松竹座の初日からもう6日目です。 


でも 私たち 役者にとって 一番きつい時であります。
博多座が終わり 松竹座に来て 前のテンションを下げないように 
頑張っている 自分達ではありますが ここに来て 自分自身で「きついなあ」と
わかってしまう事が辛いのです。


東京を離れ、博多座から2ヶ月目の やっても、やっても終わらない このパターン 
自分に言い聞かせながら 足元のひとつひとつ 先を見ないで 充実して踏み越えていくこと。


でも今月は 折り返し地点を過ぎ 私自身 地元大阪  皆さんが喜んでくださる。

楽な舞台・・・・ こう思った 二日間あたり 自分に慣れが生じているのでしょうか?


初日あたりは 気力もあったつもりですが ここ最近は自分の中に 
気楽さが浮きあがって来ていたかも知れません 

お客様は シビアです 増して今日は昼の部 1階席に 女子高生の団体が 
上手客席を占めておりました。 


これは楽かな と考え始めた 楽なやり方  尾張の国造  反応がありません
 

受け狙いに走ったしまったのです。 微妙なところで もちろんお客様は そんなことは分りません

普通に間をおいて いつもの通りにすれば お客様は沸いたかも 知れません

でも もっと受けてやろうと思った自分のやり方が 逆にお客様に受けなかった・・・・

台詞は一緒 お芝居も一緒 でもここに自分の慢心 ・・・



アッ・・・ と 舞台で 思いました・・・ 私自身 平常心でなかったのですね

客席の3分の1が 女子高生 何をやってもうける 

なんか自分の中にいつもの自分でない 自分が居たのでしょう・・・


セリで下がった後 振り返りました 自分を


今日の昼の部 実は 私 大変な方を ご招待しておりました。


私の大親友 大平サブローさん

女子高生ではなく この人に焦点を合わせてしまっていた自分が居りました。(大反省)


昼の部 終演後に 楽屋にお見えになり 「いやあ すごい感動しました・・・」

と云う お芝居の感想の中に ちらり 「ここでもっと お客様の反応があっていい場所で 
お客様 皆様 抑えていらっしゃいましたね。 お客様 楽しみ方をご存じないのかな?」


と云う言葉に しまった と思いました・・ 

彼は分っている 「笑いを 私に焦点を合わせてしまいましたね」って・・・

もっとも 彼はそんなことは云いませんが 
私が逆に「3分の1 女子高生が御覧になって居たので」と
負け惜しみ的な事を云ってしまいしまた。 

この時点で 私の負けですね。 


舞台と言うのは 厳しいものです 一期一会 笑いの頂点と云う彼が 見にきてくれた。
 
今日と云う日の舞台は 2度目はないかも知れませんが 彼が来てくれたことに 
またいい教訓を教えて貰いました。 

19日 もう一度 再会を約束して 今日は分かれましたが 
私の猿三郎襲名を 喜んで駆けつけてくれた一人ではあります。 
ありがとう これからもよろしく


その時に もう一度 彼の笑いの極意を聞かせてもらいたいと思います。