平成23年司法試験予備試験短答式試験結果(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_00040.html
 
全体の結果は以下
http://www.moj.go.jp/content/000075818.pdf
 
約61.1%の得点を獲得した方が合格となりました。

人数では1339人。
資料によると、一般教養科目で満点を採られた方はすごいなと思います。(サンプル問題は公開されたとはいえ)1回目で未知の部分が多かったのに(現に平均点は一番低いです)。

最判平成23年06月14日(第三小法廷)
裁判要旨
公立中学校の校長が同校の教諭に対し卒業式等の式典において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立して斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81409&hanreiKbn=02

 

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110614181231.pdf


補足意見が3人、反対意見が1人という構成です。


大谷裁判官の補足意見や、田原裁判官の反対意見は、ピアノ伴奏事件(最判平成19年2月27日。音楽の教員に対する君が代のピアノ伴奏命令)と、本件(教員への斉唱時の起立と斉唱命令)の違いが、説得的に説明されて、参考になります。ただし、事案が違うが、結果的に結論は変わらないとする大谷裁判官と、事案が違うので、本件は違憲の余地もあるとする田原裁判官で、結論が変わっているのは興味深いところです。


本件の起立・斉唱命令が制約になる理由、制約が認められる理由につき、詳細に分析されている意見もあります。事案分析や問題の考え方として参考になる部分があると思います。


日の丸・君が代の問題は、政治的な問題も含んでいるので、このまま新司法試験の論文試験で出題される可能性は低いと思います(短答試験ではあり得る)が、他方で、法科大学院入試や、法科大学院の期末試験・レポート課題などでは出題される可能性はあるでしょう。また、新司法試験の論文試験でも、事案こそ変われ、外部的行動の強制による思想良心の自由の制約について問い、この判決の理解を間接的に問う出題はあり得るかも知れません。

法学セミナー679号

http://www.nippyo.co.jp/magazine/5606.html


[特集]
民法(債権法)改正議論から民法を理解する

 

債権法改正論議の経緯と民法学習におけるその意義……松本恒雄
錯誤……鹿野菜穂子
債務不履行責任における「帰責事由」……山本敬三
危険負担制度の現代的課題……山野目章夫
瑕疵担保責任……潮見佳男
二者による三者間関係の構築……滝沢昌彦
要物契約の諾成化……渡辺達徳


執筆メンバーが、非常に豪華です。執筆メンバーだけ見ると、ジュリスト、法学教室並みです。


債権法改正につき、関心を持つ人は少なくないと思います。しかし、実際に改正するかどうか、改正するとした場合に条文をどうするかすら決まっていません。したがって、対試験との関係では、現行の条文、判例をしっかり理解することが優先されるとは思います。特に注意すべきは、固定化されたルール(条文・判例)を問う短答式試験です。現行の規定と、提案されているルールを混在すると、短答式試験で間違えることもあります(勉強をしているのに短答試験の苦手な方は、条文、判例、学説の整理がついていない点に原因があるとも考えられます)。


法制審議会は論点整理まで進みましたが、条文の原案はまだ出来ていません。会社法改正でもあったように、条文の原案作成の段階で、法制審議会の議論がひっくり返ることもあるでしょうから、まだまだ改正の方向性は、見えてきません(ちなみに、法制審議会はあくまで審議会ですから、法的拘束力のあるものではなく、法制審議会の議論と異なる条文案を法務省側が作成しても、何ら手続上の瑕疵はないと言うべきです)。

また本号では、宍戸先生の単行本(宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開』(日本評論社、2011年))に、安念先生が書評を書かれています(同誌125頁)。


安念先生の書評より、以下、引用。

「憲法という科目の泣き所は、判例の過少(判例の絶対数ではなく、汎用性のある基準なり考え方なりを提示した判例の過少、というべきであろうが)と学説の過剰にあると思われる」


「最後に一つだけご垂教願いたい。本書(宍戸先生の本のこと-ESP補足)も『処分違憲』という言葉が使われているが、処分の(違法ではなくて)違憲というものをそもそも観念できるのであろうか。当該処分が、根拠法令その定める要件をすべて満足していてもなお『違憲』だということがあり得るのか、かりにあるとして、そうした処分はいかなる『瑕疵』を帯びるのか。折々考えてはいるのだが、馬鹿な考え休むに似たりで、さっぱりわからない。不敏な先輩を哀れに思って教えてもらえまいか」


処分違憲は確かによく分からない点もあり、悩みのタネの1つでもあります。また、印象論ですが、学者によってニュアンスが異なっているような気も。



憲法 解釈論の応用と展開 (法セミ LAW CLASS シリーズ )/宍戸 常寿
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最判平成23年06月07日
公にされている処分基準の適用関係を示さずにされた建築士法(平成18年法律第92号による改正前のもの)10条1項2号及び3号に基づく一級建築士免許取消処分が,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81379&hanreiKbn=02
 
判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110607135658.pdf
 
理由付記(の程度)に関する判例です。
ただし、2人の裁判官が多数意見に反対しています(正確には、那須裁判官の反対意見に岡部裁判官が同調)。
最判平成23年06月06日
公立高等学校の校長が同校の教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81378&hanreiKbn=02
 
