昨日12日、上方落語の重鎮、桂ざこばさんがお亡くなりになられました。

私、ざこば師匠とは直接お会いした事はございませんが、
少なからずのご縁がございました。


ざこば師匠の娘さんで女優の関口まいさんとは2005年11月松竹座、
12月新橋演舞場と2ヶ月にわたり藤山直美さんのスーパー喜劇
『たぬき御殿』でご一緒させて頂きました。

この時は私はまだ市川延夫の名前でして、昔ご一緒した大平サブローさん

連絡を取りたくなりました。

ざこば師匠とサブローさんが関西のテレビ番組で一緒に出ておられたのを見て
関口まいさんとのご縁もあり、図々しくもざこば師匠宛にお手紙を書かせて頂き
送らせて頂きました。

内容は「大平サブローさんに連絡をさせて頂きたいのですが、

今の連絡先を存じ上げません もしお差支えなければ事情をお伝え下さり、

私の連絡先へご連絡頂けないかと思いお手紙を差し上げました。」

とこのような内容だったと思います。

数日してサブローさんから私に電話を頂き、後日晴れて再会を果たしました。

ざこば師匠がサブローさんとの間をとりもって下さったのです。


そしてサブローさんは猿三郎襲名の当時の『ヤマトタケル』を松竹座まで見に来て下さり
その後もサブローさんとは親交を深めさせて頂いております。


その時の私の厚かましいお願いを聞き届けて下さり、サブローさんと連絡を取れた事
ざこば師匠には感謝しかございません

ですが、ざこば師匠にはお礼の言葉も伝えられておりませんでした。
昨日、ざこば師匠の訃報をテレビで知りました。

あの時なんとかざこば師匠にお会いすべきだったと悔やまれてなりません

ざこば師匠、その節は大変お世話になりました。
ありがとうございました。


謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

                   市川 猿三郎