前回の記事

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その10(中国「侵略者論」の矛盾が意味するもの)‐

 

 

こちらも去年の夏ごろから続く、長い長いシリーズ記事でしたが、ようやく終わりを迎えます。

 

また後に補足記事もあるので、厳密に言えば、もう少しつづきます。

 

 

先の記事につづき、アメリカの国際社会における独善的な態度や、その横暴に対する矛盾不満が、国連総会での支持率や、アジア有力国のインドネシアの提案含め、そうした歴史における重要な出来事について、韓国国民は、その国際的条件の「変化」を通じ、可能性を見出して、主体的に情勢を革新する決意をもって、統一運動を進めていました。

 

ひるがえって、日本の立場はどうでしょうか。

 

1960年、日米安保条約改定(新安保条約)のとき、安倍氏の祖父である岸内閣は、「北朝鮮を日本の自衛隊出動区域に含めていること」を国会で答弁しました。

 

それが『第三次防衛計画』です。

 

これについては、後の補足記事で詳しく叙述していきますが、いわゆる「図上作戦の極秘資料」で明らかになります。

 

そのような安保条約の解釈は、アメリカ軍の北朝鮮侵略を許した1950年10月7日『国連総会決議』に見合っています。しかもこの決議は、日本政府が日韓会談の「根拠」と称している1948年12月12日『国連総会決議』と不可分なものとなっていて、つまるところ、この決議を承認し、それにもとづく『参戦諸国共同決議案(米・国連軍側)』に賛成しているかぎり、日本は「国連決議」と「日米安保条約」によって、侵略的な核戦争に突入する危機に絶えず晒されていることになります。

 

ところが、日本政府は、未だに占領時代朝鮮戦争時代「習性」から抜け出せず、それに最近(参考書の時代では1960年代)は、自己の侵略性も追加して、国連では、この決議に対してアメリカを代弁するような激しい翼賛演説をおこない、賛成票を投ずることを繰り返しています。

 

本来の、日本国民の主権と安全を無視した、このような日本政府の国際外交舞台における「好戦主義」に対し、国民は速やかに是正させることが、日本の利益なのです。

 

しかしながら、未だかつて、国内におけるアメリカ政府と日本政府、さらに国連を含めた、このような侵略的な国際活動を、一度も非難したことのない日本の野党や民主団体についても、怠慢を反省しなければなりません。

 

その国連決議が、日韓会談の「法的根拠」に使われており、朝鮮統一を日本が積極的に妨害していると、韓国民衆から強い批判を受ける理由にもなっています。

 

こうしてみると、中国の核実験━国際地位の向上を、朝鮮国民の主体的な統一のための「千載一遇の好機」を生み出す与件としてとらえた、『朝鮮日報』社説の正しさは明らかであり、その主張を支えている民衆の統一運動の意気込みの凄まじさは、眼に見えるようにあざやかでした。

 

 

さて、いよいよ南北朝鮮が統一する場合「社会体制の等質化」にはしばらく時間を要するにしても、対外関係においては、南北共通の全朝鮮を代表する機関がまず成立するものとすれば、その構想に対する日本の立場はおのずと明らかでしょう。

 

その中で、日本がやるべきことは以下の通りです(すでに達成されたもの含む)。

 

①日本は、まず国民的利益にもとづいて、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカの植民地解放闘争との連帯を強化し、日中国交を回復すること。

 

②国連における中国の正当な代表権を回復させ、台湾問題に対する米・日帝国主義と国連の干渉をやめさせ、国連の『朝鮮戦争参戦諸国共同決議案』に強く抗議して、これを廃止させること。

 

③『国連朝鮮統一復興委員会』の解体と、アメリカ製「国連軍」の韓国撤退を実現させ、『日米安保体制』の解体、および沖縄の日本復帰・在日米軍基地の即時撤廃を実施すること。

 

 

以下の三つの条件によって、それが朝鮮自主統一への情勢を作り出す重要は「与件」となります。なぜなら、アメリカの韓国支配にとっては、当時から日本政府の「協力」が不可欠なものとなりつつあったので、日本の平和的自主性の確立が、アメリカの政策を崩す重要なポイントとなるからです。

 

日本は、『第三次防衛計画』「図上作戦」を現実化するような日韓会談即時中止し、請求権問題や、在日朝鮮人の法的地位、漁業ライン問題のような日本と全朝鮮間の懸念解決は、南北朝鮮を代表する機関との間でおこなうべきなのです。

 

もちろん、これを「三者会談(日・朝・韓)」として要求することもよく、朝鮮民衆からすれば、これは『民族共通の課題』のもっとも基礎的な部分の一つを解決することですから、「三者会談」そのものが、南北統一への手がかりとなりうるでしょう。

 

こうしてこそや、日本は統一朝鮮と国交を合理的に樹立することができ、日中国交回復の場合と同じく、日朝不可侵条約を結び、南北朝鮮観の平和協定・軍縮を支持して、日本自身の軍縮も行い、統一朝鮮の自力経済建設に応じて、平和五原則にもとづく互恵平等の交流をおこなうことができると、参考図書は綴られていました(1964年12月)。

 

 

それから半世紀以上が過ぎた現代では、歴史上初の朝米首脳会談が実現をし、朝鮮半島の非核化含め、物事を大きく前進しつつある中、過去の歴史書の方法論ふくめ、多種多様な政策でもって、朝鮮の自主統一に力添えをすること、またそうした流れを通じて、アジアとの信頼と連帯を回復し、「軍事力による平和」ではなく、真の意味での、東アジア地域における、恒久的な平和への貢献となるのです。

 

 

<参考資料>

 

・『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房

 

 

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