判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110606165018.pdf
 
こちらも合憲判決ですが、宮川裁判官の反対意見が付されています。
宮川反対意見は、事実関係を子細に検討した上での判断ですが、本件が公立高等学校の教職員(公務員)の人権が問題になっている点が、看過されている点は疑問が残るところです。

本屋に並んでおりました。

冒頭には要件事実に関する基礎理論も書かれ、また、契約法と同様に、要件事実の表も掲載。

その他、法人法の改正にも対応しています。


山本敬三『民法講義1 総則[第3版]』(有斐閣、2011年)

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641135253


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「キリン フリー」の“新しい”楽しみ方はどれ? ブログネタ:「キリン フリー」の“新しい”楽しみ方はどれ? 参加中

私は暑い日のアウトドアでゴクゴク! 派!

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キリン フリーの“新しい”楽しみ方はどれ?
  • 朝から・昼間からスカ!っと
  • 明日に備える飲み会の後半に
  • 夏フェスなどのライブに
  • パソコンでブログ更新しながら
  • ママ友との集まりで息抜きに
  • 暑い日のアウトドアでゴクゴク!

気になる投票結果は!?

平成23年新司法試験論文式試験刑事系科目第2問について(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/content/000075091.pdf

私の知る限り、採点に影響するようなミスがあったのは、はじめてだと思います。


以下引用。


平成23年新司法試験論文式試験刑事系科目第2問について,問題文に不適切な点がありましたので,以下のとおりの取扱いとすることといたしました。

刑事系科目第2問の問題文においては,逮捕2(※)の逮捕者が司法警察員Pとなっていますが,同人が乙を現行犯逮捕した経緯についての情報が不足しており,また,そのため,逮捕者が万引きの現認者とは別人であるのか否かが読み取りにくい不適切な設問となってしまいました。採点に当たっては,逮捕者について,現認者と異なる司法警察員Pと読み取った者も,そうでない者も,いずれであっても,それぞれの事実を前提に適切な論述がなされているかどうかで評価します。


試験問題に不適切な点があったことを心からおわび申し上げます。


引用おわり。


※部分は、本来丸数字の2でしたが、一部機種での文字化け防止のため、ESPが書き換えました。


「新実例」というと、刑事訴訟法のイメージが強いのですが、刑法バージョンもあります。

実務的にも、新司法試験(司法研修所入所試験)的にも重要なテーマが多く取り上げられています。また全ての執筆者が裁判官です。

 

池田修=金山薫『新実例刑法 [各論]』(青林書院)

http://www.seirin.co.jp/bin/view/015422.html


1 メダルの不正取得と窃盗罪 (西田眞基)
2 窃盗罪における占有 (波床昌則)
3 親族相盗例 (佐々木一夫)
4 仮設店舗の改造と不動産侵奪罪 (田口直樹)
5 事後強盗罪における窃盗の機会 (後藤眞理子)
6 譲渡目的を秘した預金口座の開設,誤振込みと詐欺罪 (山田耕司)
7 クレジットカード等の不正使用 (登石郁朗)
8 2項詐欺における処分行為(無銭宿泊) (下津健司)
9 詐欺罪における不法領得の意思 (伊藤雅人)
10 不良貸付け等と横領・背任罪の成否 (山口裕之)
11 背任罪における図利加害目的 (芦澤政治)
12 背任罪におけるいわゆる外部共犯 (伊藤寛樹)
13 権利行使と恐喝罪 (川田宏一)
14 不動産の二重譲渡,抵当権設定 (藤井敏明)
15 横領罪と不法原因給付 (稗田雅洋)
16 盗品等に関する罪の諸類型 (近藤宏子)
17 玄関ドア等の損壊,外壁の落書きと建造物等損壊罪 (齋藤正人)
18 公務執行妨害罪における職務の適法性 (河原俊也)
19 虚偽の申立て等と競売入札妨害罪 (島田 一)
20 証拠隠滅・犯人蔵匿教唆 (伊藤 寿)
21 贈収賄罪における職務関連性 (岩倉広修)
22 過去の職務行為と贈収賄罪,没収・追徴額 (和田 真)
23 放火罪における現住性と公共の危険 (堀田眞哉)
24 文書のコピー,入試答案と文書偽造 (吉村典晃)
25 有形偽造の意義 (朝山芳史)
26 電磁的媒体とわいせつ物頒布等 (長井秀典)
27 被害者の行為と殺人罪 (大野勝則)
28 早すぎた結果の発生と殺人罪 (松田俊哉)
29 音の暴力と暴行・傷害罪 (大熊一之)
30 危険運転致死傷罪における赤色信号の殊更無視 (畑山 靖)
31 自動車運転過失致死傷罪と信頼の原則,胎児性傷害 (村越一浩)
32 保護責任者遺棄致死罪における保護義務 (松藤和博)
33 不法目的の立入りと住居侵入 (吉井隆平)
34 親権者による子の連れ去りと未成年者略取誘拐罪 (若園敦雄)
35 名誉毀損罪と事実の公共性,真実性の錯誤 (菊池則明)
36 公務と業務妨害罪 (小倉哲浩)

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ちなみに、総論はかなり前に刊行されています。


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