『朝鮮民主主義人民共和国国旗』

 

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今回の記事は、アーカイブス目的で作成します。

 

この中で、他国の憲法と比較して「優劣を決める」ことはしたくありません。それぞれの国が、幾多の状況歴史的経緯によってつくられたものですから、その主権を尊重して読む必要があります。

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編13(韓国と北朝鮮の成立)‐

 

 

【朝鮮民主主義人民共和国 社会主義憲法】

 

一九七二年一二月ニ七日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議・第五期第一回会議で採択、即日施行。

 

第一章 政治

 

第一条 朝鮮民主主義人民共和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。

 

第二条 朝鮮民主主義人民共和国は、労働者階級が指導する労農同盟にもとづいた全人民の政治、思想的統一と社会主義的生産関係と自立的民族経済の土台に依拠する。

 

第三条 朝鮮民主主義人民共和国は、帝国主義侵略者に反対し、祖国の解放と人民の自由と幸せのための栄えある革命闘争で打ち立てられた輝かしい伝統を革命的な政権である。

 

第四条 朝鮮民主主義人民共和国は、マルクス・レーニン主義をわが国の現実に創造的に適用した朝鮮労働党の主体(チュチェ)思想をその活動の指導的指針とする。

 

第五条 朝鮮民主主義人民共和国は、北半部で社会主義の完全な勝利を成就し、全国的範囲で外部勢力を退け、民主主義的基礎のうえで祖国を平和的に統一し、完全な民族的独立を達成するためにたたかう。

 

第六条 朝鮮民主主義人民共和国では、階級的対立と人間による人間のあらゆる搾取と圧迫が永遠に一掃された。国家は、搾取と圧迫から解放された労働者、農民、兵士、勤労知識人の利益を擁護し、保護する。

 

第七条 朝鮮民主主義人民共和国の主権は、労働者、農民、兵士、勤労知識人にある。勤労人民は、その代表機関である最高人民会議と地方各級人民会議をとおして主権を行使する。

 

第八条 郡人民会議から最高人民会議にいたるまでの各級主権機関は、一般的、平等的、直接的原則によって、秘密投票で選挙する。各級主権機関の代議員は、その活動にたいして選挙者の前に責任を負う。

 

第九条 朝鮮民主主義人民共和国のすべての国家機関は、民主主義中央集権制の原則によって組織され、運営される。

 

第一〇条 朝鮮民主主義人民共和国はプロレタリア独裁を実施し、階級路線と大衆路線を貫徹する。

 

第一一条 国家は、内外敵対分子の破壊策動から社会主義制度を防衛し、思想革命を強化し、前者かいを革命化、労働者階級化する。

 

第一二条 国家は、すべての活動で上部が下部を助け、大衆の意見を重んじ、政治活動、対人活動を先立たせ、大衆の自覚的熱意をよび起こす偉大な青山里(チョンサンリ)精神、青山里方法を貫徹する。

 

第一三条 朝鮮民主主義人民共和国で千里馬(チョンリマ)運動は、社会主義建設の総路線である。国家は、千里馬運動をたえまなく深め、発展させ、社会主義建設を最大限に促進する。

 

第一四条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的、全国家的防衛体系に依拠し、自衛的軍事路線を貫徹する。朝鮮民主主義人民共和国の武装力の使命は、労働者、労民をはじめ勤労人民の利益を守り、社会主義制度と革命の獲得物を防衛し、祖国の自由と独立と平和を守るにある。

 

第一五条 朝鮮民主主義人民共和国は、海外にいる朝鮮同胞の民主主義的民族権利と、国際法で公認された合法的権利を獲得する。

 

第一六条 朝鮮民主主義人民共和国は、対外関係で完全な平等権と自主権を行使する。国家は、わが国に友好的に接するすべての国々と完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉、互恵の原則に立って国家的および政治、経済、文化的関係を結ぶ。国家は、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則に立って社会主義国と団結し、帝国主義に反対する世界のすべての国の人民と団結し、かれらの民族解放闘争と革命闘争を積極的に支持、声援する。

 

第一七条 朝鮮民主主義人民共和国の法は、労働者、農民をはじめ勤労人民の意志と利益を反映しており、すべての国家機関、企業所、社会共同団体および公民によって自覚的に順守される。

 

時事通信社 『朝鮮要覧1973』現代朝鮮研究会 274~276頁より

 

 

・まず第一に「主権維持」

 

‐近くて遠い国 朝鮮 本編17(朝鮮戦争後の北朝鮮)‐

 

こちらの方で、北朝鮮の対外政策や内政ついてお話しましたが、かつて最大の「友邦国」であるソ連や中国との関係悪化も経験している。日本のように自国の主権を蔑ろにしてまでも「日米同盟ありき」の発想とは根本的に違う。

 

無論、その下地にあるのは近代の「植民地経験」「朝鮮戦争」にあるのだろう。

 

 

・具体的な政治について

 

また、北朝鮮については「独裁政治」と指摘される声があります。

 

実際それは確かでしょう。そもそも、同憲法第一〇条「プロレタリア独裁」と規定されています。しかし、その「良し悪し」について、私たちが批判することは出来ません。

 

その国で暮らしてもいないし、責任も負っていない上に、極めて脆弱な歴史的知識と、あまつさえ朝鮮半島に多大なる偏見と差別心を持つ日本人が、まともにこの問題を論じられるとは、到底思えないからです。

 

‐大日本帝国2.0を生きている私たち‐

 

まずは、そこをしっかり整えた上で、話をしなくてはいけない。

 

また他国へ過度に干渉することは、今のアメリカのように「民主主義ではない」との口実で、どれだけの侵略戦争を繰り返して来たのか。しかも、フタを開けてみれば、軍産複合体などの戦争利権によって「徹底運営」されている『民主主義の総本山』に、私自身は多大なる疑念を覚えている。

 

そもそも民主主義といえど、現状「さまざまなしがらみ」のなかで、腐敗し、劣化する中で、この制度を効果的に運営することは、究極的に、様々な高度な知見を有する「専門家集団」になることが必須でしょう。

 

まあ、自分なりに「合格ライン」を決めるとするなら、普遍言語である英語を駆使し、世界のあらゆる情報を偏りなく渉猟し、浩瀚な歴史的知識と文化的知見を蓄え、さらに当事者たちの声を聴く力や、物事の本質を瞬時に理解する力が求められる。

 

これが私が理解する「民主主義を100%運用する」ためのハードルで、自分自身、まっさきにパージされるでしょうね(笑)

 

まあ難しいですよ、ほんと。

 

そう考えると、もっとも優れた指導者に政治を任せて「実際それで良くなるのなら」、たとえば国の主権を守ったり、売国的な政治家を追い出して、その国で暮らす全ての人々を幸せにできるのなら、結果的に良いのではないかと、個人的には思ってしまいます(もちろん後々考えは変わるかもしれない)。

 

結局のところ、まだまだ答えは見つかりません。

 

 

<参考資料>

 

・時事通信社 『朝鮮要覧1973』現代朝鮮研究会

 

 

<ツイッター>

 

【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】

 

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