クリーブランドクリニック 留学日記 -18ページ目

Timのこと

こちらでお世話になっているTimという脳波技師さんがいます。いつも脳波や誘発電位など困ったときはとても協力してくれる方です。Timはクリーブランドクリニックで20年以上働いている方で、ここの殆どなんでも知っています。今日も患者さんにベッドサイドで刺激の検査をしたのですが、風邪もまだ完全に治りきっていなく、ガラガラ声で本当に申し訳ないと思いながらも、長々2時間近くの検査に付き合ってくれました。お願いすると、いつも嫌な顔一つせず協力してくれます。彼のこういう態度には人間として本当に敬服します。彼は大変なゴルフ好きで、検査中(本当は無駄話はいけませんが)彼と、ゴルフやスキーの話で盛り上がりました。(こういう話でもしていないと彼に申し訳ないと思ってしまうんです。)
【JNS】
2010にあった、MCAの血管内治療についての論文です。日本では脳外科手術≒クリッピングという感じですが、こちらにきて驚いたのは、クリーブランドクリニックでは年間のクリッピングは20-30件だそうで、ほかの大部分は血管内治療です。通りでORでもクリッピングの手術を見なかったわけです。この論文は全MCAの動脈瘤の四分の三を血管内治療。その結果は80%以上良好だそうで、ビギナーにちょうどよかったMCAの動脈瘤もまもなく血管内になるのでしょうか?

Patients First

これほど難しい言葉はありません。一見当たり前のようなことですが、われわれが一生懸命治療にあたってもそれが患者の目標と一致するとも限りません。またわれわれ医師が正しいと思っていたとしても周囲の意見に流されてしまいそれが本当にPatients Firstなのかわからなくなってしまうときすらあります。こちらの病院では、全医師は胸にこのPatients Firstのバッジをつけているのですが、常にそれを自問自答し、患者から'胸にPatients Firstって書いてあるだろ?あんたのしていることはPatients Firstなのか?’っていわれないよう、治療に当たらねばなりません。

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【Epilepsy Discord】
フランスのKahaneが書いた、SEEGのてんかんの皮質概念の論文です。Ludersの提唱する5areaをSEEGに当てはめ記載してあります。概念的ではありますが、日頃のSEEGの脳波解析に役立ちそうな論文でした

脳波

今日は、朝から一日脳波を読みました。まだ自信がなく脳波当番に加われず、見習いをしているのですが、だんだん要領も得て、読影が早くなってきました。脳波を読み、レポートを書きます。ちょっとしたことなのですが、所見が足りないようだと外来の先生が来てご指摘を受けます。なかなか気が抜けません。読影には数ヶ月の赤ちゃんの脳波から、代謝性疾患の意識障害の患者まで非常に勉強になります。ようやく脳波をみているとその患者がどういう状態なのか繋がるようになって来ました。もちろんいままでも同じように読影していたのですが、その時々の状態を詳細にわかるようになってきました。ちょっと成長したかなって思った瞬間でした。

ピクニック

最近のクリーブランドは冬から一転して夏が来たような感じがします。昼はおそらく25度を越えてる感じがする。今日はおなじフェローたちに誘われクリーブランドより車で40分空港の近くのRocky Valley Metroparkにいきました。たまには外にでて太陽の日差しを浴びることも大切です。妙に体中より汗をかきました。たった40分で大自然と触れ合うことができます。乗馬をしている方がいたり、水遊びをしている方がいたりと思い思いの週末をみなさん楽しんでいるようでした。

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Insulectomy

脳には第5の脳葉と呼ばれる島回という場所があります。側頭葉と前頭葉に覆われているため、普通は表面から観察することはできません。今日の手術症例は、その島回部にてんかんの発作起始を持つ5歳の患者さんでした。型どおり側頭葉切除し、そのまま前頭弁蓋を切除し、島回部に入ります。島回の皮質には血管が豊富でやはり出血します。今日は難易度の高い手術で6時間ちかくかかりました。個人的には島回にはいるにはやはりシルビウス裂より進入したほうが早いんじゃないかなって思ってみてました。
【JNS】
今日はinsulectomyをみましたので、2009年の島回部てんかんの手術手技についての論文を読みました。モントリオールからの論文ですがやはりこちらもシルビウス裂より進入、しかしATLを行った場合、その切除断端より島回にはいるいいとも書いてありました。一般的な術後の一過性を含む麻痺の出現頻度は50%程度のようです。

