問いの答えをまだ見つけられないのだから、そこにたどり着けば、あらゆるビジネスチャンスが転がり込んでくるだろう。」

「私たちにいま問われているのは、『仕事が奪われる』とかいう次元の問題じゃない。AIやロボットによってリデザインされる世界をどう生きるかという話だ。」

「働かなくてもいい世界で、なおモチベーションを保ち、何かの行動を起こせる人が、生き残れるのだ。」

働かずに生活していく制度として「ベーシックインカムとは、すべての国民に政府が生活費として一定額を支給する制度」「ベーシックインカムを導入して無理に働いてもらわないことが有効だろう。」




☆☆☆☆★

本書のタイトルである「カササギ殺人事件」は、本書に出てくる作中作のタイトルである。

読者は、名探偵アティカス・ピュントを主人公とした作中作の犯人探しと、作中作の作者アラン・コンウェイや出版業界をめぐる「現実世界」での殺人事件の犯人探しと、一冊で2つの謎解きを楽しめる。

しかも、なぜそのような構成になっているのか、作中作と「現実世界」との接点が謎解きのポイントになっており、精緻で独創的な作品だ。

さらには、作中作が「アガサ・クリスティの完璧なオマージュ」として仕上がっていたり、随所にシャーロック・ホームズとの対比が出てきたりと、英国ミステリ・ファンにとってはたまらない作品となっている(らしい。私には一部しかわからなかったが)。

解説の川出氏曰く、「一読唖然、二読感嘆。」ということで、構成や登場人物が複雑なこともあり、再読するとより深く味わえるかもしれない。




☆☆☆★★

上巻の解説によれば、スティーグ・ラーソンの跡を継いだダヴィド・ラーゲルクランツが個性を出し始めたということらしい。
物語や人物を描く部分より、ノンフィクションのような説明的な文章が多くなっているような気がする。


☆☆☆☆★

アマゾンについて、どういう会社なのか、強さの秘密、スケールの大きさ、これからやろうとしていることなどが、経営戦略一般の知識の解説も交えながら、平易な文章で大変わかりやすく解説されている。

以前、スコット・ギャロウェイの『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読んだ時は、GAFAの力は拮抗しているように感じたが、本書を読むと、amazonの影響力はGAFAの中でも抜きん出ているように思える。


アマゾンのサービスを使ってみたい、もっと便利にしてほしいという気持ちと、一つの会社にこんなにシェア、力、富が集中してしまっていいのかという怖さが同居する。


☆☆☆☆★

警察小説と任侠小説とを合わせたような作品。

印象的なのは、主人公である暴力団担当の新米刑事・日岡の先輩ベテラン刑事・大上がヤクザを世の中の必要悪として捉える次の言葉。
「わしらの役目はのう、ヤクザが堅気に迷惑かけんよう、目を光らしとることじゃ。あとはーーやりすぎた外道を潰すだけでええ」

警察とヤクザというどちらも男臭い世界を描ききっているのが女性の作家だから驚きだ。

しかもいくつかの伏線(読者にあまり伏線とも感じさせない)と驚きの結末が待っており、ミステリーとしても良くできている。

本当に良くできた作品だと思う。



☆☆☆☆★

代書屋という仕事が実際に存在するのかは知らないけれど、こだわり抜いたプロフェッショナルの仕事を細部まで描いた物語は面白い。

また、主人公が家や鎌倉の店(実在のものもあるようだ)で味わう料理やお菓子などの描写がほんとに美味しそうで、グルメ小説としても楽しめる。