【シリーズ記事】
‐【追記】画像で振り返る2019年朝米首脳会談(2回目) その2‐
‐【追記】画像で振り返る2019年朝米首脳会談(2回目) その3‐
2019年2月28日 『テレビ朝日』報道より
【売女メディア二紙の反応】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙
「トランプ大統領は北朝鮮の独裁者と『素晴らしい関係』だと語った」
ワシントン・ポスト紙
「トランプ大統領が冷酷な独裁主義者を『私の友達』と呼び2日間の各サミットが開幕した」
※『売女メディア』
『軍産の世界支配を壊すトランプ』
2018年7月24日 田中 宇 (一部引用)
http://tanakanews.com/180724trump.htm
昨今の国際情勢は、「軍産複合体」(深奥国家、軍産)の存在が見えていないと理解できない。軍産は、米国の諜報界を中心とする「スパイ網」で、第2次大戦後、米政界やマスコミ、学術界、同盟諸国の上層部に根を張り、冷戦構造やテロ戦争(第2冷戦)の世界体制を作って米国の覇権体制を維持してきた。米国の諜報界は、第2次大戦中に英国(MI6)の肝いりで創設され、当初から英国に傀儡化・入り込まれている。英国は冷戦終結まで、英米間の諜報界の相互乗り入れ体制を使い、軍産の黒幕として機能し、英国が間接的に米国覇権を動かしてきた。911後、英国の代わりに、中東情勢に詳しいイスラエルが軍産の黒幕となった。 (覇権の起源)
トランプは、軍産の支配構造・覇権体制を壊す戦略を、相次いで展開している。首脳会談による北朝鮮やロシアとの敵対の解消、同盟諸国の少ない軍事費負担を口実にNATOを脱退しようとする動き、関税引き上げの貿易戦争によって同盟諸国との関係を意図的に悪くする策、NAFTAやTPPからの離脱など、トランプの軍産破壊・覇権放棄戦略は、安保と経済の両面にわたっている。米国の上層部には軍産支配を好まない勢力も冷戦時代からいたようで、これまで軍産の戦略が失敗するたびに、失敗からの回復を口実に、軍産の支配体制を壊そうとする動きが起きた。ベトナム戦争後の米中和解、その後の米ソ和解(冷戦終結)などがそうだ。911以来のテロ戦争が失敗した後に出てきた今のトランプも、その流れの中にいる。 (ニクソン、レーガン、そしてトランプ)
(・・・・・・)
逆張り手法のひとつは「過剰敵視策」で、中露イランなどの非米諸国をことさら敵視し、非米諸国が団結して自分たちを強化し、米国の覇権外に新たな国際秩序(地域覇権体制)を作るように仕向け、この新たな非米的国際体制の地域に対する覇権が、米国の手から離れていくようにするやり方だ。01年の911事件で軍産が米国の政権を再掌握したことを受け、中露の結束が強まり、上海協力機構やBRICSなどが、非米諸国のゆるやかな同盟体として立ち上がった。 (中露を強化し続ける米国の反中露策)
逆張り手法のもうひとつは「再建押し付け策」で、米国が中東などで間抜けな戦争を起こして泥沼化して失敗し、その後始末と国家再建をロシアやイランなど非米諸国に任せ、その地域をロシアやイランの覇権下に押しやる方法だ。この手法は、米国の軍事占領の失敗とともにイランの傘下に入ったイラク、軍産がISアルカイダにやらせた内戦が失敗した後でロシアとイランの傘下に入ったシリア、軍産が扇動して核武装させた後、中国の傘下に押しやられた「6か国協議」以来の北朝鮮などで行われてきた。最近では、軍事政権復活後に情勢不安定が続くエジプトや、その隣国で軍産に政権転覆させられ失敗国家になっているリビアも、ロシアに再建が任されている。イスラエルの安全保障もロシアに任された。ロシアは中東の覇権国になっている。 (北朝鮮を中韓露に任せるトランプ)
(・・・・・・)
米朝と米露の首脳会談は、軍産によって悪い印象を塗りたくられたが、トランプが北やロシアの首脳と個人的に親密な関係を構築して敵対を減らしたことは生きている。米朝関係の改善とともに、韓国が北との関係を強化し、中国は北への経済制裁を隠然と解除した。トランプがいる限り、軍産が邪魔しても、米朝関係は「味方でないが敵でもない」状態が続き、そのすきに韓国中国ロシアが、北を非米側の経済圏に取り込み、北が経済的に安定し、南北の和解が進んで、核問題を棚上げした状態で、実質的な朝鮮半島の和平が米国抜きで進む。日本は、北と和解しないなら、東アジアの新秩序の中で孤立していく。
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国内メディアの報道は以上です。
では次に、今回の朝米合意に至らなかったニュースについて、3月1日の韓国メディアはどう報じているのか。
[2차 북미정상회담] 북미정상회담 왜 결렬된 거야????? / 스브스뉴스
[二次 北美(朝米)米首脳会談] 北美(朝米)首脳会談 なぜ決裂したのか?????/スブスニュース
스브스뉴스 SUBUSU NEWS
https://www.youtube.com/watch?v=mg9y4dl4BrQ
順序通り訳すとこうなります。
북한과 미국은 어떤 부분에서 협상을 하지 못했던 것일까요?
