最判平成23年06月14日(第三小法廷)
裁判要旨
公立中学校の校長が同校の教諭に対し卒業式等の式典において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立して斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81409&hanreiKbn=02

 

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110614181231.pdf


補足意見が3人、反対意見が1人という構成です。


大谷裁判官の補足意見や、田原裁判官の反対意見は、ピアノ伴奏事件(最判平成19年2月27日。音楽の教員に対する君が代のピアノ伴奏命令)と、本件(教員への斉唱時の起立と斉唱命令)の違いが、説得的に説明されて、参考になります。ただし、事案が違うが、結果的に結論は変わらないとする大谷裁判官と、事案が違うので、本件は違憲の余地もあるとする田原裁判官で、結論が変わっているのは興味深いところです。


本件の起立・斉唱命令が制約になる理由、制約が認められる理由につき、詳細に分析されている意見もあります。事案分析や問題の考え方として参考になる部分があると思います。


日の丸・君が代の問題は、政治的な問題も含んでいるので、このまま新司法試験の論文試験で出題される可能性は低いと思います(短答試験ではあり得る)が、他方で、法科大学院入試や、法科大学院の期末試験・レポート課題などでは出題される可能性はあるでしょう。また、新司法試験の論文試験でも、事案こそ変われ、外部的行動の強制による思想良心の自由の制約について問い、この判決の理解を間接的に問う出題はあり得るかも知れません。