珈琲と虹と鯨の棲む場所 -34ページ目

珈琲と虹と鯨の棲む場所

東京都三宅島をフィールドに直感を綴る

 

 

2021年、最初の絲山作品、このタイミングで読むべきだったのか?
叔父、叔母、鎌倉の別荘、娘や姉、弟との関係、鍵穴のない家
人生の過去を振り返る物語

親父が亡くなった時に先祖の事を調べて証明書をお寺に持っていくと
「あなたの先祖はお坊さんだったのね」と女将さんから言われた。
祖父のお店を潰さないように、沖倉商店を継いで、沖山家の墓も守ってきた。
同時に祖父や祖母が残した土地や家の事も、いろいろと調べたりした。

横座という場所に祖父が他界した後、祖母が過ごした家が残されている。
そこには親父の姉が長年住んでいたが、他界して空き家となった。
土地は親父の二番目の兄(既に他界した)の登記した土地なので何もせずにいるが、
本来は、その昔、祖父が長男の病院を建てるために、購入した土地だったそうだ。
旧制水戸高校から医学部に進み、三宅島で診療所を開業する予定だったとか
ところが若くして、いろいろとあったそうで、進路が変わり、沖倉商店をやることになった。

 

祖父の想いを汲んで残すのなら、あの場所は診療所になるはずだったという事になる。
 

ふと、この本を読んでいて、次の噴火があって島を離れる事があれば、
母方の実家で祖父の墓のある高崎に行くのかな?と頭に過った。
今は独身の叔父さんが、その実家の群馬八幡に住んでいて、
選挙の時には高崎の「必勝だるま」を送ってくれる。
誰かが墓を守らなければいけないとなると、いつかはそうなる。

三宅島の沖倉商店も、高崎の祖父の墓も、もう誰も引き継ぐことはない。
どちらの家も、最後の血を継ぐのは、自分しか存在しないのだから。
現代において子供のいない家族や子供や孫がいても、一生戻ってこないなんて
あたりまえの世の中になっている。
「末裔」を読んで、現実を思い、少しだけ寂しい気持ちに苛まれた。


いつもの場所に行き、激しい潮風を受けながらシャッターを切った。
丑年なのに、寅か戌が吠えているような雲だったけど、太陽から流れる光線が素晴らしかった。
三宅島のダイヤモンドヘッド(新鼻新山)や御蔵島も変わらず鎮座していた。
新しい年の新しい一日のはじまり。海に向かって大きく深呼吸をした。

 

人生とはうまくいかない事がたくさんある。
いや、過去を振り返ると殆どの事が思い通りにならなかったのかもしれない。
離婚して別れた夫婦がこんなに爽やかに旅ができるだろうか?
いや、別れたからこそできるのだろうか?
絲山作品の多くはドロドロしない人間模様が全体に描かれている。
この長編作品のラストシーンは、小さな幸せの風が吹くエンディングだった。
2020年は21作品を読了したが、大晦日にこの作品を読み終え、
この一年は、絲山作品に新しい扉を開いてもらった年だった。


2月に改選があって、新しい任期を得た。選挙に関わり、こんな自分を応援してくれたり、
投票してくれた勇気ある123名の方には感謝して止まない。
そして支援者の皆さんの人生は、この上なく応援したいし幸せになってほしい。
かつていじめられっ子体質だった自分自身は、とっても小さな人間なので、
嫌なことをされたら何倍にもして仕返ししたいと思っていたし、
嬉しいことをされたら、それは恩返ししていきたいと思っていた。
しかし二度の選挙を終えて、大きく変わったこと、知り得たことは、
カルマとは良い事をすれば必ず良い事で返ってくるし、
悪い事も自分に必ず返ってくるという教えだった。そして人間はいつか必ず死ぬという事も。
だから今は良い事だけに集中して、数少ない周りの方と幸せを追求したいという考え方に変わった。

コロナが広まると、2月のボルダリング大会がキャンセルになり、世界が急速に変化した。
4月の伊那市(旧高遠町)との友好交流40周年や7月の東京オリンピック2020はもちろん、
年間を通じてさまざまなイベントなどが中止となった。同時に島から出張することもなくなった。

島の中でできた時間を少しでも新しい事にチャレンジするために、
まずはこれまでやりたかった事、これからやりたい事を整理しながら、
同時に様々な申請作業などもやりつつ、島籠りを充実させた一年だった。
人生の後半戦、自分の成長に繋がらない「やりたくない事」を無理矢理やるのはやめにした。

新しいプロダクトも揃えることができたし、読書も映画もボーンカービングもできた。
過去にお世話になった人たちに連絡をしたりして、直接声が聴けたりした。
噴火から20年という事を言われ、10年前の噴火から10年の時はどうだったのかを振り返ったら、
エコライドやったり、クライミングも今の体育館の準備、レディースランの構想など
同じような葛藤と感情に苛まれていた。その後に3.11の震災もあったり、
オヤジが倒れて、お店もカフェにしたり、10年前にもいろいろと変化していた。
だから自分の根本はなにも変わっていないし、もっと言えば、
中学生の時の夏休みの感覚はずっと続いている。
まわりが変わってきたようで、ある一定のサイクルでループしているにすぎない。

過去にも感じていた事だけど、逆スパイラルで時代は変化している。
レイヤーは時間の流れで一段上がっているけど、判断の基準や考えている事、
趣味、趣向は全く変わらない。それを経験してきたか初めて来るスパイラルなのかの違い。
三宅島は約20年間隔で噴火しているから、そういう逆スパイラルのループ的な考え方は、
多くの島民が、そして地球に敏感な人たちはカラダに沁みついていると思う。

 

西之島が噴火で大きくなっていくように、三宅島も過去を調べれば、
経験していないだけで、1535年、1643年の噴火で土地が変化している。
もしかしたら次の噴火でもう一つ島ができるかもしれないし、島が大きくなるかもしれない。

2020年はいろいろな変化があるようで、長い歴史の中で、
宇宙規模で考えれば、人間の生活なんて、ほんの一瞬を切り取って
100年くらい生かされているだけなんだと実感する。
※木星と土星の接近だって397年ぶりでした。

いま、目の前でクジラが毎日のように見れている。
地球で一番大きな動物で、最も頭が良いと言われている。
※鯨類は脳の20%を使えているらしい(人間は10%くらい)

かつて、パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードが言っていたこと
My direction is as pleasing to the soul.(魂にとって心地よい生活)
もう一度、自分の魂に問いかけて、新しい年を迎えたいと思う。

1982年から5作品目にして完結!スタローンも老いたけど、自分も歳をとりました。

孤独で最強の男は絶対に死なない。そんな姿に憧れた時期もありました。
ロッキーもレスラーもランボーもジャンルとしては、「ルーザー(負け犬)」ジャンル
一度どん底に落ちてから這い上がっていく感じのストーリー
このジャンルは多くの映画好きの圧倒的な支持を得ていると思う。
スタローンがお爺ちゃんと言われているのはショックだけど、
それだけ年月が経ったという事で、今なおファンの為に
ランボーシリーズを完結してくれたことに感謝したい。