まず動画説明欄(2019/03/01 に公開)にて、「北韓(北朝鮮)と美国(アメリカ)は、どのような部分で交渉が決裂してしまったのか?」というポイントで、ニュースは進行します。
本編は、昨日[現地時刻]午前9時ハノイにて。
(歴史的な2度目の朝米首脳会談に)ときめくハノイの朝、(二人のトップ関係は)順調な様子。
金正恩委員長「私の直観でみたら、良い結果が出ると思います」
トランプ大統領「金委員長をとても尊敬していると述べたいです」
しかし・・・
SBSニュース速報『AP“合意出来ず...”今後会うことに』
Q.北韓(北朝鮮)が制裁すべてを解除してほしいとしたことは?
トランプ大統領「(北朝鮮が)制裁すべてを緩和してほしいと要求したが、こちらとしては応じることは出来ませんでした」
Q.しかし寧辺核施設以外にも(同様の施設が)もっとあるという・・・
トランプ大統領「寧辺核施設以外に出てきていないもの、うち発見された施設もあります。(つまり)人々がわからない施設があったことです」
それが解決されない限り、(合意は)無理無理ということがアメリカの主張。
では北韓(北朝鮮)はなんて?
李外相「私たちは制裁の全面解除を求めたのではなく、経済関連の“部分緩和”を主張したのであり、寧辺周辺核施設もすべて廃棄することができると述べました。しかしアメリカがそれ以上の事柄を要求してきたので、このような結果に至りました」
二者の立場は何が違うのか?
・トランプ大統領は完全なる非核化と(米朝間の)全面的な関係改善
・金正恩委員長は段階的な非核化と(同)関係改善
※英語のスラングは専門外なので翻訳対象外です
そして今アメリカでは、北美(朝米)会談よりも、トランプ氏の「各種スキャンダル(ロシアゲート問題など)」が取り沙汰されている現状。
では今後(朝米関係は)どうなるのか?
今回の決裂により、北美(朝米)非核化交渉の展望が、以前より暗くなったのは事実だ。
しかし北韓(北朝鮮)朝鮮中央通信が、ポジティブに生産的な対話を継続していくことを発表し、最初から対話のキッカケがなくったわけではないみたいだ!
(朝米の)その間にいる韓国の役割が、さらに重要視されるのではないか?
早く(朝鮮半島と北東アジアに)平和が訪れれば良いな~~
<参考資料>
・2019年2月28日 『テレビ朝日』報道
・田中 宇 『軍産の世界支配を壊すトランプ』 2018年7月24日 記事
http://tanakanews.com/180724trump.htm
・Youtube動画 『[2차 북미정상회담] 북미정상회담 왜 결렬된 거야????? / 스브스뉴스』
https://www.youtube.com/watch?v=mg9y4dl4BrQ
・友人の翻訳協力
<ツイッター>
【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】
https://twitter.com/XMfD0NhYN3uf6As
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