前回の記事

 

‐朝鮮民主主義人民共和国憲法を読む その1(1972年 第一章 1条~17条)‐

 

 

関係記事

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編13(韓国と北朝鮮の成立)‐

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編17(朝鮮戦争後の北朝鮮)‐

 

 

 

『朝鮮民主主義人民共和国国旗』

 

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第二章 経済

 

第一八条 朝鮮民主主義人民共和国で生産手段は、国家および協同団体の所有である。

 

第一九条 国家所有は、全人民の所有である。国家所有権の対象には制限がない。国のすべての天然資源、重要工場と企業所、港湾、銀行、交通運輸および通信機関は国家のみが所有する。国家所有は、朝鮮民主主義人民共和国の経済発展で主導的な役割を果たす。

 

第二〇条 協同団体の所有は、協同経営に含まれている勤労者の集団的所有である。土地、役畜、農機具、漁船、建物と中小工場、企業所は協同団体が所有しうる。国家は、協同団体の所有を法的に保護する。

 

第二一条 国家は社会主義的協同経営制度を強化し、発展させ、協同団体に入っている全成員の自発的意思に従って協同団体の所有を漸次全人民的所有に変える。

 

第二二条 個人所有は、勤労者の個人的消費のための所有である。勤労者の個人所有は、労働による社会主義分配と国家および社会の追加的恵沢からなる。協同農場員の住宅付属地経営をはじめ住民の個人副業経営でつくられる生産物も個人所有に属する。国家は勤労者の個人所有を法的に保護し、その相続権を保障する。

 

第二三条 国家は、人民の物質文化生活をたえまなく高めることをその活動の最高原則とする。朝鮮民主主義人民共和国でたえまなく増大する社会の物質的富は、全的に勤労者の福祉増進にあてられる。

 

第二四条 朝鮮民主主義人民共和国にきずかれた自立的民族経済の土台は、国の富強発展と人民生活向上の物質的保証である。朝鮮民主主義人民共和国では、工業化の歴史的課題が輝かしく実現された。国家は、工業化の成果を強化、発展させ、社会主義の物質的、技術的土台をいっそう強固にするためにたたかう。

 

第二五条 国家は技術革命を推進し、重労働と軽労働の差異、農業労働と工業労働の差異をなくし、勤労者を骨の折れる労働から解放し、肉体労働と精神労働の差異を漸次的にちぢめる。

 

第二六条 国家は、都市と農村の差異、労働者階級と農民の階級的差異をなくすために郡の役割を高め、農村にたいする指導と援助をつよめる。国家は、協同農場の生産施設と農村の文化住宅を国家負担で建設する。

 

第ニ七条 勤労大衆は、歴史の創造者であり、社会主義・共産主義は、数百万勤労大衆の創造的労働によって建設される。わが国の勤労者は、みなが労働に参加し、祖国と人民と自身のために自覚的熱意と創意性を発揮して働く。国家は、勤労者の政治、思想意識をたえまなく高めながら、労働の量と質による社会主義分配原則を正確に適用する。

 

第二八条 勤労者の一日の労働時間は八時間である。国家、労働の強度と特殊な条件に従って一日の労働時間をこれより短く適用する。国家は、労働組織を立派に行い、労働規律を強化して労働時間を完全に利用するようにする。

 

第二九条 朝鮮民主主義人民共和国で公民が労働する年齢は満十六歳からである。国家は、労働する年令に達しない少年の労働を禁止する。

 

第三〇条 国家は、生産者大衆の集団的力に依拠して経済を科学的、合理的に管理運営する先進的な社会主義経済管理形態である大安(テアン)の事業体系と、農業を企業的方法で指導する新しい農業指導体系によって国の経済を指導、管理する。

 

第三一条 朝鮮民主主義人民共和国の人民経済は、計画経済である。国家は、社会主義的経済発展の法則に従って蓄積と消費の均衡を正しくとり、経済建設を促進し、人民生活をたえまなく向上させ、国防力を強化しうるよう、人民経済発展計画を作成し実行する。国家は、計画の一元化、細部化方針を貫徹して生産成長の高いテンポと人民経済の均衡的発展を保障する。

