長時間労働の実態、背景、原因から、「働き方改革」の問題点、残業削減策、組織改革まで、2万人を対象とした大規模調査に基づき、説得力ある内容になっている。
自らの職場の現状に照らしても、この分析結果や処方箋は役に立ちそうだ。
著者も末尾に書いているように、「教室を出たら(この本を読み終わったら)、『事』をなす(実践する)のみ」。
以下は、読書メモ。
① 健康リスク
② 学びのリスク
・残業が企業にもたらすリスク
① 採用リスク
② 人材リスク
③ イノベーションリスク
④ コンプライアンスリスク
・底なし残業の裏にある2つの「無限」
① 時間の無限性
② 仕事の無限性
・残業は、「集中」し、「感染」し、「遺伝」する。
・残業は「職場」で生まれている「集団/社会現象」である。
・上司の指示が曖昧だと、部下は残業代をあてにする。
・長時間残業のメカニズム
個人レベルでは、「麻痺」「残業代依存」が起こり、個人の「習慣」として定着する(個の学習)
そこに、組織レベルで、「集中」「感染」が起こり、組織内の非公式な「制度」として定着する(ヨコの学習)。
さらに、そのが効果は「遺伝」というプロセスで世代間に継承されます(タテの学習)。
・残業施策の失敗により引き起こされる現象
① 残業のブラックボックス化
② 組織コンディションの悪化
③ 施策の形骸化
・残業施策はその半数程度しか効果が実感されていないにもかかわらず、「廃止」された施策はほとんどなかった。
・施策失敗の3つの落とし穴
① 「施策コピペ」の落とし穴
② 「鶴の一声」の落とし穴
③ 「御触書モデル」の落とし穴
・残業削減施策のポイント
① 残業時間の「見える化」
② コミットメントを高める
告知の「オムニチャネル化」
キーパーソンを味方に
③ 1ヶ月後の「死の谷」を乗り越える
④ 効果を「見える化」し、残業代を「還元」
・組織内で昇格していくことがインセンティブにならない事態は、日本企業の組織運営を根本から覆しかねない。
・「希望のマネジメント」に必要な3つの力
→ 「希望の組織開発」に必要な3つの透明性
① ジャッジ力 → 時間の透明性
不確実な状況でも一貫した軸を持って迅速に状況判断・指示する能力
とりわけ重要なのがジャッジ力、それも「やらない」ことをジャッジする力
② グリップ力 → 業務の透明性
現場の状況や進捗を把握する能力
③ チーム・アップ力 → コミュニケーションの透明性
オープンで風通し良く、活発にコミュニケーションをする能力
マネージャーが「自分はわかっている、知っている」ことがメンバーに伝わっている度合いは、「自分が思う2割引き」程度
・経営学におけるマネジメントの有名な定義は、「他者を通じて、事を成し遂げる(Getting things done through others)」