今日のリサーチカンファ

毎週水曜日にはリサーチカンファレンスがあります。今日のリサーチカンファは、次世代のあらたな治療法についてクリニックとケース大学の共同研究についての発表がありました。脊髄損傷などで失われた手足の機能を再生させるものです。脊髄損傷の患者さんでは脳そのものは損傷を受けていません。その患者さんに脳波電極を埋め込み、脳波活動を拾い、それを電気信号に切り替え、手を動かす治療法です。いつだかテレビで失われた視力をあらたな眼鏡をかけることで見えないものが見えるというものを見たことがありますが、その運動機能版です。すでにサルでは十分検証され、次は人間で検証を行い始めているところだろうです。われわれが見ている脳波の活動からそのようなことまでできなんて夢のような話ですが、おそらくまもなく実用されるだろうとのこです。(これはアメリカのFDAもすでに認めたようです)

SEEG

こちらではてんかん焦点の決定のためSEEGという脳内電極を留置しています。昨年から導入したらしくまだ症例として36例とのころですが、オペ予定を見るとほぼ全症例SEEGによる評価にかわってきています。
クリーブランドといえばリューダース先生が確立した硬膜下電極による評価のメッカだっただけに残念に感じます。そして問題はSEEGの評価、これが難しい。今日のカンファでもみな思いつきにいろいろなことを言うので非常に混乱します。というのもSEEGというのは脳内の点の活動をみているため、その周辺の活動がわからない。しかも突然はなれたところにてんかん性活動が現れたりする。なんだかもぐらたたきをみているような感じです。本当にこれでいいのかな?と思いながら今日もカンファでしどろもどろになり発表しました。
【Neurosurg】
側頭葉てんかんのbasal temporal のconnectivityについての研究についての論文を読んだ。

帰り道

週末は天気が悪くどこも出かけませんでした。今日は午後になり少しお日様も出てきました。病院を出たのが午後6時でしたが、まだ日は昼の感じ、、、このまま家にかえっちゃもったいないと思い、クリーブランドの観光名所によって見ました。不隠なダウンタウンを抜けることおよそ30分、エリー湖岸にある公園に着きました。写真下、左手に見えるのがキータワー(キーバンクという銀行のタワー)、その右がロックの殿堂、その横がグレート・レイクス科学センターです。これらの博物館には一度もはいったことがないんです。
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こちらは、アメフトのスタジアムです。いつかいってみたいでーす。

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少しでしたが、ちょっと気分転換になりました。
【Nature neuroscience】
海馬のself-generated theta oscillationについての論文を読んだ。この海馬の中のintrinsic activityが続くことにより記憶の強化が起こるだろうとラットでの研究。フーンて感じの論文でした

論文採択

ようやく、論文がアクセプトされました。これは日本にいるときからずっと書き途中になっていてこちらにきて仕上げたものなのですが、ようやくマイナーチェンジをすれば採択してくれるとの返事が届き、今日は一日雨でしたので、一日中論文の仕上げをしていました。数年前に書いたケースレポートなのですが、しばらくお蔵入りしていまして、改めてみてみると査読者のいうとおりひどい内容だな~、査読者に申し訳ない気持ちになってきました。なんとかこの世の中にだしていただけるということでほんと感謝です。
【JNS】【Rhinology】など執筆論文に関する論文を数編読みました。

免疫力低下

今週はじめに風邪を引いたようだとブログに書きました。いったん週の半ばでよくなった傾向があったのですが、週末にきてまた調子が悪くなりました。今日も脳波を読みながらも完全魂は抜けていました。これではいけません。全身関節痛・倦怠感・咳と、もしや結核?などといろいろやばいことを考えてしまうわけですが、そんなことあるわけありません。おそらく年をとっていくと免疫力が明らかに若いころに比べ低下する。それが風邪を長引かしている原因でしょう。といって楽観的に考えています。