 

第三二条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民経済発展計画にともなう国家予算を編成して執行する。国家は、すべての部門で増産と節約の闘争を強化し、財政統制を厳格に実施し、国家蓄積を系統的にふやし、社会主義的所有を拡大発展させる。

 

第三三条 国家は、古い社会の遺物である税金制度を完全になくす。

 

第三四条 朝鮮民主主義人民共和国において対外貿易は、国家が、または国家の監督のもとに行う。国家は、完全な平等と互恵の原則にもとづいて対外貿易を発展させる。国家は、自立的民族経済を保護するために関税政策を実施する。

 

時事通信社 『朝鮮要覧1973』現代朝鮮研究会 276~279頁より

 

 

・計画経済の崩壊 市場の「自由化」と「自力更生(チャリョッケンセン)」

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編14(朝鮮戦争が遂に勃発す)‐

 

朝鮮戦争の「焼け野原」のあと、北朝鮮は順調に発展を続けていたが、ソ連崩壊や数十年に渡るアメリカの制裁により、経済がかなり悪化した。

 

現地に親族をもつ、在日コリアンの友人の最新情報によると、今年のウリナラレポートについて、とにかく「貧富の格差がヤバい状態になっている」とのことでした。

 

単純にいうと、「持っている人は持っている」「持っていない人はとことん持っていない」。ちなみに、これは平壌内部における話であり、地方は筆舌しがたいほど苦しい状況なのは事実です。

 

続いて、1972年当時の憲法で書かれていたような、厳密な意味での「社会主義経済」はなくなり、自由市場の登場など、一部における「資本主義制度の導入」が行われています。

 

また北朝鮮には年金がなく、個々人の自助努力による資産形成は大変なものです。文字通り、在日コリアンを家族に持つひとは、その「持参金」が何よりの生命線である。

 

また、税金は今もないようですが、電気代はあり、近々水道料金の導入を巡って、平壌市民たちが「可決されれば生活が持たない」と、あちこちで嘆きの声が出ていると聞きます。

 

少なくとも、このままの状況では、仮に統一したとしても、東ドイツの例よろしく、経済の中心は韓国に偏り、人口もどっと南へ流入すると、現地の方々はおっしゃられていました。

 

これを防ぐためには、やはり「投資」でしかないでしょう。

 

幸い、北朝鮮には10兆ドル(1000兆円以上)相当の「地下資源」があるので、それを用いた様々な形での一発逆転は大いにあるでしょう。

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編5(豊富な経済資源①)‐

 

北朝鮮には10兆ドルの価値に相当する天然資源があるが、制裁のため、採掘したり輸出したりできず、東西両方に、その富を自分の懐に入れようと、平壌の機嫌を伺う有力な人々がいるのは確実だ。おそらく金の支持基盤は、これまでの(私の国ニュージーランドを含め)実に多くの国々同様、朝鮮民主主義人民共和国の主権放棄に同意し、圧力を和らげるため、一極の塊に加わるよう説得される可能性がある。

 

マスコミに載らない海外記事 

『マドゥロが勝利し、北朝鮮が核を保持するのを私が願っている理由』

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-633a.html

 

 

‐韓国への輸出規制・あいちトリエンナーレ・日本のオワコン等々‐

 

韓国の文在寅大統領ご自身も、自民族の統一をつよく願う愛国者の一人であり、南北朝鮮の「団結」は、もっとも現実的な「成長の道」です。

 

再び、北朝鮮のお話に戻りますが、5月の時期は、どんな業種に就く人でも、全員が田んぼへ行って「モネギ(田植え)」をするそうです。なので、日中のピョンヤン市街はガランとしていて、あまり人通りがありません。

 

これが所謂『自力更生(チャリョッケンセン)』の一環です。

 

 

<参考資料>

 

・時事通信社 『朝鮮要覧1973』現代朝鮮研究会

 

・2019年8月8日(木曜日) 『日刊ゲンダイ』記事

 

 

<ツイッター>

 

【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】

 

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