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霊能者なおこの事件ファイル5 第2話

 

の続きです

 

第1話はこちらから
霊能者なおこの事件ファイル5~光る足~①

 

 

 

 

 

林さんのご主人がお亡くなりになったことは

 

高木さんから送られてきた

 

一斉送信のメールで知りました

 

 

 

 

 

林さんのご主人とは、ご自宅で

 

「お邪魔しております」程度のご挨拶を

 

数回した程度の面識でしたが

 

お世話になっていることには変わりなく

 

林さんや高木さんのご様子も気になるので

 

葬儀に出席させて頂くことにしました

 

 

 

 

 

 

 

林さんのご主人は

 

会社を経営されていた方で

 

社葬になると伺ってはいましたが

 

2階建てのホールに

 

溢れんばかりの参列者を見ると

 

自分が場違いな所に来た気分で

 

あまり落ち着きませんでした

 

 

 

 

お焼香を待つ為に待機していた部屋には

 

大型モニターで、1階の様子が映し出され

 

自分の番が来るまでに1時間ほどかかりました

 

 

 

 

お焼香の時に、ご親族の席に目を向けると

 

林さんと高木さんが、涙ぐみながら

 

頭を下げてくださるのが見えました

 

 

 

特に林さんは、私を見た途端

 

はっ!とした表情になり、

 

白いハンカチで目頭をぐっと押さえたのが見え

 

それを見て、急に私も目の奥がツンとし、

 

お焼香しながらポロポロと涙がこぼれました

 

 

 

 

帰りの電車の中で、またいつか

 

林さんのお家に呼んでいただけるのだろうかと

 

思いながら、窓の外を眺めていましたが

 

それは、わりとすぐに現実のものとなり

 

葬儀から一週間後、私は林家に向かうために

 

同じ電車に乗っていました

 

 

 

 

約2週間ぶりに林家の前に立ち、

 

インターフォンを鳴らすと

 

返事よりも早く玄関が開き

 

お手伝いさんが出てきました

 

 

 

 

「こんにちは」とご挨拶をすると

 

「いつまでも暑いですね。」という返事があり

 

2週間ぶりのこの人は、気のせいか

 

やわらかい雰囲気になった様に感じました

 

 

 

 

玄関で靴を脱いでいるとき、

 

ふと気配を感じて顔をあげると

 

あの日見たのと同じ、光の玉が

 

ゆらゆらと廊下を進んでいるのが見えました

 

 

 

 

 

あれは、一体なに???

 

 

 

 

と、しばらく目で追っていると

 

こちらを見ているお手伝いさんの視線とぶつかり

 

その怪訝そうな表情から、あの光は

 

私にしか見えていないのだなと分かったので

 

目で追うのを止めました

 

 

image

 

 

 

8畳の部屋に行くと、林さんが

 

少し痩せた姿で、いつもの場所に座っておられ

 

「私、先生に会いたかったのよ」

 

とニッコリ笑ってくれました

 

 

 

 

施術をしながら

 

「お疲れになられたでしょう?」

 

と声をかけると、

 

「まだ慌ただしくて、悲しんでいる暇がないのよ」

 

とおっしゃいましたが、10分ほどして

 

温灸を始めると、スースーと寝息をたてて

 

眠ってしまわれました

 

 

 

 

林さんが眠ってしまわれると、あの光が

 

ふすまを通り抜けて8畳間に入って来て

 

まるで意思を持って動いているかのように

 

林さんの周りをゆらゆらと動き回りました

 

 

 

 

私は、あまり気にしないように

 

施術に集中するようにと

 

自分に言い聞かせながら鍼をしていましたが

 

高木さんがバタバタと廊下を進んでくる音で

 

ハッと我に返り、

 

もう一時間経ったのだと気が付きました

 

部屋の空気が変わり、光の玉は

 

どこへ行ったのか見えなくなりました

 

 

 

 

高木さんは、いつものように

 

早口のすごい勢いで話しかけてきましたが

 

内容は旦那さんや子ども達のことではなく、

 

急にお父様を亡くして動揺していることや、

 

私が亡くなったお父様の葬儀に参列した

 

ことに対するお礼でした

 

 

 

 

しばらくして高木さんの早口が止まり

 

はぁーっと長い溜息の後に

 

「ほんま、これからどうしょう。」

 

という言葉とともに、涙がどっと出てきて

 

私は慌てて自分のハンカチを差し出しました

 

 

 

 

高木さんは、声にならない声をあげて

 

泣いておられ、私は掛ける言葉もなく

 

じっとお側に座っていることしかできませんでした

 

 

 

すると、またあの光の玉が

 

ぼおーっと現れて、高木さんの周りを

 

ゆらゆらと旋回し始めました

 

 

 

 

この時、私の頭には、この光の玉は

 

きっと亡くなられた林さんの

 

ご主人の魂に違いない!

 

という根拠のない確信が湧いてきて

 

きっと残された奥様や娘さんの事がご心配で、

 

近くにおられるのだなと感じました

 

 

 

 

 

鍼灸の施術をしながら、

 

私はそれを、さり気なく

 

高木さんにお伝えしたかったのですが

 

見えていないものを見えると言って

 

怖がらせたくなくて、なんとも上手く

 

伝えられませんでした

 

 

 

 

お二人の施術が終わり、帰る時間になると

 

お手伝いさんが出てきて

 

「お気をつけて」

 

と言ってくれましたが、それは

 

このお家にお邪魔するようになってから

 

はじめてのことで、とても驚きましたが

 

あとから思い出すと、じんわりと嬉しく

 

わざと、あとから何度か思い出して楽しみました

 

 

 

 

この日も、高木さんは

 

ベンツで駅まで送ってくださり

 

駅につくと、毎回同じような時間で

 

きっと、だいたいのお家が

 

夕食の準備をしているような頃合いです

 

 

 

 

9月の初めで、まだまだ蒸し暑く

 

外も明るいので、まだお腹ペコペコ!

 

というわけではないのですが

 

この後も、出張施術の仕事が入っているときは

 

この駅の待合室で、パンをかじったり

 

おにぎりを食べたりしていました

 

 

 

だいたい帰るのは終電で

 

一日の終りのお客様は、

 

大阪方面の方が多かったので

 

近鉄電車に揺られ、大阪の夜景を

 

眺めながら帰るのが好きでしたが

 

この日もそんな日で、夜景を見ながら

 

「あの光の玉が魂だとしたら、

 

 これからどうなるんだろう。」

 

とぼんやり考えていました

 

 

 

 

いつまでもあの形で此処にとどまっていると

 

成仏できないということになりはしないか?

 

と心配になりましたが、私には分かるすべもなく

 

次の週に事件は起こるのでした

 

 

 

 

・・・続きはこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、突然我が家の寝室にカシエルが?! 龍を呼び起こす白い麒麟、索冥を追って はじめましての方へこれまでの私について 霊能者なおこの事件ファイル 江島直子著「鳳凰メソッド」サイン入りメッセージカード付き VenusWebShop 江島直子のオリジナルグッズを販売しております